本の読み方十ヶ条(井上ひさし)=たのしい読書の日々

 本は生涯の友です、デジタル本でなく実体・紙としての〈本:※マンガ、電話帳含む〉の全盛期に学生時代、教師時代を過ごせたことは本当にタイミングがよかったと思っています。時代が進むほどに便利になっていくとはいえ、「どの時代に生まれたかったか」という問いに私が〈明治維新の頃に自分の可能性を試してみたかった〉と考えるように、紙媒体としての本が博物館行きになった頃でなく、今、お金を出せば手に入る時代に生きていることは素晴らしいことだと思っています。

 教師をやめてフリー、誰かに雇われるのではなく自分の腕一本で生きていく、〈素浪人/すろうにん〉となってたのしい教育の普及に人生の時間を使うことを決断した十数年前、その下準備に時間を使うことになり、次第に読書の時間が減っていきました・・・何しろ1日は24時間ですから。

 その頃覚えているのは、とても読みたいと思っていた『吉里吉里人/きりきりじん』という分厚い本のはじめのあたりが、私が楽しみとしての読書の時間を減らす頃だったということです。

 実際に岩手にあるその吉里吉里という場所が、ある日〈独立〉を宣言して、たとえば岩手弁を国語になって、教科書が作成されたり、とにかく面白すぎてたまらない逸品です。

 このままその世界に浸っておきたい気持ちはありつつ、「やっと自分の追求する生き方ができるというワクワク感」「さぁ、辞めたら食えなくなるかもしれないぞ」というハラハラ感、そういう中で読書のたのしみの時間を、やることがやくなった頃までとっておこうと私の心の奥の声に従って本棚に戻しました。

 おそらく、やることがなくなった時に真っ先に開くのは、その本に挟んだ栞(しおり)のそのページからでしょう。

 井上ひさし(敬意を込めて敬称なし)の本は戯曲集をはじめ、たくさん読んできました。

 その中で、井上ひさしが本や読書について書いたものが心に残っています。

「井上流本の読み方十カ条」を紹介しましょう、『本の運命』というエッセイ集に出ています。

1.オッと思ったら赤鉛筆

2.索引は自分で作る

3.本は手が記憶する

4.本はゆっくり読むと速く読める

5.目次は睨むべし

6.大部な辞典はバラバラにしよう

7.しおりは1本とは限らない

8.個人全集のまとめ読み

9.ツンドクにも効果がある

10.戯曲は配役をして読む

 何にしろ、こういう◯ヶ条というものを全て自分が実践することはありません。私は井上ひさしが好きだとはいえ、井上ひさしとは違うのですから。

 私が強く意識したのはこの四つです。

1.オッと思ったら赤鉛筆

4.本はゆっくり読むと速く読める

8.個人全集のまとめ読み

9.ツンドクにも効果がある

「ツクドク」というのは積読、つまり読まずにそこに置いたままにしておくことです。

師の板倉聖宣からも教わったことです。買って置いておくだけでよい、役立つ可能性が格段に高まることだけでかなりの価値です。

心に残った作家の本は全て読む、ということも実践してきました。

赤鉛筆もそうです、私の場合はクレヨンですけど。

4の〈ゆっくり読むと早く読める〉に関しては、物理的な時間としては納得していないのですけど、あまりに早かった読書スピードをあえて落とす努力を半年くらい続けて落としたくらいですから、自分の中ではふに落ちています。長くなるのでそのことはいずれチャンスがあったら描きましょう。

 みなさんも、この十ヶ条のうちの何かを試してみませんか。

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楽しいブックレビュ「こどもかいぎ」フレーベル館/〈導入絵本〉という新しいコンテンツ/楽しい学級会活動・楽しい家族会議・たのしいグループ会議にこの導入絵本を!

