たのしいPEALカウンセリング入門/人間の悩みに対するアドラー心理学の見方・考え方

 PEALカウンセリングはカウンセリングの名人であった野田俊作先生から直接手ほどきを受けたアドラー心理学カウンセリングと板倉聖宣先生から学んだ科学史の視点からみた科学の真理探究の方法と私の長年のカウンセリングから生まれた独自の実践とを融合させたカウンセリングです。

 野田先生も板倉先生もそれぞれの分野の魁として根幹となる組織をつくりリードして来た人物ですから、勢いのあった熱い想いがPEALカウンセリングに生きています。考えてみると歴史的にも意義のある重要なカウンセリングだと思います。

 もちろん〈たのしい教育の思想〉が元になっていますからシンプルで実践しやすいものになっています。

「PEAL教育カウンセラー養成講座」がスタートしているので、久しぶりにPEALカウンセリングの構造について全体を整理する中で、過去のいろいろな資料も目に通しています。
 公式サイトの読者の皆さんにも役に立つのではないかというものがいくつもあるので、その一つを紹介させてください。

 野田先生がよく語っていた「原因ではなく目的を扱う」ということ、そして「タテの関係からヨコの関係へ」というアドラー心理学の根本的な立ち位置に関わることです。
  途中の文章を書きぬいてあるので、趣旨がより伝わる様に文章を整えてあります。

野 田

 アルフレッド・アドラーは「人間の問題とはすべて対人関係の問題である」というふうにいっております。

 では、よい人間関係とはどんな人間関係なのか?

 それを一言でいうと〈タテの関係をやめてヨコの関係に入ることだ〉というふうにアドラー心理学ではいっております。
 通常の人間関係、この世の中にありますほとんどの人間関係は縦の関係です、すなわち上下関係であり、競争の関係です。
 誰が上で誰が下であるか、誰が勝ちで誰が負けであるかということを原理にして組み立てられた関係です。
 アドラー心理学ではこのような縦の人間関係のあり方こそが、われわれの精神的な健康を損なう最も大きな要因だというふうに考えています。
 人間関係を何としてもヨコの関係にもって行かなければならない。真のヨコの関係が実現しますと、その共同体の構成員である個人にも、健康なパーソナリティーが実現することになります。
 ところがこのヨコの人間関係をつくることが、なかなか容易ではない。
 というのもすぐに怒りや不安といった感情が出てきて邪魔をするからです。
 怒りが人を支配しようとするために使われる感情であることは第一章でも話しましたが、それは「行動にはすべて目的がある」ということです。

つづく

 PEALカウンセリングはアドラー心理学カウンセリングそのままではありません。しかし、その根幹のかなりの部分は大切に残しています。
 すでに絶版になっている様ですけど、興味のある方は生の本を読んでみてください。

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たのしいカウンセリング/PEAL教育カウンセラー養成講座の様子/学べば実践できるシンプルで真髄が身につくカウンセリング

 本格的なPEALカウンセリングの講座が始まりました、今回は〈教育カウンセラー養成〉の講座です。PEALカウンセリングはシンプルで真髄が伝わるものとして生み出した画期的なカウンセリングです。

 私はいろいろな流派のカウンセリング研修を受けてきたのですけど、カウンセリングの名人でアドラー心理学界の初代会長 野田俊作先生の講座を別にして〈実技をしっかり学べるもの〉には巡り会えませんでした、〈◯◯カウンセラー養成講座〉と銘打たれているにもかかわらずです。
 某流派のカウンセラー免許をもらい、初級をすぎて次の段階まですすんでも、実技をしっかり教えてもらう機会がありませんでしたから驚いてしまいました。

 私はそれまですでに野田先生から教えてもらっていたのでカウンセリングはできたのですけど、その流派で私と同じ段階の人たちが〈カウンセリング可能です〉と胸をはって言える様になったかというと、とても疑問です。

 カウンセラー資格を持った人たちはどんどん増えているのに、例えば学校現場に「カウンセリングできます」と言える先生たちが出てこないのは、こういうところに大きな要因があるのだろうというのが私の予想です。

