カウンセラーは自分の問題をカウンセリングできるか? 師の野田俊作が語ったこと

 たのしいPEAL教育カウンセラー養成講座の5回コースが終わりました、理論2~3割、実技7~8割の実践コースです。

 参加者もメキメキと力をつけてきました。

 はじめに私が経験してしたいくつかのカウンセリング流派の流れを語り、その中でPEALカウンセリングの何が画期的なのか具体的に話をしたのですけど、少なくとも他流派の中級レベルの力は着実についていると思います。

 ラストの理論編の一つとして「PEAL(教育)カウンセラーは自分の問題・課題をカウンセリングできるか?」というテーマについて整理しました。

 みなさんはどう思うでしょうか?

 専門なんだからお手のものでしょう、と思いますか?

 師の野田俊作は明確にこう答えてくれました。

「人間は自分の髪の毛を上にひっぱって空にのぼっていくことはできない、カウンセラーも自分の問題を自分でカウンセリングできない」

 基盤の一つにアドラー心理学が位置するPEALカウンセリングもそうか?

 受講者の方たちには
「PEALカウンセリング課題解決シート」を利用して〈書く〉という手法で対話しつつ問題を整理していくことができる。慣れてくると選択肢を出しながら、うまく解決の道筋にいたることもできるようになるでしょう」
と伝えました。

 それはPEALカウンセリングの構造(流れ)が明確に確立されているからだということと合わせて、かねてから利用してきた〈ブレインノート〉を利用することができたからです。

 以前「PEALカウンセリング課題解決シート」を作成して、必要な方たちにお頒けしていたのですけど、品切れになったままでした。

 しばらくして落ち着いたら使い方も含めてセットにしようと思います。

 ところで〈書く〉という手続きは、とても有効です。

 PEALカウンセリングを学んでいないひとは、その流れで解決していく流れが見えないとはいえ、〈自分の問題をはっきりさせる〉という一つとってみても、ノートに「いったい自分は何に困っているのか、困難を感じているのか」について書いてみることをおすすめします。

 頭の中にあるそのイメージを書き出していくうちに、実は自分が本当にこだわっているのはこのことだ、自分がとてもつらいのはこのことだというものが見えてくることがよくあります。
 問題・課題の対象がはっきりみえてくると、その対策についても具体的にイメージできる様になるでしょう。

 書くことは苦手だという人も、100均でB5かA4サイズのスケッチブックを買ってきて、それに書いてみることをおすすめします。

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フィールドでも予想してみることがとっても大切/生物の多様性と一番ザクラ

  生物の多様性について語られることが増えてきました、SDGsのいろいろな項目にもおりこまれています。

 Diversity(ダイバーシティ)という言葉があります、ある集団の中で幅広く性質の異なる群が存在することを意味する言葉で、まさに多様性のことです。

 学校ではもともと多様なものを、類似グループにまとめて教育している傾向にあります、特別支援学級がどんどん増えていることも、その象徴的な一つです。
 もちろん、特別な手立てが必要だということもわかります。

 ただし、いろいろな個性、多様な個性が同じ場で影響し合うことが人間にとって学ぶことが大きいでしょう、協力という面、多様な個性を感じること、わかり合うこと、みんなで伸びていくことの快感もずっと大きいのは間違いないでしょう。

 テストの成績が一定範囲以上と以下とに分けた時、一定範囲以上のこども達に教科書を教える方が効果的だと思うかもしれません。かけ算九九を知っている子ども達の中に九九の〈2の段〉もあやふやな子がいたら指導しづらい・・・

 そうかなぁ。

 素人には難しくても〈教育のプロ〉は「多様な子がいた方がずっといいです」と言って欲しい、そう思います。
 たのしい教育は学年の枠を超えてもたのしさと知的好奇心とを高める教育です。

 前置きが長くなりました。

 前回わたしが当たり前の様に〈一番ザクラ〉の写真を出したら、驚いた人たちがたくさんいました。

 教師を早期退職して早10年、少し時間があると予想を立てながらフィールドを歩いてきたので、普通に早咲きの桜を見ることができるというのは私にとってごく普通の感覚でした。
 ここで〈早咲き〉と書いているのですけど、実は敬愛する遠藤純夫先生(たのしい教育研究所応援団長・元中学理科教育研究会会長・JAXA教育アドバイザー・NPO法人子ども・宇宙・未来の会 副会長)がちょうどこの頃沖縄に来てくれた時に
「きゆなさん、早咲きっていうけどさ、超遅咲きって見方もあるよね」
といってくれて二人で笑いながら、私はとても勉強になったことを覚えています。
 前回の桜の花は3~4ヶ月花早いのかもしれない、8ヶ月くらい遅いのかもしれないのです。

 話をすすめましょう。

 普通の花の季節からこれだけずれて花開くのは桜くらいなのでしょうか?

 たの研の近くの公園には毎年花を見せてくれる梅の木が20~30本くらいあります。ちなみに前回の桜の花もこの公演で、70~80本くらいあります。

 この中には花開いている梅があるのでしょうか、桜は早咲き遅咲きしやすくても、梅にはそういうことがないのでしょうか?

 予想してみてください。

予想

 ア.ここの梅に花開いているものがあった
 イ.ここの梅の花には開いているものはなかった
 ウ.その他

どうしてそう思いましたか?

 

⬇︎

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予想してからね

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⬇︎

 私は人間に限らず生物全般に多様性・ダイバーシティーが普通のことだと思っています。
 20~30本くらいあったら咲いている梅もあるだろうと予想して、ワクワクしながら歩いてみました。

  小さな葉はみつかるのですけど、なかなか花は見つかりません。

 数本目の梅の木を見ていると、ありましたよ!

