〈たの研/たのしい教育研究所〉は悪者探しではなく〈解決の具体的な提案〉をする組織/板倉聖宣の言葉から

〈たの研/たのしい教育研究所〉設立の理念の一つが〈たの研/たのしい教育研究所〉は悪者探しではなく〈解決の具体的な提案をする組織〉にすることです。10年以上経ってもスタッフみんなたのしく元気に過ごしているのは、その方針がとてもうまくいているからです。

 1999年8月に埼玉会館で板倉聖宣先生(たのしい教育研究所 初期から支援者/仮説実験授業研究会初代代表/元文科省教育研究所室長/元日本科学史学会会長ほか)がこう語っています。伊良波さんからの元資料をいっきゅう編集版でお届けします。

写真は「沖縄 冬の大会」での板倉先生 2010

 『たのしい授業』が出る10年ぐらい前に,私は数学教育の遠山啓さんたちと一緒に雑誌『ひと』の編集委員をやっていました。
『ひと』創刊の一番のうたい文句は,「この教育雑誌はもし悪い教育があったとしても,その教育を告発することはしない。具体的にこうやればよくなる,たのしくなるという代替のプランなしには反対をしない」ということを根源にすえたことです。
 正確にいうと,そういう条件で私は編集委員を引き受け,実際にその方向でやっりました。
 雑誌というは下手をすれば「学校の先生はこんなことをしていてけしからん」とか「こうすべきだのに、それをしないのはけしからん」というように告発をすることになってしまいます。
「こうすべきである」という具体的で明確に出来るものがあればいいのですが,抽象的で出来そうもないことばかり書けば学校の先生は困りますね。

 私は「学校の先生の味方になりたい。学校の先生はけしからんという記事ばかりが出てきても,日本の教育は良くならない。教育が良くなるためには学校の先生の授業が大切なのだから、学校の先生が主体になるような雑誌を作りたい。そういうのであれば協力します」ということだったのです。

 当時出ていた教育雑誌は文章が悪くてほとんど読むに耐えないものでした。例えば〈この〉とか〈その〉が何に係っているのかもわからないような文章があったりするんです。読みながら入学試験問題を解いているようなのは嫌ですね。

「学校の先生は大学まで出ているのだから、こういうことはわかっていて当然である」というような論調もありました。
 だから私はだれでも読めるような雑誌にしようと考えました。

「学校の先生の悪口を書いて欲しい,文部省の悪口を書いて欲しい,教科書の悪口を書いて欲しい」ということになって、実際、告発すると短期間はよく売れるのです。

 でもそういう記事は載せない,新聞記者には原稿を書かせないということでやっていました。

 

『たのしい授業』は,あまり新聞社の受けはよくありません。新聞社の同情を引く形では展開しないからです。お母さん方の悪口を言ったり,文部省の悪口を言ったり,いろんな人の悪口を言えば,新聞と路線を同じくすることも出来ますけれど,私どもはそうは考えないのです。

 

 教育の雑誌は「実際にこうすればいい」という具体的な提案がないとダメです。
 とはいっても何をどうすればそうなるのかわからないようなものを提案したって、何も言ったことにはならないのと同じです。

 私どもは幸いにして,「こうすればいい」ということを,仮説実験授業とか,キミ子方式とか,その他で具体的な教材を作ることで確保できました。
 具体的な提案が出来るようになったから,雑誌『たのしい授業』が出来るようになったのです。

 私はそこまで手を広げるゆとりがないので良く知らないのですけど、SNS等では誹謗中傷にあふれているという話をよく耳にします。

 たのしい教育研究所は〈悪いもの探しや告発・誹謗・中傷〉をせず「こうするとたのしくなりますよ」「先生・お母さんは味方だって感じてくれる子どもたちも増えてきますよ」という具体的なプログラムを提唱しています。

 そうしているうちに行政の方からの相談も来るようになりました、校長先生たちもアイディアが欲しいと相談してくれます。
 某教育行政の組織を率いていた方は
「教育は学校や行政だけでは無理です。〈たの研/たのしい教育研究所〉のような組織がとても大切だと思います」と熱く語ってくれました。