「いや、うちはどんどん実践をとりあげています。初級でもしっかりカウンセリングできる様になります」という流派があったらぜひ教えてください、スピリチャル系、その理論が科学的なものから遠く離れているもの、私がこれまで学んできた流派以外ならぜひ受けてみたいと思います。

 これは私の感覚だと断った上で、野田先生から学ばせていただいた頃のことを書かせてください。
 野田先生から実践的に教えてもらったとはいえ、〈体系〉立てて教えてもらった感じは残念ながらありませんでした。

 ただしそういう進め方をすると、大抵の場合、技を高めるまでに至ることが難しくなります。記憶違いでなければ、私がはじめて参加した〈アドラー心理学カウンセラー養成講座〉は再受講の方たちが何人かいて、合計10名前後だったと思うのですけど、その時に合格したのは私を含めて2~3人だったと思います。 

  野田先生のは先に書いた様に〈カウンセリングの名人〉でしたから、その時その時の事例に合わせて独自の閃きと、それまでの経験則とを合わせてすすめていた様に思います。
※ちなみにその後、野田先生は催眠を積極的に取り入れていき、私も初めのうちはそれを学んでいたのですけど、私の中の感覚を優先して、それを深く学ぶことをやめまた。なので、PEALカウンセリングの根幹には、私が〈これはいい〉と感じた野田俊作先生がとても勢いがあった頃のカウンセリングが脈づいています

 それまで教えてもらってきたアドラー心理学の技法と思想、基本前提をさらに実践的な解釈で教えてもらってから「じゃぁ次はきゆなさんやってみて」という様にスポーツの試合の様にカウンセリングを学んでいき、そのカウンセリングの全体構造を「こんなイメージですよ」というように見せてもらったことはありませんでした。
 なので〈キミの今の流れは、ここからコースアウトしているね〉とか〈その流れでいくとよいよ〉ということを全体構造の中でアドバイスしてもらったことはありませんでした。

〈はじめは情報収集するんだ〉〈認識反射が読める様にするんだ〉〈勇気づけが大事だ〉という重要な項目はわかるのですけど、さてそうやって対話しながらも、そのカウンセリングの風をどう受けて、どの方向にすすめていけばよいのかというのは、なかなかつかめません。
 カウンセリングを進める中でクライエント役の方が泣いてしまうこともあったり、調子よくいろいろなことを話してくれたりするのですけど、そうしながらカウンセラーの私の頭の中には「いったいこの船はどこに流れていくのだろう」という不安がありました。

 それを克服したのがPEALカウンセリングだということもできます。
 私が野田先生から教えていただいたこと、その時の疑問を解くものになっています、野田先生が生きていたらきっと喜んでくれたことでしょう。

 PEALカウンセリングはアドラー心理学を起点に板倉聖宣先生から学んだ近代科学の理論を融合させて、これまでの私のカウンセリングの成果を組み込んで仕上げたもので、とても実践的なカウンセリングです。

 基本的に四つの構造で流れていきます、この構造がカウンセリングのカギを握ります。

 
 とてもシンプルで根幹的な体系でまとまっていますから、この構造を頭に入れながらカウンセリングという帆船を岸に向かって走らせていくのは難しくありません。

 養成講座は20時間くらいやりますから、必ずうまくなっていくでしょう。

 

  養成講座の中でまず伝えたいのは〈カウンセリングはたのしい〉ということです。どうして相手の悩みと付き合うカウンセリングがたのしいのか?
 これはなかなか文字では伝えられないので割愛させてください。

 今回の受講者は全員がこれまで別な流派のカウンセリング講座を受けてきて、その流派のカウンセラー免許を持っている人たちもいます。ある方が「PEALカウンセリングはこれまでのいろいろなカウンセリングの中の最先端にいると思います」と話してくれました。

 私は武道をずっと学んできたので〈実力が高まるか〉どうかはとてもシビアにみることができます。自分が作り出したPEALカウンセリングが実践で使えないものならいつでも看板を下ろさなくてはいけません。しかしPEALカウンセリングの有効性はどんどん確かめられています。

 今回の講座の中ではカウンセリングコーディネーターとして、私自身のカウンセリングの技もどんどん見せてあげたいと思います。

 こうやっていくうちにいつか「実践的なカウンセリングといえばPEALカウンセリングですね」と言われる様になるでしょう、そのためにも、実力ある人たちを少しずつ少しずつ育てていきたいと思います。

