カウンセリングとは?:カウンセリングの中でカウンセラーは一体何をしているのか?

 カウンセリングの流派は数えるところ300あまりもあるとも言われています。その中で現役の教師が開発したカウンセリングメソッドとしての《PEALカウンセリング》は画期的なものだと感じています。
 〈誰が開発したのかは関係がない〉という見方もあるかもしれません。しかし30年間、ずっと子ども達の教育の場にいて、そこで派生するたくさんの問題・課題と直面して来た実践家が満を持して生み出したものは、実践カウンセリングの名を冠するに値するでしょう。
 その実践家を育てる活動も始動しました。

 教師は学校現場にいながらにしてたくさんの研修を受けています。
 その中にはカウンセリング関係の講座もたくさんあります。
 たとえばこれはある県の教育センターの講座のリストからとったものです。

 〈カウンセリング研修〉と銘打ったものだけでなく、その前後の研修も必然的にカウンセリングが骨格となったものにならざるを得ません。
 十数年前から〈生徒指導にもカウンセリングマインドが大切だ〉という流れとなりましたから、子ども達の問題と向き合う、という場合に〈カウンセリング〉は欠かせないことになっています。必然的に研修の機会も多くなっているわけです。


 いろいろな先生たちにリサーチしてみると不思議なことに気づきます。
 カウンセリングの研修はいろいろ受けていても、実際のカウンセリング・教育相談の場面で子どもや保護者の方と二人きりになった時、何をどうしていいのかわからないというのです。
 学校で英語を何年間も学んでいるけど英語が話せない、という人が多いという現状ですから、特に不思議なこととは言えないかもしれません。

 先生たちにさらに質問してみると〈話を聞く〉ことに徹する、〈アドバイス〉や〈励まし〉をする。時には「これではいけないんじゃない」という様に〈指導する〉という様な状況の様です。

 それはそれで有効なこともありますから、その時間は意味をもっているでしょう。ただしそれをもって〈カウンセリング・教育相談〉と考えているとしたら違っています。

 カウンセラーはコメンテーターでも評論家でも生活指導員でもありません。
 カウンセリングをする場合には、評論ではなくカウンセリングをしなくてはいけません。

 カウンセリングでカウンセラーは何をしているのか?

 カウンセリングの時、ひたすら聞いている、という場合、それがどこに向かうのかわからないまま聞き続けられると、クライエントも困ってしまいます。

 ここでカウンセリングの全ての流れを説明するのは困難なので、カウンセリングの前段の話をさせてもらうと、まず「クライエントの苦しみや悩みを丁寧に確認しながら、それを明らかにする(言語化する)」という行為に重点をおいています。
 長い場合にはカウンセリングの二回目あたりまでそれが続くこともあります。

 こう書くと「苦しみや悩みがわかっているからカウンセリングに来るのでしょう?」と感じる人もいるかもしれません。
 しかし大抵の場合そうではありません。

・家にいるとイライラする
・将来が不安
・子どもにきつくあたってしまって、手を出しそうになる
・学校、仕事にいきたくない

という相談があった時、その言葉の奥にある〈悩みの本質〉を探るのです。

 カウンセリングトークはまずその〈悩みの本質〉を探ることに役割りの多くを割くことになります。

 たのしい教育研究所ではカウンセリングが成り立たなくなった状況、どう進めていいのかわからなくなった時などの〈カウンセリングスーパーバイズ/カウンセリングドクター〉も実施しています。
 学校でのカウンセリングなどで困ったり、自分の技をみがきたくなったらご相談ください。一緒に〈たのしい教育〉を広げて賢い笑顔を育てる〈簡単な方法〉があります。このリンクのクリックでブログ評価に一票入ります!

