学校へ〈シンプル教材導入〉の必要性-遠藤純夫先生の宇宙教育教材から「たのしくしまくとぅば:島言葉」へ②

 前回の記事の続きです、未読の方は一つ戻って読み始めてください。遠藤純夫先生が宇宙教育を学校現場にどの様に浸透させるかを考えて、「導入教材」として、つまり授業のはじまりの初めの部分で利用できる教材として作成すれば、それが叶うだろうと作成したのが《宇宙の学校》の教材です。

 海の見えるカレー屋さんで語った「遠藤先生、一枚もので教材を提供する、というわけにはいかないですかね」という私のアイディアは、今「たのしくしまくとぅば:島言葉」のプログラムとしてたくさんの人たちに喜んでもらっています。

「これなら、すぐに先生方も使えそうです、ありがとうございます」という言葉を管理職の先生たちがたくさん語ってくれました。

 さて、いよいよ新しいプログラムが完成間近です、もちろん一枚で、おいしい食べ物をつくりながら〈しまくとぅば:島言葉〉をたのしく学んでもらうことができます。実験的にためしたところ、小学生から大人まで、楽しんでもらうことができました。
 プロジェクトスタッフや協力者の方たちに〈島言葉や流れ〉の最終確認をしてもらっているところなので、今公開することはできないのですけど、一枚でも、十分目標が達成できるコンテンツになっています。

 遠藤純夫先生が存命なら、あのカレー屋さんにもう一度行って、このプリントを見てもらったのは間違いありません。
 遠藤先生はきっと「きゆなさん、いいのつくったね。そうか、こうすれば一枚でもいけるわけか」と喜んでくれたことでしょう。

 シンプルな教材は今の学校だからこそ必要とされているものでしょう。 この〈島言葉教材〉は、家庭科・生活科、食育、学級の日、お楽しみ会など、いろいろなジャンルで利用できるものになっています。
 来週には印刷にかけて、欲しい方たちにお頒けできるでしょう、気軽にお問い合わせください。

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仮説実験授業の授業書の変化球-実験中

 仮説実験授業という画期的な授業があります、たのしい教育研究所を強く応援してくださった〈板倉聖宣先生:仮説実験授業研究会初代代表・元文科省教育研究所室長〉が開発した授業方式です。

 板倉先生に「仮説実験授業の問題を二、三問取り出して〈自分の考えを語ることが苦手な子どもたち〉に実施してみたいのですけど」と相談したことがあります。
「きゆなさん、そういう実験はそれなりに価値があるかもしれないけれど、その時には〈仮説実験授業〉とはいえないから、そう言わないでやるんだよ。仮説実験授業は一連の問題やお話などを連続的にやる必要があるから」と返してくれました。
「仮説実験授業とはいえない」というのは、ダメな授業だということではありません。数問実施しただけでは仮説実験授業が提唱する効果が得られない、ということです。

 私は仮説実験授業暦40年です、いつの間にかかなりのベテランの仲間に入りました。教師時代の年間授業書実施回数は少なくても週数時間、多い時には20時間を越していましたから、累積すると全国的にみても上から数えた方が早い方でしょう。その私の経験を活かして〈自分の意見を伝える〉ことをテーマに実験的にプログラムを作って、何人かの先生に試してもらっています。

 気に入ってくれた先生たちが、授業書を手にして《仮説実験授業》を実施してくれる様になることも、目標の一つです。

 結果がハッキリしてきたら広く紹介していきたいと考えています。

 仮説実験授業の問題はたのしく、自分の頭がどんどん動いていきます。
 いくつか問題を経験していくうちに、「こういう意見をいいたいな、いえるかもしれないな」そう感じてくれる子どもたちが増えていくというのが私の予想です。

 それもまた〈意見をいうたのしみを味わうプログラム〉として十分価値のあることだと思っています。

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フロイトの天才性:楽しいカウンセリング入門

 読者の方から教育カウンセリングに関する長い便りをいただきました、いろいろな流派の本を読んで学んでいる方からです。空手や授業などの実技系はその〈技〉を直接学ばずに上達する、強くなるというのは考えづらいのですけど、心の問題、頭の中の問題は本との親和性が高いと思います。師の野田俊作は「自分で自分の髪の毛をひっぱって浮き上がることはできないのと同じ様に、自分で自分のカウンセリングはできない」という話を言葉を変えて何度かしてくれたのですけど、PEALカウンセリングを開発する中で〈できると〉と確信する様になりました。

 とはいっても簡単だとは言えません、県外から私のPEALカウンセリングを受けに来る方もいます、希望する方は気軽にお問い合わせください。

 さて少し話を戻して、長いお手紙の中に、以前私がこのサイトに書いたのでしょう、〈フロイト〉の話が出てきました。

 フロイトは「人間は意識的な思考や感情から生まれる」と考えられてきた中で「人間の精神活動の多くが意識的な思考や感覚よりも、無意識の領域から影響を受けている」と考えました。
 夢、言い間違い、自由連想などの行動や反応も、無意識の願望や衝突、恐れによって形成されるというのです。

 意識より無意識から大きく影響を受けているのかどうかは、人間の行動全体の分析が必要ですから置くとして「無意識が行動や思考に影響するのだ」というアイディアは天才的な見切りでした。

 日常の行動や選択の背後にある無意識の動機や衝突を理解することで、より自分自身を理解して、精神的な問題を解決しようというのがフロイトの精神分析です。

 彼の理論は当時としては非常に革新的で多くの議論や批判の対象となりました、けれど現代ではそれが心理学や精神医学の基盤として広く受け入れられ大きな影響を与えました。
行動療法の原理主義的な流派はそうではないかもしれませんけど、〈無意識〉の領域を無視しているカウンセリングはほとんどないと思います、もちろんPEALカウンセリングもフロイトの天才性をベースにして進化していったカウンセリングだといえるでしょう。

 無意識的なものを意識で特定できるのか?

