マングローブはなぜ海水でも成長していけるのかか不思議⇨コンブやアーサ(ヒトエグサ)やヒジキなどは不思議じゃないの?/たのしい自由研究のすすめ

 今回も〈たのしい自由研究〉のすすめです。先日、話合いがあって遠くまで行った帰りに夕焼けをみることができました、バック青に左からオレンジ色がせりだしていく美しい眺めでした。

 少し右に顔を向けるとマングローブが目に入ります。

 マングローブは不思議な植物です。

 私たちの周りにある花や野菜に海水をかけて育てることはできません、枯れてしまいます。

 だいぶ前、恩納村の学校にいた頃に実験したことがあります、水道水をかけたプランターの花は生き生きとしていたのに、海水をかけたプランターの花は1日でしおれてしまいました。

 木は草花より強いとはいえ海水をかけ続けると枯れてしまいます。

 なぜか?

 根の中の水分より海水の方が濃いので、根の水分が海水のある外側に吸い出されて干からびていくからです。

 なのにどうして海水につかっているマングローブは枯れないの?

 海水をろ過して真水に近い状態にする機能があるからです。

 ここで「なるほどね~」と納得しておわる人もいるのですけど、「ではどうしてコンブとかヒトエグサ(アーサ/アオサ)は枯れないのか」と気になる人もいるでしょう。

 興味のある方は自由研究してみてください。

 大きなヒントは「生物は海中で誕生し、陸上で住めるように進化していった」ということです。

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たのしい教育研究所で育った先生たちの実力の高さを感じる日々/このサイトの検索ランキング〈楽しい学力向上〉〈たのしい学力向上〉〈たのしい自由研究〉

 これは先日のたのしい教育スーパーバイズの一コマです、真剣に見つめる先には「力をつけたい」という先生たちが真剣に授業しています。

 この先生たちの多くも、たの研の授業SVで力をつけていきました。

 学ぶ側への優しい心遣いをベースにしつつ

「どうすれば、もっと子ども達が身を乗り出すか」

「その問いかけは授業全体の流れの中で、うまく効いているか」

「自分ならこうする」

本質的な質問や的確なアドバイスが間をおかず交わされていきます。

 教育現場に明るくたのしく力ある先生たちをおくる、その活動は着実に成果を上げてきています。

 学力向上は教育行政でも重要テーマです。たのしい教育研究所(RIDE)は、知的好奇心、たのしさをまず優先させる集団ですから〈まず学力向上だ〉とは語っていないのですけど、学力を高めたいという学校や先生たちからも高く評価されています。

 以前web上にある「たのしい学力向上」の400万件以上の記事の中で、このサイトが検索順位1位であるデータを見ていただいたことがあります。漢字表記の「楽しい学力向上」の記事はそれより多く500万件以上ヒットします。
 漢字表記で検索してもトップレベルであることは間違いありません。
 最近〈たのしい自由研究〉ではどれくらいのランキングなのか気になって調べてみました。「たのしい自由研究」というタイトルの本だけで何百冊もの本が出版されていますから、書籍には勝てないだろうと思っていたら、このサイトは20位台に入っていました。

 自由研究でもトップレベルを目指したいと思います。

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クイズから自由研究へ「これは何でしょう?」

 今日発行したメルマガにのせたクイズの解説を読んで、さっそく〈自由研究してみます〉という便りが届いています。
 たのしい授業の章で、お盆などで親類の子ども達がきた時などにも使えるクイズをとりあげた、その一つです。
 少し手を入れて紹介しましょう

問題6〈私は何でしょう〉

 私は5000年前、今の中東(イラン・イラクの辺り)で、肉を焼いているときに偶然うまれました。
 日本へは室町時代、1543年に鉄砲と共に入って来ました。
 はじめは薬として使われていたそうです。
 食べ物ではありません。
 今ではどの家庭にもあって、コロナ感染症の中でも大活躍しています。
 さて私は何でしょう。

⬇︎
考えてからね
⬇︎
考えてからね
⬇︎
考えてからね
⬇︎

こたえ
せっけん

解説:いっきゅう

 石けんは油をアルカリ性の薬剤で煮るとできます。

 現在の石鹸は〈水酸化ナトリウム(苛性ソーダ)〉という強アルカリの薬剤を使います、危険な物質なので、理科の時間にも安全面に気を遣います。

 昔、木々を燃やして肉を焼いている時、たれた油が、木の灰とまざって、偶然石けんができたといわれています。

 植物の灰にはたいてい〈水酸化カリウム〉というアルカリ性の物質が含まれています。
 肉からしたたり落ちた油にアルカリ性の灰が混ざり、炎のそばでぐつぐつ煮詰められて石けんができたわけです。

 水酸化ナトリウムよりアルカリ度は低いので、おそらく固形ではなくてドロドロとした石けんだったと思います、もちろん色も美しいわけではなかったでしょう。

 チグリス・ユーフラテス川流域で発見された粘土板にはせっけんの作り方として、くさび形文字で『油に対し植物の灰5.5』と刻まれていたそうです。
 私は理科の時間やクラブの時間などに子ども達と何度か〈石けんづくり〉をやったことがあるのですけど、今度は原始時な石けんを〈たの研〉でつくってみようと思います、みなさんも自由研究してみませんか?

