知識より〈科学的な原理・法則〉が重要-「ファーブル昆虫記」の中のパスツールさん

 ファーブル昆虫記を読んでいた頃、とても心動かされた話があります。〈パスツール〉さんがファーブルさんを訪ねた時の話です。

wikipediaに感謝して参照   生誕 1823年12月21日 フランス王国、アヴェロン県、サン・レオン 死没 1915年10月11日(91歳没) フランス共和国、セリニャン・デュ・コンタ 国籍 フランス 研究分野 生物学 主な業績 アリザリン精製の工業化、昆虫学の普及、動物行動学の開拓 主な受賞歴 レジオンドヌール勲章

wikipediaに感謝して参照   生誕 1822年12月27日 フランス王国、フランシュコンテ、ドール 死没 1895年9月28日(72歳) フランス共和国、セーヌ県, マルヌ=ラ=コケット 国籍 フランス 研究分野 化学 細菌学 研究機関 ストラスブール大学 リール大学 リール・ノール・ド・フランス大学 エコール・サントラル・ド・リール リール科学技術大学 高等師範学校 パスツール研究所 出身校 パリ大学 リセ・サン=ルイ 高等師範学校 主な指導学生 シャルル・フリーデル[1] 主な受賞歴 ランフォード・メダル(1856年、1892年) コプリ・メダル(1874年) レーウェンフック・メダル(1895年)

 パスツールさんもファーブルさんも同時代にフランスに暮らしていました。

 すでに科学者として高名なパスツールさんは、政府から、その頃国内で大流行したカイコの病気の調査を依頼されました。

 そこで、ファーブルさんのところに、カイコの話を聞きたいとやってきたのです。

 カイコを見せてもらったパスツールさんはマユを手にしてびっくりします。

「何か中にありますね」
「ありますよ」
「一体、何があるんですか」
「蛹(さなぎ)です」
「え、蛹というと?」
「幼虫が蛾になるまえ、姿を変える一種のミイラのようなものです」
「どのまゆの中にもそんなものが一つ入っているのですか」
「そうですとも。まゆは、さなぎを保護するために幼虫が編むものです」
「なるほど!」
   岩波文庫『ファーブル昆虫記』より

 パスツールさんはカイコがさなぎになるという基本的な知識さえなかったわけです、しかもそれを恥じるどころか感動したのです。

 パスツールさんは、病原菌の専門家です。的確な予想のもとに、カイコの病気に対する有効な予防策をたてました。

 細かい知識はなくても、確かな理論に基づいた的確な知識を立て予想し実験的に確かめるという手法が、きっとパスツールさんにはあったのでしょう。

 考えさせられるエピソードでした。

 

 ファーブル昆虫記には、パスツールさんが訪ねてきたというエピソードが綴られているのですけど、私が調べた範囲では、パスツールさん側にはファーブルさんを尋ねたという話は出てきません。

《騙されない人になるため》の原則の一つは「情報元は複数で判断する」です、たとえばファーブルさんが「世界的に知られた医学者パスツールさえ私の元に来たんだ」という話を創作したとしたら、その事実がゆらいでしまいます。

 そういうことも頭においておく必要があるでしょう。

 私としては、それが事実であって欲しいと思っています。

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〈センニチコウ/千日紅〉がいっぱい咲いていた/野山さんぽしていたら/楽しいアウトドア

 最近、野山散歩していたら、いろいろな種類の千日紅(センニチコウ)が咲いていました、自然の作用で花開くには近くに偏りすぎています、きっと花好きな人が植えたのでしょう。

 白いセンニチコウ(千日紅)

ピンク系の千日紅

ムラサキの千日紅

 これは他の千日紅より小さな花だったので、違う種類かなと思ったのですけど、調べてみるとアカバセンニチコウ(赤葉 千日紅)という種類、レッド・フラッシュとも呼ばれているようです。

 12月に入り、冷たい風も吹く季節になりました。
 ほかの地域では夏から秋の植物だと言われている千日紅は沖縄でまだ生き生きと花開いています。

 ところで名前に注目してみましょう。

〈紅〉という名前を持つセンニチコウですけど、白系や黄色系の花もあります。

 アジサイは紫陽花、〈紫:むらさき〉という色がついています、でも青・ピンク・白などバラエティー豊かな彩りの花ですよね。

 植物に色の名前をかぶせるのは、無理があるんじゃないかなぁ。

 もう一つ、センニチコウは〈千日の紅〉という名前です、1000日ってすごくないですか、三年くらい花開いていることになりますよ。

 長く花を見せてくれるとはいえ、これは誇張が大きいでしょう。

 サルスベリという植物があります、〈百日紅〉と書きます。樹木に咲く花で、実際沖縄の様な暖かいところでは100日くらい花を見せてくれるのも難しくはないでしょう。

 センニチコウは、それよりもっと長く花が続くのだといいたかったのでしょう、それでも10倍も多くしたのは、やりすぎでした。

 いったい誰が名付けたのでしょう。

 植物にしろ動物にしろ名前を科学的ではなく情緒的につけることが少なくないので、子どもたちには「まぁ、実際とは違うけれどそう名付けたんだよね」という様に伝えていた方がよいと思います。
 そういうところから、植物の新しい魅力を感じることもあると思います。

 

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評価・感想は宝物-たのしい教育の評価論/まるで遊んでいるかと勘違いしてしまうのが〈たのしい教育〉

