ベタ(betta)のオス同士は闘うので一緒に飼ってはいけません。ところが…

 betta(ベタ)はオス同士を同じ入れ物で育てると、闘いあって一方が悲しいことになってしまうといわれています。戦闘意識が高いので「闘魚」とも呼ばれています。

〈たのしい教育メールマガジン〉にこういう写真を載せたところ、いろいろな人が興味を持ってくれました。ベタのオス同士(青と赤)です。

 何人かの読者の方が、その謎を解いてくれました。

 来週、謎解きをする予定です。
 実は大した謎でありません。

 みなさんも予想してみませんか。

 

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災害について予想を立てて調べる〈地震・雷・火事・台風〉

 江戸時代から、恐ろしくて、いつ起こる(怒る)かわからない、逆らえないというものを「地震・かみなり・火事・親父」と並べました。「島言葉」の取り組みの中でも伝えてきたことなのですけど、言葉には、その頃の人たちの価値観・想いなどがハッキリと残されています。過去の認識博物館のようなものです。
 「地震・かみなり・火事・おやじ」という言葉から、日本では伝統的に父親の暴君的な立ち位置がわかります。チャンスがあったらいずれ書くとして、今回は災害の話。

 今ふつうに考えると「地震・かみなり・火事・台風」と並べるでしょう。かつての日本で〈台風〉は大して恐ろしいものとは捉えられていなかったのでしょう。日本の中心の江戸・東京にはほぼこないものだったのでしょう。

 では「地震・かみなり・火事・台風」の中で、最も人的災害が大きいものは何でしょう、過去100年の死者数で予測してください。

「ケガをした人の統計でもいいのでは」と思う人もいるでしょう、でも時代の流れをさかのぼっても統計的に確かだ、と考えられるものは〈死者数〉です、詳しくは機会があればいずれ。

質問:地震・かみなり・火事・台風の中で、過去100年の死者数をみて、もっとも大きな災害は何だと思いますか? 2位以下も順位で並べてみてください。

あなたの予想

一位は〔        〕
二位以下の順位は 〔    〕>〔    〕>〔    〕

どうしてそう予想しましたか?

お 話

 台風は毎年のように来て命を奪っていくのですけど、地震は毎年ということではありません。ところが過去100年間の地震による死者数を考えると、大規模な地震の破壊力は大変なものです。※関東大震災はほぼ100年前だということで算出

    • 1923年の関東大震災: 約142,800人の死者​(Wikipedia
    • 1995年の阪神淡路大震災: 約6,400人の死者​(Wikipedia
    • 2011年の東日本大震災: 約19,747人の死者​((Wikipedia
    • 2024年の能登半島地震  死者281人(NHKニュース

 これらの大規模な地震だけで年間の平均死者数は約2,000~3,000人程度となり、災害の死者数でみると地震がトップです。それにしても関東大震災の被害者は桁違いだったのだと驚かされます。

 残念ながら「地震は予知できない」というのが現時点での科学的な見解です。地殻内での岩盤の急激な動きによって発生する地震が、どのように始まり、どの時点でエネルギーが放出されるかを予測するのは極めて困難だからです。

 とすると地震予知、予測ではなく「この地域にはこの程度の地震が50年以内に発生する確率が70%程度」という《長期的な地震リスク評価》で、その程度の地震が来た時に、できるだけ被害を減らす対処に取り組むことが大切でしょう。

 二位からについては、〈たのしい教育メールマガジン〉でプランとしてまとめようと考えています。興味のある方は調べてみてください。

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辛い人生を過ごすのか/板倉聖宣のものの見方・考え方

 教師になった頃、板倉聖宣の〈ものの見方・考え方〉に触れていなかったら、どういう人生だっただろうと考えることがあります。教育行政の中で着々と上を目指していたのでしょうか、大好きな車の運転を生業にしているのかもしれません。

 私の周りにも「板倉聖宣先生の本を読んだことがあります」という人は何人もいましたから「触れていなかったら」というより、その頃すでに私の心の奥で、板倉先生の〈ものの見方・考え方〉を求めていたということなのでしょう。

 今回は、1991年に西日本の「たのしい授業入門講座」で板倉先生が語った内容を、私いっきゅうが再校正してお届けします。かなり以前の〈たのしい教育メールマガジン〉で紹介したものの一部です。

「たのしい人生を送ろうと思ったら、学校の時代くらいは厳しいことをやらないとたのしくならないよ」とか「会社に入ると耐え忍ばなければならないし、結婚すると耐え忍ばなければならない。つまりいろんなところで耐え忍ばなければならないんだから、学校からずっと耐え忍び方の練習をする必要があるのだ」という考え方がありますね。
 それに対して「結婚生活はたのしいよ。社会に出たらたのしいよ。だけど、少しでもいい会社に勤めて月給を高くして、少しでもいい学校に入ってプライドを持って生きようと思ったら厳しさを耐え忍ばなければいけないよ」という考え方もあります。
 つまり「手段として〈厳しい授業〉に耐え忍ぶ。そうするとたのしい人生が待ってるよ」という考え方です。

 私が子どもの時は、人生全体が厳しい時代でした。その厳しい人生を乗り越えるために、学校の時は厳しくやっていこうという考え方でした。
 しかしそういう考え方は今は通用しないですね。
 たのしい人生を切り開くために、学校時代は厳しいことをやっていく。ところが生涯学習なんて恐いことが出てきましたね、生涯学習するんですから、もし学習が厳しいもので耐え忍ばなければいけないんだったら、生涯厳しい人生で、たのしい人生がつぶされちゃう。「たのしい人生」でなくて、また「厳しい人生」に舞い戻ってしまいます。
 私どもの学校時代は小学校6年生が義務教育で、その6年間を耐え忍べば、娑婆に出られたんです。
 だんだんこれが長引いてきて、今や高等学校ぐらい出ないといけない。いや、かなりの人が大学を出てる。短ければ耐え忍びますが、学校生活が大学までいったら随分時間がある。さらに、「生涯学習」なんて言って一生涯耐え忍ぶことを勉強しなければならないんですから、大変ですね。