 地域で子育て活動をがんばっている人たちや、学校で子どもたちの教育に真剣に取り組んでいる先生たち、お母さんお父さんなど、いろいろな人たちからの相談もやってきます。

 このサイトの読者のみなさんも、きっとそのことに惹かれてくれているのではないでしょうか。これからもその流れで〈犀(さい)の角〉のようにすすんでいきたいと思います。
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たのしい自然学習〈テントウムシの裏側〉@理科もたのしい

 昆虫の授業で子どもたちに「〈テントウムシ〉って知ってる?」と問いかけると、何人もの子が知っていると答えてくれると思います、琉球・沖縄から北海道まで生息しているので、知らない子は少ないでしょう。

 一番有名なのは〈ナナホシテントウ〉でしょう、黒い模様が7つ付いたテントウムシです。

 子どもたちにこう問いかけてみてください。
「テントウムシを下からみた絵を描いてみましょう!
 もちろんうまく描けなくてOKです、どんな体のつくりをしているでしょう。
 足は何本で、どこから出ているでしょう?」

 みなさんも考えてみてください。

 昆虫は足が6本あって体は3つに分かれているという知識がある人もいるでしょう。
 でも上から見ていると二つに分かれているようにしか見えません。

 どんなふうに3つに分かれているのでしょう、予想してみてください。

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 イラストで見てみましょう。

 足は胸の部分から出ているというのは昆虫の特徴の一つです。

 問題はここからです。

 テントウムシの腹は帯がいくつも重なっているつくりになっていますね、ジャバラになっているといってもよいでしょう。

 こういうつくりになっているのはテントウムシだけでしょうか?

 みなさんはどう思いますか?

予想

 ア.テントウムシだけ

 イ.テントウムシ以外にもいるが、種類は少ない

 ウ.多くの昆虫の腹が帯の構造になっている

 エ.その他

どうしてそう予想しましたか?

 

 クワガタムシの裏側を見ると・・・

  

カマキリをみると…

 段々の帯の構造になっています。

 では、他の昆虫たちは?

 ぜひ自分で調べてみてください。
 昆虫を捕まえたら、ひっくり返して見るといいんです。

 もしほとんどの昆虫の腹が、こういうつくりになっているとしたら、それが昆虫の特徴の一つだといえるでしょう。

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たのしいお話プラン〈映画・動画・写真の歴史〉

『侍タイムスリッパー』の話を書いたところ、さっそく観に行ってくれた方たちからお礼のたよりが届いています。
 うれしいことです。

 映画はもともと大好きだったので、学校にいる時など「これは子どもたちに観せたい」という作品(マイ・フレンド・フォーエバーなど)があると、周りの先生たちに話して、学年一斉に鑑賞会をしたことがあります。

 映画の歴史についての授業をしたこともありました。

 もちろん勝手にやっているのではなく、社会科や道徳などに位置付けての正式な授業です、教師というのたのしいものです。

 こどもたちに語った「映画の歴史」を元にまとめた「お話プラン 映画・動画の歴史」というプログラムがあります。好きな人たち数名で予想をたてながらすすめることができます。

 そのままお蔵入りになってしまうのはもったいないので、加筆して紹介しましょう。※画像等はwikipediaに感謝して参照させていただきました

お話「映画・動画の歴史」

 映画好きが議論することの一つに
「映画を発明したのはエジソンかリュミエール兄弟か?」
というテーマがあります。

 絵や写真をパラパラと重ねていくと〈残像現象〉によって、動いて見えることはかなり前から知られていました。

 ジョゼフ・プラティは1831年に、円形のディスクに連続した絵を描いて、動いて見えるようにしたフェナキストスコープを発明して、たくさんの人を驚かせました。

フェナキストスコープ/wikipediaに感謝して参照

 上の円盤を回すとこう見えます⇩クリック

https://ja.wikipedia.org/

上の動画をみると、これが「アニメーション」の元祖だとわかるでしょう。

 アメリカのトーマス・エジソンは絵でなく写真フィルムを利用して、実写版でもっと長い作品を人々に提供しました。フェナキストスコープから約50年後、1983年のことです。

