黒澤明の名作『デルス・ウザーラ』で楽しい英語@メルマガ

 メルマガの記事の反響がさっそく届き始めています、映画の章で紹介した

黒澤明の名作『デルス・ウザーラ』で楽しい英語

の一部を紹介しましょう。

 日本にもプレシディオチャンネルなど、映画を無料公開しているサイトがいくつかあるのですけど、海外はその数が桁違いです。
 そこに名作『Dersu Uzala』が並んでいたのでびっくりしました、配信サービスでも出てこない名作中の名作です。去年、久しぶりに観たいと思ってDVDレンタル屋さんに行ったのだけど古くてダメになったのでしょう、置いていませんでした。
 日本語字幕はついていません、しかも語られているのはロシア語です。けれどそこに〈英語字幕〉がついていました。その英語字幕がとてもよくできていて、中学英語レベルでシンプルにまとまっています。
 動画を止めながら字幕を読み観ていくと、名作映画というだけでなく、英語の勉強もたのしく進むでしょう。
 最初は「とりあえず5分くらい観てみよう」くらいの軽い気持ちで開くとよいと思います。
 私が英語の先生なら、きっと気に入りのシーンを教材として使ったことでしょう。

何か探しているのかい?
はい、お墓を・・・

誰も死んでないよ、ここではまだ。

 シンプルな英語です、みなさんも楽しんでみませんか。

 いつまで無料公開されているか分からないので、早めに視聴することをおすすめします。

 

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楽しい英語・たのしくEnglish/ジャック・モノー著『偶然と必然』の英文の提供がありました

 前に大学生からメールが来た時の記事で「いつか時間ができたらジャック・モノーの『偶然と必然』をわかりやすく訳したい」と書いたところ、英文の画像が数枚送られてきました。

 びっくりしました、これも〈アクセス1000台〉の力の一つだと思います、ありがとうございます。

 これが初めの部分です。

 その方曰く「モノーはフランス人なので、フランス語を学んでいないと難しいでしょう」、私は勝手に原書は英文だと思っていました、すみません。

 さて、英文を訳し直すと、私が読んだ訳本よりわかりやすくなる気がしています。

 英文を書き出してみました。

Of Strange Objects
〈the natural and the artificial〉
THE DIFFERENCE between artificial and natural objects seems immediately and unambiguously apparent to all of us.
A rock, a mountain, a river, or a cloud—these are natural objects; a knife, a handkerchief, a car—so many artificial objects, artifacts.*
Analyze these artificial judgments, however, and it will be seen that they are neither immediate nor strictly objective.
We know that the knife was man-made for a use its maker visualized beforehand.

 前回の〈前から訳して全体を把握する〉という訳し方に興味をもってくれている方もいるので、今回もその方式でいきましょう。見慣れた映画の脚本を訳するのと違って、わからない単語もいろいろ出てくるので、その場合はweb上の辞書を利用します。

「はじめから全体をwebに訳してもらえばいい」と考える人もいるでしょう。でもそれでは楽しい英語/英文の楽しみを味わう時間になりません。

Of Strange Objects(奇妙な物質)
〈the natural and the artificial〉(自然のモノと人工的なモノ)

THE DIFFERENCE (違いというモノ)between artificial and natural objects(人工物と自然の物質の間の) seems immediately(瞬時に見えてくる) and unambiguously apparent (曖昧さなくハッキリ見えてくる)to all of us(私たちみんなに).

A rock, a mountain, a river, or a cloud(岩、山、川あるいは雲)—these are natural objects(それらは自然の物質です); a knife, a handkerchief, a car(ナイフ、ハンカチ、車)—so many artificial objects, artifacts(人間の手によって作られた物質たち、人工物).
*Analyze these artificial judgments(人工物について分析すると), however(しかしながら), and it will be seen that they are neither immediate nor strictly objective(それらはすぐにそしてハッキリとわかってくるわけではない).
We know(私たちは知っている) that the knife was man-made(ナイフは人間によって作られた) for a use(私たちのために) its maker visualized(作る人が頭の中で視覚化したもの) beforehand(前もって).

「何だ、当たり前のことを言っているじゃないか」と思うかもしれません。
その後もノーは「実は人工物と自然の物質を見分けるのは簡単ではない」という話をします。

 生物の進化は〈突然変異という偶然〉と〈物理法則という必然〉の組み合わせで出来上がっているのであって、そこに想像主つまり「神」などの意図は存在しないという話をする前段として「自然物と人工物の違いを見分けるのは簡単ではないぞ」とはじめたジャック・モノーの『偶然と必然/みすず書房』、またゆっくり味わいたいものです。

https://amzn.to/3DQazlQ

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楽しいブック・レビュー@読書案内/科学の本 ジャック・モノー『偶然と必然』

 大学生から嬉しいメールをもらいました、本の紹介・ブックレビューがたのしくてよく開いてくれているとのこと。昨日のアクセス数が1500pvくらいです、その中には大学生もいておかしくないわけですね。以前紹介した教え子は大学院に進むということでしたから、院生も一定数いることでしょう。

「学生時代に読んだ本で心に残っているもの」という質問がありました。

 私は心理学系を主に学んだのですけど、科学も好きでいろいろ読んでいました。その中で苦戦しつつ読んで感動した一冊がジャック・モノー著『偶然と必然』みすず書房1972年 です。
 今でも保存してあるのは間違いないのですけど、探すのは大変です。

