特別支援の先生は少人数加配教師ではない/PEALカウンセリングの事例から

〈たの研/たのしい教育研究所〉に相談に来る方たちが、その中で心を落ち着けて新しいアイディアに可能性を見出して元気になっていくのはどうしてか?

〈たの研/たのしい教育研究所〉の支援メンバーがPEALカウンセラーかつ、自らたのしく教師活動を続けてきた〈たのしい教育のプロフェッショナル〉だからです。

 まだまだあります。

 いわゆる仕事として相談を受けているのではなく、その人を支援したいという熱意・感情から出発しているというのも大きな一つです。

 悩みや混乱が大きくなる前に気軽にお問い合わせください。

 以前、特別支援のA先生から相談がありました。※いつものように特定できるような部分は脚色して紹介します

 その先生が担当する特支のクラスに四年生のB子さんが算数の時間に通級してくるそうです。B子さんは毎回、クラスでみんながやっている算数のプリントを渡され、「特支の先生とプリントをやるように」と指示されてやってくるそうで、A先生は、担任の先生のいうようにすすめているのですけど、このままでよいのか悩み始めていました。

 特支の先生は、その子のもつハンディーの程度を把握して、その子の可能性が伸びていくように、その子が興味をもって主体的に取り組み、成就感を味わうことができるような指導内容を取り上げるスペシャリストです。※ちなみに私いっきゅうは大学で特別支援教育を真剣に学び、教員採用試験の時、特支学校にしようか真剣に迷ったくらいですから、特支の内容についても把握しています。門外漢ではなく私もエキスパートの一人です

 学校には〈少人数加配〉的に配置される先生たちがいます。一般に〈支援員〉と呼ばれます、一斉授業では指導が難しい子どもについてあげる先生です。

 特別支援学級を担当する先生は支援員ではなく、特別な配慮を要する子の実情に合わせて、スペシャルの支援を任されている先生です。担任の先生の指示にしたがってヘルプするのではなく、担任の先生と対等な立場でその子の可能性を伸ばしていくように支援していくスペシャリストです。

 特別支援学級、特別支援学校について基準を定めた指導要領にはこうあります。

第3 個別の指導計画の作成と内容の取扱い

1 自立活動の指導に当たっては,個々の児童又は生徒の障害の状態や特性及び心身の発達の段階等の的確な把握に基づき,指導すべき課題を明確にすることによって,指導目標及び指導内容を設定し,個別の指導計画を作成するものとする。その際,第2に示す内容の中からそれぞれに必要とする項目を選定し,それらを相互に関連付け,具体的に指導内容を設定するものとする。

2 個別の指導計画の作成に当たっては,次の事項に配慮するものとする。

⑶ 具体的な指導内容を設定する際には,以下の点を考慮すること。
ア 児童又は生徒が,興味をもって主体的に取り組み,成就感を味わうとともに自己を肯定的に捉えることができるような指導内容を取り上げること

 その子について「個別の指導計画」を作成してすすめること、その時には「児童又は生徒が,興味をもって主体的に取り組み,成就感を味わうとともに自己を肯定的に捉えることができるような指導内容を取り上げること」と明記されています。

 「特別支援学級でクラスでみんながやっているプリントをすすめる」を、その子固有の支援と考えるのは無理があります。困るからよその教室でやってきて、というようにとらえることができないわけでもありません。

 その先生が言語化できずモヤモヤしていたことは、PEALカウンセリングの中で焦点化され、ではどうするかという選択肢を一緒に考えていきました。

 結果として「管理職に相談して、B子さんの具体的な支援方法について担任を含んで相談する。その後、特別支援をテーマにする会議で広く、特別支援学級の意義、方法について確認する」という方法をすすめることを選択しました。

 A先生はその後、ふっきれて、元気に教師を続けていると連絡がありました。

 先生たちは、働かされ放題の過酷な労働環境の中でも子どもたちが大好きで、その子たちのことを大切に考えています。
 PEALカウンセリングの中で、きっとよりよい方法を見出していけるでしょう。これからも先生たちの支援に全力をあげていきたいと思います。