 のぞき窓から箱の中の動く映像をみるタイプで、キネト・スコープと呼ばれています。
 人々からお金をとって見せていました。

 それとほぼ同じ頃、フランスの「リュミエール兄弟」が「シネマト・グラフ」を公開しました、1895年のことです。


 それは、今の映写機の様に、壁に動画を投射して、みんなでそれを観るタイプです。

 リュミエール兄弟の上映会のポスターがこれです、じっさいこういう感じでみんなでたのしんでいました。

 さて、映画の映画好きたちの議論
「映画を発明したのはエジソンかリュミエール兄弟か?」
にそろそろ結論を出しましょう。

 みなさんは、エジソンとリュミエール兄弟のどちらが映画を発明したのだと思いますか?

 「映画館」で上映するものを映画と考えるとリュミエール兄弟の「シネマト・グラフ」が映画の始まりだといってよいでしょう。
 いや、一人で箱をのぞいたりしてたのしむものも映画だ、と考える人はエジソンが映画を発明したのだというでしょう。
 ただしそれは映画ではなく「動画」だという考えもあります。

 私いっきゅうは、リュミエール兄弟が発明した楽しみ方を映画と呼びたいと思っています。

 いろいろな考え方があるとはいえ、「ほぼ1900年の少し前に映画がはじまった」といってよいでしょう。
 今からほぼ100年以上前の事です。

 ※

 ところで、映画に至る前には「カメラ・写真」がありました。
 カメラ・写真の歴史もみていきましょう。
 
 まず、カメラはいつ頃からあったのでしょうか?
 予想してみてください。

結構長いので、ここまで。
評価がよければ機会をみてつづけましょう。

子どもたちへの授業の時には、その頃広がっていたインターネットの情報をどんどん出して、喜んでもらいました。

パラパラ漫画も流行って、けっこういい作品がくつも出てきました。
懐かしいたのしい思い出です。

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何で化石が生きているの?/最新のメルマガから@たのしい理科

 最新のメルマガ『たのしい教育研究所の日々』の一コマとして載せた記事にさっそくいくつかのお便りが届いています。

 その項を紹介しましょう。

 教師を退職して自治会長さんをやっている友人Mさんから

「いっきゅうさんシーラカンスの魚拓もらう?」

という話があって

「もちろん」

と応えたのが先週のこと。


 今週Mさんがそれを手に〈たの研〉に顔を出してくれました。

広げてみたらタタミ一枚くらいの大きさのシーラカンスの魚拓です。

シーラカンスは「生きた化石」として知られる深海魚です。

子どもの頃〈生きた化石〉という言葉を聞いて私が感じたのは大きな違和感です。

「どうして化石が生きてるんだ、おかしいでしょ!」

 読者の方の中にも、その時の私の感覚を共有する人たちもいるのではないでしょうか?

ということで〈生きた化石〉という言葉について少し説明しましょう。

 もともとシーラカンスはヨーロッパ・アフリカ・アジアなどいろいろなところで化石が発見されていて、恐竜たちより古い時代に生きていた生物として知られていました。
 ところが今から90年くらい前(1938年)に生きて泳いでいるシーラカンスが南アフリカで発見され、大騒ぎになりました。

 その後、いろいろなところで見つかっています。
 これもその一つです、ダイビングのサイトにあった写真を参照させていただきます。

https://oceana.ne.jp/oversea/56153 に感謝して

 シーラカンスは恐竜より前の時代から生きてきて、恐竜絶滅後もほぼ姿形を変えずに、種を保持し続けてきました。

 そういう意味で〈生きた化石〉と言われるようになりました。

それより「絶滅せず恐竜より長く生きてきたシーラカンス」というのはどうでしょう。
 もっといいアイディアがあったら教えてください。

 〈たの研〉の会員の方たちは2泊3日程度でレンタル可能です、気軽にお問い合わせください。

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