優等・劣等と分けたのはメンデルさんか? たのしい教育メールマガジンから

 メルマガに「言葉のもとの意味を調べる意義」として書いたところ、いろいろな反応がきて喜んでいます。

 私がメルマガに血液型の例を出して「〈優性遺伝〉〈劣性遺伝〉という様に、人間に直接優性・劣性とラベリングするのはなかなかないと思う」と書いたところ
「いっきゅう先生、以前は〈優等生〉〈劣等生〉という言葉がありましたよね」というメールがとどきました。

 たしかに!

 遺伝や進化の研究は〈優等〉〈劣等〉という酷い差別を生み出したともいえます。

 今回のメルマガの発想法の章の最後にこう書きました。

心やさしき研究者メンデル

「おだやかで寛大で心優しい、花を愛した人でした」と評されたメンデルは、植物たちの遺伝の形質に「優れている・劣っている」と表現した人物ではありませんでした。
 ここで私の長年の謎は解け、その肖像をみる時にも、おだやかな気持ちで向き合うことができる様になりました。

 そしてさらに気になっていた「ダーウィンはどうしてメンデルさんの研究に目をつけなかったのか」というテーマにすすんでいます。

 実は、ダーウィンとメンデルの関係と同じくらい

では、誰が遺伝形質を優性・劣性という価値観で分けたのか」「優等な形質をもった人間を残そう、という恐ろしい発想を広めたのは誰なのか?

という強い問題意識があります。

 そういう〈優生学〉はナチス・ドイツはとんでもない蛮行にも繋がっていきました。

 人間を〈優等〉〈劣等〉に分けるのはとんでもないことだということに賛同する人は多いでしょう。

 でも私たちは〈優等劣等〉言葉はつかわなくても、たとえば植物についてはごく普通に〈美味しいもの・美味しくないもの〉〈甘いもの・甘くないもの〉〈大きいもの・小さいもの〉〈花がたくさんつくもの・少ないもの〉〈長く咲き続けるもの・すぐ咲き終わるもの〉という様に優劣をつけてとらえています。

 動物たちについてもそういうところがあります。

 それを私たち人間は解決できるのでしょうか。
 解決する必要はないのでしょうか。

 そういうとても大きな問題とつながります。

 いつか〈たのしい教育メールマガジン〉で私の考えをまとめてみたいとおもっているところです。

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楽しい自由研究〈リングキャッチ〉-自由研究が本物の研究!

 たのしい教育研究所のジュニア研究員Kさんの報告を受けて、さっそく〈たの研〉のメンバーで検証実験が始まっています。

 まずは縫い糸(右)と細ヒモ(左)です、同じリングを使って何度も実験を繰り返しています。

 

これはヒモ!
 こうやってリングの中にヒモを通して、手をはなす。
 リングをヒモでキャッチできたら成功です。

 

これは縫い糸。
 ちゃんとキャッチできてますね。

  メルマガに比較実験の結果を載せようと思っています、反応をみて、このサイトにも書くかもしれません。

 それを待たなくても、この写真をみれば、みなさんも自分で実験できると思います。

 こういう比較実験は、結果がはっきりでますから、たのしさに直結します。

 興味のある方は、子どもも一緒にためしてみませんか。

 

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日本の実力「自動車大国 日本」の実力は?② 楽しい社会

 前回の問題からの続きです、未読の方は戻ってお読みください。日本の自動車メーカーの電気自動車・EVの売り上げ台数は世界の中でどの程度でしょう?
 みなさんの予想はどうでしたか。

 自動車産業の調査会社「マークラインズ」(東京)のデータによると2022年上半期のEV売上はこうなっています。

 2022年上半期のメーカー別のEV販売台数を本紙が集計したところ、テスラが首位で55万台超。

2位は中国EV大手の比亜迪(BYD)の30万台超で、米ゼネラル・モーターズ(GM)や独フォルクスワーゲン(VW)がそれぞれ20万台超で続いた。

日本勢は3社連合の6位が最上位で13万台超だった。

https://www.tokyo-np.co.jp/article/219477

 日本の〈三社連合〉というのは「ルノー・日産自動車・三菱自動車」の連合のことです。

 自動車全体で世界トップの販売数をほこるトヨタはどこにいったのでしょう?

