たのしい会議入門/「日本一たのしい総会だと思います」参加者からの声-NPOの年次総会たのしく開催

〈会議〉と〈たのしさ〉は同時に存在することはない様なイメージだと思います。特に〈総会〉となると、前年度の活動、それに伴う予算執行、監査結果、今年度の予算編成、今年度の活動計画、役員体勢ほか、大切な審議を行なう必要がありますから大抵は〈たのしさ〉が入る隙間はほとんどありません。

 これまで、PTAの総会、スポーツ系の総会、◯◯組合、◯◯会議の総会、地域の自治会の総会そのほか、いろいろな総会に参加した経験でいうと、誰かが面白いことをいって笑わせてくれることはあるのですけど、全体として「あ~、たのしい総会だったな」と感じた経験は、〈たの研〉の総会以外では一度もありません。

 タイトルにある「日本一たのしい総会だと思います」という言葉は、たのしい教育研究所の年次総会に参加したAさんが真顔で語ってくれた言葉です。参加したみんなも口々に「たのしかった」と伝えてくれました。

予算審議もあります、活動報告もあります、当然いろいろな総会が実施する内容は全て網羅します。その結果を毎年、県がチェックして、不審なところがあればチェックが入りますし、それらがしっかりしていなくてはNPOの資格は取り消されてしまいます。

 審議では定款(元となる決まり)についても、改訂の中身がはっきりわかる様にします。
 活動の中で出来上がってきた教育プログラムをみんなで体験したり、写真や動画を多用し、活動の様子がよくわかるように見てもらいます。

 これは11年目を記念して〈たつまきハイパー〉で喜んでいるところです。
  メルマガで紹介した〈たの研〉版 モラルジレンマ『決勝戦』をみんなに授業したいというメンバーがいて、実際に授業してくれました。

 総会後も二次会三次会とすすみ、たのしい一年の計画の日になりました。

 いよいよ今年度の活動が本格始動します。

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蚊取り線香クイズをたのしもう!②〈問題編〉-たのしい頭の使い方

 前回の〈まず自分で予想を立てよう〉という話を読んでいただいた上で、私がたのしんだ蚊取り線香クイズを紹介します。

 メルマガの読者の方から問題が届いた時、〆切ものを手がけていたので、それが終わってからと思ったのですけど、ついつい頭がクイズに入り込んでしまって、まず解いてから〆切ものに戻りました。

 二、三行のシンプルなクイズだったのですけど、それを私が子ども達が考えやすい様に脚色・構成しました。
 家族で学校でたのしめると思います。

問題
夏休み、静かな山にキャンプにきています。
自然の中にどっぷりひたりたかったので、スマホやゲーム機、時計など機械的なものはいっさい持ってきていません。


今回の大きなたのしみの一つは料理です。
おいしいソーキ(スペアリブ)料理を作ろうと思います。

レシピをみたら
「だし汁にソーキを入れ強火で45分煮てから素早く取り出し、これこれを入れたタレにつけ込みます。この45分という時間が大切です!」
と書いてあります。
「しまった!
 時間を図るものは何ももっていない!」
 ・・・
「あ、そうだ!」
ちょうど1時間で燃えつきる蚊取り線香が一箱あるぞ!
 これを工夫して時計がわりに使えないかなぁ~

 1時間で燃え尽きる蚊取り線香で45分を測ることはできないでしょうか、みなさんも一緒に考えてみませんか。
 もちろんストップウォッチで測る様な正確な時間ではなく〈ほぼ45分〉だという長さがわかればOKです。
 ちなみに重さを測る様な器具ももちろん持っていません。
 ライターと一箱の蚊取り線香のみで考えてみてください。

 さぁ、頭をフル稼働させて、いろいろなアイディアを出してみましょう。

 答えは後日紹介します。

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たのしく考える〈クイズ入門〉①「たのしい頭の使い方」・まず予想を立てよう

 メルマガに書いたクイズがさっそく人気で、一生懸命考えた答えを送ってくれる方たちから「おもしろい」という反応が届いています。ちなみにそのクイズはメルマガの読者の方から送ってもらったもので、考えやすくなる様に私が全体をふくらませて構成したものです。


 それを紹介しようと思っているのですけど、その前に書いておきたい大切なことがあります、まず「たのしいクイズ入門」としてお読みください。

「最近は問題などをみると反射的にwebで調べることが当たり前になってきている」という話を何度も耳にしてきました、みなさんもそういうタイプでしょうか。

 たとえば

「日本で二番目に人口の多い県はどこでしょう?」

という問題があったらGoogle検索で調べる。

「犬と猫の走るスピードはどちらが速いでしょう?」

というクイズがあったらGoogle検索で調べる。

 自分で予想を立ててたのしむのではなく、とにかく正解が知りたい。

 大抵の謎はwebで検索すれば答え・正解を手に入れることができます、
                     よかったよかった!

 で、何がよかったんでしょう?

