ダーウィンとメンデル/たのしい発想法入門 たのしいブックレビュー〈シッダールタ・ムカジー著「遺伝子(上)」早川書房〉

 ダーウィンの『進化論』の翻訳をゆっくり進めているのですけど、どうしてダーウィンは〈進化論〉を補完する強力な実験結果を提示していたメンデルの研究を無視したのか、とても気になっていました、大豆の実験で遺伝の法則を驚くほどシンプルに見せてくれたメンデルの研究は、ダーウィンの進化の研究の支えるものとなったでしょう。

 二人は違う時代に研究をすすめていたからでしょうか。

 いいえ、写真に記したように、二人は同じ時代に生き、ほぼ同じ年代に亡くなっています。

ダーウィン 1809年2月12日 – 1882年4月19日

メンデル 1822年7月20日 – 1884年1月6日

 ダーウィンさんがもしメンデルの遺伝子のアイディアを知ったとしたら、自分の進化論の研究がもっと早くすすんだと思います。

 どうして生物学で世界的な発見をした両巨頭のアイディアが交わらなかったのか・・・

 とても遠い処に住んでいたから気付かなかったのでしょうか?

 いいえ、ダーウィンはイギリス、メンデルはオーストリア、どちらもヨーロッパです。ダーウィンらみると、メンデルの住むオーストリアは、イタリアに行くより近い場所にあります、手紙や論文、著作物が届くのに不利だということはありません。

 
 メンデルさんが、あえてダーウィンさんに論文を送らなかったのでしょうか・・・

 メンデルさんは自分の研究が世に認められてないのでたくさんの人たちに論文を送ったと言われています。ダーウィンさんだけ避けたとは考えづらい・・・

 みなさんは、どうしてだと思いますか。

 以前からのその謎が、解けた気がしています。

 最近読んでいる本 シッダールタ・ムカジー著「遺伝子(上)」早川書房に、二人の関係がとても詳しく書かれていました。 つづく

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〈リング・キャッチ〉子ども達の教材開発②-自由研究が本物の研究/たのしい学力向上

前項の続きです、未読の方は一つ戻ってお読みください。たのしい教育研究所(RIDE)に来た、こどもの自由研究の実験結果が届きました。

 私は夏休み自由研究の審査もしたことがあるのですけど、形式的に整ったものがほとんどです。〈なぜこの研究に取り組もうと思ったのか〉〈研究の目標〉〈研究の方法〉〈観察・実験〉〈考察〉〈今後の展開〉という様に・・・

 見栄え・ビジュアルを意識した研究発表も多いので目を引きます。

 それはそれで良いのです。

 たのしい教育研究所が目指しているのは、形式見栄えなどより、まず本人の〈たのしさ〉です。形式や見栄えは必要に応じて、あとで身につけていけばよいことです。

「何しろこの研究がたのしいんです」が一番です。

 今回〈たの研〉に届いた写真とメモ用紙には、生き生きたのしむ気持ちがあふれていました。

 これがAさんが実験した実験道具です。

〈金属球のチェーン〉〈毛糸〉〈ひも〉〈糸〉が写っています、この中のどの素材の成功率が高いのか、がテーマです。

 

実験結果

 このペーパーに実験の流れと結果が書かれていました(加工済)。

 

 見ていてとてもたのしい研究成果でした。
 たとえば実験の様子をまとめる中でこういう絵が描かれています。

 今は〆切ものに追われていて、ゆとりがないのですけど、さっそく自分でも試してみようと思います。

 担任の先生を通してAさんには「〈たのしい教育研究所ジュニア研究員〉という名前を使ってよいです」と伝えてもらいました。

 Aさんの担任の先生の様に、たのしい研究を応援してあげる大人たちが増えていってほしいです。まず読者のみなさんが、そういう人になってくれることを期待しています。

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子ども達の教材開発-自由研究が本物の研究/たのしい学力向上

 たのしい教育研究所の講座で、いつも魅力的な教材を紹介してくれているさくら先生から、とても嬉しいたよりが届きました。

 リングキャッチャーといって金属製のチェーンと大きなメダルくらいある金属製のリングを利用して手品の様に遊ぶおもちゃがあります。

 チェーンを真ん中に通したリングをもって、リングを手から離します、するとリングは地面に落ちますね。

 

 するとリングは下に落ちるのが普通ですけど、あ~ら不思議、チェーンがリングをしばってしまいます。

 それを〈たの研〉でいろいろ研究開発し、チェーンはある素材である太さの毛糸、リングはアルミニウム製の針金を利用して、クラスの子ども達とつくって気軽にたのしめる様にプログラムしました。

 もともと売られている製品版でも100発100中、つまり毎回成功するというわけではないのですけど、毛糸とアルミニウム製は製品版より成功率がいく分低くなります。

 チャレンジ精神が生まれて、こども達も喜んでトライしてくれるので、それもよい効果があります、前回の講座で〈皿回し〉にたくさんの人たちが惹かれたのと同じです。

「リングキャッチャー」というのは"リングをキャッチするもの/リングをつかまえるもの"という意味です。〈たのしい教育研究所〉版は素材が全然違うので、名前を少しかえて「リングキャッチ」にしています。"リングを捕まえる"という意味で、ちょうどゲームのスタイルと似ていてよいと思うのですけど、どうでしょう。

 さて、さくら先生のたよりには、クラスの女の子が、最近、たの研版のリングキャッチにとてものめりこんで、うちにある毛糸を使って、いろいろ研究をすすめてくれているということでした。
 

 

 写真にはとてもニコニコしてたのしそうに、さくら先生にリングキャッチをたのしんでいる様子が記されていました。

 これから、いろんな実験結果が出てくるだろうと思うと、応援したくてたまりません。「研究のための消耗品費はうちが出すからどんどんやって」と言いたいところなのですけど、大人ではないのでそうはせず