 これは二週間ほど前に実施した《たのしい教育 秋の講座》の様子。この時のプログラムは〈たのしいブックレビュー〉、さくら先生が気に入りの絵本『こどもかいぎ』を読み語っているところです。参加者全員ひきこまれている様子が伝わってくるでしょうか。

〈たの研/たのしい教育研究所〉の講座でブックレビューは無くてはならない人気のプログラムで、これまでも紹介するたびに「購入しました・図書館にありました」という声が届きます。

 アイディアミーティングでさくら先生が提案した内容がおもろしく、チームのアイディアを重ね『導入絵本』という名前でコンテンツを揃えていくことになりました、その後も着々と導入絵本のコンテンツが増えています。いずれ紹介する機会もあるでしょう。

 読み語ると〈学級会やグループ会議にたいするやる気が高まる〉という導入絵本がこの本です。

こどもかいぎ
• 北村裕花/著・文・イラスト
定価 1,540円(本体1,400円)
発行年月 2019年9月
発行 フレーベル館

 「話し合い」というのは民主主義の根幹でもあります。
 その重要さは知っていても、いざその場に席をおくと、黙ってしまう。特定の人たちのみが意見を交わしているだけ、ということも少なくありません。子どもたちばかりではありません、多くのPTAの会議もそうでしょう、職員会議の多くもそうでしょう。

「話し合いをたのしくしたい」「もっと積極的に話し合いに関わってほしい」そういう時にぴったりの絵本、まさに《導入絵本》です。

 家族でも読み語りをしてみてはどうでしょうか、おすすめします⇨こどもかいぎ

 

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いろいろな応援ありがとうございます/ダイナミックな歴史論-たのしい教育研究所・人気サイトの紹介〈QRコード版〉

たのしい教育に賛同し、いろいろな応援の声をいただきます、ほんとうにありがとうございます。先日もお菓子の箱を届けてくださった方がいて、みんなで美味しくいただきました。
 こういう心遣いも、またいろいろな言葉で応援してくださることにも、励まされ、ますます〈たのしい教育〉を大切に長期的に伸ばしていきたいという思いを強くしています。

 いつの時代にも叫ばれた言葉なのかもしれませんから、文脈を強調する常套句(決まり文句)だと感じる人が出るかもしれないのですけど、本質的な意味で日本は大きな曲がり角に来ていると思います。

 私が学生の頃〈ジャパン アズ ナンバー1〉と言われ肩で風を切って世界中を席巻した日本は、今年2023年度の〈世界競争力年鑑〉で35位。過去最低を更新中で、インドネシアに抜かれ、下にスペイン・カザフスタン・クウェートが続いている位置です。

IMD「世界競争力年鑑」2023年版からみる日本の競争力 

総合順位は35位 過去最低を更新

https://www.mri.co.jp/knowledge/insight/20231024.html

 日本は既に〈ルビコン川;引き返すことのできないデッドライン〉を超えてしまっているのでしょうか、このまま衰退の流れのまま突っ走ってしまうのでしょうか。

 いずれにしても、そういう分析をする評論家ではなく、流れを全力で変えようとしている実践家集団が〈たのしい教育研究所(RIDE)〉です。

 教育構造、経済構造、それぞれとってみても巨大なシステムです、簡単に流れを変えられるものではありません。
 けれどいろいろな方たちの応援が増えていく中で、必ず明るくい兆しが訪れると思います。

 お金でも権力でも名声でもなく《たのしさの方向》への改革です。

 どんな場合でも〈シメタ〉と思えることがある。それを突破口に、仲間たちどしっかり笑顔で歩んでいきます。そこにみなさんが加わっていただけたらどんなに力強いことでしょう。

 残念なことに「自分は大した力はない」「自分に大きな流れをかえる力はない」と考える人たちがたくさんいます。

それは人生の大きなワナです。

多くの人たちがそう思わされてきたのかもしれません、それこそフェイクです。

大切なカギとしても〈投票券〉が一人一票あることは、その大きな証(あかし)の一つです。多くの人が「自分の一票には社会を変える力などない」と思い込んで、思い込まされて投票にいかないから変わらないのであって、庶民が大きく動いたら権力者・為政者には止めることができません。

いつの時代も権力者ではなく庶民が社会を改革してきました。
教科書などにも歴史のヒーローたちが改革したように刻まれているのですけど、それを陰に陽にそれに支える数えきれないほどの人たちがいたのです。

〈恐怖や富による支配〉もあったでしょう、それは短期で効果があっても、庶民のうねりに争うほどの力は持ってません、それは歴史をみるとわかります。

 江戸時代は、それまでの戦乱を平定したいと考えた徳川家康の発想と庶民の発想が合致したからこそ長期にわたって維持できたのです。
 その後おとずれた明治維新では〈鬱屈した時代〉を突破しようした人たちの中に庶民の暮らしをなんとかしたいと考えた人たちがいました。