 映画を観に行く前に、ネタバレサイトで調べて「なるほどあいつが犯人か」と知った上でいくでしょうか?
 小説を読む前に、あらすじをしらべて「この人物は死んだと思われているけど、実は姿形を変えて遠い処に住んでいるんだ。そして2年後に現れてれ・・・」と知った上で読みますか?

「え、橋から落下した彼はどうなるの、生きているだろうよね」とか「ミステリーの定石でいえば〈最も怪しい人物は犯人ではない〉のだから、この男は犯人じゃないよね」と予想しながら読んでいったほうがずっと心動かされ、ずっとたのしいと思うのですけど、どうでしょうか。

 正解を事前に調べて、それを覚えておいて答える、というのは、試験の前の丸暗記に似ています。〈知識を記憶する〉ことでテストなどで良い点をあげることができます、入りたい高校、大学に進学していくことができます。

 なので、答えを調べる効果はたしかにあるでしょう。

 また〈正しいことを調べる力〉は、マニュアルに従って「こういう場合はこうする」「もしこうなったらこうする」というスタイルには役立ちます。
 上司・先輩の指示・命令を受けて、そのとおりすすめる場合も似ています。
 答えが準備されている世界ではとても有効です。

 上からの指示命令の元で動ける人たちはシステムの中で安定して動ける人たちですから、とても大切です。
 交通システムをうまく維持する、電車・モノレールの運行を安全に整える、会社の経理を間違いなく管理する、薬の量を正しく調合する、器械が壊れない様に管理する、壊れたら直すetc.
 システムをうまく維持するためには、そういうたくさんの方たちの存在が不可欠です。

 ところがシステムの中で安定的に行動したくても答えが見つからないことがあります。

 この部品を変えれば直る、しかし部品がない。
 お客さんがマニュアルにない要求をしてきた。
 コンピュータが明らかにエラー作動している。
                    etc.

 知りたい答えがみつからない、そういう時にどうしたらよいのでしょう。

 自分の頭をフル稼働して予想を立てて「こうかもしれない」「ああかもしれない」と試していく。
 少なくとも答えがないのですから、実験してみるしかありません。

 答えを事前に確認することとは別な流れが〈たのしい教育〉です。

「日本で2番目に人口が多い県?
 最も人口が多いところは東京だよね、
 次は大阪っぽいなぁ、
 名古屋市は人口が多そうだから愛知県もあなどれないな。
 まてよ北海道ってさ、かなり広いよね、人口も多そう。
 ん~、よし、大阪に一票!」

 予想して調べてみると・・・

「え~神奈川県なの (・o・
 ノーマークだった。
 すごいね、神奈川県」

 これは私の頭の中の流れです、私自身が間違ったわけです。

 間違ったおかげで「人口二位〈神奈川〉」ということを長く忘れないでしょう。

 ちなみに「三位〈大阪府〉、四位〈愛知県〉」でした、はずれたとはいえ、いい線いっていましたね。

〈第五位〉を予想してみたくなった方はいませんか?
 ぜひ自分の頭をフル稼働させて予想を立ててみてください。北海道かもしれませんよ
 予想した上で、たのしみながら確かめてみてください ´ー`)

 またシステムを維持し続けようと思っても、システムそのものが劣化していったり、たくさんの人達の幸せにつながらなくなっていくこともあります。

 たとえば今の地球の生産システム・工場システムをこのまま維持していくと、環境問題・温暖化の問題は止まりません。そのシステムを維持し続けることで地球全体のダメージが蓄積されていく・・・

 トマ・ピケティが明らかにした様に、今の経済システムを続けていくと「1%の富める者たちのもとに富がどんどん集中していく」ことになる。

 経済や科学の恩恵が行き渡らない貧しい国々では、命をつなぐことのできない人たちもたくさん出ている。

 先進国の中にある日本でさえ〈最低限の文化的生活を維持すること〉が困難でホームレス生活を余儀なくされている人たちがいる。

 健康をめぐる状況も安心できません。
 ガンや心臓系などの具体的な症状だけでなく、メンタル的な病気も増えています。

 経済システムにしろ、健康の問題、メカニックの問題、教育の問題etc.、社会の矛盾や根本的な問題・課題を突破できる人たちの存在は不可欠です。今のシステムの問題点を突破して新しい扉を開くのは、自分の頭をフル稼働させていろいろな挑戦ができる人たちです。

 何しろこのことを研究する開発することがたのしくてやめられない、この問題を解きたい、どうすればガン細胞を消せるだろう、どうすれば固体燃料ロケットを安定的に飛ばせるだろう、車の重量を半分の重量に落とせないだろうか、植物の光合成システムをフラスコの中で再現できないだろうか、そうやって課題を突破していく人たちです。

 そういう人たちは、どこかに書いてある答え、誰かに言われた答えの通りすすめるのではなく、日頃から自分の予想を元に考えることも得意な人たちです。

 そういう人たちを育てるのが「たのしい教育」です。

 既存のシステムを安定的に維持する人を育てるのも、そのシステムの中で不具合を修正できる力を育てるのも、新しい社会の扉を開く人たちを育てるのも、たのしい教育です。創造的な力や、もっと研究したい、もっと実験したいというチャレンジングなスタイルは〈たのしさ〉の中で育つからです。