 こういう様にカウンセリングの体系をまとめたのは長いカウンセリングの歴史の中でPEALカウンセリングが初めてでしょう。そうやってPEALカウンセリングのシンプルで真髄的なカウンセリングが広まっていくと、いろいろな流派が「そうか、こういう様に構造をまとめて指導するとよいのか」と気づくでしょう。それと同時に「そういう流れはうちも考えていたことで、じっさいやってきましたよ」と語る流派が出てくるでしょう。「ほら、こんなふうに」と、もしかすると以前出した資料などを出してみせることもあるでしょう。
 しかしその流派が「この構造を根幹として教えてきました」ということでなくては、それは私がここで語ってきたこととはズレています。

 まぁしかし、それもまた〈発展・進化〉の中で法則的に起こることですから、しかたありません。

 フロイトが開発した心理療法・カウンセリングが長い歴史の中で洗練され、やっとPEALカウンセリングが生み出される段階まできました、PEALカウンセリングがカウンセリング全体に貢献できる方がずっと大切です。

 すでに〈単発のカウンセリング講座〉はありませんか、という問いあわせもきています。
 興味のある方はお問いあわせください。
 PEALカウンセラー資格を取得できる濃さでの実施は難しいのですけど、クラスでこどもの相談に乗るとか、保護者の方の相談にのることはできるでしょう。
 〈たの研〉には学校側からの相談もいろいろ届くのですけど、それは問題が炎上してからのことがほとんどです。
 そういうことにならず、保護者も一緒に課題の解決にあたることができる様な教育相談の力がついていく人たちが増えることで炎上の数も少しずつ減ってくることは間違いないと思います。

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人生のカギをにぎる○○

「人生のカギをにぎる◯◯」、みなさんはこの中に何をいれますか?
語数は気にせず考えてみてください。

 ・・・

   ・・・

     ・・・

 人生のカギをにぎる仲間たち

 人生のカギをにぎる勉強

 人生のカギをにぎるお金

 人生のカギをにぎる健康
           etc.
答えは一つではないでょう。

私は以前、読者の方から
「いっきゅう先生のメールマガジンで人生のカギをあけてもらいました」
 と評してもらって感動したことがあります。
 メールマガジン自体、今回の答えと深く関わっているからでしょう。

 たのしい教育研究所には先生からだけでなく保護者の方たちからの相談もたくさんやってきます。

 千差万別の相談ですけど、ほぼPEALカウンセリングの流れですすめていくことができます。

 その流れのキーを握るのが〈実験〉です。

 相談の流れの中で「実験してみませんか?」と直接つかうこともありますし、「試してみませんか?」と提案したり、「~という方法はどうですか?」と問いかけたり・・・
 新しいものごとを試してみることで、今の困難な状況、歩みをとめているその扉のカギを開くことができます。

 みなさんも昨日と同じ今日、今日と同じ明日という人生の中で、違うことを試みる練習をしてみませんか。実際に大きな困難がくるとカウンセリングやスーパーヴィジョンなどが必要になるので、そういうことがない状況で小さな実験からすすめていくとよいですよ。
 大きな困難を抱えている人も、まだその扉を開く時間的なゆとりがあれば、それはおいていて、小さな実験を重ねていくとよいのです。

・朝食を洋食から和食に変えてみる
・1日2回ラジオ体操してみる
・交流が途絶えている友人に手紙をかいてみる
・読書してみる
      etc.

 人によっていろいろな実験があるでしょう。

 今週土曜日から〈PEAL教育カウンセラー養成講座〉がはじまるので、その準備に力が入っているので、最近はカウンセリング系の話が増えてきた感じがしています。

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言葉で生きていく/たのしい文章入門/PEALスーパーバイズ

「言葉で生きていく」、何かのTVコマーシャルではなく、最近のPEALスーパーバイズの中で語ったことを少し紹介させてください。

 私は日々たくさんの文章を綴っています。最近は動画編集もやっているのですけど、そこに刻む短い言葉は、こうやって綴る文章より時間がかかります。

 それなのに誤字が定期的に出てしまいます。新聞に書いている頃は、一つの文章に時間をかけていた上に、編集のプロがそういうミスを訂正してくれていたのですけど、一人で綴っているとそうもいきません。
 このヒューマンエラーは避けがたいものだと考えています。
 ただし、脱字はほとんど指摘されていないことと、意味が伝わらない文章というものも無い様です、やわらかな気持ちでおつき合いください。