 PEALカウンセリングならできます、論理療法など効果のあがるカウンセリングも無意識的な思い込みなどをはっきりさせながらすすめるので、PEALカウンセリングだけではありません。

 それが冒頭に書いた「自分で自分の髪の毛をひっぱって浮き上がることはできないのと同じ様に自分で自分のカウンセリングはできない」という考えに対して私が「できると」と確信する様になったきっかけの一つです。

 いつの時代も人間の悩みは尽きません。

 そういう中でパニックにならず、できることから一つ一つ解決する、心の収め方を学んでいくことが大切です。

 子どもたちにとっても同じでしょう、力あるカウンセラーがゆっくり増えていくことを願いながら、PEALカウンセリングを広めていきたいと思います。

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楽しい授業論・楽しい研究論:ロックバランス-研究進む/楽しさ論 教師も自分の可能性をたのしく伸ばして実験する

 真理へは論争ではなく〈仮説・実験/予想・実験〉の過程によってのみ至る! 前回の板倉聖宣の脚気に関わる話の前に私が問いかけた質問の答えです。それは、飾りとしての言葉ではなく、実際にたのしい教育研究所が創り出す〈たのしい教育プログラム〉にも生きています。
 たのしい教育プログラムは「こうすればたのしく賢く学ぶことができるプログラムになる」という考えだけで完成するのではありません、その後でいろいろな人たちが試して、実験的に「確かにそうなる」という過程を経て完成します。

 最近たくさんの人たちが試してくれている「ロックバランス」は〈予想⇨実験〉の過程を経て、もうすぐ完成するプログラムです。

「え、こういうのは教科書にないのに、学校でやっていいの?」という声は聞いたことがありませんけど、もしかすると心の何処かに思い浮かべている人がいるかもしれません。
 学校教育というのは〈一人ひとりの子どもたちの可能性を伸ばしていく場所〉です。
 苦しく嫌な想いを抱きながら可能性を伸ばすことができるでしょうか?

 無理です。

 例えば私いっきゅうは小学生の頃、書道で毎回というほど表彰されてきました、ところがそれを指導した先生の苦しい嫌な感じがあって、墨の匂いかぐのもイヤになってしまいました。嫌なものは使わないのです、そんなものは可能性でもなんでもありません。

 可能性を伸ばすというなら〈たのしさ〉は必須です。

 そしてそういう場では教師自身もいろいろな可能性を伸ばしていく必要があります。「はい今日は教科書◯ページの右側からですね、まず漢字の書き順からやりますよ」というパターンが連日続くとしたら、子どもたちにとっても教師自身にとっても苦しいものとなるでしょう。

 週に一回程度からスタートして「ねぇねぇ、先生最近、こんなたのしいものを発見したんだけどね、ロックバランスっていって、絶妙なのに結構簡単なのよ。今日の図工のクロッキーの授業は、まず10分くらいロックバランスをたのしんでから、それを描くことにしましょう´ー`) 」
という様な授業ができる先生たちが増えていくと、間違いなく学校は魅力的な処になっていくと思います。

 前書きが長くなりました、興味のある方は気軽にたのしい教育研究所に「どんな教材がありますか」と問い合わせてください。

 「ロックバランシング」という本も出ていますから、二番煎じだと考える人たちもいるでしょう、違います。
・それが教育の場で利用できるのか
・どういう教材素材を利用するか
・利用素材は身近な処で安価に手に入れることができるのか
・子どもたちはどの程度喜んでくれるのか
・時間制限を加えた方がよいのかどうか
・危険度はどうか
・どの様な語りかけで導入したらよいか
 etc.

 いろいろなことを研究していって〈たの研〉の教材になるのです、本の真似ではなく本から出発して教材化するのです。

 現在は、いろいろな先生たちが学校で子どもたちに試してもらっています。
 その喜んでくれている顔がたくさん届きました、メルマガでも紹介しようと思っているのですけど、2~3枚先にこのサイトに載せましょう。
 たのしい教育研究所の個人情報保護規定によって表情を見てもらうわけにはいかないのが残念ですけど、どの子も満面の笑みをたたえています。

  まず子どもたちは〈大きな石⇨小さな石〉の積み重ねをたのしむ様だということもハッキリしました。

 そこで下の写真の様な〈絶妙バランス〉の積み重ねを、どれくらいのタイミングで提示していくかについて研究中です、これができたら講座などで広くいろいろな先生たちに紹介したいと思います。

 

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