たのしい自由研究のすすめ/自由研究こそ本物の研究!「花の給水実験」2-きのこも同じかな?/植物のからだの研究のきっかけとして

自由研究の題材/自由研究のネタ として書いてみます。私が小学校の頃やったことがある実験で、たのしい教育の伝統としてぜひ受け継いでいきたい内容です。

以前に書いた

「実験に失敗はない  予想が外れただけ」https://tanokyo.com/archives/6235

の続きです。
そこでは植物の着色実験(給水実験)をしました。普通に見られる植物と、キノコの色のつき方(給水)が違う結果が出ています。

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いつもの様に忙しいさなか
「身近にあるキノコで試してみると変化のスピードが速くてわかりやすいのではないか?」
という、かるい気持ちで試してみると、たしかに予想した通り、変化のスピードは速かったのですけど、色のつき方(給水の仕組み)でハッキリとした違いがある。という事を知ったわけです。

落ち着いて考えると、色のつき方が違うのは、当たり前なことなのです。
でも、実験をしてみたおかげで、自分でもそれをハッキリ認識することができた、というわけです。

だから

「どっちに転んでもシメタを探せ」座右の銘

なのです。

その後、学校の先生方への授業の時に、キノコの茎を二つに割いて、色の染み込み方を調べてみました。

30分くらいで、この様に変化していきます。
先生たちも、興味をもってくれました。
一回の授業の間で見せてあげられると思います。

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どうして、そういう色のつき方になったのか?

キノコなどの菌類と、普通にみられる植物との身体のつくりが違うのです。

よく見られる植物は「維管束(いかんそく)」といって、水の通る道や、作ったデンプンなどを通す道がちゃんとできています。
人間の血管の様なイメージです。

この写真をみると、色水が通っていく場所がハッキリとしますね。
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ところがキノコなどの菌類は、そういう仕組みが身体の中にできていません。
ですから、ティッシュや脱脂綿が水を吸い込んでいく様に、全体的に染み込んでいくのです。

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「キノコの様なからだをもっている生物と、バラの様なからだの仕組みをもっている生物(植物)たち、そしてその中間の様な生物(植物)たち」

そういう視点で調べてみる。

また

キノコは植物といって良いのか?/キノコは何類?

という視点で「分類の基礎」からまとめていくということも、たのしい研究の一つになると思います。

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実験に失敗は無い 予想が違っただけ「自由研究 花の給水実験」はおもしろい

自由研究の相談がいろいろ来ているので、花の色付け実験を開始しています。
わたしが小学校の頃にやって、とても感動した実験です。

ところがこの実験は、子どもがやるにはお金がかかります。
これはバラですけど、1輪200円くらいします。

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ということで、身近なもので試せないかといろいろ探しています。
スーパーで買い物しながら思いついたのが、きのこです。

1パック90円。
これでうまくいくなら、かなり安上がりです。

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インクにつけて、翌日みると・・・
すごい色です。
スクリーンショット 2015-06-26 22.32.14みている分にはおもしろいのですけど、あまりにも激しく着色されて、バラの様な感じにはなりません。
別なものを探しましょう。

それにしても、普通の植物の様に、道管・師管もないので、全体がこんなに激しくそまるのですね。

それはそれで、たのしい教材になる可能性があります。

実験の予想は外れましたが、どっちに転んでもシメタです。

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沖縄の、たのしく元気で賢い学力の向上、たのしい実力のある先生方の育成、実践型カウンセリング、その他、たのしく学ぶ方たちを本気で応援する「たのしい教育研究所」です。

学力 その本質的な向上 /学力方程式④「国語の時間をたのしくかしこく」/〈授業書@たの研〉

沖縄の学力向上をめぐって、書かせていただいています。
「学力はマイナスの値を取りうるのだ」ということに、多くの反響と共感とをいただきました。

第2回でその具体的な方法について書かきましたが、今回も、具体的な例をとりあげます。

つまり学力方程式から導かれる「本質的な学力」をどう高めるか、についてです。

ただしこれには、「たのしい教育」に関する熱意を必要とします
何しろこれまで長いあいだの教育で培われていた
「まず覚えなさい、まずできる様にしなさい的」
「点数が高まれば好きになるはずだ式」
の教育方法ではなく、日々の授業の内容そのものを「感動を伴ったもの」にシフトしていくことになりますから、時間がかかります。