 さて最近、〈今後の人生〉に関わる相談をうけ、結果的にそれは「文章で食べていく」というテーマにすすんでいきました。


 相談したAさんは、いろいろお話をしていく中で、三つくらいの選択肢に絞られて、そのうちに「まず一定期間、文章で生きていけるか挑戦してみる」という選択肢を選びました。書くことは好きなのだと話していました。

 ところで〈文章で生きていく〉〈ことばで生きていく〉というのは可能なのでしょうか?

 このサイトは、ブログ管理者Iさんとの相談で、10日まえくらいから〈広告を受け付ける〉ようにしてみました。
 実施してみて「ああでもないこうでもない」という様に押したり引いたりして実験しているところです、ぜんぜん収益化できる状況では無いのですけど、みなさんのおかげで〈たの研〉のサイトは数あるブログの中でトップクラスのアクセス数を維持していますから、いくらかの読みづらさを犠牲にすることを読者のみなさんが受け入れてくださったら、収益化するのはそう難しくないのではないかと思っています。

 私は二十代の頃、ある街のエッセイコンクールに応募して、それが入賞したことがありました。最優秀は〈対象作品なし〉ということで、結果的に私がトップだったのですけど、そのエッセイは数時間で書いたものだったので、本気で文章を綴る仕事についたらなんとかなりそうだと、教師を辞めた時の仕事の選択肢の一つにしていました。
 結局、たのしい教育にのめり込んでしまい、その選択肢はどんどん遠のいていったのは以前からこのサイトを読んでくださっている読者の皆さんのご存知の通りです。

 現在、「文章ドクター」の依頼は定期的に届きますし、有料メルマガの読者は教育関係の中ではトップクラスなので、私の場合「言葉で生きている」という側面があることは事実です。

 小説家も自分の作品で生きていける人は一握りだといいますから、私はうまくいっている方に入るでしょう。

 それにしても、どうして文章が苦手だという人、書くことが嫌いだという人がこんなに多いのでしょう?

 もちろん学校教育がうまくいっていないからです。
 先生が悪いのではありません、日本の学校教育が全体として持っている〈型はめ・押しつけ型〉〈賞を狙った指導型〉などいくつかが複層的に絡んでいるので、無茶な指導をする先生が辞めたら済む問題ではないのです。

 その子の可能性を伸ばすこと、表現するたのしさを味わってもらうこと、それが周りの人たちに伝わって心を動かすことetc.
 そういう文章教育にシフトしていくことが必要で、それには読者の皆さんをはじめ、たくさんの人たちの支援が必要になるでしょう。

 さてAさんは随分以前に、たのしい作文指導〈たの作〉を購入して、自分でもそれをテーマに書いているそうです。

人気教材〈たの作〉追加作成しました。ご希望の方はお申し込みください

※「たの作」は現在品切れ中ですけど、3日あれば発送可能です、興味のある方は
お問い合わせください
 ⇨ http://tanokyo.com/me-ru 

閑話休題

〈書くことが大好きだ〉というAさんは、小説などには興味がないということだったので、小さなエッセイコンテストで入賞することをすすめました。

 グーグル検索に「エッセイコンテスト」と打ち込むとたくさんみつかります。

https://koubo1616.com/category/essay/

大きめのものならこういうものもあります、ダブるかもしれませんけど。

https://compe.japandesign.ne.jp/category/literature/

 「好きなことで生きていく」と言い出すと反対する人たちが大半です。
 でも「実験もさせない」というのは暴挙でしょう、命に関わるとか大勢の不幸が確実に訪れるいう場合は別ですけど、基本的にその人の人生なのです。

 Aさんの挑戦つまり実験がうまくいくのかどうかわかりません、けれど応援したい気持ちはたくさんあります。そしてまた何かあればたのしく予想変更できるようにすすんでいくとよいのです。

 たの研はそういうみなさんの支援ができる組織でいたいと思っています。

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