「教師不足の解消とは」たのしい教育メールマガジンから

 何号か前の〈たのしい教育メールマガジン〉に書いた内容を紹介します、教師不足の解消について相談を受けた時の話です。

 私の知り合いからの紹介で「〈教師不足〉を何とかしたい」と積極的に動いている方から意見を聞きたいと連絡がありました。
 こういう重要な問題は「忙しいので」とはいえません、直接会って、このメルマガでも書いてきたことを含めていくつか提案しました。

・仕事を減らす流れの働きかた改革だけでは教師の負担感は解消しない。たのしく仕事ができる仕組み作り(教師個々の創造性を発揮しやすいシステムづくりほか多数)と、教師自身がたのしく仕事をすすめていく力をつけていくこと(研修の刷新 ほか多数)とがとても重要。
 〈たの研〉には、たくさんの先生たちから悩みや相談がよせられているのだけど、病休をとったり辞めて行ったりする先生たちが減っていくことはとても重要

 

・教職調整額という『教師定額働かせ放題システム』を廃止して、他の公務員、一般の仕事の様に残業代を払うようにする。必然的に、教師にこれだけの仕事量を要求していったら財政が賄えないことに気付いて仕事を減らさざるを得ない。儲けたい人は、どんどん仕事を買ってでればよいことになるので、それはまたそれでもよいのでしょう
⇨教職調整額:勤務時間の長短にかかわらず、教員の勤務時間の内外を問わず包括的に評価するものとして、給料の4パーセントの教職調整額を支給

 

・教職経験者に、たとえば「家庭科のみ」を受け持ってもらったり、「体育のみ」を受け持ってもらったりする週2~3時間程度の働きやすい仕組みを増やす。
「反抗した時の柔らかい対応」「怪我の予測」「保護者対応」etc.教師という高度な専門性の水準を保つのは難しいので、教職経験者中心で。
 もちろん専門家に来てもらうのですからバイト的な額ではなく賃金はかなりUPして支払う。一般の補充の方たちの賃金ももちろんUPする

 

・二次試験と一次試験の順番と比重を大きく変えて、まず〈面接・模擬授業〉で力ある人材を見抜く。その後〈法規・専門教養〉の筆記試験で、合格点数を低くしてたくさん採用する。採用してから初任研などで、法規の時間を確保したり、指導要領の内容を確認したりしても遅くない。一次試験の面接・模擬授業を突破した人は翌年の受験の際に補充をして一次免除

 他にもいくつか伝えたのですけど、深く何度も頷きながらメモをとってくれました。

 教師不足は、早く解決しなくてはいけません。

 いろいろな提案が出ても「それも理解できるが今は難しい」という、いかにもありがちな流れで今の状況があるのでしょう。行政の中に知恵と工夫でそれを突破できる人材が必要です。

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ナンジャモンジャの木-沖縄にもあるんです

 最近、牧野富太郎関連の記事を時々書いているのですけど、お察しの通り朝のテレビドラマが関係しています。私はテレビをほぼみないので、その番組の内容も知らないのですけど、このサイトに書くと、読者の方からの反響が多く寄せられることと、〈たの研〉に来てくれる方たちからもテレビの影響で、牧野さんの話が時々出てくるからです。

 今回は〈ナンジャモンジャの木〉の話。

 牧野富太郎の本「草木とともに」にインパクトある植物の名前が出てきます、『ナンジャモンジャの木』です。
 インパクトある名前なので頭に刻まれてしまいます。
 本当にそんな木があるんだろうか・・・

 実はwikipediaにも出ています、実際ナンジャモンジャの木と呼ばれている植物があるんです。

 それは正式な名前かニックネームか?

 正式な名前だったらいいのにね。

 牧野さんの本には「昔、将軍から尋ねられたけれど何の木か名前が解らなかったため〈ナンジャモンジャと答えた〉という話がある」とのこと。
 いかにもありそうですね。

 つまり「何だかわからないからナンジャモンジャと呼んだ」というわけです。

 そういう木は日本各地にいろいろあって、牧野富太郎は、その話の中で、本物のなんじゃもんじゃの木と偽物のなんじゃもんじゃの木がある、と続けます。

 よくわからないからナンジャモンジャと呼んだわけだから、よくわからない本物とかよくわからない偽物というのは変だと思うんだけどな・・・
 ねぇ。

 牧野富太郎が本物のナンジャモンジャと語ったのは、ヒトツバタゴの木です。

ヒトツバタゴ=ナンジャモンジャの木

 清楚な白い花を咲かせます。

ヒトツバタゴ=ナンジャモンジャの木の花

 私は見たことがありません。

 各地にあるという流れでサイトをいろいろ調べてみたら、沖縄ににも「ナンジャモンジャの木」と呼ばれていた植物がありました、これです。

 以前書いた気がします、沖縄で紅葉する数少ない木の一つ〈ホルトノキ〉です。

 本草学者としても有名な平賀源内(江戸時代)がホルトノキの〈実〉がポルトガル(ホルト)から来たオリーブの実に似ているので、混同して付けたのではないかという話がweb上でいくつかみつかります。
 さもありなん。

