自由研究:身近な動物たちの水の飲み方の研究/こどもの感動を聞こう

 私たち人間が水を飲むときには水の入った入れ物を手で持って口元で傾けてゴクゴクと飲んでいくのが普通です。

 最近、たの研スタッフのネコ〈アルキメデス〉の水の飲み方をビデオに撮ることができて「ネコ属の水の飲み方」がハッキリしたので、それをメルマガの一コマに書いてみました。
 来週のメルマガなのでそれはいずれ書くとして、まず〈犬族〉はどの様に飲むのか?

 もちろんコップなどを持って飲むわけではありません、舌でペロペロとなめるように飲みます。

 そのときの舌の格好はどうなっていると思いますか?

 以前、犬の水の飲み方を見て驚いたことがあります。

 いろいろな資料には「犬は舌でパシャパシャと水面を叩いて水柱を作ってそれを飲んでいる」と書いているのですけど、それは答えのごく一部です。

 舌を「くわ」で畑の土をおこすようにして水をすくって飲んでいるんです。

 そのすくい方が不思議なんですよ、ノドの奥に水を送り込むようにではなく、下あご向けてすくってのんでいます。
 わかりにくいと思うので動画でご覧ください。
 こういうことは最近の研究ではっきりしたのだと書いてあるのですけど、私の様にだいぶ前から知っていた人はたくさんいたと思うんだけどな。 

 

 犬族の水の飲み方はわかったところで〈では猫族はどうか〉、というのがメルマガに書いている話です。「猫も犬と同じように飲んでいる」のでしょうか?
「違う飲み方をしている」のでしょうあか。
 メインの記事の一つではなく、ある章の小さなネタとしてですけど。

 みなさんも予想を立てていつか観察してみませんか。
 たのしい発見に満ちていると思います。

 ところで、こういう発見を学校で話す子どもがいたら、先生たちはどう対応するんだろうと考えることがあります。授業中だと「そういう話は休み時間にして」と言われるのでしょう。休み時間に話そうとしても先生は忙しくて、その話に感動してくれるだろうか・・・

 たのしい発見が賢さに繋がらないわけはない。そのとき、それを聞いて一緒に感動してくれる人がいてくれることはとても大切です。
 たのしさや賢さは〈社会的なもの〉だからです。一人だけでたのしさや賢さを高めていけるというのはほとんどないのです。

 ぜひこども達の「ねぇねぇ先生」「ねぇねぇお母さん」「ねぇねぇお父さん」という声を聞いたら、その子に身体を向けて、聞いてあげてくださいね。

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たのしい〈沖縄島ことば〉たのしい国語・たのしい学習「アサバン」は昼ごはん?/朝飯(アサバン)考

 たのしい島ことばの検討会を学校の先生たちと重ねている中で分からなくなってきたこと、つまりは自分の中の問題意識がハッキリしてきたことがいくつもあります。その一つが「〈朝飯/アサバン〉は昼ごはんだ」という説明です。

 web上にもそういった説明がたくさんみつかります、中には「変な感じですけど間違わないようにしましょう」という注意書きまで載せているものもあります。

 私いっきゅうは沖縄の中部で生まれ育ったのですけど、その説明には大いなる違和感をおぼえざるをえません。
 これだと沖縄では「朝のことを昼といっていました」と説明する様なものです。

 朝を昼と思えというのでは私の〈こども感覚〉、大切な知的好奇心が砕けてしまいます。「つべこべ言わずにまずこう覚えてください」という教育は過去のものです、教育は〈知的好奇心〉を高めるものでこそあれ、学ぶ意識を砕くものであってはいけません。
 島言葉の普及にも〈たのしい教育〉が関わることできっと学校教育との親和性が高まっていくことでしょう。

 こういう時に「テレビでいっていたから正しい」とか「○○先生が言っていたから正しい」「たくさんの人がいっているから正しい」という判断は間違いのもとです。
 自分で予想を立てて、歴史をたどることです。

 まだ研究途中なのですけど、ほぼこれで間違いないだろうとおもいます。出展などを入れると長くなってしまうので、これまでまとまったことをシンプルに書いてみます。ご意見や異論があればぜひお寄せください。

〈朝飯/アサバン〉考

文責 たのしい教育研究所 きゆな 2022.09.04

 

 日本でもかつて〈1日2食〉であった様に琉球・沖縄もかつて食生活は〈1日2食〉でした、それだけの食生活でつりあう活動量・労働量だったわけです。
 朝起きてはじめに食べるものが〈アサバン/朝飯〉で、日が暮れる頃に食べるのが〈ユウハン・ユウバン/夕飯〉でした。
 今の様に急いで食べる必要はなく、たとえば9時、10時あたりに食べていたのでしょう。
 人口も増えてきて、家族の食生活を支えるためにも仕事の量は増えていきます、すると、ゆっくり仕事に出かけるのではなく、日が昇るとすぐに一仕事する人たちも増えていきました。
 お腹がすいては仕事がはかどりませんから〈朝早く食事する〉必要もでてきます、動物として必然的な流れです。

 そうやって〈早朝の食事〉〈朝ご飯〉〈夕ご飯〉の三食となったわけです。

 早朝のことを日本の古語では〈つとめて〉といいます。
 枕草子の冒頭の章にある「冬はつとめて」がそれ、「冬は早朝がいいよね~」ということばです。

 琉球沖縄では早朝に食べる食事を「シティミテムン」と呼びます。妙な言葉だとおもうかもしれませんけど、それは〈つとめてムン/早朝に食べるもの〉という意味です。
 琉球沖縄の言葉には日本の古語がいろいろ入っているのだという話をこのサイトでも書いてきました、この〈シティミティムン=つとめてムン〉もその一つです。