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先生たちの悩みと保護者の悩み@たのしいPEALカウンセリング入門

 たのしい教育研究所(RIDE)には保護者の皆さんからも先生たちからも個別の相談が持ち込まれます。中には〈先生の指導に納得がいかない〉という《対教師/対学校》であったり、〈子どもの指導に納得いかない保護者にどう対応したらよいか〉という《対保護者》の相談というものもあります。

 もしも保護者から「うちの子がいじめの加害者だと先生に言われた、おかしいと思う」と憤った相談が来て、前後してその先生から「難しい保護者がいて落ち着いた指導ができない」という相談が来たとします。

 カウンセリングは成立するのでしょうか?
 ちなみに弁護士の場合、相対する両方からの相談を受けることはありません。
 利害が対立するからです。

〈たのしい教育研究所〉のサイトで利用している画像は基本的に生成A.I.で作成されたものです

 

 両者のカウンセリングは成立するのか?

 他派のカウンセリングについては責任を持てないのですけどPEALカウンセリングなら大丈夫です。

 PEALカウンセリングはカウンセリングの名手 野田俊作先生から学んだ〈アドラー心理学〉と仮説実験授業の生みの親 板倉聖宣先生から学んだ〈科学の方法〉を融合させて生まれました。

 アドラー心理学の基本前提の一つが「目的論」です。

 PEALカウンセリングも、その人の目的をはっきりさせるところからはじまります。

 でも「親は教師に文句をいいたい」で〈教師は保護者の行動に否定的〉な思いなんだから「保護者に文句をいってきてほしくない」でしょう、目標が対立しているんだからカウンセリングはすすめられないでしょ?

 いいえ、クライエントが口にしたことだけが目標というわけではありません。

 PEALカウンセリングをすすめて行くなかで、より本質的な目標、より重要な目標を整理していくことができます。

 興味のある方は軽いレッスンからスタートすることができます、お問い合わせください。

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PEALカウンセリング入門〈マンガ:うつヌケ〉/ウツの症状

 子どものことで悩む保護者の方、児童生徒のことで苦しむ教師、夫婦関係、上司との関係、同僚との関係、体調のことetc. 人間の悩みは尽きません。

 PEALカウンセリングは、その悩みに対して今の自分にできることを整理していくなかで、着実に問題解決に向かっていく技法です。悩みの中にいると見えなくなっているものごとを、PEALカウンセラーと対話していくことで、可能性が見えてきます。
 悩みが深くなる前に、ご相談ください。

 今回は「職場に行く気になれない」と悩み、カウンセリングを依頼してきた方に「もしかするとこれが解決のヒントになるかもしれませんよ」と紹介した本をとりあげましょう。
 その方は「なんとかなりそうです」ということで、カウンセリングは2回で終了しました。

 漫画家の田中圭一さんが、自分のウツとの関わりと、ウツから抜け出ることができた経験を描いた作品です。

 周りだけでなく本人も〈ウツ〉を〈怠け〉だと考えてしまうことがあります。

 けれど、このマンガのように未来が怖い、生きるのが辛いというのは、怠け心とは異質です。

 PEALカウンセリングの症例的にいうとウツ病は〈がんばり続ける身体にストップをかけようとしている防衛本能〉である場合が多いと考えています。

 心療内科とPEALカウンセリングは何が違うかと質問されたことがありました。

 PEALカウンセリングは〈薬〉を利用せずに解決していく方法です。私の処に相談に来るクライエントさんの中には、すでに心療内科などクリニック(病院)を受診した方たちもいます。ほとんど全て薬を処方されています。

 もちろん専門のお医者さんですから、基準にしたがって処方しているのは間違いありません。

 PEALカウンセリングは薬ではなく、今の自分の可能性をあまり無理せず、少しずつ広げていくことで、問題解決に向かっていく方法です。

 あまり症状が強くなる前に、相談することをおすすめします。

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悲しい出来事に負けないで/最新〈たのしい教育メールマガジン〉の反響から