しかしご心配なく。
必要なものは「熱意」です。
たのしい教育に伴う教材は着々と増えています。
自分で一から準備する必要はありません。

その中から今回は、すでに全国各地で利用されている、たのしい教育研究所の授業プラン「国語辞典をたのしもう」をとりあげることにします。

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たのしい教育研究所が提唱する「学力方程式」

学力 = 重要な知識・技能  ×   意欲
(1〜10)    (-10 〜 +10)

で高い学力特典を目標にする授業の一つです。

 

内容は、国語辞典の引き方からはじまって、その魅力を味わっていく内容です。

プリントを印刷して一枚ずつ配りながら、いろいろ予想を立ててたのしんでいく授業です。

はじめに、国語辞典の引き方について学びます。
そこでは、「自転は《あいうえお 順》になっている」ということを具体的に知ってもらってあと、こういう質問を出します。

--------------

【質問1】 あなたは「すもう」が好きですか?

 すもうには、日ごろあまり聞かない言葉がよく出て来ます。

 すもうで一番強い人たちを『横綱(よこづな)』とよび、2番目に強い人たちを『大関(おおぜき)』とよびます。では、辞典を引くとどれが先に出て来るのでしょうか…考えてみて下さい。

  <予想> ア 横綱(よこづな)がさきに出て来る

       イ 大関(おおぜき)がさきに出て来る

       ウ 辞典(じてん)によってちがう

 なぜそう思いましたか。考えのある人は発表しましょう。

 --------------

 引き方を知っている子も知らない子も自由に予想を立ててくれます。
子ども達同士で考えを出しあってもらってから、「実際に引いてみましょう」というワークです。

はじめて引くという子ども達もいますし、それまでにすでに引いている子もいます。

ですから、しばらく挑戦しても答えにたどりつけない人は、周りの人に教えてもらってもOKです。
時間がきたら教師が「◯◯ページの左から◯番目にあります」という様に教えてあげるのもOKです。

こういう質問とワークを繰り返しながら
「辞典というものはとにかく徹底的に《あいうえお 順》になっている」
ということを体験してもらいます。

そうやって第一部は「家庭学習」の課題のページで終了するのですけど、経験上、その日の子ども達の家庭学習の提出率がバツグンによくなります。

 

第二部は「国語辞典の利用」です。

二部の一ページは、このような内容になっています。

——————

 これからはじっさいに自分で辞典を引きながら、すすめていきます。まだ辞典になれていない人がほとんどだと思いますから、あせらないで、ゆっくり引いてみて下さい。どうしてもさがせないときには、友だちや先生に聞きながらでもかまいません。ゆっくり自分で何度も引いていくうちに、かならずうまくなりますよ。

【問題1】

 色はホントにいろいろあります。赤(あか)・青(あお)・黄色(きいろ)・・・

 さてある日、保育園(ほいくえん)にかよっている、いとこから電話がかかってきました。

「ねぇお兄ちゃん(おねぇちゃん)、青ってどんな色のことをいうの?」

 電話なので「ほらこの色さ」というように、見せながらのせつめいができません。

 さて、あなたはどのような言葉でせつめいしますか?

 辞典を引くのはがまんしていて、しばらく自分の頭で考えてみて下さい。

よく分かるように、できたら短(みじか)くせつめいしてみて下さい。

 青っていうのはねぇ・・・

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せつめいの仕方が思いついたら、みんなの考えを発表し合いましょう。

 友達のせつめいの中で「これはイイせつめいのしかただなぁ」と思うものがあったら、書いておきましょう。

 [友達のせつめい]  青っていうのはねぇ・・・

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——————

 ここから、子ども達のアイディアがどんどん出てきます。
続くワークのところで実際に国語辞典を開いて、どういうことが書かれているのか各自で確認するのですけど、実は子ども達のアイディアも、今後辞典の編者達の説明もほとんど違わない、あるいは、子ども達の説明の方がずっとわかりよい、という様なことを知って、さらにもりあがります。

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意味がわからな時には国語辞典が有力なツールになる事と同時に、子どもたち自身が、自分のすばらしさにも気づいていきます。

もちろん小学生だけでなくいろいろな方達への授業が可能です。
先生方の講座でも時々利用しますが、大人でももりあがります。

いくつかのページをピックアップしながら紹介させていただきましたが、たとえば「国語辞典」をテーマにしても、子ども達がたのしく賢くなる授業が可能です。
もっと辞典を引きたくなる、もっと自分でもいろいろな言葉について考えてみたくなる授業です。

教材は入手可能な形にしてあります。
興味のある方は、右のサイドバーをごらんください。
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偉大なる まど・みちお@たのしい国語

