たのしい教育 メールマガジン 第190号!

「たのしい教育研究所」を応援してくださっている方達に毎週 メールマガジンをお届けしています。

それが『たのしい教育&映画はやめられない』です。

毎回、内容が充実しています。

これがトップの部分です。

メルマガ190

 

毎回「たのしい授業・楽しい授業」の教材が載ります。
今回は、1月に実施した「桜の季節のたのしい教育体験講座」で大好評だった「おすすめブックレビュー」からです。

たのしい読み語り

 

映画でメシを食っていきたい、くらいの映画好きな私は、毎回「映画」の紹介をしています。

今回は「高畑勲監督作品 かぐや姫の物語」です。少々長い作品ですが、名作です。特に映画のテーマを深く表現した主題歌がとてもいいのです。

たのしい映画
最後は、たのしい教育の哲学・発想法です。
板倉聖宣(仮説実験授業研究会代表・日本科学史学会会長)の発想を紹介しています。

 興味のある方はお申し込みください。

毎日、たのしい教育の普及に連続投球
「たのしい教育研究所」です

 

 

LEAPカウンセリング入門(後段)「自分の行動は自分の選択。その行動の責任を受け入れることで成長する」

LEAPカウンセリング入門「自分の行動は自分の選択。その行動の責任を受け入れることで成長する」

前段の「科学的とはどういうことか」の続きです。

まず、カウンセリングに科学的な手法が必要なのか?

ということをお話ししたかったので、長々と書かせていただきました。

わたしがLEAPカウンセリングを開発する際に重視したのが「科学的でありうるか」ということでした。

科学的だということは、「予想・仮説⇨実験・確かめ」を経てすすむので、それが一回だけの現象に終わらず、周りの人たちも再現できるのです。

もちろん悩みや課題は人それぞれ違っていますから、同じようにすすむカウンセリングというものは考えられません。それは、海の波がまったく同じ動きで、同じ形で押し寄せることはないに等しい、ということと似ています。
しかし、大きく眺めれば、その波の形は似ています。

しかもそのカウンセリング手法がうまくすすむのか、どこかで混乱してストップしてしまうのか、についての実験結果はしっかり出せるのです。

LEAPカウンセリングの流れそのものが、実は「予想・仮説⇨実験・確かめ」そのものとなっているのですが、それはいずれ「入門講座」などで実技研修を受けていただけたらと思っています。

さて、タイトルの

「自分の行動は自分の選択。その行動の責任を受け入れることで成長する」

という話に進みたいと思います。

長い教師生活と、その半分ほどはカウンセラーとして、いろいろな問題や課題と向き合ってきましたが、「自分に起こった問題を、周りの誰かのせいにしてしまう」ことでこじれてしまう状況に数え切れないほど関わってきました。

も のごとにはたくさんの要素が絡みますから、その一部をとって、周りのどれそれのせいにする、ということは可能です。しかしそういう思考パターンを続けてい ると、「私は被害者で悪いのは全部周りの人・状況」という大きな迷路に入ってしまいます。そういう中で「自分はまったく悪くない」と主張してしまうことに もなるのです。

逆に「どういう状況があったにせよ、その行動を選択したのは自分自身だ」ということを基本にしておくと、解決のいろいろな手立てが見つかってきます。自分の行動を変えるのは、周りの状況や周りの人を変えるより何百万倍も簡単なのです。

私は時々、たのしい教育研究所に学びにくる先生たちに「天気まで自分のせいにする必要はないけれど、沖縄の子ども達の学力が低いのは自分のせいかもしれない、と考えてみることも大切だと思う」と話すことがあります。

目の前の自分のクラスの子ども達でなく、沖縄全体のことまで自分のせいなのか?
そう不思議に思う人たちも多いのでしょうけど、思考実験としては十分考えるに足るテーマだと思います。

自分の育てる子どもがたのしく賢くなる。そして、目の前の子ども達だけでなく、ひろくいろいろな子ども達をたのしく賢くできる。それはとてもたのしい活動となります。

沖縄県全体のことまで考えることはないにしても、せめて自分が選択した行動は全て自分の責任で選んだものだ、と考える。

そして「その選択した行動の結果おこったことは、全て自分で責任をとる」という形で暮らしていけたら、その人はきっと、どんどんたくましく成長していくことでしょう。

「だれだれが、そう言ったから自分はそれを選んだのだ」とか「こういう状態だから、しかたなかったのだ」とは言わず、そういう中で、その行動を選び取ったのは自分だ、ということです。

LEAPカウンセリングのはじめの段階では、そのところをとても丁寧に扱います。

自分の責任として受け入れる人は、いろいろなアイディアを出して、解決のための行動に進む事ができます。そうやって、人間としてたくましく賢く成長していくのです。そうすれば、次に起こる問題に対しても、冷静に行動ができる様になると思います。

少し長くなりました。

 

