不登校と登校拒否は違うの? 野田俊作(元アドラー心理学会会長)先生が語っていたこと

 〈たのしい教育メールマガジン〉に軽く書いた不登校と登校拒否の話が「とても興味深い話でした」という言葉といっしょに資料が届きました。追記してこのサイトでも紹介させてください。

 みなさんは不登校と登校拒否の違いをイメージできるでしょうか?

 読者の方から送られたのは「あるサイトに〈不登校と登校拒否は全然違います〉と書いてあります」と具体的な内容が送られてきました。
 このサイトは批判ではなく提案をするサイトなので、具体的なサイト名などは避け、文章も少し手をいれておきます、ただし内容を曲げる様なことは一切していません。

・不登校…登校したいけれど登校できない子ども
・登校拒否…登校はできるけれど登校しない子ども

  大きな違いは〈登校できるかどうか〉

不登校は〈いじめや何らかの原因で登校できなくなってしまった子ども〉を指し、登校拒否は登校することはできるが〈非行やサボリで登校しない子ども〉のことを指す。

 この説明を読んで、どう思ったでしょう?

 この定義だと遊びまわって学校に行かないこどもたちは不登校児童生徒ではないことになってしまい、文科省が出している〈不登校児童生徒〉の統計には入らないことになってしまいます。

 私は学校で〈不登校に関わる統計〉の世話もしていたのですけど、文科省のそういった説明は聞いたことがありません。
 文科省の定義はこうです。

「不登校児童生徒」とは「何らかの心理的、情緒的、身体的あるいは社会的要因・背景により、登校しないあるいはしたくともできない状況にあるために年間30日以上欠席した者のうち、病気や経済的な理由による者を除いたもの」

文部科学省「不登校の現状に関する認識」より

 病気や経済的な理由以外で年間30日欠席したら、非行やサボリでも不登校です。こういうことは学校の先生たちの常識の一つなので、前述の説明は教師ではない方が書いたものなのかもしれません。とはいえ、こういう定義が一人あるきしてしまうと面倒なことになるので、うちの様な教育の専門機関が〈違っていることは違う〉と書いておくことも大切だと思っています。

 話を冒頭に戻して、メルマガに書いたのはこういう話です。

 アドラー心理学を学んでいた頃、野田先生がこう語っていました。
「最近、文部省(文科省)は不登校という言葉を使うようになってきたけど、医者の立場(野田先生は医師免許を持っている)からみれば、こどもが登校を拒否しているのだから登校拒否だ。

 ところが文部省は〈学校は拒否してはならないところだ〉という立場を鮮明にしてきて、登校拒否という言葉は困ると。

 そこで中和的な〈不登校〉という名前が出てきた。
 だから医療をたばねる厚生省(厚労省)系の集まりでは〈登校拒否の子どもたちをどうするか〉というテーマで話し合い、文部省系の集まりでは〈不登校の子どもたちをどうするか〉というテーマで話し合う。私が行くと、どちらも似たような話をしている」

 私がカウンセラー免状を授かった1990年代のことで、この頃野田先生は「クラスはよみがえる/1989年出版」という本で教育関係者に広く名前が知られるようになり、いろいろな会合に呼ばれていたとのことですから、この発言の趣旨はかなり正しいと思います。

 実際、それ以前は文部省・文科省も〈登校拒否〉という言葉を使っていて、それにかわる言葉として〈不登校〉という言葉に急速に変わっていきました。意味を分けて使ってきたわけではないのです。

 そして厚生省・厚労省は今も〈登校拒否〉という言葉を残しています。
たとえば厚労省のサイトでは下にあるように〈不登校・登校拒否〉と並列して明記しています⇨こちら

 悲しいことに、今年もまた不登校・登校拒否のこども達の数は上昇しました、数日前に文科省が発表したデータをたどってみましょう。

 
令和3年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について   2022年10月27日(木)文部科学省初等中等教育局児童生徒課

https://www.mext.go.jp/content/20221021-mxt_jidou02-100002753_1.pdf

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水ロケットのスピードの研究⇨水ロケット・ペットボトルロケットの名前をかえる日②

 前回、水気ロット発射直後の様子を画像で見ていただきました、今回はまずそのスピードの分析からはじめましょう。

 みなさんは水ロケットが打ち上がるスピードはどのくらいだと思いますか?

