たのしい教育実践編〈植物の香りをたのしむ・形をたのしむ〉

 九月のたのしい教育ワークショップでとりあげた教材を、さっそく学校で実施した先生の感想がSNSに出ていました。
「この間、たのしい教育研究所で教わった葉っぱや実のビンゴをやりました・・・」と始まる生き生きとした文章に植物の写真がたくさん載っています。

 ワークショップの中のその部分を紹介しましょう。

 台風接近もあり、周りにいろいろな植物がある会場でもなかったので、講師のM先生がこども達と一緒に校庭にある葉っぱを集めて、それをもってきてくれました。

 これは香りが特徴的な植物シリーズです。

 ゲットウやシークワーサー、よもぎ、クスノキ etc.
 一つずつ手にして香りをしていくだけで、とてもたのしい世界が広がります。
 

 大人はすでにそういう植物の香りを知っているのだからたのしめないのではないか?

 いいえ、私を含めてみんな言葉を止めて、たのしんでいました。

 これは〈植物の形ビンゴ〉の様子です、丸型とかハート形とか
 いろいろな形を探してたのしんでいます。

 いつもは校庭の掃除で集めて捨てている葉も含まれていて、それを手にしてしみじみ味わうのはなかなかないことです。

 

 つねづね語っていることですけど、学校でたとえば〈二個の磁石〉を渡して
「自由につかっていいよ、ただし〈タブレット〉に近づけたり〈指にはさんだり〉するのはやめてよね」という最小限の話して自由にたのしむ時間をとる。

 たっぷり楽しんでくれるこどもたちもいるでしょう。

 すぐに飽きてしまうこどもたちもいるでしょう、そういう時には予想を立ててもらいましょう。
 「アルミホイルはくっつくかな~?」
 という様に。

 シンプルな授業でもたのしめるものはたくさんあります。

 たのしい教育研究所では、そういう授業も大切にしていて、逆に、コテコテの準備をして自分にしかできないという様な授業をワークショップなどでとりあげることはありません。まねするハードルが高い授業が広まるのは難しいからです。

「日頃の授業、どうしようかな」と考えている方は、お問い合わせください。

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星野道夫とジェーン・グドールさん 『星野道夫と見た風景』から By.Mie

 以前紹介した『星野道夫と見た風景』という本の中に〈運命の出会い〉という一節があります、ジェーン・グドールさんとのことを記した素敵な内容です。
 アラスカに住む星野さんがアフリカに住むジェーンさんに会いにいくんです。

星野

 ぼくが、ジェーン・グドールに会いたかったのは、彼女を通してアフリカという世界を垣間見たかったからだろう。
 生まれ故郷を離れ、新しい土地へ移り、そこで生き続けてゆくことの意味を僕は少しずつわかりかけていてた。

 アラスカとアフリカという違いこそあれ、ぼくは彼女の著作を読みながら、ある共通する想いを感じていた。

 

 これがジェーン・グルードさんです。

 星野さんはすぐにジェーンさんと親しくなりました。

 ところで、ジェーンさんのことを私はこの絵本で知っていました、「どうぶつがすき」です。
 動物行動学者となって様々な活動をしているジェーン・グドールさんの子どもの頃のことを書いた絵本です。

 イギリス生まれのジェーンさんは小さい時から庭で見つけた花や虫や動物について調べたり、本を読んでいるうちに、自然や動物が大好きになっていきます。

 ニワトリが卵をうむところを観察するために長時間ジ~っと鶏小屋の中に入って観察したり、木登りをして自然をたのしむ様子などワクワクする内容がいっぱいつまっています。

 そのうちにジェーンさんはチンパンジーのいるアフリカに行きたいと思うようになりました。

 今でもそうかもしれません、その頃はさらに、女の人がひとりでアフリカに行って生活するなんて考えられないような時代した。
 みんなアフリカに行くのを反対したそうですが、お母さんは応援してくれたそうです。子どもの人生は子どものもの、そういう気持ちで応援してくれるお母さんも素敵です。

 ジェーンさんはお金を貯めて、勉強をして、アフリカに行くという夢を実現させてしまいます。

 今でも動物の研究をすすめているそうです。

 写真のチンパンジーを見るまなざしがとてもやさしいですよね。

 星野さんも動物が大好きで日本からアラスカに渡った人です。

  二人はきっと話が尽きなかったことでしょう。

 星野道夫さんとジェーン・グドールさんの絵本、秋の始まりにみなさんも読んでみませんか。
「おすすめのものは可能ならリンクを張ってほしいです」という要望がたの研に届いている様です、リンクをはっておきます。

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不思議な葉っぱ/9月のたのしい教育ワークショップから

 数日前の〈たのしい教育ワークショップ〉で講師の昌代先生が準備してくれた教材が数々あって、企画した私自身が「生活科」というのは土の香りのする素晴らしい教科だと感動しました。

〈香り〉をテーマにした授業。

 

〈形〉をテーマにした授業などいろいろあった中で、とても気になったのがこの葉っぱです。

 まるで絵を描いて途中でとめた様な模様になっています。

 何の葉か?

