九州の大学で仮説実験授業を卒業論文のテーマにしているAくんから相談が来ました。
最も初期の仮説実験授業について知りたい。それと併せて「仮説実験授業はいつ生まれたか」という時の根拠になるものを知りたいです、という話です。
「仮説実験授業の誕生」の頃の資料を探してみましょう。仮説実験授業の生まれたあたりには、いくつかの画期的な出来事がありました。
A.1963年4月から同年7月まで上廻昭氏が国立教育研究所の板倉聖宣氏のもとに内地留学し、板倉聖宣の構想で授業書「ふりこと振動」の授業が完成
B.雑誌「理科教室」1964年2月号、3月号に「ふりこと振動」の授業記録を発表
C. 仮説実験授業研究会が1964年3月3日に「仮説実験授業研究 別冊-仮説実験授業の記録」①②を創刊
D.1964年10月5日タイプ版として「仮説実験授業研究」No.1を創刊
このうちのどれを「仮説実験授業の誕生」と位置づければよいのでしょう?
タイプ版の「仮説実験授業研究」創刊1号に板倉聖宣が「私たちの研究の立場-創刊にあたって-」という文章をまとめています。
こう始まります。
板倉聖宣
私たちが仮説実験授業の名のもとに共同研究をはじめてから一年あまりになります。
仮説実験授業の起点を1963年とすることは、異存ないでしょう。
50年以上経た今「仮説実験授業研究」を読むと、その瑞々しさと迫力を感じさせる中に、「仮説実験授業の技法はほぼ全て確立し、その大きな成果もすでに現れていたこと」を知って驚ろかされます。
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