「実が似ているのでオリーブの木だ」と勘違いした木で、実際よくわからなんなぁ⇨ナンジャモンジャ となったのかもしれませんね。

 子どもたちにはホルトノキを紹介するとき「これはポルトガルの木といのでホルトノキと名付けられたんだけど、〈ナンジャモンジャの木〉とも呼ばれていたらしいよ」と伝えてあげると、喜んでくれると思います。 

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ChatGPTにはクロスチェック(ダブルチェック)が必須①

 たのしい教育研究所はChatGPT(対話型AI)が登場したあたりから教育分野への活用実験をはじめてきました、結果的にその力を高く評価しています。
  今の〈たの研〉にはChatGPTのスーパーバイズ(SV)を受けにくる方たちが何人もいます。最近も「たのしい教育メールマガジン」でその時の内容を紹介したところいろいろな方たちから高い評価が届いています。

 とはいえ注意が必要です。
 このサイトでも書いたでしょうか、ChatGPT(チャットGPT)のみの情報を信頼してはいけません、webサイト他でのクロスチェック(別資料・媒体などで信頼性を確かめる)は必須です。ChatGPT自身に「その情報の根拠を示してください」とか「その情報の出典を教えてください」という様に尋ねることも効果的です。

 ChatGPTは最新の情報に弱いことは知られているのですけど、それだけでなく〈固有名詞〉に関わる情報は間違いがたくさんあります。「ヨシタケシンスケ」について質問した、こんな答えが返ってきました、「あるかしら書店」以外は全て間違いです。

質問:ヨシタケシンスケの作品を教えてください
 
ChatGPT
ヨシタケシンスケは多数の作品を発表しています。以下に彼の代表的な作品をいくつか挙げます:
1.「もしドラ」シリーズ – これは彼の最も有名なシリーズで、その中でも「もしもふとんがふっとんだら」や「もしものしょうぼうしゃ」などが特に人気です。
2.「だからだめだよ」 – 子供たちがよく言う”だからダメだよ”というフレーズをテーマにした、ユーモラスなストーリーです。
3.「いないいないばあ」 – 赤ちゃんが大好きな「いないいないばあ」遊びをテーマにした絵本です。
4.「しろくまのパンツはどこだ」 – しろくまが自分のパンツを失くしてしまい、それを探すストーリーです。
5.「リング!」 – ボクシングの試合を通じて、友情と努力について描かれた絵本です。
6.「あるかしら書店」 – 本が大好きな男の子が、不思議な書店を訪れる話です。
これらの作品は、ヨシタケシンスケの独特の視点とユーモラスな描写で、読者を引きつけます。子供から大人まで幅広い読者に楽しまれています。
 なお、これらの情報は2021年時点のものですので、その後に発表された新作については最新の情報をご覧ください。

 いろいろな人たちが活用し評価していく中で、情報をバージョンアップさせていきますから、次第に情報の信頼性も高くなっていくでしょう。同時に、こういうことを知っておいて利用することが、とても大切になるでしょう。

 こういう固有名詞に対する間違いではなく、単純な計算についての間違いも出てくることを、〈たのしい教育メールマガジン〉の読者の方から教えてもらいました、そのことを紹介させていただきます。   続く

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たのしい読み語り「ぼく モグラ キツネ 馬」チャーリー・マッケジー

 今年のアカデミー賞短編アニメーション賞を受賞した「ぼく モグラ  キツネ 馬」をアップルTVで視聴しました、素晴らしかった。実は以前、原作の絵本を手に取ったことがあります。その時、帯に記された

「うっかり読み聞かせすると、途中から出てくるのは言葉ではなく涙です」

という言葉を目にして、すぐそのまま棚に返してしまいました。
 涙ものが苦手だからです。「涙すると書けばすばらしい本だと感じてくれる」っていう勘違いは、やめた方がよいと思うんだけどな・・・

 アニメーションが素晴らしかったので、さっそく絵本を購入しました、マッケジーさんの筆のタッチをそのままの味わいたかったので、原作の英語版です。

 つけペンで絵も文字もかいているので、少し読みづらいけれど、それがマッケジーさんの描いたそのままの形なので、ゆっくり味わいながら読んでみました。
 あまり意訳せずに、原文そのままに近い形で訳してみましょう。

「キミは大きくなったら、どうなりたいの?」

「やさしくなりたい」少年はいった。

 

「これまでの言葉の中で、一番、勇敢だったものは何?」少年が尋ねた。

「〈助けて〉だね」、 馬はいった。

 

ぼくたちが守らなくてはいけない、たくさんの美しいものがある・・・

 

 一枚一枚の絵と言葉に、とても心が動かされます。

 私はアニメーションを観て、涙が湧いてきたのですけど、絵本では涙は出てきませんでした。

 涙は流れなくても心洗われる作品です、お勧めします。

 図書館にはきっとあると思います。

 もちろん日本語版をどうぞ、購入する方はこちらから。

 原作は〈The boy, the mole, the fox, and the house〉、「少年、もぐら、きつね、そして馬」 です。
 日本語版では〈少年〉を「ぼく」と訳し、第一人称で主人公にしてしまっています。マッケジーさんの書いたものにアレンジを加えていることに違和感があったり、この訳でいいのか、ということはありつつ、きっとマッケジーさんが「OK」っていったのだろうから、それでもよいのでしょう。

 基本的な表現で、しかも感動的なので「中学の英語の教科書に使うとよいのに」と思います。

 よければいつか英語版も手にしてみてください。

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