「これが今から5000年くらい前に偶然できた石けんです、実際に汚れがおちるんですよ」と書いて、夏休みの自由研究として出すと面白いと思います。

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教師にとって予想変更はとても大切/板倉聖宣(仮説実験授業研究会初代代表)「あきらめる」そして〈新しい方法〉へ/たのしい教育メールマガジン購読のすすめ

 仮説実験授業研究会初代代表〈板倉聖宣〉先生は、たのしい教育研究所を強く応援してくださった一人でした。その発想に、私は教師になったはじめの頃から強く影響を受けました、「これこそ未来の教育だ」と。

wikipediaより82歳の頃の板倉聖宣

 板倉先生の発想の方法を、メルマガの重要な章の一つとして毎回紹介しています。そのメルマガもすでに500号を超えました。


 今回は6年前にとりあげた内容を少し取り出して紹介しましょう。
 メルマガの発想法の章では、その頃に大きなテーマとなっている事象、たとえば頃な感染症や統一教会などの霊感商法についての見方考え方をとりあげたり、質問が多かったものについてとりあげたり、カウンセリングやスーパーバイズなどで紹介した内容などを取り上げています。

 今回の内容はカウンセリングに来て「自分の教育方法を見直す」つまり〈予想変更〉することができた先生に語った内容のエッセンスです。

 この発想でこども達と折り合いをつけ、柔らかく優しく対応できる様になったその先生は、今も元気に学校で活躍しています。

 とりあげた内容は1986年5月28日東大阪の先生方の集まりで語った内容で、仮説実験授業研究会の大会で入手した資料を私が大切にコピーして残していたものです。文意を伝わりやすくするために、私いっきゅうが校正しています。

板倉聖宣

 たのしい授業というものは「やろう!」と思ってできるものではありませんし、「やれ!」と脅したりおだてたりしても、できるものではありません。
 たのしい授業をするためには、それを実現する処方箋、具体的な手立てが必要です。

 こちらに来る前に、ある先生の記録を読ませてもらいました。
 その先生のクラスの一人の子が〈笛が吹けない〉というのです。
 「あの子が笛を吹けるようになったらうれしいだろう」と思って、なんとか笛が吹けるようにしてやろうと一生懸命それこそ〈毎日教えた〉というのです。

 ところが1ヶ月がんばってもついにその子に増えを吹かせることができなかった。

「笛が吹けない子どもを吹けるようにさせよう」というのは〈美しい志〉です。

 でも「今日も吹けない」「今日も吹けない」となったとき〈あきらめるほうが美しいのか、あきらめないほうが美しいのか〉これはなかなか難しいのです。

「理想をもってまっしぐら」というのは、外から見ると美しいことです。
 教えている人は、自分が理想だと思っています。

 でも、教わるほうは悲惨です。
「吹けないに決まっているじゃないか」と思っているのに、毎日毎日ありがた迷惑なことに熱く教えてくれる人がいる。
「あの先生から早く離れたい」と思っているのに、先生は情熱をもっているから始末におえないのです。

 

 板倉聖宣は徹底的に子ども中心主義で考え語る人でした。

 これだけ読むともしかすると「できない子には無理しない」というようにも伝わるかもしれません。

 しかし私はこういう話をベースに「予想変更」して新しい方法、新しい目標に向かうのが重要だとだと伝えるようにしています。

 私いっきゅうの教師のはじめは〈体育〉で、その研究授業をたくさん見せてもらいました。

 私の敬愛するT先生が、鉄棒運動の研究授業の後、授業者の先生に「大柄な男の子が、ずっと逆上がりの練習を一人でしていた子がいました。いつからああいう感じでやっているのですか?」と質問し
「今回が◯回目です」と答えていました、はっきりとした数の記憶はないのですけど、2回目とか3回目だと答えたのは間違いありません。

 それを聞いたA先生は
「我々がこういう授業をしていていいのでしょうか。私はとても疑問です」
というはっきり語っていました。

 終わってから「きゆなくん、あの授業は一体なんなんだ。逆上がりのできない人間はずっと逆上がりばかりやらされなくてはならないのか」と、怒りが収まらないまま話していました。

 板倉先生と同じことをA先生も語っていたのです。

 私たちは教育のプロです。

 こどもたちの自尊心を育てるのであって、傷つけていく仕事をしているのではありません。

 自分の授業のやり方が正しいと思うのも一つの予想です。

 その中でこども達が傷ついているとしたら〈予想変更〉して新しい方法、あたらしい目標に向かって行くのが教師の仕事だと思います。

 保護者の皆さんも、今回の記事が、我が子にどういう教育をしているのか、見直すチャンスになれば幸いです。

 こういう発想法に救われたという人たちがたくさんいます。
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