楽しい社会:自然法としての基本的人権-たのしい教育の発想法

 メルマガで紹介した板倉聖宣「最後の奴隷制度としての多数決原理」が好評でいろいろな反応が届いています。

 その中の一つの骨子が「人間社会はその時の状況にあわせていろいろな法律を制定するが、憲法を含みそういった法律の上位にある概念として《自然法》がある、基本的人権はその自然法である」という話です。

 メルマガは板倉先生の話を中心にしたので、ここで《自然法》について書きましょう、メルマガ読者の皆さんも読んでくれることを期待しています。

 自然法は英語でNatural Law、「時代が変わっても住んでいる場所が変わっても、人間なら誰でも持っている権利。人間が生まれながらに与えられる法体系」です。

 子どもたち向けのサイトに〈学研のキッズネット〉があります、そこにある説明がわかりやすいと思います。

しぜんほう【自然法】

社会生活の基礎(きそにあって,時代と場所とにかかわらず効力(こうりょくをもつと考えられる(ほう自然法(しぜんほうは,古代には古くからの永遠(えいえん(ほう,中世には人間に啓示(けいじされた神の意志(いし,近代では理性(りせいによって見いだされる人間の自然(しぜん(ほうと考えられた。

自然法(しぜんほう思想は,イギリス革命(かくめい・フランス革命(かくめいなどで,人間の権利(けんりや自由の主張(しゅちょう指導原理(しどうげんりとして大きな役割(やくわりをはたした。

 日本の憲法にもその考え方がはっきりと書かれています、日本国憲法第11条です。

第十一条

 国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない。この憲法が国民に保障する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利として、現在及び将来の国民に与へられる

 基本的人権は憲法が保障するように書かれているのですけど、もちろん憲法が改正されて〈基本的人権は保障されない〉となるのか?

 No

「侵すことのできない永久の権利」つまり〈自然法〉だからです。

 絶対権力者だった王様に対して、人々が「人間には本来もっている権利があるのだ」と立ち上がり、その自然法つまり人間が基本的に持っている人権を全面に出して打ち倒したのがイギリス革命やフランス革命です。世界で権力者に対して民衆が立ち上がった時、自然法の考え方が影響していたことは間違いないでしょう。

 ところが現在、民主主義といわれる多数決という手法で、いろいろな人たちが自分の意図と反することを押し付けられることがある。そういった、意に反することを押し付ける行為としての〈多数決〉は『最後の奴隷制』だと教えてくれたのが板倉聖宣でした、社会科の教科書で教えられてきた私には、そう見抜くだけの力はありませんでした。
 月刊 たのしい授業1987-4月号の「最後の奴隷制としての多数決原理」から引用しましょう。

板倉聖宣
 それならどうしたらよいのでしょうか。
 実はそのことは普から問題になっていたのです。そしてそのことを憂えた思想家たちは普から民主主義的な原理に優先するものとして〈基本的人権〉という概念を産み出したのです。
「いかなる社会といえども基本的人権というものは犯してはいけない」
「基本的人権が犯されたら、いかなる法も有効性を失う」と考えて《自然法》という概念を生みだしたのです。
「どんな社会の法も〈自然法〉に反しではならない。〈自然法〉はあらゆる法に優先する」というわけです。
 私のように敗戦後すぐに〈民主主義の素晴らしさ〉を納得した人間は、その民主主義の理解の前提として、そのようなく基本的人権〉や〈自然法〉の理解がありました、それがなかったら民主主義なんていうものは少しも素晴らしいとは思えなかったことでしょう。
 それなのにその基本的人権という思想なしに民主主義がもてはやされたことから問題がおかしくなってきたと思うのです。

「学校で〈多数決に従わない権利〉を認めたら大変なことになる」と考える人も多いかもしれません。そうでしょうか?
 教育という場ほど、そういうことをゆっくり丁寧に伝えてあげられるとおもうのですけど、ここからは長くなるので、いずれメルマガで書かせていただきたいと思います。

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本が多い家の子は学力テストの点数も高い、について考えてみよう(2)-楽しい教育の発想

 前回、家にある本の数と学力テストの結果は関係があって、本がたくさんある家の子は得点が高いというデータを載せました、読んだみなさんはどういうことを考えたでしょうか。

