自閉症の子どもが見ているであろう世界|安心の中で「たのしい授業・たのしい教育」を味わってもらう

教師をしている時にSくんという自閉症の子どもを担当したことがあります。穏やかで優しい顔をした思い出深い子です。

近くの学校には「特別支援(その頃は特殊教育)」のクラスがあったのですけど、母親の希望で普通学級のわたしのクラスに入ったのです。

周りの仲間たちもすてきな子が多く、Sくんも調子よく1年間過ごしてくれました。

たのしい教育研究所には、わたしを含めて「特別支援教育」の免許を持っているメンバーが複数います。おりおりの研究会、検討会で、特別支援の対象となる子 ども達へ「たのしい授業・たのしい教育」を実施するプランをいろいろ開発しています。

インクルーシブ教育が叫ばれ、特別支援対象の子ども達も、普通学級の子ども達も一緒に授業することが、これからの大きなテーマになってきていますが、「たのしい教育研究所」がグッジョブで開発した教材をはじめとして、特別支援の子どもたちがたのしみながら学んでくれる教材が数々揃ってきました。もともと、たのしい教育研究所の教材は、まさにそれにマッチしたものだとおもいます。

ところで、「自閉症」とはどういうものなのでしょう?
文科省の定義はこうです。

自閉症とは、3歳位までに現れ、他人との社会的関係の形成の困難さ、言葉の発達の遅れ、興味や関心が狭く特定のものにこだわることを特徴とする行動の障害であり、中枢神経系に何らかの要因による機能不全があると推定される。

平成15年3月「今後の特別支援教育の在り方について(最終報告)」より

 

5月の「たのしい教育Cafe」では、「自閉症」をテーマに、それがどういう症状なのか、について学んでみようと思っています。
イギリスの自閉症協会が作成した優れた動画が手に入りましたから、それを見ていただいてから、お話しようと思います。

タイトルは Understand autism, the person and what to do.
「自閉症の理解-その人、その行動-」です。

短い動画ですけど、自閉症の子ども達が、周りの音、見えてくるシーンをどう感じ、どう受け取っているのかを、私たちが追体験できるようになっています。

興味のある方は見てみませんか。

自閉症の子どもも、クラスの中でまず安心してもらい、その環境の中で「たのしい授業・たのしい教育」を実施する、そしてゆっくりと自分の可能性を伸ばしてもらう。
特定の対象でなく、一人でも多くの人たちに「たのしい教育」を実施することが、たのしい教育研究所のテーマです。

 

 沖縄から全国に「たのしい授業・たのしい教育」を発進する
「たのしい教育研究所」です。

クイック「スライムもち」は美味しくて健康的でたっぷり!

前回の記事の続きになります。
コンビニに「すらいむモチ」に似た商品が売られていました。
というか、これを元にしたのがスライムもちですから逆ですね。

きなこ餅 コンビニ パッケージには、はば3cmくらいのきなこモチが5つくらい入っています。

下の写真は前回書いた講座の準備会でつくった「スライムもち」です。
きなこモチよりとろりとしていますから、球状に形を整えるのは難しいのですけど、きなこモチより美味しいのです。
わたしがこれまで2000人以上の子ども達に授業した時の評価&感想文から、それは確かだと思っています。

クイック すらいむモチ

これができた全体量ではありません。
大人六人が「おいしいおいしい」といいつつ味わった、その残りです。

おそらく、作った時のボリュームはさきほどのコンビニの「きなこモチ」の十倍近くはあると思います。

しかもそれが10分くらいでできるのですから、すばらしいものづくりだと思います。
保存料なども使わないので健康的です。

家庭科だけでなく、「熱によるタンパク質の固化について」ということで私は理科で取り上げていました。

学ぶことも多いのですけど、子ども達が「この先生ってたのしい」と思ってくれることも大切です。
人間関係は教育に対しても基本ですから。 そこから広がる成果はとても大きいと思います。

追記
その後の研究で2〜3分で出来上がるバージョンが完成しました。
クイック、というイメージよりずっと早くできるので、今は「スピード スライムもち」と呼んでいます

桜の季節の講座に参加する皆さん
ご期待ください!

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特別支援教育でもたのしい教育|たのしさは賢く広がっていく

たのしい教育研究所に学びに来た先生が、まず子ども達の笑顔を見たいと、「タマゴにーちゃん」を授業にかけてくれました。

車椅子やベッドに横たわった子ども達がとても喜んでくれたそうです。

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ベッドで寝たきりの子どもたちも喜んでくれている様子がわかります。

特別支援学校でたのしい教育
勝負はここからです。
肢体・知的・情緒 いろいろなハンディを持っている子ども達が感動してくれたあと、これまでの授業に加えて、さらにたのしく賢くなる教材を提供していくのです。

毎回毎回、というのは物理的に不可能かもしれませんから、週に一回という様な目標からはじめていくといいと思います。

たくさんの教材が研究所にそろっています。

興味のある方はぜひ、たのCafeや講座にご参加ください。

個別カウンセリングや個別実技講座も提供しています。

くわしくはお問い合わせください。

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グッジョブ授業プラン「科学技術の発展/たのしいキャリア教育」の一部|たのしい事は進化せずにはいられない|ひろがる「たのかし活動」!