 車の平均時速である60km/h(時速:一時間で60kmすすむ速さ)くらいでしょうか?
 100km/h(時速)くらいはあるのでしょうか?
 世界最速の車〈ブガッティ・シロン〉が出した420km/hのスピードはあるのでしょうか。

 もっと早くて、たとえば音速340m/S(秒速:1秒で340mすすむ速さ)くらいはあるのでしょうか、音速はマッハといいます、時速にすると1224kmになります。

 では予想してみてください。

 今回〈たの研〉で実験した水ロケットの発射の時のスピードは?

 ア.車の一般道での平均スピード60m/hくらい

 イ.高速道路の制限速度100m/hくらい ※沖縄の制限速度は80m/h

 ウ.最高速の車420m/hくらい

 エ.音速320m/Sくらい

 オ.その他

どうしてそう思いましたか?

 

⬇︎

予想してからね

⬇︎

予想してからね

⬇︎

 では私が動画を編集する時に使っているソフトを使って分析してみましょう。
 ただしこの研究はスピードの研究用に残した画像ではなく、打ち上げを概観するための画像を解析したものです。正確なデータではなく〈おおよそこう考えられる〉という内容だと了解して読み進めてください。

 左側に数字がでていて〈時間;分;秒;フレーム数・コマ数〉の順に示されています、フレームは1秒を60に分けています。1フレームは〈約0.017秒〉ごとに刻まれます。

 水ロケットが打ち上がりだしたコマがこれです、左下に1分44秒52コマ目とあります。確認してください。

 同じ1分44秒の57コマ目がこれです、ペットボテルは雲と重なってしまっているのですけど、スタッフの体躯から概算して3mくらいは上がっているでしょう。


 

 5コマでですから 0.017 X  5 = 0.085秒 です。
 1秒ではなく0.085秒でこんなに高く上がっているわけです、目の前で見ているとあまりの速さにびっくりします。

 0.085秒で3mということは1秒では

0.085秒:3m = 1秒:X m

 X m=3÷0.085
   ≒35m   
秒速35m、1秒あれば35mすすむ速度です。

 時速に直すと X60 X60で〈126000m〉 時速126Kmになります。
 高速道路の制限速度を超えるスピードで一気に上昇しています。

 私は目の前で見ていて、もしかすると音速並みかと思っていたのですけど、そこまでは達していません。

 とはいえこんな簡単な水ロケットが、発射から1秒程度で時速100km越えのスピードに到達するというのはすごいことだと思うのですけど、どうでしょう。

 その後のスピードがどうなっていくかは、さらに別な動画が必要になるので、ここでスピードの解析は一息つきましょう。

 さて、タイトルに戻って〈水ロケット〉と呼んできたこのロケットの名称を変える必要があるという話にいきましょう、次回がこのシリーズの区切りです。

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巨大シャボン玉の実験結果 ほぼ出そろう/こども達でも成功する巨大シャボン玉

 今日はアウトドアで〈たの研〉の撮影会が行われました、裏方を仕切ってくれているミエ先生が台風接近を心配して「午前中に外で!」と段取りしてくれたおかげで、とてもスムーズに教材の撮影がすすみました。

 その一つがたの研が10年くらい研究を重ねてきた〈しっぱいの少ない巨大シャボン玉〉の楽しみ方です。

  大きなシャボン玉をつくるためにいろいろな方法が提案されているのですけど、たの研が長い間、実験を続けてきて「この方法ならほぼ大丈夫でしょう」という段階まできました。

