小説を読んでいて、笑いを止められなかったことが何度もあります。笑いのツボは人それぞれなので「これくらいのシーンで?」と思われるかもしれませんけど・・・
以前みた映画でよくわからないシーンがあったので、秋のはじまりの今日この頃、原作の小説「きいろいゾウ」を読んでみました。
登場人物、売れない小説家の〈ムコ〉さんは最近、田舎に引っ越して来ました。
あまりにも売れないのでデイケア施設で働いています。
近所に住んでいるアレチさんというおじいちゃんが主人公の本を周りにすすめていた時のこと
「その本、アマゾンで売ってますか?」 と聞かれて
「そんなに遠くで売ってるわけなんだろう!」
と一喝。
書いているとまた笑ってしまいました。
アレチさんの知識は教科書的にははぜんぜんおかしくないのですけど、すでに私たちの認識の中にアマゾン(amazon)は普通に入り込んでしまっていることにも驚きます。
おそるべしamazon.
ところで小説「きいろいゾウ」もやはり映画で観たよりずっと中身が濃く、いろいろなところに心が動かされました。
好みでない表現はいくつかあるとはいえ、小学生〈ダイチ〉くんが不登校になる時の様子、そして不登校をやめて都会にもどるきっかけも、大人びているゆえのダイチくんの心の動きが伝わってきます。
ムコさんの奥さん〈ツマ〉さんのあまりに純粋すぎる心の動き、植物や虫たちと会話するところも時間をかけてゆっくり伝わってきて、映画のラストシーンにいたるまでいろいろな段階がゆっくり沁み入って来ます。
とはいえ映画の素晴らしさもたくさんあります。
宮崎あおいさんは表情やセリフの妙、身体の動きから〈ツマ〉さんがかかえているたくさんの想いを伝えてくれます。
親が結婚を許してくれず列車の中で暗く落ち込んでいる二人の心を、酔っ払いが口ずさむ「きっといつかは、キミのパパも、わかってくれる~」といううたがやさしくつつんでくれます、映画だけのシーンかと思ったら原作にしっかり書き込まれていました。
前半は軽やかによめるのですけど、後半はおすすめしてよいのかどうかよくわかりません。何れにしても、秋の日々がやってきました、みなさんも本を手にしてみませんか。
小説などはハードルが高いという方は、絵本をおすすめします。
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