カウンセリング時の〈選択肢の提示〉について日頃からできることはこれ!

 PEALカウンセリングではクライエントが抱えている問題や課題に対して選択肢を一緒に考えていくことが重要な過程の一つとして組み込まれています。

これまで何度か「カウンセラーとしていろいろな選択肢が提示できるように日頃から心がけていた方がよいことはないでしょうか」という相談を受けたことがあります。

 私の場合で考えてみると、選択肢を提示することに困難を感じません。

 相手の問題・課題を他人事として考えていたら、その人の心を動かす選択肢は提示できません。その基本前提として、いろいろな人生、いろいろな問題や課題を日頃から体感できるようにしていると、大きくちがうはずです。それはカウンセラー養成講座の重要なテーマになるので、ここで簡単に「これです」と提示することできないのですけど、

 日頃からできることの一つをあげるとすると、これです。

映画ポスター@パブリックドメイン

 何か?
 映画のポスターの一つです。
 映画には、自分の人生を超えてたくさんの人たちの多様な人生のテーマ、課題、困難さ、悲しみ、幸せ、融和、解決、解決しないままでも生きていく姿etc.
 それらが数えられないほど散りばめられています。思いもよらない様々な人生が刻まれています。

 それらをたくさん観ることは、きっとカウンセラーの力量として深い部分を構築していくでしょう。
 ただし、それを他人事と観ていてはもったいないことです。「自分がそのドラマの中に入り込む、その主人公になって体感する、主人公の友人、級友、同僚となって体感する」その過程が重要です。

 映画を見慣れていない方は、まずは名作といわれているものを選んでみるとよいでしょう。このサイトには有料〈たのしい教育メールマガジン〉の記事一覧がついています、そこには毎号、映画をとりあげています。興味のあるタイトルがあれば、それを借りてみるとよいと思います ⇩

https://tanokyo.com/wp-content/uploads/2023/06/af39add47b7f330bdcdb39a776c57f8e.pdf

 文科省が教育現場にはカウンセリングの見方考え方、方法を取り入れることが決定的に重要であると、大きな予算を割いてその導入に取り組んだのですけど、残念なことに、カウンセリングができますと言える先生たちはほとんどいないのが現状です。
 導入しようとしたそのカウンセリングが、一般の先生たちが使えるように体系化されていなかったということも大きいでしょう。

 興味のある方はPEALカウンセリングを学んでみてください、「これなら自分にもできそうだ」と思ってくれる人がたくさん出てくると思います。

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板倉聖宣の発想に触れる〈共通理解〉の見方・考え方

 刺激が大きいのでメルマガ限定で公開している板倉発想法がたくさんあります、もちろん私の教育観にとても大きく影響してきたものの見方・考え方たちです。今週のメルマガですぐに反響が届いたのが板倉聖宣(仮説実験授業研究会初代代表/文科省旧教育研究所室長)が語った〈共通理解〉についての話でした。〈たの研/たのしい教育研究所〉の前身《仮説の会》で盟友いらはさんが持ってきた資料に「たのしい授業編集会議1991年11月の」で板倉先生が語ったものがありました。

 直接の言葉ではなく、ここでは私の文責として板倉先生が語った要旨をメモします。

「共通理解がどのようにいけないか」ということをはっきりさせておかないと〈共通理解って、いいものだ〉と思ってしまう人たちがでてくると思う

 経験上、共通理解はすばらしいと語る人たち、特に管理職や部署が上にいけばいくほどそう語る人たちが多いと思います。もしかすると一般の先生たちにもそう考えている人がいるでしょう、もしかすると子どもたちにも同じ価値観で伝えているかもしれません。

