イチゴの謎:あのツブツブはタネじゃないの?①-楽しい科学・楽しい植物学

「毎日このサイトを読んで次の日のクラスで話すたのしい内容の題材にしています」という嬉しいお便りをいただきました。こどもたちとたのしく知的好奇心を高めるテーマにどんどん利用してください。
 たのしい教育メールマガジンでも、軽く書いた言葉に反応が届くことがあります、嬉しいことです。
 今回は最新の《たのしい教育研究所のたのしい一週間》にイチゴのタネが発芽したことを紹介したのですけど、そこに書いた内容と読者の方とのやりとりの内容をまとめてみましょう。

 レイアウトやフォントが違うのでサイトに載せるとのっぺりしてしまうのですけど、まずはメルマガに軽く書いた内容からどうぞ。

たべたイチゴのタネを水につけたら芽吹いた 

 イチゴのタネはどこにあるかご存知ですか?
中を割っても見つかりません。

 表面についたこのツブツブがタネです。


「ツブツブはタネではない」という説明をみかけることがあります。

曰く
「これをタネだと思っている人もいるようですけど、これは〈痩果〉というものでタネではありません、この痩果の中にタネがあるのです」

 研究の結果いろいろな分類がとはいえ、自分たちでいろいろな名前をつけて子どもたちを煙に巻く議論が教育の中に入り込んでしまうと、理科嫌いと記憶重視の優等生を生んでしまいます。

 その粒を育ててそこから発芽するなら「タネ」といって良いのです。

 その上で「詳しく調べてみるとね、イチゴは他の植物のタネと少し違っているところがあってね…」と説明を加えつつ〈腑に落ちるたのしい話〉をしてあげられるならよいのですけど、はじめから「これはタネではありません」と言い切ってしまったら、その粒から芽吹くことはないと  考えるのが普通でしょう。

「自分はいろんな知識があって、みなさんが考えている知識の間違いを指摘してあげますしょう・・・」というスタンスの人たちは少なくありません。
 親や教師が気をつけておきたいことの一つです。

 さて〈たの研〉で5/16に水につけておいたイチゴのタネはこうなりました。

 これをタネと呼ばずに何をタネと呼べばよいのか・・・、薄皮を剥がしてはじめてタネという、なんていうことに納得できる人は少数でしょう。

 これからがたのしみです。


 ちなみに、去年はベランダで「挿し木」の実験を続けてきたのですけど、今年は「タネで育てる」というシンプルな実験をしていきたいと思います。

※食べる状態のイチゴの形のまま芽吹くこともあって、その写真はトラウマ級ですから「イチゴのタネ」で検索する時は注意してください。ま、私にとっては、かもしれませんけど・・・

☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 読者の方からラストの〈トラウマ級〉についての話も届いたのですけど、今回紹介したいのは前半の「イチゴのタネだと思っている人もいるようですけど、それ〈痩果〉といってタネではないですよ」と説明する人たちの話についてです。

 みなさんは、その説明についてどう思いますか?

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子どもの笑顔が大人の元気に-たのしい教育研究所

 今週は子ども達のために魅力的な活動をしている方たちとお会いして、いろいろなお話を聴かせていただいています。前回は区長さんたちとのお話のことを紹介しましたが、今回は〈たの研〉のさくら先生の紹介で、地域で子どもたちのために頑張っている大先輩Uさんのお話しを聞かせていただきました。
※たのしい教育研究所の個人情報保護規定によりサイトの写真は必要に応じて特殊加工したものを掲載してあります

 写真入りでわかりやすくまとめられたこれまでの活動資料を元に
「これは○○小学校の生活科に呼んでもらった時の様子です」

 「これがその時に利用した教具です」と、目に見えるようにお話しを聞かせていただきました。

 子どもたちとの活動がコロナで途絶えたのだけど、これからまた取組みをすすめていきたいと笑顔でお話しをしてくれました。
 そのどれもが、とても元気の出るお話しでした。
 たのしい時間を過ごした後、お礼を伝えておいとまし、こういうことを考えていました。

〈たの研〉のメンバーもそうだけれど、自分の利益というより、子ども達の笑顔や元気、知的好奇心の高まり、優しさの深まりを優先させる人たちがたくさんいます、考えてみると不思議なことです。
 自分の人生の時間を自分の趣味やお金儲けのために使うというのではなく、子ども達の笑顔のために使うというのです。

 無邪気さや純粋さを目にして、自分の子どもの頃のことを思い起こすからでしょうか。

 人間の持つ〈保護本能〉がゆすぶられているからでしょうか。

 子供たちの笑顔は純粋に美しく、そのが私たちの感情を動かし喜びを感じさせるからでしょうか。

 まだあると思います、そしておそらくそのどれも正しいのでしょう。

 そういった中で最も大きなものは、子供たちの明るい笑顔や幸せが増えていくことが、世界が明るい未来に向かっていることをみるからだと思うのですけど、どうでしょう。

 Uさんもきっと、そういう思いを共有しているのでしょう。

 私いっきゅうの人生はまだまだ長いと感じながらも、ギリギリ最後の時まで、子どもたち、いろいろな人たちの笑顔と元気、知的好奇心と優しさを広げる仕事ができたら、こんなに嬉しい人生はないと思います。