 

学校でも家族でも〈予想するから賢くなる〉 竹の花について②

 予想することはたのしく賢くなることに間違いなく繋がります。家族で食事のひととき、学校で授業の時などにこのサイトをどんどん利用していただけたら幸いです。では〈竹の花を見るチャンスがないのはどうしてか〉というお話です。

 私たちが目にする多くの植物は〈花〉が咲いて〈タネ〉ができ、それが落ち、運ばれで広がっていきます。ところが〈竹の花〉はめったに咲くことがありません。

 竹がいろいろな植物の間に一本だけ育っていることはほとんどなく、大抵はあたり一面が〈竹林:ちくりん〉になっています。

 その竹の地下をほってみると、地面の中で根っこのあたりつながっていることがわかります。地面の中で繋がって周りに周りにと広がっていくのです。ですから〈花⇨タネ〉という方法をとらなくても自分の仲間をどんどん広げていくことができるのです。
 地下の部分は地上の〈茎〉と似ていることもあって、地下で広がっていく部分を〈地下茎:ちかけい〉と呼んでいます。この写真の繋がっている部分がそれです。

 竹の花に関するまとまった研究には残念ながらめぐりあっていません。概要的にはwikipediaに書かれている内容が、いろいろなサイトで利用されています。それによると
「竹の花の周期はきわめて長く、おおよそ120年周期であると推測されている」という説明されています⇨ 

 〈竹の花〉というキーワードで検索すると、そういう説明を目にすると思います。国の機関である〈農林水産省〉のサイトにも似たようなことが書かれていますから、よほど確かな研究が少ないのでしょう。

 120年周期で花が咲くのかどうかわかりませんが、とにかく〈竹の花はめったに咲くことがない〉いうことは事実です。

 その①で「私はみたことがある」と書きましたが、それは30年くらい前のこと、沖縄県うるま市の地域ニュースで〈めずらしい竹の花が見つかった〉という文章を目にしたからです。その出所を探って訪ね、ある民家のそばで実際に見ることができました。

 もしもみなさんが〈竹の花〉を見つけたとしたら、それはとても貴重な花です。〈たのしい教育研究所〉にご一報ください。
 その時には「沖縄の山の花さんぽ」の著者で、研究所の応援団〈安里肇栄〉さんに連絡して、一緒に写真をとりにいきたいと思います。沖縄本島内であれば、ですけど…

 予想することで子どもも大人も〈たのしく賢く〉なっていきましょう。
 次回もおたのしみに。

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たのしい研究 ヘルモントさんの考えたこと 植物の体は何で出来ているか? ③ アシモフさんの〈生物学小史〉から

 ヘルモントさんの研究の続きは、アイザック・アシモフさんが書いた〈生物学小史〉から引用してみます。アシモフさんはSF小説の巨匠であり〈生化学者〉でもあります。彼の書く科学の解説書の多くは、興味深いものが多く、学生の頃からたくさん読んできました。今回とりあげた謎についても書いてくれています。

アイザック・アシモフは、アメリカの作家、生化学者である。その著作は500冊以上を数える。彼が扱うテーマは科学、言語、歴史、聖書など多岐にわたり、デューイ十進分類法の10ある主要カテゴリのうち9つにわたるが、特にSF、一般向け科学解説書、推理小説によってよく知られている wikipediaより


 この本は50年以上前に出版されたものです。普通の本の厚みがあるのに550円。本の値段はずいぶん上がってきましたね。

 話を戻しましょう。この本から関係するところを抜粋します。読みやすいように少し手を加えました。

 生物についての最初の化学的実験はフランダースの錬金術師へルモント(Jan Baptista van Helmont,1577〜1644年)によってなされた。
 ヘルモントはあらかじめ重さを測っておいた土でヤナギを育てた。水だけを与え, 5年後にヤナギは74 kg 増量し、しかも土は57g しかへらないことを示した。
 このことから,彼は木はその成長のもとになる物質を土からではなく(これは正しい), 水からとっている(少なくとも部分的には間違っている)と結論した。

 