 小さな可愛い梅の花です。

 気の早い花もある、ゆっくりの花もある、どちらも同じ梅の花です。

 かけざん九九を早く覚えてしまう人もいる、かなり時間がかかる人もいる。ちなみに私の師の板倉聖宣は大人になってもかけざん九九はちゃんといえない人でした、でも教育の歴史に残る大きな仕事をした人です。
 かけざんはゆっくりだったり苦手だったりする人も、その人のすごいところはきっとある。何千万という単位でも測ることができない〈人間の能力〉の中の読み書き計算くらいで分類するというのは、たのしい教育の発想から程遠いものだと思えてなりません。

 予想を立てるとフィールドに出てもたのしい、ということを書こうと思ったのに、教育に対する本質的な見方考え方まだ書いてしまいました、それもよしと思ってくれる方が多いことを期待しています。

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たのしい植物の世界〈花のイメージ〉自由研究

 みなさんは「花」ときくとどういうものをイメージしますか?
 こういう花でしょうか。

こんな花でしょうか。

こういう花もあります。

  たのしい植物の世界をイメージしてもらえる教材の構想は数々あって、その一つが〈花とは何か?〉です。

 学校の授業仕様で短くても一単位時間はかかのでここで簡単に紹介するのは難しいのですけど、利用する写真などはどんどん集まってきています。

 これは最近、近くの公園に行った時の一枚です。

 葉の下側に何やらモコモコしたものがぶらさがっています。

 これも花なんですよ。

  アップしてみましょう。

 あざやかさはないのですけど、実はとても機能的にできた花です。

 特徴的な〈花〉の種類を見ながら花の共通項を探す・・・

 たのしい授業書になりそうです。

 

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たのしいカウンセリング・PEALカウンセリング/無意識とは言語化する前の意識のこと/野田俊作先生のこと

 今回は最新号のメルマガから反響が大きかった一つから少し紹介します。

 私にアドラー心理学カウンセリングの免状を授けてくれた野田先生は天才型でしたから「こう考えることが正しい」と言い切ることがたくさんありました。

 それに対して私は科学的な見方・考え方を根底にする〈板倉聖宣〉の弟子としての顔が随所に顔を出します。

「野田先生、もしそれが正しいとするとコレコレこういうことも同時に成り立つことになります、すると今野田先生が語っていたこととずれていきませんか?」

という失礼な質問を何度もしてきました。

 そういう時野田先生は少し考えてから

「それがアドラー心理学の考え方なんだ」と返していました。

 けれどきっとその後、自分でも考え直した可能性があります、そのことに関して言い切ることがなくなっていった気がするからです。少なくとも私がいる前で同じ様なことをいうのありませんでした。

 今回紹介する野田先生の話も〈断定〉がとても気になる部分に関しては趣旨が変わらない範囲で、私いっきゅう文責で手を入れておきました。

 それでも〈?〉と感じる部分があるかもしれませんい、そういう時には「これも一つの見方・考え方だ」という視点で読み進めてください。

 ただしここで野田先生が語っている
「無意識の中に行動の目的が潜んでいることが多い」
ということに関しては、たくさんのPEALカウンセリングを実施してきた今でも正しいと思っています。

「無意識」についてはいろいろな解釈があるのですけど、PEALカウンセリングでいう無意識は〈自分ではっきり言語化できていない段階の意識〉のことです。

 いろいろな人のいろいろな行動、たとえば最近はよく休日に海に行くという行動には

・私たちのDNAに刻まれている原始時代からの流れとしての喜びを求めている
だけでなく
・仕事の呪縛から逃げたい
・美味しい食べ物を美味しく味わいたい
・彼女ともっと仲良くなりたい
・波の音を聞きながら本を読みたい
                ほか

 その時のその人のたくさんの目的が言語化されないまま、つまり意識されないまま潜んでいる可能性があるのです。

 こういう見方・考え方をすることはPEALカウンセラーの基本です。
 心の奥の方にある自分の目的を言葉で表現できる様になった時、カウンセリングがはっきりと動きはじめます。

 興味ある方は私のカウンセラー講座などで体感してみてください。

 今回のテーマも、みなさんのものの見方・考え方の幅が広がるだろうと思います。

 たのしく読んでみてください。

野田

 われわれは自分の行動の本当の理由を知らない、これが今の心理学の一番基本的な考え方です。

だから

「なぜあなたはそんな行動をするのですか」

と聞かれてもわからないんです。

 学校に行かない子どもに向かって「なぜ学校に行かないの?」って聞いてもわかるわけないんです。

 だって学校に行かない理由は無意識なんですから、子ども自身も意識していないんです。

 では本当の目的はどうやったらわかるかというと、本人の言葉ではなく〈本人のやっていること〉を観察すればわかる…

野田俊作「続アドラー心理学トーキングセミナー」
から抜粋・編集 文責〈きゆな〉

 一部抜粋なのですけど、大きなイメージは伝わるのではないでしょうか。

 PEAL教育カウンセラー養成講座もいよいよ後半に入り、講師の私もますますたのしくなってきています。受講者の満足度(楽しさ度数・よくわかる度数)も最高値が続いています。合格すれば二年間PEAL教育カウンセラーとして活躍することになります、そうやってじっくりのPEALカウンセリングが教育の世界、カウンセリングの世界をゆっくり変えていくと思います。

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