 クイズや問題なども、誰かが準備した答えを探すのではなく、まず自分の頭をフル回転させて予想してみませんか。

 そうやっていくうちにマニュアル通り安定的にすすめる力以上のちからがついていくでしょう。そしてそれは何よりたのしい。

 その予想が間違っていてもよいのです、「なるほど、そう考えたらよかったのか」と心動かされ、前より確実に賢くなっています。当たってももちろん「そっか、やはりその手でよかったんだ」と心動く。〈おしかった〉という場合も「あとちょっとだったね」と心動かされる。

 軽く前置きとして書きたかったのですけど、気づいてみたらどっしりしたものになりました。

 次の項に、面白くて、私が〆切を置いて予想を立ててしまった問題を紹介します、答えを調べる、つまりまず上にうかがいを立てるのはもったいなさすぎますよ ´ー`)

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楽しい国語〈言葉を大切にすること〉①-楽しい授業入門

 特殊詐欺もろもろ、〈騙されない人を育てる〉ということなら、まず私たちの周りにたくさんある「占い」に騙されない人を育てることも重要だということで前回の記事を書きましたが、それは「エイプリルフールの効用」という記事とも重なります。

 今回は〈騙す・騙されない〉とはいえないものの、自分の権威づけをしたくて、つまり自分はいろいろ知っているんだぞという様な立場を相手に伝えるために、周りの人たちと異なる言葉・単語を使いたがる現象について書きたいと思います。

 最近またアクセス数も伸びてきています、こういう発想法を綴っているからかもしれません。このサイトは、読者のみなさんからのお便りをもとに構成することも多いので、遠慮なくご意見をお寄せください。

 YouTubeをBGMに仕事をしていたら、登場した男性が「エビデンス」という言葉を乱発していました。ここ10年くらいで目立ってきた言葉の一つだと思います。他にも〈アジェンダ〉〈コモデティ〉など日本ではあまり耳にしなかった言葉が増えてきています、前者は〈議題〉、後者は〈商品〉という意味です。

 YouTubeの番組では机でマイクを握っている男性が会場にいる人たちからの質問に答えているシーンを流しています、その内容は今回のテーマではありません。

 マイクを握った人物の口から

「ちゃんとエビデンスを示してください」
「エビデンスがないのに、そういう話をされても困ります」
「こちらはすでにエビデンスを示しているでしょう」etc.

という様に乱発される〈エビデンス〉という言葉についてです。

 私がエビデンスという言葉を目にした最初は学生時代に海外の教育心理学系の論文を読んだ時だったと思います。そういう場合には〈物理的な証拠や科学的なデータ、過去の研究結果などをもとにして〉というニュアンスで利用されることが多かったのですけど、今は日本で使われているエビデンスという言葉は、単に〈根拠〉とか〈証拠〉という意味で使われていることが多いでしょう。
 画面で反論している人物の言葉もそうでした。

「ちゃんと〈根拠〉を示して説明してください」とか「ちゃんと〈証拠〉を示して説明してください」でいいのに、あえて「エビデンス」と表現して相手の上を取りに出ている様に見えます。

〈オゾン〉とか〈インフレ〉〈アルバイト〉〈インフルエンザ〉という言葉の様に日本語に置き換えるより、そのまま外来語のまま覚えてもらった方がよいものもたくさんあります。

 けれど〈エビデンス〉はそうでもないでしょう。

 長い言葉を短くしているわけでもない、証拠や根拠は四音、エビデンスより短い音ですみますし、証拠や根拠という言葉の方が相手にうまく伝わります。

 なのにどうしてそういう言葉を使うのでしょう?

 エビデンスでなければ表現できないものならわかるのですけど、「海外では普通に使われているから」という理由なら、エビデンス意外にもアメリカで買わされる単語がどんどん使われていくことになるでしょう。しかもその理屈でいくと〈アルバイト〉はドイツ語から来ていますから、ドイツで使われている言葉もどんどん登場させていくことになります。

 そうでしょうか。

「難しい言葉を使うことで相手より上の位置に立つ」という意識はないでしょうか。

 母語ではうまく表現できないとか、長すぎて外国の言葉の方が明らかによいということで使うことを否定するわけではありません。

 理科で普通に使っている「フラスコ」という言葉があります、元々はポルトガル語です、これを毎回日本語で表現するとなったら大変です。

 私たちの母語、日本語は読みだけでなく書く場合でも、外国の言葉を柔軟に導入できる構造を持っています、たとえば中国語などでは簡単にはいきません。

 そういう中でも、母語のイメージや美しさ、機能的なところ、上質な文学作品やエッセイetc.などを大切に味わってほしい。
 その上で、外国の人たちが生んだ言葉のイメージや機能面、文学作品などに触れて、広く世界の優れたものに感動していくということが大切ではないか?

 みなさんはどう思うでしょう。

 と書いておきながら、次は逆の話になりますよ´ー`)

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