野田俊作先生の講演記録-古いデータの整理整頓は楽しい

古いデータを整理整頓しています、「おや、野田先生が沖縄に来てくれた時の講演を起こした原稿がこんなところに・・・」と驚きました、私が野田先生の話を直接文字起こしした資料でした。1998年の日付がついています、野田先生に何度も来てもらったのですけど、野田先生も沖縄になれた頃の話です。
 よそではほとんど聞いたことのない、自分の子どもの頃の話をしてくれています。
 残念なことにPDFデータのみなので、編集には手間がかかるのですけど、はじめの部分を紹介しましょう、いずれカウンセリング系の冊子を作ることになったら全文入れたいと思います。

野田


 こんにちは。
この『子どもの困った行動とのつきあい方』 という題名はわたしがつけたものではありません。きゆなさんが一方的につけて「これでお願いしますね」 っていうので、おしつけられる事にしました。

 
わたしだと、 こういうふうに言わないんです。 どうしてかというと恥ずかしいからです。
 私は子どもの頃、スゴイ困った子だったんです… 親から見るとね。 私自身がすごく身に覚えがあるから、こういうタイトルで話すのは恥ずかしいと、そういうわけです。
しかし、大坂から遠く離れたところなので、 沖縄でなら話してもいいかなと思ってここに立ちました。

 
わたしがどんな困った子だったかというと、 例えば小学校三年生のときに漫画か何かで探検隊のことを読んだんですよ。
そこではテント張って寝てるんですね。 「これはやってみなければ」と思ったんです・・・ その頃うちにテントなんて無いですよ。 家の家は庭があったので、そこに棒を立ててシーツか何かもってきて、 こう張ってね、 夜寝てたんです。 すると親父が怒りましてね・・・ 「どうしてお前そんなことしてるんだ」って怒鳴るんです。 「だってキャンプしてるんだもん」 っていうと「だめ、 そんなところで寝たら風邪引くから」って中に
強制的に入れられました。 それで諦めるような子だったら、こんな人に育っていないんです 。
次の晩もやったんですよ。 そしたら親父がまた怒りましてね・・・中に入れられた。 こっちもムキになりましてね・・・その次の晩もやったんです。
そうすると親父とお袋が相談をしましてね「どうもこの子はそういうのが好きな子のようだから、 そういうグループに入れたほうがいいいかもしれないな」 という結論になったらしく、そのあと 「海洋少年団」 っていうボーイスカウトのようなグループでキャンプとかを教えてもらいました。
それで納得しまして、 自分で庭にシーツ張るのをやめました。
それが結局そのあともかなりクセになって残りまして・・・例えば今度こうやって沖縄に呼んでいただいたのですけど「那覇の空港から会場までは遠いよな・・・やっぱり三曰くらいかかるんじゃないか」ってうちの秘書にいったんです。 そしたら「どうして三日もかかるんです」 って怒るわけですよ。

 「やっぱり北部を回ってこうやってグルッと周って泊まってから会場まで行かなきゃ行けないし・・・三日はかかるよな」(笑) って説明するわけです。

 そうやって無理やり休みをいっぱい作りまして沖縄に来ていました。 火曜日は一日フルで大阪で働きまして、その日の9時くらいには沖縄に来ました・・・沖縄も近くなりましたね。 その日は那覇に泊まって、 朝レンタカーを借りて辺戸岬の辺で1泊。 それから瀬底島で2泊目。 そして昨日の朝十時ごろ沖縄市に着きました。
ボク実は50才になるんですよ。 50才のおじさんがですね、浜辺で一人キャンプをするというのは(大笑) 「困った行動」といえば困った行動ですね。 沖縄県にとっても困るでしょう
ね… 私くらいの年になるともっとリッチにホテルでも泊まっていっぱい沖縄にお金を落としたほうがいいと思うのですけど、 浜辺で寝てるんだからお金も落ちない。
昔は山登りをしていて、山にテントを担いで2泊も3泊もしていたんですけど、ぼちぼちそんなのも限界を感じましてね、山はまあなるべく低いところにして、 キャンプは平地でやろうという方針に変えたんです。

学ぶということ
ここで 「困った行動」 っていうのが、 最初に何かを考えておかないといけないなと思います。 小学校3年の息子が突然自分のうちの庭にシーツ持ち出して 「キャンプだ」なんていうのは、たいていの親はそれを困った行動だと考えるのだと思うんです。 まあ私も大人になってからそれを見ると、そう思うんでしょう。 でもまず、子ども自身はちっとも困っていない、という事を知ってもらいたいんですよ。


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メッセージ本文

特別支援教育の目標 通級で指導を受ける子どもたちの数-楽しい特べ支援教育

 文科省が出した「特別支援教育の充実についてR5」という報告に〈通級による指導を受けている児童生徒数の推移〉がグラフ化されています。

 通級つまり普通学級に席を置きながら必要に応じて、たとえば算数や国語などの時間に特別支援学級に通う子ども達の数はどう推移していると思いますか。

 ご存知の方も多いと思うのですけど、日本の児童生徒の数はどんどん減少してきています、小中の子どもたちをミックスして見やすくした最新のグラフがみつからなかったので、小学校の子どもたちの人数の推移のみのグラフをご覧ください。
 1960年あたりに1400万人に迫る人数だったのに、2019年には半分以下の600万人くらいまで減っています、この落ち方に驚きを感じるのは私だけではないでしょう。

 

問題
 文科省の最新の通級による指導を受けている児童生徒のデータは〈1993年/H5〉からまとめられています。

 現在までどれくらいの増減か予想してみてください。

 

予想

 ア .どんどん増えている

 イ.やや増えている

 ウ.人数的には大きな増減はない

 エ.やや減っている

 オ.大きく減っている

 

どうしてそう予想しましたか?

