読者の方からの嬉しいたより/賢治さんの「星めぐりのうた」考

 嬉しいことに公式サイトの読者の方から質問や問い合わせがたくさん届きます。
全て目を通し、直接返事ができない場合でも、その方がわかるように、記事内容に反映させています。

 今日も元気がでるたよりを受け取りました。

 いつもこのサイトを楽しく拝見しています。毎回毎回、新しい視点に刺激を受けています。

 今回も

 どこかの文献に残っていたものではなく、実際の言葉として伝える力のある子どもたちが増えていってくれることは、素晴らしいことだと思うのですけど、どうでしょうか。
 たとえば、焦っている、慌てている、困っている友だちに「よんなー よんなー どー」
そう言ってくれる子どもたちが増えてくる。
そういうことも、たのしく学んでくる子どもたちから広がっていくことでしょう。

という内容に深く共感しています。

これからもお身体に気をつけて、素敵な発信を続けてください!

 ありがとうございます。
 きっと沖縄県内にお住まいの方なのでしょう。

 こういう質問も届きました。

賢治さんの「星めぐりのうた」の詩の最後に「こぐまのひたいのうえは 空のめぐりのめあて」とあります。
こぐまのしっぽの方角に北極星があるのでは・・・
と気になります。
どうして「ひたいのうえは 星めぐりのめあて」とあるのでしょう?

 宮沢賢治作詩「星めぐりのうた」をご存知ない方もいると思うので歌詞をのせておきます。

あかいめだまの さそり
ひろげた鷲の  つばさ
あをいめだまの 小いぬ、
ひかりのへびの とぐろ。
オリオンは高く うたひ
つゆとしもとを おとす、

アンドロメダの くもは
さかなのくちの かたち。
大ぐまのあしを きたに
五つのばした  ところ。
小熊のひたいの うへは
そらのめぐりの めあて。

 曲はwikipediaで聴くことができます、作曲も賢治さんです ⇨ https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%98%9F%E3%82%81%E3%81%90%E3%82%8A%E3%81%AE%E6%AD%8C

 その方には直接、こういう内容の返事を送りました。

いっきゅう

いつも読んでくださってありがとうございます。
さて「星めぐりのうた」に出てくるその歌詞は、賢治さんの間違いだという人がほとんどです。

小熊座のひたいの上ではなく尻尾の先に〈ほしめぐりの目当て〉になる「北極星」があって、賢治さんは尻尾と頭を間違ったのだろう、というわけです。

他にも怪しいところがあるから、きっとそうだ、ということになっているようです。

でも、次の画像にあるように、こぐまの額の上には大熊座の「北斗七星」があります。
北極星はあまり明るい星ではなくみつけにくいので、たいてい「北斗七星」や「カシオペア」を目印にして北斗七星を探します。理科の星空の授業でも「まず北斗七星かカシオペアを探して、その星をめあてにして、こっち側に何倍すると北極星がみつかります」というように教えています。

ということで「こぐまのひたいの上」は北斗七星という「星めぐりの目当て」になる星座があるんだよ、というようにもよめると思います。
私は勝手に、そう考えています。

◯◯さんはどう思いますか?

 みなさんも、気軽にお便りをください。

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本を楽しむ・本に親しむ@ファーブルさんが書いたのは昆虫記だけではない

 本を楽しむとか本に親しむというと、多くの人はその中身を味わうことをイメージするでしょう。

 確かにそれもあります。

 でもこういう親しみ方、楽しみ方もある。

 これは私が師の板倉聖宣先生(たのしい教育研究所 設立当時からの強い支援者/仮説実験授業研究会初代代表/元文科省教育研究所室長/元日本科学史学会会長)と古本屋に入った時に「きゆなくん、これいい本だよ」と言われて購入した一冊『ファーブル植物記』です。
 2階の執筆室が久しぶりに片付いて、使えるようになったので、久しぶりに手にしました。
 カバーの内側でファーブルの母国フランスの言葉になっているのですけど、中は日本語に訳されています。

 
 え、ファーブルは〈昆虫記〉だけでなく植物についても書いていたの?