 慣れている先生たちではなくて、私がためして4mくらいのシャボン玉ができました。
 何度も繰り返したのではなく、使ってはじめての写真がこれです。

 そろそろ講座でとりあげたいと思っているのですけど、それは来年の春の講座になりそうです。

 YouTube動画としてアップするのが先になるかもしれません、ご期待ください。

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納得いかないことに従うことは〈教育〉からとても遠いこと/人間はコンピュータよりずっと賢い

 納得いかないことに従うことは〈教育〉からとても遠いことです。「石はやわらかい」と覚えてくださいといわれるとコンピュータは何の疑いもなくメモリー(記憶)してしまいます。しかし人間はそういわれても納得しません、それはコンピュータよりずっと賢いからです。

 長い情熱教師生活の経験上「学校教育の中でなかなか勉強が覚えられない」という人たちは〈つべこべ言わずに覚えよう型〉の優等生より本質的な賢さは上だという可能性が少なくないと思います。
 楽しい教育・たのしい教育は勉強が進まないという人たちだけでなく、つべこべ言わずに覚えることが得意な優等生の本質的な才能も伸ばすことができる教育です。

 さて前項で「ヨウカンは羊羹」だと書きました。

 というのは〈あつもの〉と読みます、〈熱い汁もの・お吸い物〉という意味です。

 羹(ヨウカン)はつまり〈ひつじの熱い汁もの、お吸い物〉という意味です、本来のイメージでいえばこういう湯気のたった汁もののことなのです。

  ところが私たちはヨウカンというとこれをイメージしますね。

 その由来を調べてみると・・・

 鎌倉時代から室町時代にかけて羊羹は中国の禅僧によって日本に伝わったのですが、日本の禅宗ではお肉を食べることが禁止されていたため、精進料理として羊肉をあずきと見立てて作られるようになりました。これが日本の羊羹のはじまりです。

初期の羊羹は小麦粉や葛粉を使う蒸し羊羹が主流でしたが、材料がとても高価でしたので、一般的には甘葛が用いられ、それがやがて砂糖を加えた現代のお菓子へと移り変わっていきました。

 他にも、羊の肝臓のかたちをした「羊肝こう」という中国のお菓子が日本に伝来した時に「肝」が「羹」となったという説があります。どちらにしても日本のスイーツの顔・羊羹は中国で生まれたものだったなんて、びっくりですよね。https://news.1242.com/article/144520

羊羹に“ヒツジ”がいる由来は昔の作り方に関係があった!

 とありました、いろいろ調べてみてもこういう説明しか目にすることはできませんでした。

 さてみなさんがもし国語の時間に「ヨウカンの由来に」としてこういう内容を教えられたとします。

「本当は羊の肉の汁料理だったんだけど、日本では羊の肉をあずきにかえて、今のヨウカンの形になりました、不思議ですけど覚えておきましょう」
 そういう言われて
「は~い!」
と声を上げる人の一人でしょうか。

 それとも「・・・」と黙ってしまうタイプ?
 あるいは「つまらない」と感じてたとえば運動場で体育をしている人たちの方を向いてしまう人でしょうか?

 私はそういうことを言われたら「つまらないし、そんなの信じられない」と感じるこどもでした。

 信じられないことを信じたふりをするのではなく、「そんなの信じられない」というタイプの人間のまま教師になり、30年くらい勤め、その後フリーとなって自分の授業の腕で勝負できるようになりました。

 いろいろな先生たちが学びに来てくれます、日々たのしく暮らしています。

 教育がいろいろなこども達の興味関心を高めて本質的な学力を高めていくものになる、それがたのしい教育研究所のテーマです。

 かつての私のようなこども達が学校や家庭で辛い思いをしないようにすることは、たのしい教育の普及と比例します。
  読者のみなさんも一緒に活動していただけると幸いです。
 簡単な活動が「このサイトいいよ」と周りの人たちにすすめていただくことです、よろしくお願いします。

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