 共通理解はどのようにいけないのか、それも端的に語ってくれています。

 人間には多様な意見がありうるし、意見を保留する自由もある。

 共通理解を重んじる人たちにはそもそも「多様な意見のうちどれが正しいかは分からない」という認識がないわけだ。

「こうすることが正しいに決まっている、みんなでこの道に歩調をそろえることが大切だ!」というのが共通理解です。
 しかし科学的認識つまり〈真理〉というものは仮説実験によってのみ成り立つのです。
 誰かのあるいは上の立場の者たちが提唱したものは正しいに決まっているか?
 それは一つの〈予想〉で、実験的に正しさが証明されたものではありません。仮説実験的に確かめられたものでない試みにたいして、共通理解を強要することがそもそも不具合を起こす原因です。

「そんなことをいったら何もできないじゃないか❗️」と怒る人がいたら、すみません。
 たのしい教育研究所は批判する組織ではありません、新しい方法を提案する組織です。

 まだ実験的に正しさが証明されていないものごとを組織で取り組む時には、スタッフ・職員のいろいろなアイディアを取り入れることが必須です。けれどたとえば、この通りやってみたいと校長が考えたら、こういう提案の仕方をおすすめしています。

「様々な考えがあるかもしれませんけど、今回は管理職として、この方向でやってみたいと考えています。一定期間(たとえば一学期間)実施して、子どもたちの評価感想をとって継続するか撤退するか新しいアイディアで進化させるか考えましょう。責任はすべて管理職の私がとります。ぜひ全力で取り組んでいただけませんか」

 同僚や子どもたちを追い込んで大きなニュースになる先生たちが目につくので、大変な教師がたくさんいると考える人たちも多いかもしれません、でも違います。ほとんどの先生たちは、子どもたちの笑顔ために全力で取り組める人たちです。組織をたばねるのは大変かもしれませんけど、教師集団の本質を信頼してためしてみていただけたらと思っています。

 家族で何かを提案する時にも、このスタンスをおすすめします。

 

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地球環境について科学者たちも特に気にしていなかった頃

 たのしい環境教育についての〈たの研授業書/たのしい教育プログラム〉を作っている時、自然に関わる研究している科学者たちはいつ頃から環境問題を気にするようになってきたのかが気になっていました。一般の人たちが気にしない中でも、科学者たち・研究者たちはその害に気付いて、環境問題を訴えていただろうと考えたからです。

 世界というと広いので、まず日本の科学者たちが環境問題に警告を流し始めたのはどれくらい前からか、ということで一緒に考えてみませんか。ある地域限定の環境悪化というのではなく、より広いレベルの環境問題はを問題にすると、それは社会全体の〈工業化〉や〈生産性の追求〉から生じてくると考えられますから、日本でいうと明治維新(1868年)前後からということでみていきましょう。

 日本の科学者・研究者たちが日本全体に関わる環境問題を訴え始めたのはいつ頃からか?

予想

 ア.200年あたり前から

 イ.100年くらい前から

 ウ.50年くらい前から

 エ.その他

どうしてそう予想しましたか?

 日本の公害問題として有名な足尾銅山鉱毒事件があります、学研のサイトに「1890年8月、渡良瀬川の大洪水によって、栃木県・群馬県の8か村の田畑が、鉱毒によって汚染された」とありますから125年くらい前のことです。

 もしこの時に広く日本の国土全体の環境問題に警告を鳴らすことが主張されていれば、その頃からだといえるでしょう。それが科学者や研究者でなく、社会のリーダーたちから発信されているとしたら、詳しくみていく必要があります。

 足尾銅山の鉱毒については人々がたちあがった歴史的な出来事で、重要な意義があるとはいえ、私が探した限りでは、日本の国土全体の環境問題をテーマにしていたといういう文章には出会えませんでした。どなたか見つけた方がいたらぜひ教えてください。

 日本で自然に関わる先端的な研究をしていた人物が中谷宇吉郎(なかや うきちろう)です。雪の結晶の研究で世界の先端を進んでいました、人工雪を世界で初めて作った人物です。※1900年生まれ1962年に他界