 と思う人たちもいると思います、ファーブルはたくさんの科学的な文章を書いています。

 ファーブルが亡くなってあと、植物について書かれたものをまとめたものが『ファーブル植物記』です、日本では平凡社が出してくれています。

 古本で手に入れたので、カバーはかなり傷んでいました。
 ブッカーで覆っても傷みが目立ったままになるので、そうせず、といっても書棚から出し入れするうちにビリっと裂けてしまうことがみえてきたので、文字や絵の部分を切って、背表紙は栞(しおり)にしました。

表紙は本の内側にはりつけました。

 カバーを折った裏側にあるファーブルさんの紹介や背表紙のイラストも、本の中にはってあります。

 新しい本のようにはいかないのですけど、これが結構気に入っています。

 近年、本はどんどんデジタル化されてきました。

 私のように紙の本に親しんでいる人たちは激減してきているでしょう。

 紙の本のたのしみをあじわえることは、とても嬉しいことです。

 今日は、この中にある〈クリ〉の話を読みました。

 機会があったら紹介させていただきます。

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分からないことは「分からないです」と言おう!/記憶する時、脳の中でどういうことが起こっているの?

 いわゆる優等生は、先生がいうことを「はい、その通りですね」と覚えていきます。納得いかなくても、先生がいうことをその通り覚えていける子が優等生で、自分の感情や納得いかないことに素直に従えない子は、そのコースから外れていきます。

 でも納得いかないことは「分からないです」と言った方がいいんです、それが本当の賢さにつながって、その流れの中で社会は発展していくからです。

 今では当たり前になっている「大陸移動」や「進化論」、「地動説」や〈目に見えないとても小さな細菌が病気を起こす〉という説なども、当時の優等生、ほとんどの科学者たちが主張する理論や理屈に「その理屈は納得いかない、こうだと思う」と考え、新しい予想を立てた人たちによって提唱されたものです。

 脳の中には神経細胞(ニューロン)があって、それがつながっていくことで記憶が広がっていくのだといいます。

視覚でとらえるフォトサイエンス 生物図録 数研出版より

たとえば「2」という概念を学ぶ過程はこうだと説明されています。

(1) 感覚的な基盤

赤ん坊の段階では、数字の概念そのものはありませんが、数に関連する基礎的な感覚(「多い」「少ない」のような比較感覚)があります。この段階での脳の働きは次のように進みます:

  • 赤ん坊は目の前の2つのおもちゃと1つのおもちゃを見比べ、「2」の集合が「1」よりも多いことを認識します。これを数量感覚(numerosity)と呼びます。
  • この数量感覚は、頭頂葉の一部(後頭頭頂接合部)が担当しています。

(2) 言語的なラベル付け

成長とともに、赤ん坊は「2」という音や文字を見聞きするようになります。このときの学習プロセスは次のように進行します:

  1. 「2」という音声や文字を、目や耳を通して認識します(視覚野・聴覚野)。
  2. 視覚的な「2」や聴覚的な「ツー」という音と、実際の数量(例えば、2個のおもちゃ)の間に関連付けが行われます。
    • これは海馬や側頭葉の活動によって行われます。

(3) 記憶ネットワークの形成

繰り返し経験することで、「2」というラベルと数量の対応が脳内に強固なネットワークを形成します。

 どうも分からない。

 たとえば私たちが友達の名前と顔を覚える時、脳の中にその記憶の分子が出来上がって、それが脳に残るのではないのか?

 たとえば「4」とか「7」という数の概念がハッキリ私の頭にあるけれど、私の脳の中にそういう分子構造ができあがっているのではないか?

 そういうことなしに、何年も何十年も同じ記憶を残していけるのでしょうか?

 それは私が考えていただけではありません。

 量子力学で重要な〈波動方程式〉を提唱した天才シュレディンガーは『生命とは何か』の中で同じように、生命現象を分子の観点から捉えようとしました。DNAやタンパク質などの分子がどうやって「情報を保存し自己複製するか」という問題です。彼は直接「記憶」について語ったわけではないのですけど、物質の合成によって情報が保持されると考えていたことは間違いないでしょう。

 ところが、記憶の本や資料を読んでみても、そういう説明はありません。

 神経細胞の結びつきによって記憶ができあがるというのです。

 みなさんは、理解できるでしょうか?

