しまくとぅば(琉球方言)をたのしむ/琉球方言を学ぶ意義を知っている先生たちプラス〈楽しく伝える方法〉があって活性化する

 琉球方言(しまくとぅば)についてはずっと関心が高く、教師を早期退職する前から教育に導入していました。20年以上前、恩納村に勤務していた頃こども達に「英検・漢検だけじゃなくて〈方検〉もあるんだよ」と独自に「方言検定試験」を実施して盛り上がっていました。あの頃は昼の休み時間が長かったので、たくさんのこども達が集まってきて、方言をたのしんでくれたものでした。地域のおばあちゃんも手伝いに来てくれて、二次試験は対面式のトークでしたから本格的でしょう。きっと私が沖縄で一番はじめに実施したのではないかなぁ。
 今では公的に実施されている〈しまくとぅば検定試験〉ができて、すばらしいことです。〈たの研〉のさくら先生は挑戦して合格証をもらったそうです。このままどんどんもりあがっていってもらいたいものです。

 さて〈たの研〉は10年の活動の中でいろいろな取組がすすみ、今年度はやっと本格的に〈しまくとぅば、琉球方言〉の教材科に歩をすすめることとなりました。琉球方言・しまくとぅばが〈たのしい学力向上〉と関わるのか?
 言葉というのは、ものの見方・考え方の根元に位置する大切なものです。琉球の祖先が残してきた、ものの見方や感覚を学ぶことが〈生きた学力〉に繋がらないわけはありません。

 〈たの研〉の先生たちにリサーチすると、沖縄県が作成した立派な教材がすでに配布されているそうです。数年前沖縄県医師会と沖縄県教育委員会の取り組みで県内の全児童生徒に配布された健康読本の作成委員として関わったことがあります。こういう一冊を仕上げるまでに、お医者さんたちとかなりの回数、深夜までアイディアを練り合いながらすすめていきました。台風の日に集まったこともありました、たのしい思い出です。この一冊もそうやって仕上がったものでしょう。


 これは検定試験用の単語帳です。
 英検とか漢検の単語帳よりずっとフレンドリーな感じがしますね。

 〈たの研〉で方言というと下地先生です。
 学生時代から地元の方言を収集していて、ほうげん絵本の作成もすすめているとのことですから本格的です。

 下地先生のもっている方言の貴重な資料もいろいろ見せていただきました。

 


 さて問題は、これだけ多忙な学校教育の中に、どうやって今以上に〈しまくとぅば〉を広げていくのかです。

 たのしい教育研究所ならではのたのしいアイディアがあります、ご期待ください。

 いずれにしても、教育の未来を支えるのは〈たのしさ〉です。文科省が「主体的・対話的で深い学び」をテーマに新学習指導要領を編成しています、〈たの研〉の言葉でいえば「たのしさが主体的・対話的で深い学びを支える」です。

 教材はいろいろな先生たちに試してもらい、先生たちとこども達の評価を分析して、80%以上の高い評価が得られたものを、このサイトでも紹介していく予定です。ご期待ください。たのしい教育全力疾走RIDE(たのしい教育研究所)、みなさんの応援が元気の源です。一緒にたのしく賢く明るい未来を育てましょう。このクリックで〈応援〉の一票が入ります!

 

学校教育は変わらなくてはならないのか、今のままでよいのか?ー最新号のメールマガジンから

 たのしい教育メールマガジン最新号の発想法は「そもそも学校教育はかわらなくてはいけないのか?」というタイトルで書かせていただきました。その中の一つにこういう問題を入れました、一緒に考えてみませんか。

問題

小中学生の不登校児童生徒の数や比率(1000人あたり)は増加中か、増加傾向が止まったか減ってきたかについて予想してください。

 ア.増加中

 イ.増加が止まった

 ウ.減少中

 エ.その他

どうしてそう予想しましたか?

⬇︎

考え中

⬇︎

考え中

⬇︎

 ここ20年くらいの流れをごらんください、縦軸は1000人あたりの不登校の子ども達の数です。

 点線で囲んだあたりは(1999~2014年)不登校の子どもたちの比率が横ばいで、その後また上昇しています。

 元は不登校のこどもたちの数が少なかったのに、ここ数年で上がりはじめたのでしょうか?