 トヨタはEV売上2万台で〈28位〉です、トップ集団から何周も遅れているといってよいでしょう。

 これから世界の自動車業界はEVにシフトしていく流れです、するとトヨタの売り上げ台数は相対的に落ちていくことになるでしょう。

 日本が加わった3社グループの〈13万台〉も、トップ「テスラ」の〈55万台〉の23パーセントに満たない上に、三社合わせてということですから、単純に一社あたりで計算すると〈約4.3万台〉です、トヨタよりは売れている計算になりますから、トヨタがかなりEVで遅れをとっているかがわかります。

 EVに搭載される電池はリチウム電池が主力です、それが〈全固体電池〉にシフトしていくと、日本の自動車産業が巻き返していく可能性はあります。日本は全固体電池の研究で世界をリードしているからです。

 日本が元気になっていくためには教育がカギを握っていくことは間違いありません、学ぶことをたのしむ事が決定的です。
 その中で日本の現状を知ることも、きっとプラスに働くでしょう。

 日本全体の元気のためにも、たのしい教育研究所が元気に活動していきたいと思います。みなさんの応援をたのしみにしています。

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楽しいクイズ入門〈蚊取り線香の問題〉解答編

 たのしいクイズ入門の蚊取り線香クイズの解答編です。

 ぜんぜんアイディアが浮かばなかった方はヒントを出しておくので、それで考えてから、解答をみることをおすすめします。

ヒント:

1時間で燃え尽きる蚊取り線香で30分はかる方法がないか考えてみてください。
 もしその方法が思いついたら、似た様な方法で15分はかることができないか考えてみましょう。

 

解答

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考え方

1)1時間で燃え尽きる蚊取り線香で30分はかるには、先端と根元の二カ所に火をつけて、その火が交わるところ、つまり燃え尽きる時が30分だと考えることができます。もちろん微妙な誤差はありますけと

2)炎が重なったあたりまでの長さがわかりますから、もう一本の蚊取り線香を、その部分に合わせて折りましょう、折った外側も内側もどちらも30分時計になります。


 この30分時計を、さっき同じ様に先端と根元の両方に炎をつけます。炎が燃え尽きる時、炎が重なった時がほぼ15分です。

3)その長さを測りとれば15分で燃え尽きる蚊取り線香ができます。

4)とすると、2)で使った長さの蚊取り線香と3)で使った長さの蚊取り線香があれば30分+15分で、いつでも45分を測ることができますね

45分時計(30分計・15分計)を準備して使うのではなく、一気に45分測る方法があります。

①1時間の蚊取り線香を両側から燃やす(A)と同時に⬇︎

②一ヶ所のみ火をつけた蚊取り線香Bもスタートさせます。

 ③  ①の蚊取り線香Aが燃え尽きた時が②の線香Bの残った蚊取り線香が30分計になっていますから、内側に火をつけます⬇︎

 両方から炎が重なった時が30分+15分で45分です。
 これも結局、前半に紹介した方法と同じことになりますね。

別な解答

 別な方法もあると思いますから、これだけが正解と限定しないことが大切です、特に教育の場面では。

 私のところとどいた解答の中には
「何しろ山でキャンプなんだから、細長い草があるでしょ。それで蚊取り線香のグルグルの部分に合わせて長さを測りとって、四等分した三つ分までの長さが45分!」
というスッキリした解答もよせられていました。
 すばらしいと思います。

 たとえば子ども達が上の様な解答をすると、クラスの子の誰かが
「問題には〈蚊取り線香とライターのみを利用して考えましょう〉とあるのだから、それはダメ」というかもしれません。

 そうでしょうか?

 蚊取り線香とマッチだけといったって、それを地面に置くために石とかアルミホイルとかを利用しないといけません。そのまま地面に置いていたら消えてしまうからです。

 キャンプに来ていて器具類は何もない、という前提なのですから、かなりグッドなアイディアだと私は思います。
 その方が「蚊取り線香1本ですむ」&〈両方から火をつけて、燃え尽きたらもう一つの根元にも火をつける〉というめんどうな方法をとらなくてよい
 という上でも優れていると思います。
 こういう子ども達のすばらしさをつぶしてしまってはいけません。

 みなさんも、この答え以外にも思いつくかもしれません、たのしんでみてくださいね。

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