たのしい教育研究所の喜友名はいろいろな処での授業や講座、講演活動、教育相談などを実施しています。

そうやって飛び回りつつも、たのしい教育に興味・関心を持ってくれる方達が実施できる授業開発、授業クリエイターとしての活動にも力を入れています。

これもたのしくてなりません。

「たのしい教育教材」を開発するにあたっては、特別な材料などを利用するのではなく、学校や家庭で普通に入手出来るもの、それは難しくても100均にいけば安価で簡単に入手出来るものを利用するなど、次の目標で作成しています。

① たのしい教育を実施しようと思う先生方なら誰でも授業することができる

② 授業を受けた人たちの「たのしさ度・わかった度」が90%レベル(85〜94%)になる

 板倉聖宣「仮説実験授業ABC」の考え方をベースにしています

同時進行でいくつかの授業プランの開発が進んでいますが、この公式サイト上でも人気の「しんぶんゴマ」について、少し紹介させていただきます。

 

———- 科学技術の進歩 ———-


質問

みなさんは「コマ」の歴史をたどると、どれくらい前にさかのぼることがコマできると思いますか?
どれくらい前の人たちがコマを作って遊んでいたのでしょう?
コマといっても最近のものではなく、材料も木や実などいろいろ簡単にたのしんでいたころにさかのぼって予想してみてください。

予想 今から
ア.100年くらい前
イ.500年くらい前
ウ.1000年くらい前
エ.そのほか

どうしてそう予想しましたか?

 

いろいろなところでこういう問題を出しているのですけど、子どもも大人も
「ア.100年くらい前」
が多いようです。

みなさんの予想はどうでしょうか?

予想を立てずしてたのしく賢くなることは無理です。

続けましょう。

「日本独楽博物館」のWebサイトには「世界を見渡すと2500〜3000年前のコマも見つかっている」とあります、他の資料によると5000年くらい前までたどることができることがわかります。

 

昔のコマのイメージ

 

さて、あなたの「しんぶんゴマ」はどれくらいの時間まわすことができましたか?

30秒以上回ったという人達が何人もいました。
すごいですね。

では、よくできたコマはどのくらい回すことができるのでしょう?
コマの種類は多く、傘より大きくて一人では回せないコマもあります。それらではなく、私たちが作ったコマのように、片手で回すことができるタイプのコマで調べてみましょう。

「全日本製造業コマ大戦」といって、いろいろな工場がつくるコマを回して長さを競う大会があります。その記録によると、日本の「上坂精巧」という工場がつくったコマ  (写真)が「12分41秒」回ったということです。とても安定したコマですね。
コマ記録

 

 コマはもともとたのしみごととして出発しましたが、その後、いろいろなものに広がりました。

コマが応用されて利用されているものについて、みなさんは何か思いつきますか?

 

思いついた人は出してみましょう。

 

お話「コマの発展」

 

たとえば時計の中の重要な部分にもコマの形をした部品ものが利用されています。
時計の中 時計の中のコマ 考えてみると、扇風機も電気の力で回しているコマの様なものですね。

 

それだけではありません、科学者たちのいろいろな研究で、なんと私たちの地球も、コマの様に回っていることがわかりました。「自転」といいます。

 

ところで、科学の最先端といってよい「人工衛星」にも重要な備品としてコマが利用されているのです。「リアクションホイール」と呼ばれています。
そのコマを回すことで微妙な姿勢のコントロールをおこなっているのです。
文字通り、コマが宇宙を飛んでいるのですよ。

たとえば日本がほこる惑星探査衛星「はやぶさ」の中に入っているコマを見てみましょう。

はやぶさ©JAXA

2010年には「小惑星イトカワ」から岩石の粒を持ち帰って世界中を驚かせました。

その「はやぶさ」の内部にも三ヶ所に「リアクションホイール」と呼ばれているコマがセットされていました。

はやぶさ リアクションホイイール

©JAXA

 

 はじめは単に遊びと思われていた「コマ」でしたが、人間の知恵と工夫、それをいろいろなものに発展させてきたのです。

たのしいことなら、どんどんそれに知恵と工夫を重ねていくのが人間です。

みなさんも、自分が「これはたのしい」と思っていることについては、誰に言われたわけでなくても、自然に知恵と工夫を重ねていると思うのですけど、どうでしょうか?

それはつまりわたしたち人間の素晴らしさです。

 

というように続いていきます。

たくさんの方達が「しんぶんゴマ」を作ってたのしんでくれています。

それはそれでとてもたのしいのです。
それに加えてチャンスがあれば、子どもたちに、こういうことを話していただけるといいなと思っています。

たのしい教育は人間のすばらしさの証です。
教育が成熟してきた証でもあります。
みなさんの応援をお待ちしています。

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