校庭にあった〈ゴムの木〉の葉だそうです。

けっこう大きな木ですね。

 観葉植物としても販売されていて、同じ様なデザインがみえています。

 それにしてもどうして、こんなおもしろい模様ができるんだろう。

 みなさんはどうしてだと思いますか?  

 いろいろ調べてみているのですけど「ほんとかなぁ~」という気がして、問題意識をもってこれからもみていこうと思っているテーマの一つになりました。

 クロトンなども、ゴムの木の様な模様に近いものがあるのでしょう。

 世の中はふしぎさにあふれています。

 そのふしぎさの謎を解くことは、とてもたのしいことで、周りの人たちの笑顔につながることもたくさんあります。命を救うことにつながることもあります。

 自由研究は夏休みの課題にしておくような小さなものではありません。みなさんもいろいろな不思議さを探して、自由研究をたのしんでみませんか。

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たのしい島言葉・たのしい言語学〈沖縄の言葉は日本語とは別な言語か?〉

 今日9月18日は〈島言葉の日〉です。

 NPO法人たのしい教育研究所として〈島言葉の普及〉に関わり始めて、いろいろな書籍や資料を読んでいます。以前から知ってはいたのですけど「沖縄の言葉は日本語とは別な言語である」という議論があります、皆さんはご存知でしょうか。
 つまり〈琉球方言〉ではなく〈琉球語〉であるという議論です。

 これまで島言葉の中に〈古い大和言葉〉を残しているという話をしてきました。最近も島言葉で仲間のことを〈どぅし〉と呼ぶのが「大和言葉の〈同士〉」だと気づいて、たのしい島言葉研究のメンバーに話をしたところです。
 単語的ににたものがいっぱいあるのは、別な言語というより似た言語ではないかと思わせます。
 でもそれは決定打とはいえないでしょう、違う国々の違う言語にも単語が取り入れられることはあるからです。
 先ごろ書いた「タイフーン」がアメリカ・ヨーロッパでも同じ様に〈大風・大風〉のこととして使われているというのもその一つです。

 では言語体系が違う・同じだということはどうやって証明したらよいのでしょう?

 言語体系が異なるという時に大きなもの決めてが〈文法〉です。

 日本語と英語は違う言語です。
日本語の「私はあなたが好きです」を英語では「I love you」と表現します。単語一つずつが違うだけでなく、日本語的に並べると〈私は 好きです あなたが〉という様に、言葉の並べ方の順番が違うのです。

 では古い沖縄のことばの文法はどうなっているでしょう、大和言葉と並べ方の順番が違うのでしょうか、みなさんはどう思いますか?

予想

 ア.似ている
 イ.違う
 ウ.その他

 

どうしてそう思いましたか?

 
 沖縄の古い書籍を探してみましょう。
手紙などもあるかもしれませんけど、私たちは簡単に読むことはできません。web上で読むことができる最古の歌集に「おもろそうし」があります、1500年代に編纂された古い文献です。
「1200年代からの歌を収集した」ということですから、沖縄最古の文献の一つだといってもよいかもしれません。
 
 海洋博公園のサイトに植物の説明として〈おもろそうし〉が引用されています、感謝して利用させていただきます。
 日本語・大和言葉と言葉の並びが違うのでしょうか?
 そもそも言葉じたいが全然意味不明のものたちなのでしょうか?
 
 予想をたてるとドキドキ・ワクワクしませんか。
 
 
700年も前に〈さくら〉の歌を詠んでいたことにもおどろくのですけど、日本語と英語、フランス語、中国語の様な違いは私には感じられません。
サイトの訳を参考に強引に訳してみましょう。
 
いっきゅう訳
 西の岳に〈さくら〉が咲く様に
 君志神女はしなるように踊ろう
 また、東の岳に、群れて花が咲く様に、君志神女は しなる様に踊ろう
 嶽加那志様は美しい〈日傘〉をさし
 杜加那志様は〈車傘〉をさし給う
 
何百年も前の言葉なので、難しい単語はあるとはいえ、大和言葉・日本語の言葉の並びが同じです。
 
 ○西岳の桜が咲く様に・・・
 ○あの川にアユが戻った様に・・・
 

似ています。

これを「琉球語」だと呼んで別な言語だといって良いのでしょうか?
 
「言語体系が異なる」という文献には「助詞の活用の仕方が大和言葉と違うところがある」という様な説明もあるのですけど、そういうことより、島言葉のこの大きな構造からして、私には同じ構造をもった言語だと思えます。
 
 これからさらに研究を深めていきたいと思います。
 
それにしても予想を立ててみていくと、たのしくワクワクする様な研究が続きます。たのしすぎてやめられません。

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