たのしい教育研究所〈おすすめ植物本〉「おきなわ野山の花さんぽ」ボーダーインク

 たのしい教育研究所でも植物の魅力を伝える教材をいろいろそろえています。〈オキナワ ウラジロガシ〉〈マメ科の大きな実 モダマ〉〈モンシロチョウの食草〉<キッチンのたね>などなど、おそらくこのサイトでもいくつ紹介してきたと思います。

 そういう中で現在進行形で教材作りがすすんでいるのが〈おきなわ花カレンダー〉です。うれしいことに完成前から、いろいろな先生たちが心待ちにしてくれています。その作成で研究所にはたくさんの植物本が並んでいて、一ヶ所に集めると厚さは1m50cmくらい、小学生の身長ほどになります。

 それらの中から〈もっともたくさん開いた本〉が「おきなわ野山の花さんぽ(ボーダーインク1700円+Tax)」です。

 収録された植物の数でいえば他に優れたものが数々ありますし、詳しい解説などが加えられた図鑑、個性的な配列を工夫した植物本などは数々あります。
 しかし〈沖縄で身近にみることができる植物〉をそろえた、という視点で選べば今のところ、この本が一押しです。

 掲載された植物は多からず、かといって少なからず〈よい加減〉のボリュームで、作者 安里肇栄(あさと ちょうえい)さんと編集者の企画がうまくマッチした優れものです。

 書店で数ある植物の本をいくつかながめてみただけで、「これがいい!」と見分けることは難しので、研究所には「おすすめの植物の本はありませんか」という問い合わせがくることもあります。そういう皆さんは「まずはこの一冊を買っておくとよいですよ」とすすめている本です。

 身近な植物を見て「これはなんだろう?」と思った時、手近においてパラパラめくる。すると、その植物にたどりつくことができる可能性が高い本だと思ってよいと思います。この本をきっかけに、もっと詳しく書かれた本が欲しい、と思ったらそれを手にしてください。

 とりあえず学校図書館には入れてもらって、給料日には〈映画を一本観た〉という気になって、あるいは〈焼肉食べ放題〉に行った気になって、自分でも手に入れておくことをおすすめします。明日土曜日は研究所に若い先生たちが何人もやってきます。その先生たちにもおすすめしようと思っています。1日1度のここの「いいね」クリックで〈たのしい教育〉を広げませんか➡︎ いいねクリック=人気ブログ!=ジャンプ先でもワンクリックお願いします!

 

 

カール・セーガンの言葉たち Pale blue dot./たのしい英語教育の教材としても

 大好きなカール・セーガンの話に入る前に、前々回の「ゆとり教育と円周率」について。記事の反響はまだ続いていて、いろいろな質問が届いています。わたしにとってはごく当たり前のことだったのでサ イトに書くのも今頃になってしまいましたが「円周率を3として計算することの素晴らしさ」そのものは、教師になって数年御、高学年をもたせてもらったとき に始まっています。もう二十数年前からのことになります。

 この反響からすると、おそらくいろいろな方達が興味を持ってくれると予想できるので、可能な方はぜひ周りの方達に「この記事面白いよ」と伝えて読んでもらうことを提案します。もしかすると「だからゆとり教育はダメなんだ」という意見もあるかもしれませんが、中には子ども達と同じ様な感覚で「おもしろいね」と言ってくれるが出てくるでしょう。そうやって、地道にですけど確実に「たのしい教育」が広まっていくのだと思っています。可能な方はぜひお願いいたします。

 さて今回は、わたしの発想法を語る時に重要な人物、カール・セーガンについて書きたいと思います。

 わたしはカール・セーガンからとてもたくさんの影響を受けています。
 彼が綴った本を繰り返し繰り返し読みましたし、同じ本を何冊も持っています。
 地球の生き物や大地の美しさ素晴らしさは星野道夫から学び、星としての素晴らしさはカール・セーガンから学びました。

 セーガンは宇宙科学で有名です。
 彼が一般の人達に向けて作成したTV番組に「コスモス」があります。レンタル屋さんでは見たことがないのですが、DVDは販売されています。
 名作です。
 教師時代に、教材として購入してたくさんの子どもたちに観てもらいました。
※わたしが購入した頃は2万円を超えていたのですけど、かなり安くなっていて、DVD7枚パッケージで、書いている今現在で1万円を切っています。日本語字幕もついています。

 

 その中の一部、しかもとても感動的な部分がyoutubeで視聴できます。
 それが  Pale blue dot. です。

%e3%82%ab%e3%83%bc%e3%83%ab%e3%83%bb%e3%82%bb%e3%83%bc%e3%82%ab%e3%82%99%e3%83%b3%e3%81%ae%e8%a8%80%e8%91%89%e3%81%9f%e3%81%a1 Pale(淡き) blue(青き) dot(点).