たのしい研究所は、いろいろな方達の悩みとも
真剣につきあっていきます。

チャレンジャー事故調査に協力したファインマンの言葉|覚悟と勇気

大きな仕事を一つ終わって、明日のプレゼンテーションの準備の前に、大好きなファインマンの本を手にとっています。

「困ります、ファインマンさん」岩波書店。

ファインマン

リチャード・ファインマンは科学の教師としても、研究者としても世界をリードしてきた人物です。

教師としては「ファインマン物理」という世界的名著を世に出し。
研究者としてはノーベル物理学を得ています。そしてその受賞を知らせる夜中の電話に、「眠い!」と言って切ったエピソード。しかも、授賞式に出るより研究をしていたいからと、受賞を断ろうとしたというのも有名な話です。

加えてわたしは彼の文章センスが大好きです。

→リチャード・ファインマン

 この本から、ちょうど彼がチャレンジャー事故の調査委員を引き受けるあたりの文章を書き抜いてみましょう。
私がこれまで何度も読んできた部分です。

 その事故の二、三日あと、N A S A の親玉ウィリアム・グラハムから電話がかかってきた。こともあろうにこの僕に、シャトルのどこが悪かったのかを調査する委員会のメンバーになってくれと言うのだ! 
彼は学生時代キャルテク(カリフォルニア工科大学)で僕の講座を取ったことがあるうえ、卒業後は、僕が毎水曜日の午後講義をやりに行っていた、ヒューズ航空機会社で働いていたのだそうだ。
そう言われでも、例によってこっちは彼が何者だったかさっぱり思い出せなかった。第一その調査がワシントンであるのだと聞いたとたん、僕はまずまっぴらごめんだと思った。

そもそも僕はワシントン近辺や政府機関のあるあたりには絶対近よらない主義なのだ。だから反射的に、こりやかなわん、何とか逃げを打とう、とまず考えたわけだ。
そこで僕は、友だちのアル・ヒップスやディック・デーピスなどに電話で相談してみることにした。
ところが呆れたことに、彼らはみんなして、チャレンジャー号の事故調査は非常に大事だから、ぜひやるべきだと言い出した。
こうなったらもう逃げを打つ最後のチャンスは、家内にうまく話をもっていって、そんな委員会など止めておけと言わせることだ。
「まあ考えてもみろよ」と僕は言った。
「こんなことなら、どこの誰にだってできることだよ。誰かほかの奴にやらせればいいんだ。」
「だめよ。そうはいかないわ」とグウェネスは答えた。
「あなたが引き受けなかったら、12人の委員がみんなで連れ立って、いろいろなところをぞろぞろ調べてまわることになるわ。だけどあなたが行けば、11人は一緒になってあちこちを調べて歩くでしょうけど、12人目のあなたはひとりで飛びまわって、ひとの考えないようないろんなことを調べることになるんでしょ。

まあ何が見つかるかはわからないけど、もし何かあったとしたら、それを見つけ出すのはきっとあなたよ。あなたみたいなやり方のできる人は、ほかにはいないんだ
から。」
悲しいかな謙譲の美徳に欠ける僕は、ついうっかり彼女の言うことを信じてしまった。
しかし問題は、シャトル事故の原因がどこにあったのかをつきとめるだけですむかどうかということだ。

おそらく次には、いったいN A S A の組織がどうかしているんじゃないかと調べることになってくる。

すると今度は「そもそもシャトル計画を続けるべきか、シャトルより使い捨てのロケットの方がいいんじゃないか?」というような疑問が出てくる。そしてその背後には「では我々はこの先どうすればいいのか? 」「わが国の宇宙科学における将来の方針はいかに? 」というようなもっと重大な疑問が控えているのだ。
しょっぱなはシャトル事故の原因調査に始まったこの調査委員会が、はては国家の政策を決めるところまでふくれあがり、ずるずると果てしなく続いていく、という筋書きが、僕の目にありありと映りはじめた。

 

 彼が生きていてくれたら何としてでも沖縄に招きたかったな。

 会えないにしても、こうやって文章で彼の魅力に触れることができることはとても幸せなこと。
「言葉を残す」ということは、何にもまして重要なことだと思えてなりません。

たのしい教育は感動と切り離すことはできません。
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たのしい教育研究所 春のウェルカムエリア

大きな入稿のある日、朝早く研究所に来てみると、
ウェルカム担当の元気なたのちゃんのそばで、菜の花と桜が待っていてくれました。
今日は太陰暦大晦日。
明日の正月を迎える準備はととのっています。

ウェルカム春

たのしい教育活動はおかげさまでいろいろな方達からの要請が届き、今日は副読本の入稿、明日は都会で会議、明後日は地元で授業と、太陰暦・太陽歴にかかわらず年末年始も休む間なし。うれしい日々です。

たのしい教育で沖縄の元気をますます高めることが
たのしい教育研究所のテーマです