以前、このサイトに「まど・みちお」について書いた(⇨過去の文章)のですけど、それより前、まどさんが生きていた頃に書いた文章が出てきました。

教師をしていた頃、週報にかいていたコラムです。

いろいろな方に読んでもらいたいので、ここに再録したいと思います。

———

私にとって、まど・みちおは「偉大なる人間」です。

ダウンロード2「ぞうさん」

「やぎさんゆうびん」

「ともだち ひゃくにん できるかな」

など、子ども達に親しまれる歌を世に送り出した人物でもあるけれど、それ以上に、年を重ねてもなお創作意欲を失わずに歩き続ける姿に感動するのです。

そして、その作品を生み出す彼の心が、子どものように純真である事に感動するのです。

何より、自らの行動に対しても偽らず、まっすぐに前を向いて生きて行こうとする姿勢に感動するのです。

最近、まど・みちおの訃報が届くのではないかという気がしてなりません。
偉大なる人物と同じ時を生きているうちに、この文章を書いておきたいと思います。
私がまど・みちおを心底尊敬するようになったのは、
「あなたの全作品集を出版したいのです」
と申し出た出版社に対して,彼が語った言葉に触れてからです。

「私は生涯で、戦争に賛成する詩を二編書いてしまいました。
 私がそんな不完全な、弱い、ごまかしをする人間だという事を明らかにする意味
 で、必ずその作品を探り当てて掲載してほしいのです」

 

「まど・みちお全詩集 伊藤英治編 理論社」の「あとがきにかえて」にこうあります。696ページからです。

まど・みちお全詩集スクリーンショット 2015-06-15 14.34.57

 

 じつは私には戦争協力詩を書いたという記憶が全くなかったのですが、この二編のうちの一編「はるかなこだま」を、昨年三月初めて目にしました。

 梅花女子大の谷悦子さんが、原本とは別の印刷物に転載されているのをみつけて、そのコピーを送って下さったのです。
まぎれもない拙作で、大ショックでした。

 しかし考えてみますと、私はもともと無知でぐうたらで、時流に流されやすい弱い人間です。
こういうのを書いていても不思議ではないと思われてきました。

 

が、にもかかわらず私は戦前から、人間にかぎらず生き物のいのちは、何ものにも優先して守られなくてはならないと考えていました。
戦後も、戦争への反省どころかひどい迷惑をかけた近隣諸国にお詫びも償いもしない政府のやり方に腹を立て続けてきました。
また地元の「核兵器廃絶、軍縮をすすめる区民の会」だけでなく「アムネスティ・インターナショナル」や「キリスト教海外医療協力会」やその他この種のいくつもの会にも、誘われるままに参加しています。
詩作のうえでも身辺の動植物を多くとりあげ、かれらのいのちの美しさをほめ、かれらに対する人間の横暴残虐を憤ってきました。

 つまり、一方で戦争協力詩を書いていながら、臆面もなくその反対の精神活動をしているわけです。
これは私に戦争協力詩を書いたという意識がまるでなかったからですが、それは同時にすべてのことを本気でなく、上の空でやっている証拠になりますし、またそこには自分に大甘でひとさまにだけ厳しいという腐った心根も丸見えです。
そしてとにかく戦争協力詩を書いたという厳然たる事実だけは動かせません。

 動転した頭でどうすべきか考えましたが、昔のあのことの読者であった子供たちにお詫びを言おうにも、もう五十年経っています。
懺悔(ざんげ)も謝罪も何もかも、あまりに手遅れです。慙愧(ざんき)にたえません。
言葉もありません、と私は私の中のはるかなところから、母のように私に注がれている視線に掌を合わせ、心を落ちつけました。

 そして結局この「はるかなこだま」を公表して、私のインチキぶり世にさらすことで、私を恕(じょ)していただこうと考えました。
本当に慙愧(ざんき)しているのなら、詩作の筆も絶って、山にでもこもるところでしょうが、あとで記しますように、私の中にはかすかながら私を庇いたい思いもあって、このような虫のいい対応を考えついた次第です。

 そこで私は、かねて詩稿が揃いしだい詩集に具体化の約束を頂いている童話屋さんに頼んで、「はるかなこだま」を同詩集に収録させてもらう了解をえました。
…続く…

こういう人物が、同じ日本人である事をとても誇りに思います。

まど・みちおは、日本人の良心を代表する人物だと思います。

その意味で、わたしにとってのまど・みちおは「偉大なる人間」なのです。

最近は、よく、まどさんの「百歳日記」を開いています。
名作です。

まどさんの命が、まだまだ続きますように。

———

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