覚えておこう〈毒のある毛虫〉-たのしいアウトドア入門

 毛虫はたくさんいるけれど〈毒のある毛虫〉は少ないという記事の続きです。

 沖縄の毛虫で時々みかける毒のある毛虫を覚えておきましょう、これから活動が活発になる時期です。

タイワンキドクガ

タイワンキドクガ(いっきゅう写)


コシロモンドクガ

コシロモンドクガ


マイマイガ

マイマイガ

 


オキナワドクガ

オキナワドクガ


マエグロマイマイ

 何となく毒々しい感じもしますね。

 捕まえて、ガになるまで成長を見たい人は、割り箸などを利用するとよいでしょう。

 その毛虫がついていた葉っぱをたくさん入れておくと食べ物になるはずです。

 

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優等・劣等と分けたのはメンデルさんか? たのしい教育メールマガジンから

 メルマガに「言葉のもとの意味を調べる意義」として書いたところ、いろいろな反応がきて喜んでいます。

 私がメルマガに血液型の例を出して「〈優性遺伝〉〈劣性遺伝〉という様に、人間に直接優性・劣性とラベリングするのはなかなかないと思う」と書いたところ
「いっきゅう先生、以前は〈優等生〉〈劣等生〉という言葉がありましたよね」というメールがとどきました。

 たしかに!

 遺伝や進化の研究は〈優等〉〈劣等〉という酷い差別を生み出したともいえます。

 今回のメルマガの発想法の章の最後にこう書きました。

心やさしき研究者メンデル

「おだやかで寛大で心優しい、花を愛した人でした」と評されたメンデルは、植物たちの遺伝の形質に「優れている・劣っている」と表現した人物ではありませんでした。
 ここで私の長年の謎は解け、その肖像をみる時にも、おだやかな気持ちで向き合うことができる様になりました。

 そしてさらに気になっていた「ダーウィンはどうしてメンデルさんの研究に目をつけなかったのか」というテーマにすすんでいます。

 実は、ダーウィンとメンデルの関係と同じくらい

では、誰が遺伝形質を優性・劣性という価値観で分けたのか」「優等な形質をもった人間を残そう、という恐ろしい発想を広めたのは誰なのか?

という強い問題意識があります。

 そういう〈優生学〉はナチス・ドイツはとんでもない蛮行にも繋がっていきました。

 人間を〈優等〉〈劣等〉に分けるのはとんでもないことだということに賛同する人は多いでしょう。

 でも私たちは〈優等劣等〉言葉はつかわなくても、たとえば植物についてはごく普通に〈美味しいもの・美味しくないもの〉〈甘いもの・甘くないもの〉〈大きいもの・小さいもの〉〈花がたくさんつくもの・少ないもの〉〈長く咲き続けるもの・すぐ咲き終わるもの〉という様に優劣をつけてとらえています。

 動物たちについてもそういうところがあります。

 それを私たち人間は解決できるのでしょうか。
 解決する必要はないのでしょうか。

 そういうとても大きな問題とつながります。

 いつか〈たのしい教育メールマガジン〉で私の考えをまとめてみたいとおもっているところです。

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毛虫は毒があるの? オキナワモンシロモドキの幼虫

よく行く海岸でモンパノキをみたら・・・

 「オキナワモンシロモドキ」の幼虫です。

 モンシロチョウみたいだというので名付けられました、前に書いたのですけど、私は「モドキ」という言葉は失礼だと思っています。
 

 ジーっと見ているとクネクネと早く動いていました、一つ一つの毛が長いなぁ。

 
 「先生、毛虫はみんな毒があるの?」という質問を受けたことがあります。

 毛虫を見るだけで痒くなったりする人もいますから、イメージがよくないのでしょう。

 答えをいうと「毛虫の中で毒のあるものは少数派」です、意外だと思う人も多いでしょう。このモンシロモドキも毒があると書かれた説明は見受けられません。

 親が毛虫をみて「キャ~」と騒ぐことで、子どもも〈これは危険な生き物だ〉と学ぶことになりますから、毒のある毛虫を知っておくことも大切です。

 沖縄の〈毒のある毛虫〉で覚えておきたい筆頭は〈タイワンキドクガ〉です、前にも書きましたけど、学校で刺されてかぶれる子たちがいます。

 次回、注意したい毛虫たちの話をしましょう。

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たのしいブックレビュー『遺伝子』=ダーウィンさんとメンデルさんの謎

 前回からの続きです、どうしてダーウィンさんは自分の進化論にとって決定的に重要な実験をしていたメンデルさんの研究に触れていないのか、知らなかったのか、という話です。

 最近読んだ本

 シッダールタ・ムカジー著『遺伝子(上)』早川書房

 にこうあります。

 もしダーウィンが彼の膨大な蔵書を注意深く探したなら、ブルノに住むほとんど無名の植物学者の書いたパッとしない論文への言及に目を止めたかもしれない。

 1866年に無名の雑誌に掲載された「植物の交雑実験」という控えめなタイトルのその論文には、ドイツ語がびっしりと並んでいた上にダーウィンがとりわけ嫌っていた〈数表〉がいくつもあった。それでもダーウィンはあと1歩でその論文を読むところだった。

 1870年代初めに植物の交雑に関するある本を読みながら、彼は50ページと51ページと53ページと54ページに膨大な書き込みをしていたのだ。しかしなぜか、エンドウの交雑実験に関するブルノで発表された論文について詳細に論じられている〈52ページ〉には何の書き込みもなかった

 もしダーウィンがエンドウの論文を実際に読んだなら、とりわけ家畜、栽培植物の変異を書きながら、パンゲン説を作り上げようとしていた最中に、その論文は、彼に自らの進化論を理解するための決定的な洞察を与えたはずだった。

 彼はおそらくそこに含まれた意味に魅了され、その研究者が行った優しさあふれる作業に感銘を受け、その論文の持つ奇妙な説得力に胸を打たれたに違いなかった。

 直感的な知性によって進化論を理解するための理論が含まれていることをすぐに見抜いたはずだ。さらにその論文の著者が自分と同じ聖職者であり、自分と同じように神学から生物学へと壮大な旅をして、そしてまた自分と同じように、地図の端から起こした人物だということを知って喜んではずだ。その人物とは聖アウグスト修道会の修道士、グレゴール・ヨハン・メンデルだった。

 〈とても広い空白〉の章ラスト部分

 生物学の研究者の間では「ダーウィンがメンデルの論文を読んだ証拠は見つかっていない」と言われているのですけど、ムカジーさんはダーウィンの書き込みにまで言及しているので、ほぼ確かなことなのでしょう。とはいえ確かではない可能性もあるので「かなり確かだろう」という段階でとめておいて、今後その書き込みの写真が出てきた時に決定打とした方がよいと思います。
 ちなみにこのムカジーさんは一流の研究者であり、ピュリッツァー賞も手にした人物で、ネットなどでみる様な怪しい人物ではありません。

 さて、ムカジーの著書によるとダーウィンは数表をとりわけ嫌っていた、とのこと・・・

 ダーウィンさんが数表を嫌っていなかったら、その当時の人たちに対して進化論をさらに説得力ある文章で説いていったに違いありません。

 あの頃、たのしい教育研究所があったら、ダーウィンさんにたのしく算数・数学の力を高めてあげられたのに・・・
 そんなことを考えていました。

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