 科学の師であった寺田寅彦が文人夏目漱石の弟子でもあったので、間接的にその影響を受け、科学者として視点をもった読みやすいエッセイをたくさん残しています。

 その中に〈紙の行方〉という掌編があって、表題の「科学者たちが地球環境を気にしていなかった頃」の一つのアンカーになる文章です。一気に読めるので、青空文庫の功績に敬意を込めて全文引用させていただきます

 奥付にあるように、この文章を発表したのが〈1952年〉、今から70年くらい前です。

「女房に焚かすことにしている」という言葉が自然に出ているところに男尊女卑の風景を感じるとともに、ラストの

「この煙は、アメリカの木材資源の過伐と、地力の消耗との一つの表象とみることも出来る。しかしそういう見方は、貧乏国で育った私などの感慨であって、現代のアメリカでは、そういうことは全然問題にする必要がない。紙くらいはどんどん焼いた方が、別の生産の方で、能率を上げるもとになるからである。
 ものを無駄にした方が、かえって生産の向上に役立つという、この不思議な現象は、アメリカにだけある現象である」

という言葉に、環境問題をぜんぜん気にしていないアメリカと、それは〈木材資源の過伐と、地力の消耗との一つの表象〉ではないかと環境問題を案じる気持ちが綴られています。

 この文章から類推するのははなはだ大胆とは知りつつ、一つの予想として「日本の科学者については、100くらい前には環境問題を気にする人物はなく、この70年±10年賀状-くらいあたりから次第に芽出しはじめたのかもしれない」と考えています。

 いろいろな予想をたてておくだけで、これから巡り合う文章・事象たちから、その結果に近くことができます。それはまるで推理小説の中の探偵になってワクワクどきどきしながらたのしめるテーマです。

 興味ある方の登場を期待します。

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教科書の表記が絶対正しいというわけではないという話( 。」)③-たのしい国語

 原稿用紙の使い方で作文嫌いを生まないように、という話はいろいろな方たちの心に響いたようです、いろいろ好意的なお便りをいただいています。とはいえ先生たちはあいかわらず、かぎカッコで閉じる時は句点を打ってから( 。」)と指導しないといけないでしょう、どうしたらよいのか? その話をして閉じることにします。

 今回のテーマは「こっちの表記が正しいくて、あっちの表記は正しくない」というために書いたものではありません、タイトルにあるように「教科書の表記が絶対正しいというわけではない」という話です。

 カッコで閉じる時に句点(  )を省く人が多いとはいえ、正岡子規のように句点+とじカッコ( 。」)する文人もいますし、一般の人もいるでしょう。

 学校で指導する時には「学校では原稿用紙の使い方として、これこれこういう指導をするけれど、そうでないものは間違いだというわけではありません。たとえば句点+ 」 について、句点なしの人たちもたくさんいます。新聞だって句点なしでカッコを閉じています。

 そういうことを並列して伝えるとよいのです。

 そもそも学校の表記が句点+とじカッコ( 。」)なのは何を根拠にしているかというと・・・

 1946年3月に〈文部省教科書局調査課国語調査室〉が作成した「区切り符号の使ひ方(案)」です。案のまま確定されない状態で、80年以上ずっとそれを踏襲しているわけです。

https://www.bunka.go.jp/kokugo_nihongo/sisaku/joho/joho/kijun/sanko/pdf/kugiri.pdf

 時代とともに変わっていく言葉もあれば、変わっていく表記もあります。私は「」より〈〉符を多用します、読みやすいわかりやすいという声も聞きます。自分にしか適用されない符号だと困るのですけど、周りの人たちがわかりやすいものなら、使ってかまわないでしょう。

 いろいろな表記方がある、という流れで柔軟に対応できる子どもたちを増やしていって欲しいと思います。くれぐれも、原稿用紙の使い方を徹底して作文嫌いを量産することだけは避けて欲しいと願います。

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