『ルリユールおじさん』 いせひでこ (理論社)

ルリユールおじさん
今日は『ルリユールおじさん』 いせひでこ (理論社)
を紹介しますね。

ソフィーという女の子は大切にしている本を修理してくれるところを探して、
一件のお店にやってきます。

「ルリユール」ということばには「もう一度つなげる」という
意味もあるんだよとおじさんが話してくれます。
大切な本を丁寧にきれいに製本してくれるのが、ルリユールおじさんです。

本をとじなおすために、まず本をバラバラにして、へりを切り、
糸でかがってのりで固めて、背中をハンマーでたたいて丸みをつけ、
表紙をつけて最後は背の皮に金箔でタイトルをうつ。

作業一つ一つが丁寧であたたかいんです。
宝物の本、とっておきの大切な本があるってステキです。

父親から受け継いだ仕事で、おじさんが小さい頃に父親が
製本しているのをみている場面描写も味わい深いです。
そういう職人は現在ではひとけたになっているそうですが、
いつかパリのその本屋さんに行ってみたいなと思いました。
( by hina )

『おかあさん、げんきですか』後藤隆二(ポプラ社)

おかあさん、げんきですか

今日は、『おかあさん、げんきですか』後藤隆二(ポプラ社)
を紹介しますね。

タイトルを読んだとき、離れた所に住んでいる
お母さんに手紙を書いているのかなと思ったのですが、
読み始めると、もう笑いが止まりません。

母の日に学校で「お母さんに感謝の手紙を書きましょう」と
先生がはりきっているのでがんばって書いている
4年生の男の子のお話です。

その中身がとてもおもしろいんです。
「隣のユウスケは,『いつもごはんをつくってくれてありがとう』って
書いているけど、ぼくはちょっとはずかしいから思い切って
言いたいことを書きます」という事で、

お母さんにこれまで胸の中にためてたことを書いていきます。
例えば、いいたいことその2・・・「ぶたごやみたい!」とかいて、
ぼくのへやをかってにそうじしないでください!

ぼくはぶたではありません。
にんげんです。・・・お母さんに捨てられたものたちへの
ひとつひとつの思い出がとてもかわいいんです。

子どもたちに読みかたりをすると
「ぼくも大事にしていたものすてられたことあるよ~」と
共感する子どもたちがいて聞いてておもしろいです。

でも、最後のシーンは心にしみます。
「この子のお母さんでよかったね」とこちらまで
ほろっときちゃいますよ。
( by hina )

 

『さかさのこもりくんともりもり』 あきやまただし(教育画劇)

今日は、『さかさのこもりくんともりもり』 あきやまただし(教育画劇)の
絵本を紹介します。
さかさのこもりくんともりもり
こうもりのこもりくんはさかさにぶらさがってくらしています。
ぶらさがっているので話すことばもぜんぶさかさまになってしまいます。

本を読みながら笑いがとまりませんでした。
普段いえないようなことが大声で堂々と言ってしまうんです。
学校のみんなと、もりで、そうじやてつだいをする日に先生が

「さあ、みんな、きょうはもりをちらかしにいきましょう!
いっぱいめいわくもかけましょう! わかりませんね~?」っていうと、
せいとたちは「ぜんぜん わかりませ~ん」とこたえます。

逆さ言葉なので、
「もりを ちらかしに いきましょう~!」→「もりを きれいに しましょう~!」
「わかりませ~ん!」→「わかりました~!」

絵本の中ではたのしそうに掃除をしたり小鳥を助けたりしているので
そのギャップがまたおもしろいんです。

そしてたのしい森の中でとんでもないことがおこりますが…
低学年はもちろん高学年でもたのしめると思います。

(by hina)

「わたしのもみじ」 岩間史郎(福音館書店)

「わたしのもみじ」   岩間史郎  (福音館書店)

「わたしのもみじ」   岩間史郎  (福音館書店)

本屋さんでこの本を見つけたとき思わず見入ってしまいました。
さわやかな季節の秋、沖縄ではもみじがなくて
鮮やかな紅葉を見ることはできませんが、
他府県に行ったときに紅葉を見てその美しさに立ち尽くしたのを思い出します。

ブーメランのようなタネもかわいかったです。
この本は、ある高原の大きなもみじを10年間撮りつづけた著者が、
「わたしの木」への温かい気持ちをつづった写真絵本です。

せわしい毎日でも自然を感じるとほっと安らぎます。
秋を目の前に季節の移ろいを感じてみませんか。
この本を見ると思い出す本が「はるにれ」(姉崎一馬著 福音館書店)です。

だいぶ前に出た本ですが、文字のないみごとな写真絵本です。
その木を見たいなと出版社に電話して聞いたら北海道にあるとのこと。

残念ながら北海道まではいけなかったのですが
いつか見ることができるといいな思っています。
(by  hina)