 このサイトを読んでくださっている皆さんの、その「読んでくれている」という行為一つが、たのしい教育研究所の元気につながっています。
「このサイト、ほんとにいいよ、毎日更新していて、周りの人たちにお話しするたのしい材料にもなるんだよ」と勧めていただけたら、さらに元気が広がります。
 最近もこのサイトを読んで下さっている方が、応援したいと「メールマガジン」を申し込んでくれました。
 そういった費用は全て何十倍もの価値に変えて、子ども達・先生・保護者・いろいろな方たちの笑顔を広げる活動に利用させていただきます。ご希望の方はお申し込みください➡︎ http://tanokyo.com/me-ru

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おきなわの山肌はイジュの花の彩り-楽しくアウトドア

 今日この頃の梅雨の日々、沖縄の中北部の野山を歩くと、山道でこういう彩りに出会うことがあります。

 下に花ごと落ちている姿をみると〈ツバキ〉を思い起こさせます。

 イジュの別名は『ヒメツバキ』、ツバキ科の樹木です。

 その場所で、上を見上げてください、そこにイジュの花たちが咲いています。

 少し離れた山肌を眺めると、白と緑のまざった様な彩りが目に入ります。

  イジュ、ヒメツバキの花々です。

 白い花びらにつつまれた、たくさんのオシベが黄色く彩っています。

 イジュは梅雨の頃の沖縄を彩る代表的な植物です、雨にも負けず、自然のうつりかわりをたのしみましょう。

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〈菌〉の〈縄張り争い〉で病気を治す-たのしい教育プログラム作成中

〈縄張り争い〉も〈菌〉も、よくないイメージがつきまとうのですけど、菌の縄張り争いがたくさんの人たちの命を救ってきました。
 方便(ほうべん)でも誇張(こちょう)でもありません、救った命の数は何百万人と見積もっても少ないくらいでしょう。

 以前から、子ども達が喜んで学んでくれる〈たのしい教育プラン〉になりそうで、候補の一つにしていました。

 今回はその話を少しだけ紹介しましょう。

 さてみなさんはどういう〈菌〉を知っていますか?

・・・・

 菌にはビフィズス菌、乳酸菌、大腸菌、破傷風(はしょうふう)菌などたくさんの種類があります。

 たとえば湿ったパンを置いているとカビが生えてしくことがあります、カビも菌の仲間です。

 カビ(菌)はそのパンの炭水化物やタンパク質、脂質、水分などを栄養にしてどんどん広がっていきます。
 他の菌たちがそのパンに群がってくると、自分たちの栄養が減ってしまうので、そういう場合には別な菌が自分の広がっていかない様に〈ある物質〉を作り出し、別な菌たちが広がらないようにばらまきます。
 その物質を『他の菌が〈生える〉のに抗(あらが)う物質』➡︎《抗生物質:こうせいぶっしつ》といいます。

 《黄色ブドウ球菌》といって、表皮感染症や食中毒、また肺炎、髄膜炎、敗血症など、命をうばうほどの菌があります。

wikipediaに感謝して

 これはその黄色ブドウ球菌が繁殖したシャーレーです、その中に円状の場所がありますね。

wikipediaに感謝して

 その円の中央にあるのは青カビです。
 青カビが黄色ブドウ球菌が繁殖しない物質(抗生物質)を生み出して、自分の縄張りを確保しているのです。

 黄色ブドウ球菌という人間にとって恐ろしい菌を青カビが排除している、押さえ込んでいる・・・
「お~、この縄張り争いは、病原菌を攻撃することに使えそうだぞ」
 そう気づいたのがアレクサンダー・フレミングさんです。

ウィキペディアより

 
 彼は青カビが作り出している物質を「ペニシリン」と名付けました。

 フレミングの発見をきっかけに「菌が生み出す物質(抗生物質・抗生剤)によって、病気や感染症の原因となる菌の繁殖を抑える」つまり『菌の縄張り争いによって感染症・病気を治す方法』についていろいろな科学者たちが研究を始めました。

 その研究の成果が出て、戦争で負傷した人たちを治療したり、肺炎、敗血症、破傷風など、それまで死を待つしかなかった感染症からたくさんの命を救ってきました。

 今ではカビから作られた「ペニシリン」だけでなく放線菌から作られる「スプレプトマイシン」ほか、抗菌薬、抗真菌薬、抗ウイルス薬、抗腫瘍薬など200種類くらいの抗生物質が作られています。

 子ども達が感動してくれる教育プランに仕上がると思ってワクワクしています。

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