国語ぎらい@たのしい国語

 小学校の頃からの感覚なのですけど、かなりたくさんの文章を書いている今でも国語の表記にはなじめないところがあります。
 〈中〉という漢字は〈ちゅう〉と読みます。〈中学校〉は〈ちゅう学校〉、〈勉強中〉は〈勉強ちゅう〉という様に〈ち〉と表記します。
 しかし「世界中」というときには〈世界じゅう〉と表記しなくてはいけないのだと教えられた時のやりきれない様な気持ちは忘れられません。

 同じ「地」という漢字を使っていても
 大地は〈大ち〉
 地震は〈じ震〉

 まだまだあります。

 もちろん〈理屈〉がくっついているのはわかります。しかし、それで ✕ をつけられる子ども達のことを思うと心が痛くなります。

 〈右〉と〈左〉の漢字をノートに書いた時、どうみても右と左にしか見えないのに、「これは間違いです」と言われたことがありました。
 右という字はヨコ線をはじめに書くから、ヨコ線が長くなって、左という字は斜め線が先だから、ヨコ線は短い。わたしの書く右と左は同じ長さだから違うというのです、というのです。まいりました。

 以前〈書き順〉というのは絶対ではない、という記事を書いた時に、いろいろな方たちからメールをいただきましたが、書き順にかぎらず、そうやって〈腑に落ちない気持ち〉や〈いやな感じ〉を抱いて、国語を嫌いになっていく子ども達は何人もいると思います。

 とてももったいないことです。

 わたしは小説もエッセイも好きです。
 古典も嫌いではありません。徒然草や枕草子は今でも書棚に置いています。

 国語を通して、いろいろな世界が広がります。
 感動の多くも言葉を通して伝わってきます(全てではありません)。
 理解のカギであったり、深めるための必需であったりe.t.c.
 国語は、とても大切な文化です。
 ということは、国語には〈たのしさ〉があふれているはずです。

 子ども達に国語嫌いにするのではなく、国語に親しんで、好きにさせて欲しい、そう思います。

 子どもたちとたのしんだ国語の授業を思い出して、たのしい教育Cafeで授業したことがありました。
 先生たちも大盛り上がりでした。

 「ん回し」といって、こうやって「ん」がつく言葉を探すのです。

 みなさん何か上に当てはまる言葉を思いつきますか?
 ◯にはひらがなやカタカナ、のばすことばなどが入ります。

 たとえば上の◯3つバージョンなら
・「とんちんかん」 
・「てんしんはん」
・「しんかんせん」
他にもいろいろあります。

これをつづけていって、これではどうでしょう。

あるんですよ。

 みなさんで考えてみてください。

 言葉をたのしみながら、言葉を増やしていくことにもなりますし、単純に「こんなに〈ん〉が続く言葉があるんだ」ということにびっくりしたり・・・

右と左の棒の長さでダメ出しするより、こちらの方が大事だと思っているのですけど、どうでしょうか。

ちなみに、まだ学校教育では「せかいぢゅう」を✕にしている様ですけど、文化庁の説明では「それもOKです」という様に説明しています。

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 ですから、「せかいぢゅう」と書いた子どもに✕をつけるのではなく、「これも✕ではないけれど、こう覚えていてほしいんだよ」という様なあたたかいサポートがあった方がよいと思っています。

 いずれにしても〈国語〉もたのしむのが勝ちです。
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 以前〈発想法・哲学〉の章にとりあげた内容の1/4くらいを抜粋してみます。

板倉聖宣の講演から

〈楽しい授業〉というのは、もともときれいごとじゃなかったんです。
 「楽しい授業なんてできっとない」と思われたから、それを〈きれいごとだ〉と思う人もいなかった。
 そこで私は〈楽しい授業〉というスローガンを掲げたんです。
 ところが今になって〈きれいごとだ〉と思う人がでてきたんですね。いろいろな雑誌の記事などを読むと、タイトルに〈楽しい〉と掲げただけで満足しているようなものが出てきたからです。

 私どもの雑誌も特集なんかを組むと困るんです。
 表題が『たのしい授業』というんですから〈楽しい算数の授業〉とか〈楽しい国語の授業〉とか、みんな楽しいがついちゃう。そこらじゅう〈楽しい〉が洪水になったから、〈いかにして「楽しい」という表題にしないか〉ということには苦労するんです。
 こちらとしては「あたりまえじゃあないか」と思うんだけど、やっぱり、「算数の授業なんか楽しくならないに決まっているんじゃあないか。何とかは楽しくないに決まっているじゃあないか」と思う人がいるから、やっぱり〈楽しい〉とつけたい。 〈これは楽しくなりますよ〉と。それでも、〈表題が『たのしい授業』だからもういいじゃあないか〉というふうにまた思うんだけれども、やっぱりそういう名前を付けたいなあという気がしたりするんです。

