〈自由研究こそ本物の研究〉というフレーズは賢くなるためにも人生をたのしむためにも大切なフレーズです。たのしい教育研究所に足を運ぶメンバーはそれぞれがいろいろなテーマで自由研究しています。
ある日の自由研究の様子の一コマです。
ある植物のタネです。サヤを割った状態です。テーブルからはみ出るくらいのサヤの中にタネが入っています。
何の植物のタネか?
これです。ホウオウボクといいます。
すくすく成長すると高さは2階建ての建物くらい、枝の広がりで普通の教室ほどもあります。大きく枝を伸ばして、広い木陰を作ってくれます。
ところでみなさん、あの小さな一粒のたねが、こんなに大きく育ってしまうことに驚きませんか?
スイカのタネよりふた回りくらい大きい感じで、長さは2cmたらずです。
重さはどれくらいでしょう? 測ってみると1gもありません。 何個かのせてみると、5個で2gを示しました。 一個あたりの重さを計算すると 2g÷5=0.4g です。 ホウオウボクの重さはいくらあるか予測するしかありませんが、大人一人70kgくらいだとして、少なめにみても、その5人分はありそうです。何しろ木の幹は重いのです。
そうそうホウオウボクも当然根っこが拡がっていますから、これも少なめにみて大人1人分で計算すると
・・・
大人6人分、70kg×6=420kg
と概算しておきましょう。
この様に強引に〈概算する〉ということはとても大切な力です。
外れていてもよいのです。
「とりあえずこの計算でいくと、こういうことが言えそうだ」
という様に予測することができるわけですから、いろいろな研究の大事なスタートになるわけです。
この小さなタネ、0.4gのタネが400kgくらいに成長するということは、10万倍に成長してしまうということになります。 重さでいうと 420kg−0.4g = 420000-0.4 = 419999.6g がタネ以外の物質だということです。
では、この419999.6gの重さはいったいどこから来たのでしょう?
みなさんはどう思いますか?
今から400年ほど前にフォン・ヘルモントさんという科学者がいました。
ヘルモントさんも、植物のからだは一体何からできているのか、にとても興味を持ちました。
そして、ヤナギの木を使って研究(つまり自由研究)をはじめたのです。
つづく
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