 私は理解できません。

 残念ながら私が納得いくように説明した本に出会うことはまだできません。

 A.I.で「脳科学の記憶の理論は確証された理論ですか、仮説の段階ですか」と問うと「確証されているわけではありません」と答えてくれました。

 とするとシュレディンガーや私のように「脳の中に記憶物質が出来上がっているかもしれない」という説も、完全に否定されたわけではないと考えてよいかもしれません。

 私には最新の脳科学が説明している以下の説明に納得できるでしょうか。

脳が記憶を保持する際、分子レベルでの変化が確かに関与しています。ただし、「記憶そのものが物質として保存される」というよりは、神経回路とシナプス(ニューロン同士の接続部)における物理的・化学的変化として保存されるのが一般的な考え方です。

具体的にはシナプスの可塑性が関係しています。
記憶を形成する際、ニューロン間のシナプス結合が強化されたり、弱化されたりします。この現象をシナプス可塑性と呼びます。一つの例が**長期増強(LTP: Long-Term Potentiation)**という現象で、これにより特定の神経回路が強化され、記憶が長期的に保持されやすくなります。

 納得できないな。

 A.I.にどんどん語りかけても納得いかないので、最新の脳科学研究者の説明そのものが納得いかないということだと思います。

「分からない」

 どなたか、私が納得いくように説明していただけないでしょうか。

 そして私の疑問に答えてくれないでしょうか。

 もしかすると説明にきたその人が逆に「やっぱり脳の中に何らかの記憶分子が作られて、それらの結びつきで記憶が維持される」という説に同調してくれるかもしれません。

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クマの被害者はどんどん増えてきているのか?/楽しい算数・数学

 最近開発した「熊撃退ツール」の話をメルマガに書いたところ、予想以上の反響です。それについては機会があれば書くとして、そのとき触れた「クマの被害者は増えているのか」という話について、いくつものメールが届いています。

 クマ被害件数自体はどんどん増えているのか、増えていくのか、みなさんはどう思いますか。

 ニュースなどをみると、年が進むごとにどんどん増えている感じがしている人も多いと思います。

 こいう時には数字を見ることです、言葉はごまかしやすく、数字はなかなかごまかせないからです。

最新の統計のサイトがここです(環境書のデータ)⇨ https://www.env.go.jp/nature/choju/effort/effort12/effort12.html

 グラフにしてくれた方もいるので、それをのせてみます。

 2023年度は、前年度より明らかに被害人数が増えています。
 とはいえ、増える年と減る年があるので、この年のデータのみで、これだけでどんどん被害者が増えているとはいえません。

 あわせて環境省の今年度の速報値をみてみましょう。
 赤が2023年度(上のグラフ右端)の数で、右隣りが今年2024年10月3日現在の速報値です。約半年程度で去年の被害者数219人の⅓以下、67人です。今年度は全体として被害人数がガクンと落ちることでしょう。

 クマ被害が増えている、と感じるのは、いろいろなSNS発信や、あるところではクマ駆除の人件費がコンビニのアルバイトの時給より低いというので〈猟友会〉の方達が激怒して要請を断っているというニュースが聞こえてくるなど、刺激的な話題に触れる機会が増えてきたからかもしれません。

 クマに遭遇して被害に遭うことは不幸なことで、その人にとって肉体的にも精神的にも大きな痛手です。今年は半年程度で2名の方が命を落としています。
 いろいろな対策をして被害者ほ減らしていかなくてはいけません。

 それと同時に、「大変だ大変だ何しろ大変だ」と心配しすぎないことも大切です。 そのためにも、気になったら自分で数字を調べる。

 別なところが出している数字も調べてダブルチェックしてみることが大事です。

 学校でも、そういう力をもった子どもたちを育てていってほしいと思います。

 きっとワクワクしながら調べていくことができると思いますよ。

 新しい教育プログラムを作りたい分野の一つです。

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