 その前の統計をみていきましょう。

 1966年から2014年までの流れ、数は総数です。西暦和暦という表記の違いがあるので上の点線で囲んだ年代を次のグラフにも表示しました。※私的な表記ならいいんだけど、もうそろそろ公的なデータは西暦にしてもらいたいな、ややこしすぎる

「不登校児童生徒の推移(1966年度~2014年度)」

出所:文部科学省 学校基本調査
http://www.waseda.jp/sem-fox/memb/20s/abe/abe.index.html

 二つを合わせてみると1960年代からずっと不登校の子どもたちは増え続け、2000年あたりからしばらく増加が高止まりしていたが、2015年あたりからまた上昇しはじめたことがわかります。

※ちなみに不登校の数の上昇が止まったのは〈ゆとり教育〉が実施された頃とある程度重なります

 この統計のみで〈学校は変わらなくてはならない〉と考えるのではなく、もっと多角的にみていったのが、今回の発想法の章でした。興味あるみなさんは購読をお勧めいたします。
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たのしい教育を学ぶ 真ん中の数・平均の考え方

 たのしい教育を学ぶ先生たちとの一コマです。

 いったい子ども達を高めるというのはどういうことなのか?

 それは教師自身の可能性も高めていくこととセットです。

 

 これは算数の見方・考え方の根幹について伝えているシーンです。

 指で示しているように、5人を並べると〈真ん中〉は3番目のこの子、という様にはっきりします。

 では〈1以上5未満〉という時の〈真ん中〉はどれなのか?

 1以上5以下なら〈3〉でよいのは分かる。

しかし今回は1以上で5未満、つまり5は含んでいないではないか、はじめにある様な5人並べた真ん中とは量的に違うと思う。5に達していないという数なのに、
(1+5)÷2=3
というのはどうも納得いかない。

そう思った先生がいます、みなさんはその問いをどう考えるでしょうか?

 こどもがそういうことを言ったら何と答えるでしょうか?

 こういう疑問を言葉にできる力は大切です。

 そしてその疑問と真剣に向き合う姿勢もとても大切です。

 ここに私の答えを書く紙面はありません、けれどこの問いはとても重要な問いであることは間違いありません。そして重要な問いであれば、たのしい問題に違いありません。

 たのしい教育研究所では、ものづくりや、カウンセリングなどいろいろなことを学べます。その一つが教科書の内容の根幹を伝えることです。

 興味のある皆さんは、お問い合わせください。

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たのしい算数 順序よく並べる その前に〈教師のたのしい工夫〉の必要性を

〈たの研〉に来る保護者の方たちからの相談には、ゴールデンウィーク前後から不登校の相談が増えてきます。その中で「去年まではそういうことはなかったのだけど、新しい先生になってから〈勉強がおもしろくない〉〈授業がわからない〉という様になった」と話す方が一定割合います。

 カウンセリングの話はまたの機会にして、授業の話を書かせてください。

 公立学校の授業で扱う内容は〈学習指導要領〉に書かれていて「教えることになっている」と教師は考える、その感覚は「はい、今日は教科書の◯ページです」という言葉にも表れて、そこから伝わる〈やることになっている感〉ははっきりと子ども達の心に刻まれます。

 教師の〈やることになっているからやる〉というスタンスは「あればあるでよいけれど、〈たのしさ〉は特に無くてもかまわない」という発想にもつながります。

 しかし指導要領の根幹は「主体的・対話的で深い学び」です、〈やることになっているからやる〉というのを「主体的」とはいいません。

 この矛盾をどうしたらよいのでしょう。

 学習指導要領について編成側の〈文科省〉の説明をみてみましょう。※下線はいっきゅう

「学習指導要領」では、小学校、中学校、高等学校等ごとに、それぞれの教科等の目標や大まかな教育内容を定めています

 また、これとは別に、学校教育法施行規則で、例えば小・中学校の教科等の年間の標準授業時数等が定められています。

 各学校では、この「学習指導要領」や年間の標準授業時数等を踏まえ、地域や学校の実態に応じて、教育課程(カリキュラム)を編成しています。

https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/idea/1304372.htm

 学習指導要領で定めているのは〈大まかな内容〉であり、各学校では〈地域や学校の実情に応じてカリキュラムを編成〉していると記しています。

 ところで学習指導要領は法律ではありません、それより遥かに拘束力の高い〈学校教育法〉には

教諭は、児童の教育をつかさどる。

学校教育法第 37 条第 11 項

とあります。

 学習指導要領に記された大まかな内容を、子ども達が主体的・対話的に深く学ぶ、その教育を先生が司るのです。

 教科書は学習指導要領の大まかな内容を具体的に例示したテキストです。そこでも〈やることになっているからやる〉という感覚は、主体的・対話的で深い学びと矛盾してきます。

 〈やることになっているから学ぶ〉VS〈主体的に学ぶ〉

 いったいこの矛盾をどうすればよいのか?