 地球のことです。

 セーガンの本のタイトルにもなっています。

 観測の役割を終えた探査機ボイジャーが太陽系の端に到達しようとする時、NASAのボイジャーミッションにも関わっていたセーガンが「ボイジャーを地球の向きに回転させて、写真を撮ってもらおう」と提案しました。

 遠く離れた探査機にうまく命令を伝えられるか。無理な体勢変換で、その後、太陽系を無事飛び出ると期待している流れに影響がでないか。そもそも地球が写るのか?
 いろいろな反論があったでしょう。
 しかしNASAは最終的にセーガンの提案を受け入れボイジャーのカメラを地球に向けました、さすがです。

 セーガン自身がその画像を感動的な言葉で伝えてくれています。
 ぜひごらんください。ほんの3分少しの時間です。

 動画を見るのが難しい方もいるかもしれません、ボイジャーが振り向いて撮った写真も載せておきます。この右側の茶色の帯の中ほどやや下がわにある点が地球、Pale blue dot. です。

wikipediaに感謝して

 

この距離から見ると、地球というものは、さして興味深い場所には見えない。
しかし、私たちにとっては違う。
この点をよく見てほしい。
あれがここだ。
あれが故郷だ。
あれが私たちだ。

ここにすべての人が住んでいる。

愛する人も、知人も、友達も
いままでに存在したすべての人が、
みなここで人生を送っている。

喜びも悲しみも、自信たっぷりの幾多の宗教も
政治思想も、経済主義も、
すべての狩人も、牧人も、英雄も、
卑怯者も、文明の創設者も、破壊者も、
すべての王様も、農民も、
愛し合う夫婦も、すべての父と母、
希望にみちた 子ども、
発明家、そして探検家、
道徳を教える先生も、腐敗した政治家も、
スーパースターも、偉大な指導者も、すべての聖者も、
罪人も、人類の歴史上すべての 人が、ここに住んでいる。

太陽の光照らされた、塵にもひとしいこの場所に。

地球は、とても小さな舞台だ。
広漠とした宇宙の中では…

 

考えてみてほしい。


すべての将軍や皇帝が、勝利と栄光の名のもとに
流した血の河を。
この点の、そのまたごく一部の、
つかの間の支配者となるために。

考えてみてほしい。

この点の片隅にいる住人が、
別の隅にいる ほとんど見分けのつかない住人にたいして、
どれほど残虐な仕打ちをしてきたのかを。
どれほど多くの誤解があることか。
どれほど熱心に、人は殺し合うことか。
どれほどの激しい憎しみがあることか。

私たちの気どった態度、思いこみによる自惚れ、
自分たちは特別なんだという幻想。
この青白い点はそのことを教えてくれる。

私たちの惑星はこの漆黒の闇に囲まれた、
ひとかけらの孤独な泡にすぎない。

この広漠とした宇宙では、私たちは名もない存在だ。

他に助けてくれる人はいない、私たち自身をのぞいては。

地球は、現在までに知られている生命をはぐくむ
唯一の星だ。

すくなくとも近い将来、
ほかに人類が移住できるような場所は存在しない。

行くことはできるか?
たぶん。
住むことはできるか?
いや、まだ。

好き嫌いにかかわらず
いまのところ地球が私たちの住む場所だ

天文学は、人を謙虚にし、

身のほどをわからせる学問だという。
人間の思い上がりを示すのに、

これほどふさわしい例もないだろう。
私たちのちっぽけな世界を、

はるか彼方からみた景色ほどには。

 

私にとって、この映像は

私たちの責任を表しているように見える。
もっとお互いに気を配り、

この青白い点を大切にするとい う責任を。

私たちの知っている、ただ一つの故郷を。

“想像力なくしては、私たちはどこへも行けない”

カール・セーガン(1938~1996)

 

 アナウンサーではありませんが、カール・セーガンの言葉は聞きやすくて、英語の教材にもなると思います。
 残念ながら中学生に英語を教えるという機会はまだありませんが、わたしなら、この3分ほどの教材を英語に使います。きっと子ども達も、この言葉のどれかに感銘をうけて、そのフレーズを覚えてくれるのではないかと思います。

 興味のある方のために、英文も載せておきます。

From this distant vantage point,

the Earth might not seem of any particular interest.