 それくらい、楽しい授業なんてそう簡単にできるもんじゃないのです。
 そうだけれども、〈できっこない〉という人が現われれば、「いや、私達は少なくともごの授業はできますよ」というふうに言うことができるでしょう。そういう具体的な教材で言えるくらいになりました。 つづく

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たのしい野山の花さんぽ=秋編= 参加者募集/「おきなわ野山の花さんぽ」安里肇栄さんと行く⬅︎満員となりました(募集終了)

 お待たせいたしました。名著「おきなわ野山の花さんぽ」の著者〈安里肇栄〉さんと行く〈花さんぽ 秋編〉の開催が決まりました。安里さんは、たのしい教育を応援してくださっている人物で、研究所の植物関係のスーパーバイザーです。
 実際にフィールドでいろいろおしゃべりしながら、秋の植物を眺めにいきませんか。

 少人数制です。
 希望の方はお早めに!

☆期日2017年11月26日(日) 早朝恩納村某所に集合
 (参加決定の方におしらせします)
☆時間 早朝〜お昼ごろ
☆参加費 保険、交通費等 1000円
☆持ち物 「おきなわ野山の花さんぽ」ボーダーインク社/

  飲み物/帽子/長袖・長ズボン/タオル/虫除け など
※雨天の場合には、たのしい教育研究所〈第三ラボ:沖縄市登川〉で安里さんのお話を聞くことになっています

申込 ➡︎ こちら

 

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カウンセリングとは?:カウンセリングの中でカウンセラーは一体何をしているのか?

 カウンセリングの流派は数えるところ300あまりもあるとも言われています。その中で現役の教師が開発したカウンセリングメソッドとしての《PEALカウンセリング》は画期的なものだと感じています。
 〈誰が開発したのかは関係がない〉という見方もあるかもしれません。しかし30年間、ずっと子ども達の教育の場にいて、そこで派生するたくさんの問題・課題と直面して来た実践家が満を持して生み出したものは、実践カウンセリングの名を冠するに値するでしょう。
 その実践家を育てる活動も始動しました。

 教師は学校現場にいながらにしてたくさんの研修を受けています。
 その中にはカウンセリング関係の講座もたくさんあります。
 たとえばこれはある県の教育センターの講座のリストからとったものです。

 〈カウンセリング研修〉と銘打ったものだけでなく、その前後の研修も必然的にカウンセリングが骨格となったものにならざるを得ません。
 十数年前から〈生徒指導にもカウンセリングマインドが大切だ〉という流れとなりましたから、子ども達の問題と向き合う、という場合に〈カウンセリング〉は欠かせないことになっています。必然的に研修の機会も多くなっているわけです。


 いろいろな先生たちにリサーチしてみると不思議なことに気づきます。
 カウンセリングの研修はいろいろ受けていても、実際のカウンセリング・教育相談の場面で子どもや保護者の方と二人きりになった時、何をどうしていいのかわからないというのです。
 学校で英語を何年間も学んでいるけど英語が話せない、という人が多いという現状ですから、特に不思議なこととは言えないかもしれません。

 先生たちにさらに質問してみると〈話を聞く〉ことに徹する、〈アドバイス〉や〈励まし〉をする。時には「これではいけないんじゃない」という様に〈指導する〉という様な状況の様です。

 それはそれで有効なこともありますから、その時間は意味をもっているでしょう。ただしそれをもって〈カウンセリング・教育相談〉と考えているとしたら違っています。

 カウンセラーはコメンテーターでも評論家でも生活指導員でもありません。
 カウンセリングをする場合には、評論ではなくカウンセリングをしなくてはいけません。

 カウンセリングでカウンセラーは何をしているのか?

 カウンセリングの時、ひたすら聞いている、という場合、それがどこに向かうのかわからないまま聞き続けられると、クライエントも困ってしまいます。

 ここでカウンセリングの全ての流れを説明するのは困難なので、カウンセリングの前段の話をさせてもらうと、まず「クライエントの苦しみや悩みを丁寧に確認しながら、それを明らかにする(言語化する)」という行為に重点をおいています。
 長い場合にはカウンセリングの二回目あたりまでそれが続くこともあります。

 こう書くと「苦しみや悩みがわかっているからカウンセリングに来るのでしょう?」と感じる人もいるかもしれません。
 しかし大抵の場合そうではありません。

・家にいるとイライラする
・将来が不安
・子どもにきつくあたってしまって、手を出しそうになる
・学校、仕事にいきたくない

という相談があった時、その言葉の奥にある〈悩みの本質〉を探るのです。

 カウンセリングトークはまずその〈悩みの本質〉を探ることに役割りの多くを割くことになります。

 たのしい教育研究所ではカウンセリングが成り立たなくなった状況、どう進めていいのかわからなくなった時などの〈カウンセリングスーパーバイズ/カウンセリングドクター〉も実施しています。
 学校でのカウンセリングなどで困ったり、自分の技をみがきたくなったらご相談ください。一緒に〈たのしい教育〉を広げて賢い笑顔を育てる〈簡単な方法〉があります。このリンクのクリックでブログ評価に一票入ります!