この内容を近しい人たちに語っていても、かなり興味関心が高いものを感じています。みなさんはどうでしょうか。いよいよラスト「コタツ記事・パッチワーク記事、詐欺記事に惑わされないために④ 騙されない人になるために・特殊詐欺回避入門」です。〈特殊詐欺〉について書いて閉じることにしましょう。
特殊詐欺というのは詐欺とどう違うのでしょう?
wikipedia にこうまとめられています。
特殊詐欺(とくしゅさぎ)とは、被害者に電話をかけるなどして対面することなく信頼させ、指定した預貯金口座への振込その他の方法により、不特定多数の者から現金等をだまし取る犯罪の一種である[1]。オレオレ詐欺が代表的だが、その他にも、預貯金詐欺、キャッシュカード詐欺盗、架空料金請求詐欺、還付金詐欺、サポート詐欺などの手口がある[1][2]。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%89%B9%E6%AE%8A%E8%A9%90%E6%AC%BA
〈過去に想定していなかった、手の込んだ新たな詐欺〉ということですから詐欺の応用形ですね、
敵は手強いですからこちらも賢くなくては太刀打ちできません。とはいえ、いつもいうように、見方考え方の基本は同じです。
「特殊詐欺への対処も基本的には〈騙されないための4ステップ〉と同じです」と書きましたね、4ステップ(赤)はこうです。
1.何らかのデータに当たる時にはまず自分の予想を元にして調べていく
2,データに当たる時には「より信頼性の高いソース(データ元)にあたる」
より信頼性の高いソースはこの4つ。
実験結果のはっきりした科学データ
大学など研究機関の研究データ、学術ジャーナル、大きな出版社の出した事書など
主要ニュース機関や専門分野の雑誌、大きな報道機関の情報
政府機関の発表
番外:A.I.の情報はどういう位置づけか?
信頼に足る情報とは言えません。まず大雑把な情報を把握するくらいにとらえておくとよいでしょう
判断を具体的にどのようにすすめていくか?
①増えているという予想→
②〈文科省のデータを見てもやはりそうだ〉→
③〈大学の論文〉にも裏付けるデータが出ている→
④〈ニュース〉にも出ている➡︎
予想は正しかった自分の予想が間違っている時も同じステップです
①Bと予想した→
②〈文科省のデータではAという結果が出ていた〉→
③〈大学の論文〉でもAとある→
④〈ニュース〉にもAとある➡︎
予想は違っていてAが正しい
※
日本弁護士会の職員から「あなたの息子が警察に逮捕されて弁護士を要請しているが、日本弁護士会は事前に振り込んでもらわないと動けない。弁護士が出向くことになるので、まず手付金20万円を振り込んでください」という電話が来ました。
その後、警察から、息子さんを逮捕していて少し話を伺いたいという電話も来ました。
さぁ、どうしますか?
まず落ち着いて「そうだ、4ステップだった」と言い聞かせる、そして・・・
①「本当に逮捕されているから一刻も早く振り込まなくては」と考えた・予想した
⬇︎
②日本弁護士会という名の通ったところからの電話である、メールもきている
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③「◯◯署の刑事◯◯ですが、本日◯◯時◯◯分におたくの息子さんを逮捕して、現在取り調べ中です。息子さんが〈昨日の◯時ごろ自宅に電話した〉と話しているのですけど、念のため、それが本当かどうか教えていただけませんか」という電話が来た。警
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④息子に電話しても出ない、職場に電話すると「朝、営業に出ていてもどってない」という。「息子に至急連絡したいのだけど、どうにかならないか」というと「実は、こちらからも電話しているのだけど、繋がらなくて困っているんです」という。
〈日本弁護士会〉という名の通ったところから電話もメールも届いている。その上〈警察〉からも電話が来ている。〈息子本人も出ない〉〈職場から電話しても連絡がつかない〉という。逮捕されたのは間違いない。弁護士が必要だ、振り込もう。
何か落とし穴はありませんか?
※
そうです、決定的に大切な〈自分の予想を元にしてソースにあたるステップ〉ではなく、外からくる情報をそのまま受けてれています。
そもそも〈予想を元に調べる過程〉がありませんから、これは騙される人になるためのステップです。
※
予想したら、自分でソースに当たる!
四番目の〈息子への電話〉と〈職場との電話〉は自分でソースに当たっているのですけど、そもそも息子が悪い奴らに監禁されていてスマホをとりあげられているとしたら同じような結果になるでしょう。
同じ予想からスタートしても、こういう流れになると違う結果になるのではありませんか。
①「本当に逮捕されているから一刻も早く振り込まなくては」と考えた・予想した
⬇︎
②日本弁護士会に電話すると〈基本的に都道府県の弁護士が担当するので日本弁護士会に電話していただいてもわからない〉と言われた→え?→沖縄弁護士会に電話した→「そんな緊急時に手付金を振り込ませることはありません」と言われた⇨え?
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③「電話のあった◯◯署の◯◯ですが」という◯◯署に電話して◯◯という人に電話する→「金城はたくさんいます」と言われた→着信履歴にかけて相手に「名字だけでなく名前も教えてください」というと逆切れされて「こっちは忙しいんだ」と切られた→え?→「沖縄署にもう一度電話して、これこれこういう電話がきたので、それが本当か調べたいです」と相談する→「来署していただければ相談にのります」と言われた→望むところです、いきましょう→「そういう事件で逮捕された人物はいません」と言われた→なにぃ~
⬇︎
④息子に電話しても出ない、職場に電話すると「朝、営業に出ていてもどってない」という。「息子に至急連絡したいのだけど、どうにかならないか」というと「実は、こちらからも電話しているのだけど、繋がらなくて困っているんです」という
「そういう案件はない」と言われ「逮捕された人の家族に手付金を請求するシステムもない」となったら、特殊詐欺です。振り込むのではなく、警察に至急〈捜査〉をお願いしましょう。
もしかすると、息子さんは何ごともなかったように戻ってくるかもしれませんし、交通事故で難癖つけられて、監禁されているかもしれません。
※
向こうからやってきた情報は自分が信頼して調べたソースとはいえません。焦る気持ちに負けず、予想をもとに自分で信頼するソースにあたることです。
このシリーズはこれくらいで終わることにしましょう。
※
おまけとして大切な情報を一つ加えましょう。
もしかしてみなさんが不当に警察に逮捕されたら(不当でなくてもよいのですけど)「担当弁護士を呼んでください、弁護士が来るまで話すことはありません」と警察官に告げることです。私たちが弁護士を呼ぶのは憲法で保証された大きな権利です、それを警察官が無視したら処罰ものです。
一般的に警察内で強い口調で追及されると、自分に不利なことを口にしてしまうこともあります、「担当弁護士を呼んでください!」何度か口に出して練習しておくとよいでしよう。
とはいえ、そういう場面に至らないならそれに越したことはありません。
弁護人を依頼する権利はこの条項です。
- 日本国憲法 第37条
- すべて刑事事件においては、被告人は、公平な裁判所の迅速な公開裁判を受ける権利を有する。
- 刑事被告人は、すべての証人に対して審問する機会を充分に与へられ、又、公費で自己のために強制的手続により証人を求める権利を有する。
- 刑事被告人は、いかなる場合にも、資格を有する弁護人を依頼することができる。被告人が自らこれを依頼することができないときは、国でこれを附する。
予想以上に長くなりました。
反響がよく、よろこんでいます。ご意見、ご感想、お待ちしています。
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