But for us, it’s different.

Consider again that dot.

That’s here, that’s home, that’s us.

On it everyone you love, everyone you know,

everyone you ever heard of,

every human being who ever was, lived out their lives.

The aggregate of our joy and suffering,

thousands of confident religions, ideologies,

and economic doctrines, every hunter and forager,

every hero and coward, every creator

and destroyer of civilization, every king and peasant,

every young couple in love, every mother and father, hopeful child, inventor and explorer,

every teacher of morals, every corrupt politician,

every “superstar,” every “supreme leader,” every saint and sinner in the history of our species lived there

—on the mote of dust suspended in a sunbeam.

 

The Earth is a very small stage in a vast cosmic arena. Think of the rivers of blood spilled by all those generals

and emperors so that, in glory and triumph,

they could become the momentary masters

of a fraction of a dot.

Think of the endless cruelties visited

by the inhabitants of one corner of this pixel

on the scarcely distinguishable inhabitants

of some other corner, how frequent their misunderstandings, how eager they are to kill one another, how fervent their hatreds.

Our posturings, our imagined self-importance,

the delusion that we have some privileged position

in the Universe,

are challenged by this point of pale light.

Our planet is a lonely speck in the great enveloping

cosmic dark.

In our obscurity, in all this vastness,

there is no hint that help will come from

elsewhere to save us from ourselves.

The Earth is the only world known so far to harbor life. There is nowhere else, at least in the near future, to which our species could migrate. Visit, yes. Settle, not yet. Like it or not, for the moment the Earth is where we make our stand.

It has been said that astronomy is a humbling

and character-building experience.

There is perhaps no better demonstration

of the folly of human conceits than this distant image

of our tiny world.

To me, it underscores our responsibility

to deal more kindly with one another,

and to preserve and cherish the pale blue dot,

the only home we’ve ever known.

–Carl Sagan, Pale Blue Dot, 1994

たのしい教育は感動を伝える教育です。
日々元気に活動する「たのしい教育研究所」です。

① 毎日1回の〈いいね〉クリックで「たの研」がもっと強くなる!⬅︎応援クリック

② たのしい教育を本格的に学ぶ〈たのしい教育メールマガジン-週刊有料を購読しませんか! たのしい教育の実践方法から発想法、映画の章ほか充実した内容です。講座・教材等の割引もあります(紹介サイトが開きます)

③ 応援として〈SNSや口コミ〉でこのサイトを広げていただければ幸いです!

たのしい教育研究所の夏の講座 自由研究・教材研究・親子でたのしく2016.8.6(土)

夏休みの親子・先生方への講座の開催が決定しました。案内リーフを掲載します。
夏休みの自由研究、子どもとのたのしい1日、二学期の教材研究といろいろなたのしみかたができます。
人数に限りがあります、ご希望の方は早めにお申し込みください。

2016夏の講座リーフ統合入稿

たのしい教育研究所2016夏のスペシャル講座
親も子もせんせいも おじいちゃんおばあちゃんも大人も
みんな一緒に たのしくのびようよ 夏!
主催 たのしい教育研究所 いっきゅうOffice
後援 ものづくり工房

お待たせしました。全国・海外を飛び回ってたのしい教育を普及している「たのしい教育研究所」の4ヶ月ぶりのオープン講座の開催が決まりました。 対象は親子、教師、たのしい教育に興味関心のある方です。おじいちゃん・おばあちゃんとお孫さん、自分の子どもだけでなく親類や友人の子ども達との参加 もOKです。 子ども達は夏休みの自由研究として、保護者の皆さんは子どもと仲良く賢くなる方法として、大人の皆さんは自分の可能性をたのしくのばし、学校の先生方は 二学期に子ども達の笑顔を増やす具体的方法を学びましょう。 特別な技能が必要なものではなく、興味関心のある方なら誰でも授業が可能なたのしい内容を 提供します!

