読み語りおすすめ本:『ふしぎな鳥の巣』鈴木まもる(偕成社)

今回は『ふしぎな鳥の巣』鈴木まもる(偕成社)を紹介しますね。

ふしぎな鳥の巣図書館では、いろいろなものを展示します。

一度,鳥の巣を展示していた時のことです。
「私も拾ったよ」
「運動場に落ちていたよ」
「公園からひろってきたよ」
「台風の風で飛ばされたみたいだよ」
そういう言葉とともに…子どもたちがどんどん鳥の巣を持って来てくれました。

なんと段ボールいっぱいの鳥の巣が集まってきました。

それらを整理して展示してみると,めじろやヒヨドリの巣が多いのです。
見ていると、巣の作り方がおもしろくて、枝にからみつけて落ちないようにしっかりつくられたメジロの巣、枯れ枝と一緒にビニールひもも使って作られた巣など様々です。

さて,この本は,そんな時に偶然みつけた本です…というより,やはり目の付け所に「鳥の巣モード」が加わっていたのでしょう(^^

1ページ1ページの鳥の巣を興味深く見ることができました。
「鳥の知恵ってすごいな」と同時に、こどもたちに早く見せたくなりました。

本を展示すると,案の定すごく喜んでみてくれました。
敵から身を守るためにいろいろな工夫があったり、気候に合わせてアパートみたいな巣を作ったり、ふわふわの毛糸の靴みたいな巣や、蜘蛛の糸をくちばしで編んで作ったり、知らない鳥の世界を垣間見るようで、一緒に感動を分け合いながらたのしみました。
もっといろいろな人達に見てもらいたい本の一つです。
(by hina)

『ルリユールおじさん』 いせひでこ (理論社)

ルリユールおじさん
今日は『ルリユールおじさん』 いせひでこ (理論社)
を紹介しますね。

ソフィーという女の子は大切にしている本を修理してくれるところを探して、
一件のお店にやってきます。

「ルリユール」ということばには「もう一度つなげる」という
意味もあるんだよとおじさんが話してくれます。
大切な本を丁寧にきれいに製本してくれるのが、ルリユールおじさんです。

本をとじなおすために、まず本をバラバラにして、へりを切り、
糸でかがってのりで固めて、背中をハンマーでたたいて丸みをつけ、
表紙をつけて最後は背の皮に金箔でタイトルをうつ。

作業一つ一つが丁寧であたたかいんです。
宝物の本、とっておきの大切な本があるってステキです。

父親から受け継いだ仕事で、おじさんが小さい頃に父親が
製本しているのをみている場面描写も味わい深いです。
そういう職人は現在ではひとけたになっているそうですが、
いつかパリのその本屋さんに行ってみたいなと思いました。
( by hina )

『おかあさん、げんきですか』後藤隆二(ポプラ社)

おかあさん、げんきですか

今日は、『おかあさん、げんきですか』後藤隆二(ポプラ社)
を紹介しますね。

タイトルを読んだとき、離れた所に住んでいる
お母さんに手紙を書いているのかなと思ったのですが、
読み始めると、もう笑いが止まりません。

母の日に学校で「お母さんに感謝の手紙を書きましょう」と
先生がはりきっているのでがんばって書いている
4年生の男の子のお話です。

その中身がとてもおもしろいんです。
「隣のユウスケは,『いつもごはんをつくってくれてありがとう』って
書いているけど、ぼくはちょっとはずかしいから思い切って
言いたいことを書きます」という事で、

お母さんにこれまで胸の中にためてたことを書いていきます。
例えば、いいたいことその2・・・「ぶたごやみたい!」とかいて、
ぼくのへやをかってにそうじしないでください!

ぼくはぶたではありません。
にんげんです。・・・お母さんに捨てられたものたちへの
ひとつひとつの思い出がとてもかわいいんです。

子どもたちに読みかたりをすると
「ぼくも大事にしていたものすてられたことあるよ~」と
共感する子どもたちがいて聞いてておもしろいです。

でも、最後のシーンは心にしみます。
「この子のお母さんでよかったね」とこちらまで
ほろっときちゃいますよ。
( by hina )

 

『さかさのこもりくんともりもり』 あきやまただし(教育画劇)

今日は、『さかさのこもりくんともりもり』 あきやまただし(教育画劇)の
絵本を紹介します。
さかさのこもりくんともりもり
こうもりのこもりくんはさかさにぶらさがってくらしています。
ぶらさがっているので話すことばもぜんぶさかさまになってしまいます。

本を読みながら笑いがとまりませんでした。
普段いえないようなことが大声で堂々と言ってしまうんです。
学校のみんなと、もりで、そうじやてつだいをする日に先生が

「さあ、みんな、きょうはもりをちらかしにいきましょう!
いっぱいめいわくもかけましょう! わかりませんね~?」っていうと、
せいとたちは「ぜんぜん わかりませ~ん」とこたえます。

逆さ言葉なので、
「もりを ちらかしに いきましょう~!」→「もりを きれいに しましょう~!」
「わかりませ~ん!」→「わかりました~!」

絵本の中ではたのしそうに掃除をしたり小鳥を助けたりしているので
そのギャップがまたおもしろいんです。

そしてたのしい森の中でとんでもないことがおこりますが…
低学年はもちろん高学年でもたのしめると思います。

(by hina)