『まわるおすし』長谷川議史 作(ブロンズ新社)

まわるおすし今回は『まわるおすし』の絵本を紹介します。
まわるおすしというのは、回転寿しのことです。

回転寿司屋さんに行くと、何から食べようかな〜、
ぐるぐる回ってくるお寿司をみながら、
迷いながら取って食べるのもワクワクしてたのしいです。

さて、この絵本の主人公の家では、
お父さんの給料日に家族みんなでお寿司を食べに行きます。

店の前で輪になって、お父さんのゲキに合わせて
「ファイト オー!」と気合をいれて店に入っていくと・・・
お父さんがひじに手をやったら、青いお皿のサイン、
鼻に手をやったら次は黒いお皿へ、クライマックスのお皿の色は、
もちろん自由です。

さあ、何を食べようか•・・お父さんのサインからも、
回るお寿司からも目を離さないようにおすしを食べていきます。
あまえび、いくら、サーモン、たまご、大トロ•・・いろいろなおすしが出るたびに、
こちらまでおすしが食べたくなります。

赤だしサービス券を取り出すお母さん、
主人公の男の子に好物のサーモンをさりげなくとってくれたお父さん、
家族の温かさを感じる様子がとてもいいです。

おすしが好きな子は読んだ後に、「自分も昨日行ったよ…」
「◯◯のおすしたべておいしかったよ」など、おいしい話もはずみます。

( by hina )

音が出るしかけ図鑑『海のいきもの』AZ BOOKS (著)今泉 忠明 (監修) (学研教育出版) 

海1 今回はしかけ絵本『海のいきもの』を紹介します。

絵が立体で飛び出す本はたくさん出版されていますし、
音が出る本もいろいろありますが、この『海のいきもの』は、
すべてのページの絵が飛び出すのと同時に、なき声が聞こえてくるんです。

たとえば、1ページ目の「ヨシキリザメ」を開くとサメが飛び出して、
なきごえが聞こえて、さらに矢印の部分を引っ張ると、
そこにはヨシキリザメの生態などの説明が書かれています。

書名の通り〈音が出るしかけ図鑑〉ですね。

umi2すべてふりがながふられているのもいいです。

笑い声のようななき声のコウテイペンギンはついこちらまで笑ってしまいます。
バンドウイルカやシャチ・・・その他興味津々見入っていました。

お子さんのプレゼントにも喜ばれるかと思います。

( by hina )

『三つの色のふしぎなぼうけん』アネット・チゾンとタラス・テーラー作 (評論社)

『三つの色のふしぎなぼうけん』
今回は「色」をたのしめる絵本
『三つの色のふしぎなぼうけん』を紹介します。

赤(ここではピンク)・青・黄の三原色のおもしろさが
体験できるしかけ絵本です。

カラーセロファンに描かれていている絵を、
次のページの絵に重ねると重なった部分の色が変化します。

たとえば青のぞうさんを、黄色いわんちゃんに重ねると…
重なった部分は緑色のお魚の形ができます。
不思議な色の変化がたのしくて、マジックを見ているようです。

『三つの色のふしぎなぼうけん』2絵本を読みながら、色と色を重ねると違う色ができるのが体験できるので、
自分でもいろんな色を作ってみたくなります。
絵を描いたり、色作りをたのしむ前にもおすすめです。

( by hina )

『ふゆめがっしょうだん』 富成忠夫・茂木透 写真 長新太 文 (福音館書店)

ふゆめがっしょうだん

今回は、冬になるとページを開きたくなる本
『ふゆめがっしょうだん』を紹介します。

1990年にかがくのとも傑作集として出たのでロングセラーの本ですね。
表紙を見たときから「なに?・・・これってかお?・・・」と、
思わず見入ってしまいます。

人によって何に似ているか違って見えたりしてたのしいです。
ページを開くと一つ一つの木の芽が大きく拡大されて
いろんな顔の表情に見えてくるから不思議です。
ふゆめがっしょうだん
木の芽たちを見ていると何かを話しているような、
話しかけたくなるような、
なんだかたのしくて幸せな気持ちになります。

写真にそえられた長新太さんの短い言葉もいいですね。
春を待つこの時期におすすめです。

***本のあとがきより***
顔に見えるところは、実は落葉した葉の柄がついていた跡です。
その中に目や口のような模様がありますが、
これは葉に養分を送っていた管の断面です。

この顔の上にある円形や円錐形をした部分、
これが冬芽でこれから葉や花になるものが
中に小さくたたまれていて春を待っています。
( by hina )