==== 記 ====

2016年8月6日(土)9:15受付  9:30〜12:30

内 容 たのしい教育研究所のメンバーが担当します
① 仲良く わくわくゲーム
② 「ドライアイスのひみつ」 
③ ものづくり
A.「べっこうアメ」 子どもから大人まで大人気!
B.「紙とんぼの研究」予定
④ たのしい読みかたり もっと読んで♬ そんなおすすめの本を紹介

 

会場: うるま市 ぶーてん館 ホール  高速石川インター右折1分( 闘牛場そば)

 

対象:親子(子どもは小学生以上)・教師・教育関係者・教師を目指す方 40人程

 

受講費(たのしい教材込み) 大人 2800円 子ども(小中高校生) 1800円
◯ 早割:7/29 金曜日 17:00までの申込み 大人 2400円/人 子ども 1400円
 ※ 子どものみの参加はできません
※今回もご希望にお答えして「たのしい教材・書籍」の販売も予定しています

 

講師代表 喜友名 一(いっきゅう先生)
 たのしい教育研究所所長。たのしい授業実践の第一人者。アメリカ NASAで開催された「宇宙探査教育者会議」の日本人代表教師に二年連続で選出され、若田宇宙飛行士や古川宇宙飛行士と授業する等 数々の活躍で、テレビ・新聞などにもとりあげられている。 2012年 たのしい教育活動に専念するため教師を早期退職し、NPO「たのしい教育研究所」を設立。県内だけでなく全国、海外も飛び回る。子ども大人、教育関係者、 病院やデイケア等、4年間で約2万人に授業や講演を実施し受講者の方達から、ほぼ100パーセント近い高い満足度評価を得ている。
琉球新報教育コラム等、数々の執筆活動でも活躍。

 

お問合せ 電話 090-1081-7842 か mail(下記)で
申込みはメールのみ
名前・所属(会社・団体・学校学年等)・電話番号 、家族親類の方は一通に全員分を記載し、親・子・孫・親類などの関係を明記の上下記アドレスへ
office⭐︎tanoken.com ⭐︎を@へ変更してください

① 毎日1回の〈いいね〉クリックで「たの研」がもっと元気になる!⬅︎応援クリック

② たのしい教育を本格的に学ぶ〈たのしい教育メールマガジン-週刊有料を購読しませんか! たのしい教育の実践方法から発想法、映画の章ほか充実した内容です。講座・教材等の割引もあります(紹介サイトが開きます)

③ 受講費、教材費、スーパーバイズなどの費用は全て、たくさんの方達へのたのしい教育の普及、ひとり親家庭など困窮した方たちへの支援に利用されています

⭐️ 〈SNSや口コミ〉でこのサイトを広げ、たのしい教育活動を応援していただければ幸いです!

④可能な方は気軽におたより、記事内の予想などを⬇︎





お名前(ニックネームOK)


メッセージ本文

仮説実験授業の誕生(仮説実験授業研究会)/仮説実験授業の誕生は1963年

 九州の大学で仮説実験授業を卒業論文のテーマにしているAくんから相談が来ました。

 最も初期の仮説実験授業について知りたい。それと併せて「仮説実験授業はいつ生まれたか」という時の根拠になるものを知りたいです、という話です。

 

 「仮説実験授業の誕生」の頃の資料を探してみましょう。仮説実験授業の生まれたあたりには、いくつかの画期的な出来事がありました。

A.1963年4月から同年7月まで上廻昭氏が国立教育研究所の板倉聖宣氏のもとに内地留学し、板倉聖宣の構想で授業書「ふりこと振動」の授業が完成

B.雑誌「理科教室」1964年2月号、3月号に「ふりこと振動」の授業記録を発表

C. 仮説実験授業研究会が1964年3月3日に「仮説実験授業研究 別冊-仮説実験授業の記録」①②を創刊

D.1964年10月5日タイプ版として「仮説実験授業研究」No.1を創刊

 

 このうちのどれを「仮説実験授業の誕生」と位置づければよいのでしょう?

 タイプ版の「仮説実験授業研究」創刊1号に板倉聖宣が「私たちの研究の立場-創刊にあたって-」という文章をまとめています。

 こう始まります。

仮説実験授業研究 板倉聖宣

板倉聖宣

 私たちが仮説実験授業の名のもとに共同研究をはじめてから一年あまりになります。

 仮説実験授業の起点を1963年とすることは、異存ないでしょう。

 50年以上経た今「仮説実験授業研究」を読むと、その瑞々しさと迫力を感じさせる中に、「仮説実験授業の技法はほぼ全て確立し、その大きな成果もすでに現れていたこと」を知って驚ろかされます。

 

 このサイトに関して「仮説実験授業のことをいろいろ知ることができて、とても貴重なサイトです」という感謝の言葉がいくつも届いています。これからも仮説実験授業のことを綴っていきたいと思っています。ご期待ください。1日1度のこの「いいね」で〈たのしい教育〉を一緒に広げましょう➡︎ いいね=人気ブログ!=ジャンプ先でもサイトをワンクリックすると尚うれし!</a</p