 不幸にも,ヘルモントは〈空気〉を計算に入れていなかった。そしてこれは皮肉なことである。というのは,彼は空気のような物質を最初に研究した人であるからである。
 彼(ヘルモント)は“gas”(気体) ということばをつくり出し,彼が“spiritussylvestris”( “木の精”)と名づけた蒸気を発見した。彼が〈木の精〉と名付けた物質は, 後に〈植物の生育〉のおもな原料となっている〈二酸化炭素〉とよぶ気体であることがわかった。
 生物についての化学(現在われわれはそれを生化学とよんでいる) のへルモントの最初の研究は,他人の手により発展し育てられた。

 

 植物の体は〈水〉と〈空気〉からできているのです。

 こんな小さなタネが…

 こんなに大きな樹に育つんです。
 そしてその植物の体のほとんどは〈空気と水〉から出てきているというのです。
 信じられないかもしれませんけど本当のことです。

 

 植物の体については、小学校六年生の理科の単元〈植物のからだ〉で出てきます。
 そして残念なことに、こういう興味深い内容を興味がわかない形で、あるいは〈テストに出ます〉的に学んできた人たちがたくさんいます。
 現在残されている科学的な法則や真理は何一つといって無味乾燥的なものはありません。
 全てにおいて、わたしたち人間が感動をもってうけいれてきたものだといってよいでしょう。
 この宇宙の全ては〈原子や分子〉でみていくと、とてもよく分かるようになります。ぜひ、自分でもこれから学んでみませんか。1日1度のこの「いいね」で〈たのしい教育〉を一緒に広げましょう➡︎ いいね=人気ブログ!=ジャンプ先でもサイトをワンクリックするとさらに嬉しく思います

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自由研究こそ本物の研究〈植物のからだ〉ヘルモントさんの研究-自分で考えてみよう(1)

〈自由研究こそ本物の研究〉というフレーズは賢くなるためにも人生をたのしむためにも大切なフレーズです。たのしい教育研究所に足を運ぶメンバーはそれぞれがいろいろなテーマで自由研究しています。

 ある日の自由研究の様子の一コマです。

 ある植物のタネです。サヤを割った状態です。テーブルからはみ出るくらいのサヤの中にタネが入っています。

 何の植物のタネか?

 これです。ホウオウボクといいます。

  すくすく成長すると高さは2階建ての建物くらい、枝の広がりで普通の教室ほどもあります。大きく枝を伸ばして、広い木陰を作ってくれます。

 ところでみなさん、あの小さな一粒のたねが、こんなに大きく育ってしまうことに驚きませんか?

 スイカのタネよりふた回りくらい大きい感じで、長さは2cmたらずです。

 重さはどれくらいでしょう? 測ってみると1gもありません。 何個かのせてみると、5個で2gを示しました。 一個あたりの重さを計算すると 2g÷5=0.4g です。 ホウオウボクの重さはいくらあるか予測するしかありませんが、大人一人70kgくらいだとして、少なめにみても、その5人分はありそうです。何しろ木の幹は重いのです。
 そうそうホウオウボクも当然根っこが拡がっていますから、これも少なめにみて大人1人分で計算すると
・・・
大人6人分、70kg×6=420kg
と概算しておきましょう。
 この様に強引に〈概算する〉ということはとても大切な力です。
 外れていてもよいのです。
 「とりあえずこの計算でいくと、こういうことが言えそうだ」
という様に予測することができるわけですから、いろいろな研究の大事なスタートになるわけです。
 この小さなタネ、0.4gのタネが400kgくらいに成長するということは、10万倍に成長してしまうということになります。 重さでいうと 420kg−0.4g = 420000-0.4 = 419999.6g がタネ以外の物質だということです。

では、この419999.6gの重さはいったいどこから来たのでしょう?

みなさんはどう思いますか?

 今から400年ほど前にフォン・ヘルモントさんという科学者がいました。

 ヘルモントさんも、植物のからだは一体何からできているのか、にとても興味を持ちました。
 そして、ヤナギの木を使って研究(つまり自由研究)をはじめたのです。

つづく
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