 
 ノーベル生物学賞受賞者で、パスツール研究所の所長という肩書きより、本の裏の紹介に惹かれました。

 曰く「左右の思想界から激しい批判と反論を受けている」

「ほぉ、ノーベル賞を受賞して世界に冠たる研究所の所長が〈激しい批判・反論〉を受けるようなものを書くのか、すごいな」
 そう思って、バイトで蓄えたお金で手にした一冊です。

著者はまず、古くして新しい問題、生物とは何かという問題をとり上げ、現代考えられうる最も科学的・客観的な方法でこれにアプローチしようとする。そして、コンピューターによる何重かのふるい分けの思考実験から、生物の特徴は不変の再生、合目的的な活動にあるという結論に到達する。さらに、著者も偉大な開拓者の一人である現代生物学の立場に立って考察を進め、これらの特性がそれぞれ、核酸とタンパク質に顕現されていることを、遺伝情報の複製・伝達、種々の酵素の驚嘆すべき整然たる構造・機能の説明によって示している。

だが、機械的ともいえるような保守的な合目的的なプロセスのなかに、進化はどのようにして根を下して、新しいイノヴェイティヴなもの、創造的なものを生物圏に送りだすのであろうか。進化の要因は、不変な情報が微視的な偶然による擾乱を受けることにある。このように偶然に発した情報は、合目的的な機構により、あるいは取入れられ、あるいは拒否され、さらに忠実に再生・翻訳され、その後、巨視的な自然の選択を経て必然のものとなる。

このような中心思想に立って、教授は生物のうちで最も特異なもの、約五十万年の昔から思考力の進化を推し進めてきた人類に関する重大な問題に、大胆な、挑戦的な試論を展開する。随所で、ギリシャ以来の多くの有名な思想、特に現代に影響力をもつへーゲル、マルクス、ベルクソン、テイヤールなどの思想が俎上にのせられ、生気説、物活説の宣告のもとに退けられている。

したがって本書は刊行以来、広く一般の反響を呼び、左右の思想界から激しい批判と反論を受けている。本訳書がわが国の広い読者層に読まれ、また専門の方々の鋭い批判の起ることを願うものである。

 読むにはなかなか骨が折れたのだけど「生物はある目的に従って進化しているのではなく〈突然変異という偶然〉と〈生物・物理の法則という必然〉に従うプロセスなんだ」ということで、神の意思とか設計者の存在を明確に否定する論調に、清々しさを感じました。
 モノーは明確なる原子論者です。

 自由意志があるのかないのか、というところは残念ながら私の力では読み取ることができませんでした。
 本が見つかったら、挑戦してみたいと思います。
 今なら、しっかり読み取ることができるでしょう。

 読み取ることに苦労したというのは、おそらく翻訳がうまくなかったのだろうと思います。
 英文のテキストがあったら、いつか翻訳できるといいな。

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楽しい英語・たのしくEnglish@本のある暮らし/名作ダイ・ハード

 学生時代から活字中毒だったので、これまでたくさん処分してきたのに、たくさんの蔵書が残っています。暇ができたら何十年も思い切りたのしむことができます。

 これは英語関係の書棚です、ここで1000冊近くあると思います。

 

 一冊手にしてみましょう。
 映画も大好きで、たくさん揃えています、これはアクション映画の名作『ダイ・ハード』、たしか古本屋さんで手に入れた本です。

 

 映画ではわからなかったことも本でたのしむことができます。
 まずタイトルから。

DIE HARD
WITH A VENGEANCE
A novel by D. Chiel
Based on a screenplay written by Jonathan Hensleigh

〈DIE HARD/ダイ・ハード〉の直訳は〈死ぬのが難しい/死に難い〉です、『不死身の男』というのが日本語に馴染むイメージでしょう。

 続いて

D. Chielによる小説
ジョナサン・ヘンズリーの脚本に基づく

 映画の脚本をノベライズ(小説化)したものです。
 映画を十回以上みているので、知らない単語が出てきてそのシーンから「ま、こういう意味でいいだろう」と強引に読み進めることができます。

 はじめのところを訳してみましょう。

 今は学校でどう教えているのでしょう?
 私の時には「直訳ではなく全体をしっかり把握して意訳(意味が通るような訳)しましょう」という指導が基本でしたから、すぐに英語が嫌いになりました。
 映画が好きになって、少しずつ英語が読めるようになってきました。

 はじめの方からまとまりごとに直訳していっていいんです。
 アメリカ人も日本人も同じ人間同士です、文化は違っていても思考回路に大きな違いはありませんから、理解することは難しくありません。

 やってみましょう。

At dawn(夜明け), the sun was(太陽は)a brilliant orange ball of fire(鮮やかなオレンジの火の玉のように)rising (昇りつつある)in the pale blue sky (あわい青い空)above New York City(ニューヨークの上).

「この単語はどれにかかる」とか「〈~に〉なの〈~から〉なの?」というような入試問題を解くような読み方をやめると、私のように英語と親しくなっていける人も増えていくのではないかと思っています。

あれ?

ダイ・ハードの始まりは、飛行機の中で、主人公のブルース・ウィリスに隣の人が「緊張してるでしょ? あのね、裸足になって足の指を丸めたらリラックスできるんだよ」というような会話をしているシーンだったんじゃないかな? それが後の〈なんちゃってテロリストたち〉と闘う時の伏線にもなっていて、実に脚本がよくできている名作です。

 映画をさっそく確かめてみたいと思います。ダイ・ハード好きのみなさん、どう思いますか? 

 この本にある、夜明けの通りのシーンから始まると思いますか?

 映画も英語も奥が深くてやめられません。
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