 たとえば福沢諭吉は江戸時代に西洋の学問を学び、三度、アメリカ・ヨーロッパに渡りました。

ウィキペディアに感謝して参照

 教科書で彼を教えられた時「ごく普通のおじさんですなぁ~」という感じがして、好感度はほぼなかったのですけど、彼の書いたものを読むと〈生命を投げてでも〉という武士独特の発想が時々顔をのぞかせながらも「自由のすばらしさ、平等のすばらしさ」を本気に説いている姿をみることができます。
 そしてそれを手に入れるためには〈学ぶこと〉が大切なのだと本気で語りかけていることを感じると思います。

 彼は「教育が根幹である」と考え、進んだ国々の様子を伝えると共に、大学を作りました、それが今も続く慶應義塾大学です。

 今の日本の状況は長くつづいた江戸時代を突破した明治維新の頃に近いのではないかという気がしています。

 考えてみると、江戸時代は250年くらいして新しい時代に移行しています。
 明治以後これまで150年くらい経ちました、改革まであと100年は必要なのかもしれません。
 もし仮にそれくらいの年月が必要だとしても、今ここから出発しておくことで、もっと早く、新しく豊かな世の中がくると思います。

 明治維新で手に入れた自由と平等、その長い歴史の中でほころび、鬱屈してきた時代を、楽しさと創造性で元気に一歩前へと一緒に歩いていきませんか。

 何をやったらよいの?
 と思う人もいるでしょう、こういう活動はどうでしょうか。

 〈たの研〉の講座などで参加者に配布している、たのしい教育研究所の紹介カードがあります、「まずはこの4本」という本サイトの記事やYouTubeの動画をピックアップしてQRコードで紹介しています、名刺サイズです。

「この動画いいよ」とスクリーンショットで知りあいの方に送っていただけたら大きな応援になります、可能な方はよろしくお願いいたします。

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植物が世界を動かす 〈楽しいブックレビュー 〉楽しい理科・楽しい社会

 買っておいてずっと読む時間のとれない本がたくさんあります、稲垣栄洋著「世界史を大きく動かした植物/PHP」もその一冊です。

 人の目を引くタイトルでなくては買ってもらえないので、誇張気味になるのはしかたないとしても、そもそも植物が世界を動かすことがあるのでしょうか?

 みなさんはどう思いますか?

 そもそも植物が消えたら、シアノバクテリアなど極端な環境下でも生きていける古細菌など一部のものを除いて生物のほとんどは死滅するでしょう。

 ただしそれは植物が優れているということでもありません、逆に動物が地球から消えたらほとんどの植物も滅びてしまいます。植物に必要な酸素Oをくれるものがなくなってしまうわけですから。

 動物も植物も菌類も循環して生命を成り立たせているんです。

 世界史を変えるくらいの力は動物も植物も菌類も持っているといって良いでしょう。

 では、ある種類の植物が世界の歴史を動かした、ということはあるでしょうか。

 あります。

 たとえば東インド会社(イギリス・オランダ)は〈コショウ〉で巨万の富を手に入れ、その経済力と軍事力を背景に、実際に政治を動かす力を持つようになったと言われています、その意味でコショウという植物が世界を大きく変えるものになったともいえるでしょう。この本「世界史を大きく動かした植物」にも一章とって書かれています。

ウィキペディアより

みなさんは、世界史を大きく動かした植物をあげるとすると、他にどういうものが浮かんできますか?

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 本の中には〈コショウ〉の他に「小麦」「イネ」「唐辛子」「ジャガイモ」「トマト」「ワタ」「茶」「サトウキビ」「大豆」「タマネギ」「チューリップ」「とうもろこし」「さくら」が章をさいてまとめられています。

 個人的には〈トマト〉や〈さくら〉が世界史を大きく変えた、というのが腑に落ちないのですけと、それはそれとして、実はこの本の「サトウキビ」の章を読むためだけに買っておいた本です。

 板倉聖宣先生が元気な頃「きゆなさんは沖縄で暮らしているんだから、みんながサトウキビのことをたのしく学ぶことができる授業書を作ってよ」という宿題を残してくれました。

 そのための一冊です。

 著作に没頭できる環境をそろそろ整えていきたいと考え始めています。

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