⬇︎

予想してからね

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予想してからね

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予想してからね

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予想してからね

⬇︎

 これが通級による指導を受けている児童生徒数の推移です。

 とても勢いのある伸びです。言葉によるハンディ、弱視・難聴等による通級児童の数はほとんど増えていません、〈情緖、自閉症、学習面のハンディ、いわゆる注意欠陥多動〉によって普通学級から特定の時間に特別支援のクラスに行く子ども達がどんどん増えています。

https://www.mhlw.go.jp/content/001076370.pdf

 常々思うのですけど、特別の支援・個別の支援だというのなら、それは全ての子どもたちにとって必要だと思います。つまり特別の支援・個別の支援というのは普通の教育の姿だと思うのです。

 普通学級でガチガチに固めたカリキュラム編成をするのではなく、それぞれの先生たちの個性と才能を生かしてもっともっとフレキシブルに教育できるようになり、子どもたちの評価・感想をもとにしてたのしく力を伸ばすことができるシステムに変わっていく必要があるでしょう。

 そのためにも、多様な目標、多様な行動スタイルをもった子ども達の可能性を伸ばしてあげる力、たのしい教育の力をもった先生たちが増えていくことも重要になってきます。

 以前から要望の高かった〈普通学級の子も特別支援の子も共にのびるたのしい特別支援教育〉の講座を10月に企画中です、ご期待ください。

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楽しい体育〈触れ合う中で仲良くなる〉=手おしずもう

 教師をしていた頃、はじめに子どもたちにお願いしていたことに一つが「授業では男の子だけのグループとか女の子だけのグループはつくらないようにしています、ご協力よろしくお願いします」ということ、教師を辞めるまで、それは変わることはありませんでした。

 前の担任の先生の流れが身についた子どもたちは体育などで〈男女別々のゲーム〉を要求してきます、「女の子が一緒だと思い切りゲームできない」とか「男の子と一緒だと怖い」というもっともな理由もあがります、たしかにね。

 かなり強く言ってくる子どもたちがいた時には「でもさ、一学期は先生のやり方をためしてみてよ、だってこれからの人生も女の人と男の人が一緒に協力して生きていくわけだから」と話すと「しかたない」というように諦めてくれます。
 一学期が終わる頃には、みんなたのしく協力しているので、前の学年の様なグループに戻してほしいという子は出てきませんでした。

 男女別チームで体育をすすめていた子どもたちによくやっていたゲームがいろいろあります、その中で〈手押しずもう〉はたくさんとりあげたメニューの一つです、〈片足でも浮いたり移動したりすると負け〉というシンプルなルールです。

 準備運動でもたのしめますし、優勝戦までもっていくどっしりしたプログラムとしても取り上げることができます。

 体力的にとても差があるときには男の子は片手、女の子は両手というルールでたのしむのもよいでしょう、でもけっこう女の子たちも負けていないのですよ。

 女の子も男の子もみんなで協力してたのしむことを学べるのが教育の場です、こういうシンプルなゲームからどんどん取り上げていくことをおすすめします。
 親子でもたのしめますよ。

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「今日は人生で一番楽しい勉強になりました」

 スタッフのAさんが感動して「涙が浮かんできました」と語った評価感想がありました、数日前の授業評価です。
 生き生きとした具体的な文面なので、同じ学校の子が読むと「◯◯さんだ」とわかるかもしれません、前後の脈絡はあえて読めない様にしておきましょう。
 高学年の子ですから、これまで学校で何年も授業を受けてきたわけです。塾や大学の先生などの教育プログラムも受けてきた可能性もあるでしょう、その子が「人生で一番楽しい勉強になりました」と書いてくれました。

 もちろん、私も涙を流しました、これもまた一生ものの宝物です。

 私いっきゅうがこういう評価感想を取り始めたのは教師一年目からです、その頃からこういう評価が続いていたわけではありません。記録は残っていないのですけど「よくわかりませんでした」という評価も当然ありました。

「よし、こんどこそ」という気持ちで授業をかけていく中で、どんどん力が高まっていきました、真剣勝負を続けていくわけですから、授業力が高まらないわけはありません。その授業力も、どこかのだれかの目標を追いかけるのではありません、子どもたちの笑顔と賢さ、もっとこういう授業を受けたいという評価を求めているわけですから、たのしい教育の授業力が高まっていくわけです。

 このサイトはおかげさまでアクセス数を着実に伸ばしています。

 若い先生たちもたくさん読んでくれていることでしょう。ぜひ、自分の授業を先輩や管理職に評価してもらうだけでなく、最も大切な子どもたちに評価してもらってください。シンプルな文面で構いません。〈たの研〉の評価用紙が必要なら、気軽にお問い合わせください。

 学校が子どもたちにとっても教師自身にとっても魅力的な処になり、不登校やメンタル病休が減っていく、そういう流れは、たのしい授業ができる先生たちが増えていくことによってのみ達成されるものだと思います。
 読者の皆さんの応援も、よろしくお願いいたします。

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