 最新号の〈たのしい教育メールマガジン〉で最も反響が大きかったのは「映画の章」の中で少し書いた《悲しい出来事に負けないで!》という稿でした。

悲しい出来事に負けないで!
 韓国には名優がたくさんいると書いたのですけど、その先頭集団を走っていたイ・ソンギュさん(アカデミー賞『パラサイト 半地下の家族』の主要キャスト)が昨年末、自死するという辛いできごとがありました。
 本人は薬物使用を否定し続けているなか、警察での取り調べの内容が次々マスコミに流れ、その後3回目の取り調べが何と〈19時間〉にも及び、朝方返されたイ・ソンギュさんは、その後、自ら命を絶ったといわれています。

 韓国映画界の団体はポン・ジュノ監督を筆頭に「警察の情報管理にわずかの問題もなかったのか、徹底した真相究明を求める」と表明しています。
 日本でも『セクシー田中さん』の原作者芦原妃名子さんの〈無念の自死〉といわれているできごとと重なり苦しくなります。
 以前の映画の章で紹介したナワリヌイさんも先日ロシアの獄中で突然死したと伝えられました。私はそのニュースを聴いてとても悲しい日々を過ごしました。
 財務省近畿財務局職員〈赤木さん〉が首相の不正に繋がる可能性を摘むために上司から公文書改ざんを強いられ自死した事件もありました。
 それらに被さるように、私たちの税金を勝手に利用する政治家達の暴挙などが明らかになってきています。一人ひとりの無力感に脱力してしまう人たちも多いと思います。

 私が注目していた映画プロデューサーに〈叶井俊太郎さん〉がいます、去年から何度もこの章で書こうと思っていたとても面白い人物です。
 いろいろ否定的な評判もあり、作った会社が倒産するなどの問題も起こっていたのですけど、数年前、漫画家の倉田真由美さんと結婚したことで、世間の噂ほどへんな人ではないのだろうと思っていました。

 倉田さんの顔や発言をみると〈いい人だ、真当な人だ〉と思えます。「いい人が心を許す人はいい人だ」という私の人間観からすると叶井さんは世間がいうほど悪い人ではない…
 叶井さんは2年前、末期の膵臓ガンだと診断され、「髪の毛が抜けるくらいなら抗癌剤治療はやらない」と宣言し、癌治療を拒否して普通に仕事を続けてきました。
 昨年末『エンドロール! 末期がんになった叶井俊太郎と、文化人15人の“余命半年”論 単行本』という本を出しました。末期の癌患者の執筆だというのに、笑える名著です。※〈たの研蔵書〉なので読みたい方は一週間レンタル可能です
 この人はまだ数年は生きるんじゃないだろうかと考えていたのですけど、叶井さんは先週他界しました。とても悲しいニュースでした。
 まだまだ悲しいできごとはたくさんあります。
 そうやってみていると、私たちの周りには悲しいことがたくさんありますね。それに注目していると世の中は悲しい出来事に満ち溢れているかのようです。
 けれどそれらを前にして私たち自身が力をなくしてはいけません、それは想い半ばだった大切な人たちのその想いを消し去ることにもつながります。
 時間はかかるだろうけれど、大切な人たちの想い、やりたかったことを無にしない意味でも私たちがまず元気に生きる、『闇が深ければ深いほど、光もまた強く輝く』でいきましょう!

 ソンギュさんのことを書いたら話がどんどんすすんでしまいました、最近は〈大切な対象を亡くした方〉たちのカウンセリングも複数引き受けたので、そのこともあったのでしょう、そのまま筆が流れていきました。
 そろそろ映画『暴力都市3』の話に戻しましょう。

 世の中には、これでもか、と思えるくらい悲しい出来事があります。それらを前にすると、本当に私たちには力がないのだなと思えるくらいです。それでも力を止めてはいけません。
 変わらないように見えても必ず世の中は変わります。
 それは歴史が証明してくれています。

 読者の皆さんと一緒に前に進んでいくこることを噛みしめながら、毎日このサイトを綴っています。可能な方はぜひ周りの人たちに「このサイトいいよ」と伝えてリンクを送ってください。地道な取り組みが世の中の変化を必ず後押ししてくれるでしょう。よろしくおねがいいたします。

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