 学校でも日頃から普通に先生の授業を〈たのしさ度〉と〈理解度〉で評価してもらうとよいのに、と思ってすでに40年くらい経ちました。学校だけでなく公的なシステムはなかなか本質的な変化が困難な様です、子どもたちが先生を評価したり学校を評価したりすることに対するハードルはまだまだ高いようです。

 とはいえ〈たのしい教育派〉の先生たちは、頻繁に自分の授業を評価してもらっているので、悲観する材料ばかりではありません。

 私の教師人生は〈教師なり立ての頃〉に子どもたちに自分の授業の点数をつけてもらった時から、授業に対する構えが根本から変わりました。

 大学を卒業したてで、周りの先生、主事の方から指導されて、それを自分でも工夫して授業を組み立て、研究授業でほめられる。

 学校での研究授業だけでなく、地区単位の研究授業、県単位の研究授業もどんどん引き受けて、その授業が評価され「キミは見どころがある、つくばの研修に行ってみないか」そういう声がかかる。まだ教師になって経験もあまりないのに地区での研修会の指導者にもなり、先輩の先生たちに授業のポイントなどを具体的に解説する立場に立つことになる。

 周りの先生たちから「これはすぐに教育事務所に引き抜かれて若手主事の誕生だね」そんな声をかけられる教師人生の始まりでした。

 その教師人生とパラレル(並行)に、たまたま同地区で教師をしていたいらはさんから紹介された仮説実験授業を実施してみた教師人生もありました。

 子どもたちの笑顔とやる気がぜんぜん違う。

 自分の授業を子どもたちが評価するというシステムは、その頃とても斬新なものでした。もちろん自分の授業がぶった斬られることもあるわけですから、恐ろしい切れ味の行為です。※たのしい教育をすすめようという先生は「自分がこの授業で勝負したい」という授業を評価してもらってください、教師自身もやる気が起きない、やることになっているからやる的な授業まで評価してもらうことはありません

 その時に、子どもたちの笑顔・やる気の向きに教師人生を選んだことで、今のたのしい教育研究所があります。

 5日前の〈秋の講座〉でもらった子どもの評価があります。

 こうみると「遊びの時間だったの?」と勘違いしてしまうのではないかと心配になるほどですけど、一つ一つのプログラムが〈学ぶ価値〉高く〈たのしさ度〉も高い内容でした。

「おかきのカレー味」も日本の食文化、そして2000年を遡る〈食の工夫〉を感じてもらえるものでした。
「ペットボトル」と書いてくれているのですけど、それは「音とは何か」「音の高さとは何か」を感動的に味わう〈音楽の授業〉でした。そういう本質的な授業を、まるで遊んでいるかの様にたのしんでくれるというのはすばらしいことだと思います。

 今日はA小学校で、親子授業です。

 たくさんの笑顔に出会える〈たのしい教育研究所〉の日々が宝物です。

 おかげさまでこの公式サイトも1日1000アクセスを突破し高く安定しています。これは今日午前のアクセス統計です、昨日が2000アクセス近く、今日は午前中で1000アクセスを突破しています。

 たのしい教育研究所の元気は、このサイトを見てくださっているたくさんの皆さんにも強く支えられています、心から感謝しています。気に入っていただけた方は、友人知人に、またSNSでこのサイトの魅力を届けていただけたら幸いです。

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植物が世界を動かす 〈楽しいブックレビュー 〉楽しい理科・楽しい社会

 買っておいてずっと読む時間のとれない本がたくさんあります、稲垣栄洋著「世界史を大きく動かした植物/PHP」もその一冊です。

 人の目を引くタイトルでなくては買ってもらえないので、誇張気味になるのはしかたないとしても、そもそも植物が世界を動かすことがあるのでしょうか?

 みなさんはどう思いますか?

 そもそも植物が消えたら、シアノバクテリアなど極端な環境下でも生きていける古細菌など一部のものを除いて生物のほとんどは死滅するでしょう。

 ただしそれは植物が優れているということでもありません、逆に動物が地球から消えたらほとんどの植物も滅びてしまいます。植物に必要な酸素Oをくれるものがなくなってしまうわけですから。

 動物も植物も菌類も循環して生命を成り立たせているんです。

 世界史を変えるくらいの力は動物も植物も菌類も持っているといって良いでしょう。

 では、ある種類の植物が世界の歴史を動かした、ということはあるでしょうか。

 あります。

 たとえば東インド会社(イギリス・オランダ)は〈コショウ〉で巨万の富を手に入れ、その経済力と軍事力を背景に、実際に政治を動かす力を持つようになったと言われています、その意味でコショウという植物が世界を大きく変えるものになったともいえるでしょう。この本「世界史を大きく動かした植物」にも一章とって書かれています。

ウィキペディアより

みなさんは、世界史を大きく動かした植物をあげるとすると、他にどういうものが浮かんできますか?

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 本の中には〈コショウ〉の他に「小麦」「イネ」「唐辛子」「ジャガイモ」「トマト」「ワタ」「茶」「サトウキビ」「大豆」「タマネギ」「チューリップ」「とうもろこし」「さくら」が章をさいてまとめられています。

 個人的には〈トマト〉や〈さくら〉が世界史を大きく変えた、というのが腑に落ちないのですけと、それはそれとして、実はこの本の「サトウキビ」の章を読むためだけに買っておいた本です。

 板倉聖宣先生が元気な頃「きゆなさんは沖縄で暮らしているんだから、みんながサトウキビのことをたのしく学ぶことができる授業書を作ってよ」という宿題を残してくれました。

 そのための一冊です。

 著作に没頭できる環境をそろそろ整えていきたいと考え始めています。

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