 楽しいと、周りから厳しいと思えるようなことにあえて入り込んだります。

 〈たの研/たのしい教育研究所〉は忙しいので、さぞ大変だろうと思う人もいるかもしれません。

 けれど、スタッフのみんなは、そのたのしさを感じながら充実した日々を過ごしています。

 今の子どもたちが、たのしく元気で笑顔で過ごすことができる。そういう活動が、苦しく辛いことはありません。
 活動を応援してくれる方が増えてくれることを期待しています。

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指導案と授業書(授業プラン)/子どもたちと先生の笑顔と元気のために

 板倉聖宣先生(仮説実験授業研究会初代代表/元文科省教育研究所室長/元日本科学学会会長/たのしい教育研究所の初期から支援者)が文科省の紀要に載せた論文に仮説実験授業の『授業書』の役割を書いています。それをメルマガで紹介したところ、その中で私が〈指導案〉と対比して書いた文章に心動かされ、お便りが届きました。メルマガを読んでいない方たちには伝わらない内容も多いので、現在、学校で普通に使われている「指導案」について紹介しましょう。

 教師で「指導案という名前を聞いたことがない」という人がいたら、その人は偽って教師と名乗っています。大学等で教師の単位を修める時点で、指導案の書き方を学びますし、大学の授業研究でも自ら指導案を書いて臨みます。
 とはいっても教師以外の方は、よく知らないでしょう。いろいろなパターンがあって、その一つがこれです⇩

 まず質問から。

質問1)日本で文部省ができたのが1871年/明治4年です。翌年『学制』という名で学校制度の基準が示されました。では、指導案は日本の教育の歴史の中で、いつ頃から登場したのでしょう? 

 ア.明治時代

 イ.大正時代

 ウ.昭和初期

 エ.第二次世界大戦後(1945年)

 オ.その他

 どうしてそう思いましたか?

 

 

⬇︎

予想してからね

⬇︎

予想すると当たっても間違っても賢くなるよ

⬇︎

 埼玉大の二宮裕之さんの論文によると「指導案に類するものとして「教案 」は明治時代には使われている」と書いています。
「教える案⇨教案」「指導する案⇨指導案」なので、どちらもその授業時間にどういうことをするのか、という意図で作成されるものでしょう。
 とはいえ内容が全然異なるということもあるかもしれません。
 多田(1888)は教案の内容についてこう整理しています。

一)目的 教授ニ依テ生徒ノ如何ナル能力ヲ修練スルノ目的ナルカヲ記ス
(二)大意 如何ナル観念ヲ開発シ且如何ナルコトヲ教授スベキカヲ記ス
(三)題目 教授ニ選択セル事項ヲ記ス
(四)方法 方法ハ即チ教授ノ順序手続ニシテ其ノ目的ニ依テ生徒ノ観念ヲ開発シ課目
大意ヲ記載シタルコトヲ教ユルノ法ナリ 之ヲ左4)ノ五項ニ区分ス
(1)復習
(2)解明
(3)教授
(4)演習
(5)約習

 読みづらいかもしれませんけど「目的、大意、題目、方法(復習、解明、教授、演習、約習)」というのは、教師の目からみると、いかにも指導案だなと思える内容です。

 文科省、学制ができて十数年後には「授業の目的や流れ」をまとめたものを使ってきたということです。もうすでに130年以上作ってきているわけです。

 古くから使い続けているものには重要な価値がある、という見方もあります。

 ところが、学校に背を向けている子どもたちが増え続けている現在、さらにたくさんの教師が疲労し病休に入る、教師になりたいという新しい人材は減り続けているetc.からみて 「学校システムのいろいろな部分を変革していく必要がある」という見方もあるでしょう。

 たのしい教育研究所は批判ではなく〈提案〉をする組織です。
「指導案」についても、他の教師がそのまま利用して授業できるものに進化していくことでずっと良くなっていくと思います。
 その授業を子どもたちが評価して、良し悪しを数字でハッキリさせることができる「授業書/授業プラン」スタイルに移行していくことで、経験の浅い教師も、どうも子どもたちの心が離れていると感じているベテラン教師も、いろいろな魅力あるアイディアを手にすることができるようになります。

 授業プラン/授業書スタイルとは何か?
 目標や授業運営法、使う教材教具などももちろん織り込んだ上で、子どもたちへの問いかけや実験の方法、歴史的な結果など、押し付けなく納得できるようなものを織り込んだ完成型としてのペーパーです。もちろんデジタル化して授業するのもOKです。

 たとえばこれは〈たの研/たのしい教育研究所〉版の授業書『ストローより愛をこめて』の途中の一枚です。
 途中の一枚をみても、全体イメージはよくつかめないと思うのですけど、授業で何をどうするのかハッキリわかって、結果もしっかり出る内容になっています。その流れで授業をすすめていくうちに、子どもたちは「全てのものに電気が発生する」という驚きを感動的に学んでいけるようになっています。

 興味のある方は、ぜひ〈たの研〉の講座を受講してみてください。直近の夏の講座は現在、キャンセル待ちの方たちがどんどん増え続けているので、急ぎの方はスーパーバイズや少数ワークショップをお申し込みください。

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