 早朝ものの食事、シティミティムンが入ってきたので、これまでのアサバン(朝ごはん)は昼あたりにずれていきました。従来の〈朝飯/アサバン〉は今でいう昼に食べる食事になってしまったわけです。

 以前は朝に食べていた食事を昼に食べる様になったので、琉球・沖縄では昼に食べるご飯を〈アサバン〉と呼ぶ様になったというわけです。

 こども達にもこういう歴史的な流れを教えてあげてから「以前は朝に食べていたアサバンは昼頃にとるようになってしまったから、沖縄では昼ごはんを〈アサバン〉と呼ぶことがあるんだよ」という様に伝えたら、私の様に「意味わからない」という人が激減すると思います。

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言葉に残る歴史/〈台風〉/たのしい国語・たのしい学習

 久々に強い台風が沖縄にやってきました、風に曲る木々。

 立ち上る波。 

 強い風のパワーはすごいものがあります。

 ところで中学・高校の頃から〈たいふう〉は「大風」ならわかるけれど、どうして台所の〈台〉で「大風」なんだろうと思っていました。

 今日、スタッフとその話をして、みんなで予想して実際に調べてみました。

 みなさんはどうして〈台〉風と書くのだと思いますか?

〈台〉に強烈なという意味があるのでしょうか?

 それとも風を生む支えとして〈台/だい〉ということで〈台風〉なのでしょうか。

 例のごとく〈諸説ある〉というスッキリしない解説が数々並んでいたのですけど、おおよそこういう流れの様です。

A.もともと台湾・中国で呼んでいた「大風」がヨーロッパ、アメリカに渡って「タイフーン」となる⇨それが再び台湾・中国に戻ってきた時「颱風」の字を当てる⇨簡略化されて「台風」となる。

B.〈台湾近くに来る強風〉だから「台風」、つまり台湾付近の強風

台風/たいふう

 なるほど。

「大風」という私の予想はかなり本質をついていた可能性があります。

「台湾付近の強風」だから「台風」という説は意外だったのですけど、それはそれでアリだなと思います。

 言葉をそのまま素直に受け入れるのもよいのですけど、こだわって調べていくと、その歴史や本質、その頃の人々の見方考え方を知ることにもつながります。

 たのしい学習、たのしい学力向上、たのしい自由研究でいきましょう。

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野山は花屋さん(2)センス・オブ・ワンダーの扉

 前回、かるく池田武邦さんの紹介をしてからこの内容に入ろうと思っていたのですけど、どっしりと触れてしまいました。

 自然に感動できる心は大切です、レイチェル・カーソンの〈センス・オブ・ワンダー〉の世界は私たちのすぐ近くで扉を開いてくれています。

 最近歩いた時の植物たちの様子を紹介させてください、広いフィールド草木の間にポツリと咲いている花たちは、花屋さんの様に密集してたくさんの彩りをみせているわけではないのですけど、私にとって大きな花屋さんにいるようです。

 傘をさしてフィールドを歩いた時の一枚です。ビニールハウスのそばに花開いた美しい花がありました、蘭の様な彩りで、目を引きます。
 お店の花屋さんのたくさんの花の中に置かれていたら、みとれることもなかったと思います。フィールドの広がる空間の中でこその素晴らしさの一つです。

 調べてみると、いろいろな呼び名がある様です。
 和名では〈ルリハナガサモドキ〉、ところが私は個人的に〈~モドキ〉という名称が嫌いです、その生物に失礼だと思っています。
 学名で覚えようと思ったら、〈もどき〉を意味する〈pseudo/スードー〉とつくので困っています。気に入りの呼び名が見つかるまで覚えるのはひかえておこうかな。

 これも同じ日に見つけた鮮やかな紅の花、〈ベニツツバナ〉です。

 夏の盛りから終わりにかけてよくみる〈サルスベリ〉の花も満開です。

 やわらかないろあいで好きな花の一つです。

 沖縄では野生の〈ランタナ〉の花をたくさんみることができます。
 元気に咲いていました、イシガケチョウが蜜を集めています。

 お店の花屋さんではこういうシーンは見ることができませんね。

 サンダンカ・サンタンカも見つかりました。
 これも鮮やかな紅色を見せています。

  沖縄ではサンダンカと呼ばれ、植物図鑑では〈サンタンカ〉とあります。
 気になって調べてみると、こうありました。
 沖縄には古い和語が残っているという話を時々しているのですけど、その足跡の一つですね。

 サンタンカが日本にやってきたのは江戸時代中期で、当初は三段花(さんだんか)と呼ばれていました。大陸から琉球経由での渡来と言われます。ちなみに沖縄では露地でふつうに見られる花木で、オオゴチョウ、デイゴと並び沖縄三大名花のひとつに数えられています。

植物の育て方図鑑

http://www.yasashi.info/sa_00003.htm

 ※

  なんとビックリ、八月後半なのに梅雨時5月後半~6月の花〈イジュ〉の花が咲いていました。時々、こういう姿にも巡り会えます、これもまたフィールドこその出逢いです。

 長くなりました。

 まだまだ見てほしい写真がたくさんあるので、機会をあらためて紹介させてください。

 環境問題を真剣に考えていろいろな知恵を出し、たくさんの生物が共存する社会を作っていくことも、こういう体験がベースにある人たちが増えていくことで実現するのだと思います。
 それがたのしい学力・たのしい学習で生きた力になるのでしょう。そういうことを自由に研究していく人たちを増やしていきたいと考えています。

 ぜひみなさんも近くにあるセンスオブワンダーの宝庫へ足を運んでみてください。

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