「本があるだけで得点があがるなら買って飾っておこうかな」と考えた人もいるかもしれません。

「本の冊数ではなく、それを読んでいる親が知的なものに興味関心がたかいのだろうから、そういう親の子育てが影響するのだろう」と考えた人もいるでしょう。

 いずれにしても、少し考えてみると、本そのものより、本を読むかどうかが大切だろうということには賛成してくれるのではないでしょうか。

 たとえば塩分をとりすぎると血圧が高くなることは科学的にはっきりしているのですけど、家に塩をたくさん置いていても血圧は高くなりません。塩分をどの程度体内に取り入れるかが問題なのであって、丸一日塩を眺めていても血圧は高くなりません。

 比喩的な表現になるのですけど、本も身体にとりいれるかどうかが重要で、本の表紙をいくらながめていても読解力などはアップしないでしょう。

 100%とはいえなくても、本を読むことは知的な高まりにも人間的な深にみも影響していくでしょう。

 ところで、学ぶということは本来たのしいこと、心動かされることです。ところが点数があがるかどうかを中心にすすめていくと、そういうことは置いていかれるのではないかと心配になります。

 本が大好きになると、いずれ点数が伸びるかもしれません。でも点数をのばすために本を読もう、読みなさいということになると、本の持つすばらしさが置いていかれるのではないか・・・

 そもそも、本が好きになるかどうかは、学力テストの点数よりずっと大きなものだと思うのですけど、どうでしょうか。

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楽しく自由研究-くだもののタネの数/楽しく理科・楽しく学力向上

 この夏の講座で新しいプログラムを開発し、ブラッシュアップを重ねています。

 開発中のたのしい教育プログラムで実際のくだものを使うのですけど、その一つの〈ドラゴンフルーツ〉をつかいます。

 赤さもすごいのですけど、けっこうタネがたくさんありますね。
 ところでみなさん、果物の中で、もっともタネの数が多いものは何だと思いますか?
 考えてみてください。

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 地球上には未知のくだものもあると思いますし、そのくだもののサイズによってもタネの数は違ってくるはずですから、かならずこれが正しいということは言えないのですけど、Aさんが調べてみたところによると、こういうデータがあったそうです。

このデータによるとダントツでドラゴンフルーツです。

 でもいつもいっているように、一つのデータを鵜呑みにしてはいけません、騙されない人になるための第一歩です。
 Twitterに近い数字がありました、水戸市植物公園のスタッフが載せています⇨ https://twitter.com/fureai_miya/status/1431876207197384713

それによると

ドラゴンフルーツ1個の中に詰まっている種子の数は、約6380粒。

 キウイやスイカなどのデータをいろいろ探して比較してみても、ドラゴンフルーツは圧倒的にタネがたくさん入っているくだものです。

 では、それを育てると発芽するのでしょうか?

 発芽するとしたら、一個手に入れると6000個くらいのドラゴンフルーツを育てることができるわけです・・・

 どうなんでしょう。

 ここからは、興味をもったみなさんで調べてみてください。

 自由研究はたのしく賢さを育てます。

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2023夏の講座の楽しいアイディエーション&申込み状況のお知らせ-楽しい自由研究-

夏の講座の問合せが続いています、ありがとうございます。授業者・スタッフのシミュレーション&アイディエーションも回を重ねています。これはその時の一コマです。

 

 リーフ作成の頃から何段階もすすみ、いくつもの候補の中から、絞られてきています。どれもたのしく仲良く体験できるプログラムです、ご期待ください。

 

⭕️ ミキ先生のたのしいゲーム
⭕️ リナ先生の美味しい食べ物のたのしい自由研究
⭕️ いっきゅう先生の最新プログラム
  親子で〈健康・安全〉をテーマに自由研究
⭕️ ミエ先生の自由研究につながるたのしい読み語り
⭕️ テラ先生の自由研究
⭕️ たのしい教材おたのしみコーナー
    ほか

 さて、前にご案内したように、一週間程度で準備した座席数が埋まり、枠を広げたのですけど、その枠もすでに埋まり、現在は「キャンセル待ち受付」となっています、ご了承ください。

 近々、授業者・スタッフによるアイディエーション を会場で持つことになりました、参加者満足度と安全性を優先し、さらに少し枠を広げられるか検討することになっています。枠を広げられそうな場合にはキャンセル待ち受付の順番通りに連絡させていただきます。

ご協力、よろしくお願いいたします。

受講を希望する方は次のページからお申込みください⇨https://tanokyo.com/archives/155621

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