「研究結果をとてもたのしみにしています。
成功率が高い素材がわかったら、ぜひ連絡してください。

〈たの研〉でためしてみて、うまくいくことがわかったら、広くたくさんの人たちに伝えます。

 と伝えてもらいました。

 こうやって本気でたのしむ子ども達がどんどん増えていってほしいと思います。

そのためには
「そんなことをしているより、漢字の一つ二つ多く覚えなさい」という大人がそばにいるのか
「それはいいね、私もやりたい」と言ってくれる大人がそばにいるのかで、子どもたちの元気度いきいき度がかなり違いが出るでしょう。

 では「漢字を覚えなくてよいのか」という大人がいるかもしれません。
「リングキャッチをやると勉強しない」というデータがあるのでしょうか?

 逆に、リングキャッチの謎を解いていくことが、本質的な賢さにつながらないわけはありません。写真で見ると、研究を進めているAさんは、とてもキラキラしたいい顔をしています、賢い子だろうと思います。

・リングを落とす時のスピード
・毛糸の長さ
・毛糸やヒモとの摩擦
・スローモーションにした時の動き
・リングの重さ
       ほか
 いろいろなファクターについての研究につながっていくことになります。
 自分の興味があるものについて、いろいろ予想しながら実験し、確かめていける力が育っていくことで、結果的に賢くなることは間違いないでしょう。

 漢字を覚えることも大切です、でもそれよりもっと深く高次元の賢さが培われるに違いありません。
 しかも研究・実験する力が高まってくると、いろいろな資料にも目を通す意欲も培われるので、結果的に漢字の力も高まっていくでしょう。

 100%を保証できるものはないとはいえ、かなり高い確実でそういえると思います。

 子ども達の本質的な賢さを育てる〈たのしい教育派〉の教師・保護者・大人達がどんどん増えていくことが、とても大切だと思う今日この頃です。
 一緒に子ども達を元気に賢くしてくれる人たちがいたら幸いです。

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魅力教材-楽しい漢字学習〈プラバン漢字版〉-たのしい学力向上

 たのしく学習する、子ども達がその学習にのめり込む、学習に対して背を向けている子ども達も振り向いてくれる様な魅力的なプログラムを提供すること、つまり「たのしい教育」を拡げていくことが〈たの研〉の活動です。

〈たの研〉のメンバー全員がプロの授業者であり、もちろん学校でたくさんの子どもたちとたのしく学習してきた実績をもち、カウンセリングの免許をもっている人たちが何人もそろっている上に、現役バリバリの先生たちもたくさん関わっていますから、教材の実験結果は豊富で、その中で勝ち残ってきた〈たのしい教材〉にあふれています。

 今回はだいぶ以前に私いっきゅうが実践し、最近、特別支援学級で高評価を受けている《たのしい漢字学習》のブログラム『漢字プラ板』を紹介します。

 国語の教科書で学ぶ前の単元、たとえば『あまんきみこ 白いぼうし』の〈新出漢字〉を、クラスの子ども達と一緒にプラバンでカードにしておきます、こんなカンジ、カルタくらいのサイズです。

 漢字の解説本はいろいろありますから、進出漢字に「読」があれば、イラストなども一緒に描きます。
  あえて読み方や意味などは書きません。

 こうやって作っておくと、国語の授業で〈カルタ〉遊びで利用したり、クイズ形式で出したり、これまで作ったカードを組み合わせて「漢字モクモク」というゲームにしたり、多彩な方法で利用できます。

 《漢字プラバン》のたのしい効果はそういう利用の仕方が広がるだけではありません。
 子ども達が漢字プラバンを作る過程で、漢字そのものに親しむことができ、自分が担当した漢字が強くインプットされ、何かでその漢字に出会う時「あ、これは読(どく/よ・む)だ!」感じてくれる率がとても高くなります。

 そもそも子ども達はプラ版を作るのが大好きです、ちなみに沖縄の学校教育の中に「プラ板」や「べっこうアメ」を広めたのは〈たの研〉の前身、伊良波さんと私とで活動していた「おきなわ仮説サークル」です、40年近く前から講座を開催していたので、その中の人気メニューでした。

 プラ板そのものは100均でも手に入ります、子ども達が漢字学習を好きになってくれるとしたら、教材費を投入する価値は十分ありますから、どんどん作ってもらうとよいでしょう。

 以前作った時「これは昨日の放課後、学習係さんたちと作ったんだけど」というと、聞いていた子どもたちから「え~、私もやりたかったのにぃ~」という声がたくさん出たので、その後「今日の放課後に《漢字プラバン》をつくります、作りたい人手をあげてください」と希望を募る様になりました。
 やってみたい人がいたら、はじめからそうすると良いと思います。

 図工と国語をジョイントさせてつくるのもよいですね。

 大切なことを学ぶことは本当はたのしいことです。漢字も私たちの祖先が「これは使える、残したい」ということで勝ち残ってきたものです、だからこれだけ大量の本を読むことができるのでしょう、このブログも漢字をどんどん使って書き込んでいます。

 この〈漢字プラ板〉は、ある先生から「クラスの子ども達が漢字をもっと好きになってくれるプログラムがないでしょうか」という相談があって、紹介したものです。

 そういう教育を広めているのが〈たのしい教育研究所〉です、授業で困っていること、ああいたい、こうしたい、もっと子ども達と仲良くしたいetc. そういう方はお問い合わせください。

 スーパーバイズ(有料)も人気です。
 また、こういう魅力的なプログラムが毎週届く「たのしい教育メールマガジン」も人気です。

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