 その矛盾を解くカギが〈たのしさ〉です。

 まず自分が学ぶことをたのしむ。教師自身の個性が輝いていくことで、こども達にもたのしさが伝わっていくでしょう。
「さぁみんな、今日のさんすうは〈並べ方を考えよう〉だよ、たのしんでいこうね」
ニコニコした表情でそう伝えることができたら、これまでと違う扉が開くはずです。

 具体的な問題で考えてみましょう。

 〈たの研〉で算数の解き方入門をしていると、確率系の問題が苦手だという先生たちがたくさんいることに気づかされます。

 確率は漠然とした状況であることを予測する時などとても重要なツールになります。「こっちの危険度とこっちの危険度はどっちが高いか」などを確率的に見ていくことでより安全な状況を選ぶことができます、確率的な見方考え方で命が救われることもあるでしょう。

 重要なものを学ぶのがたのしくないわけないのです。

 確率的な見方考え方を身につけていく過程で〈並べ方・組合せ方(順列・組合せ)〉が重要なテーマの一つになります。

 たとえば1から5までのカードがあります。これをいろいろな並べ方で一列においていくと、何通りくらいの並べ方があるでしょうか?
 この四角の中に1から5までの数字を入れていくわけです、12345と並べたり、逆に54321と並べたり。
 違う並べ方はいくつなのか小学生の感覚で考えてみてください。

 たとえば1の並べ方はいくつか?

 一通りです。

 1と2の二つのカードを一列に並べる方法は?

 1・2 あるいは 2・1 の二通りです。

1と2と3の三つのカードの並べ方は・・・

 123、132、213、231、312、321 の6通りです。

 こんな風に考えていくと、12345の5枚のカードの並べ方は何通りあるのでしょう。この四角の中に数字が入ると考えてみるとよいでしょう。

 

 ア.5通りくらいうありそうだ

 イ.10通りくらいありそうだ

 ウ.20通りくらいありそうだ

 エ.50通りくらいありそうだ

 オ.その他

どうしてそう思いましたか?

⬇︎

考えてみよう

⬇︎

考えてみよう

⬇︎

 5枚のカードを並べるだけで〈120通り〉の異なるパターンが出てきます、この多さは、私にとって驚きなのですけど、みなさんはどうでしょう。

 計算ができる暗算できるという人は〈答えが当たった〉というそのことで嬉しくなってしまうかもしれません。けれどじっくり考えてみてください、たった5枚のカードで120通りですよ。

 もしあと5枚増やして1~10までの10枚のカードを一列に並べようとしたら、〈352万8800通り〉の並べ方があります、全部の並べ方を終えるまでどれくらいの時間が流れていくでしょう・・・

 この爆発的な多さに驚くのか、「計算でこうなるからこう」と無感動にテストに答えて終わるのか。

 一方が〈たのしさ〉、一方が〈無感動〉です。

 指導要領に書かれた内容をたのしく教えることによって、主体的・対話的で深い学びが可能となるのです。

「今年になって勉強がたのしくないというんです」という保護者が出てくるのではなく「うちの子は去年まで学校のことというと友だちのことばかりだったんですけど、今年、先生が担任してくれる様になって、勉強の話をしてくれる様になりました」そういう保護者の方たちを増やしてみたいと思いませんか。

 興味のある方は、ぜひたのしい教育研究所で学ぶことをおすすめします。学ぶ方法はとてもたくさんありますが、まず今月は〈初夏の講座〉の受講をおすすめします。
 内容は⇨初夏の講座2022

募集が始まり、参加申込みが増えてきました。席には限りがあります、受講したい方はお早めにどうぞ⇨申込みはこちら  〈初夏の講座の申込み〉と記入し、名前・所属・緊急時の電話番号を書き入れて送ってください。お会いできることをたのしみにしています。

 

たのしい教育全力疾走RIDE(たのしい教育研究所)、みなさんの応援が元気の源です。一緒にたのしく賢く明るい未来を育てましょう。このクリックで〈応援〉の一票が入ります!