自由研究 パパイア・パパイヤ・パパヤの研究/呼び名・品種改良

 パパイア・パパイヤ・パパヤをご存知でしょうか、沖縄ではけっこう目にする植物です。話を進める前に、二つの呼び名について書きましょう。知っているという皆さんは〈パパイア〉と〈パパイヤ〉のどちらで読んでいますか?

 私が子どもの頃、大人たちは〈パパヤ〉の末尾に来る〈ア〉の音もはっきりと発声したり、〈パパヤ~〉と伸ばして呼んでいたのを覚えています。

 ネット検索サイト〈コトバンク〉には

沖縄県、沖縄本島方言で、青パパイヤのこと。同県の伝統的農産物(島野菜)のひとつで、熟する前の緑色のものを調理して食する。
          https://kotobank.jp/word/3

とあります、ただしこの説明は大いに疑問です。
熟する時を隔てて呼び名を変えていた記憶はありません。それからパパヤを〈沖縄本島の方言〉と断言しているところに異議ありです。

妖しい感じの作品なので私は見ていないのですけど、ベトナムの映画に〈L’odeur de la Papaye verte/邦題:青いパパヤの香り〉という作品があります、ベトナムでは〈パパヤ〉と呼んでいることがわかります。

 外国から渡ってきて時の正式な呼び名を沖縄では残していたのではないかと考えられます。

 さっそくウィキペディアで学名を調べてみるとこうありました。
 呼び名の部分を強調表記しておきます。

パパイア(パパイヤ、蕃瓜樹[3]、万寿果[3]、英語: Papaya、papaw、pawpaw、学名:Carica papaya L.   https://ja.wikipedia.org/wiki/

 つまりグローバル(世界的)には〈パパヤ〉です。
 琉球はもともと一つの国でした、グローバルな感覚を残しているのです、すばらしい。

 ウィキペディアには続いてこうあります。

 日本の園芸学会での正式呼称は「パパイア」だが、農業界では「パパイヤ」を正式呼称とするため、農薬登録名は「パパイヤ」となる。

 園芸学会は〈パパイア〉、農業界では〈パパイヤ〉、世界的には〈パパヤ〉。
 つまり「どっちも正しい」ということでよいでしょう。

 私は琉球の言葉を敬愛しているのと、グローバル感が好きなので「パパヤ」と呼ぶことにします。

 名称の整理で少し長くなりました、ただし、名前・名称というのはその本質に深く関わっているので、何かを調べていく時には重視しなくてはいけないものだと思います。

 さて最近、要請された仕事があって歩いている時に、二階建てくらいの高い位置に実をつけているパパヤを目にしました。

 

 普通に目にするものよりずっと実がたくさんついています、こちらの側で50くらいありますから、全体では100くらいの実がなっているでしょう。
 この記事の最初のパパヤの写真と比較、ずいぶん違うことがわかると思います。

 別の日、フィールド散歩していると、びっくりするくらい低いパパヤを目にしました。
 一番高い位置でも1m少しくらいです。

 実がつくのかなぁ、とのぞいてみたら、すでに実がいくつもありました。

 同じパパヤでも、これだけ特徴的なものがあるんですね。

 美味しさ、糖度の研究もすすんでいるでしょう。

 自然界は多様です、植物も多様です、その多様な中から自分たちに都合のよい性質もの同志を交配させて種を取り、それをどんどん繰り返していくうちに、実がたくさん成る品種とか、身長が低い品種とか、いろいろなものを育てていくことができます。

 みなさんの周りにもいろいろな特徴のある植物がたくさんあると思います、自由研究してみませんか。

 最近「このサイトの記事を学級で利用したい」という問い合わせがきました。〈たのしい教育研究所の記事です〉ということを公開していただければ利用は自由です。写真などをみせながら、どんどんこどもたちにも伝えてください。

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〈たのしい学力向上〉と〈家庭学習〉/読者の方からの質問に答えて①

 読者(沖縄県の小学校の先生)の方からこういう質問が来ました。「自分が子どもの頃は家庭学習を自分で決めてすすめていたのですけど、今、学校では〈今日の家庭学習はこれこれ〉という様に指定するのが普通になっています。いつからそうなったのですか?」という内容です。
 学校の学力向上推進の話合いの中で「先生が家庭学習の内容をちゃんと指示してくれなかったので、家庭学習をやってきませんでした」という子がいて、それが一人二人ではないということがわかったのだそうです。

「家庭学習というのは自分の力を高めるためにとりくむものであって、ここをやるようにと言われたらやる、そうでなければやらないというものでよいのか?」それが、質問してくれた先生の問題意識のようです。

 みなさんはどう考えますか?

 私は大学を卒業して1984年から小学校の教師をしてきましたから、今の若手中堅の先生たちより、学校の教育に長く関わってきています。私が大学で学んでいた頃、沖縄県の教育委員長をしていた大浜法栄(おおはま ほうえい)氏が著した「教師は学力低下の最大責任者」という本が話題になっていました、1979年の出版です。

 大浜方榮は沖縄県医師会の会長をしていたのですけど、教育に関わるようになり、教育委員長の位置につき、のちに自民党参議院議員となり、農林水産政務次官をつとめています。※写真は著書(上記)から


 教師に最大の責任があるのか、行政に責任があるのか、社会環境にあるのかなど、最大の原因を誰にもっていくのかは別にして、次第に沖縄県のこども達の学力の低さは教育界の大きなテーマとなり、1988年には沖縄県教育委員会の取り組みとして正式に「学力向上対策」がスタートすることになりました。それは現在も続いていて、数えると34年目に入ったことになります。
 学力テストの得点を〈学力の数値〉だといってよいのかどうかは別な議論として考えておく必要があるのですけど、小学校では全国学力テストの得点で全国平均を上回る位置にいます。中学校は次第に全国との差を縮めてきています。

 

 沖縄県教育委員会のデータからhttps://www.pref.okinawa.jp/edu/

 実は家庭学習の出し方についてもこの学力向上の取り組みとかかわりがあります。

 沖縄県の学力向上対策の中で「家庭学習を授業と結びつけていこう」という指導が行われ、次第に、こどもたちそれぞれの問題意識による家庭学習ではなく、学校の授業の補完という位置付けになっていきました。これも私が教師を初めて数年後のことだったと記憶しています。

 学習が進んだ子ども達はどんどん先の内容を家庭で学習したり、算数が苦手だという子が前の学年の内容に戻って家庭学習していくスタイルはなくなっていき、「国語教科書の◯ページから◯ページまで写本」とか「算数の◯ページの問題」など、教師が指定するスタイルになっていったわけです。

 質問してきてくれた先生は、これで「なるほど」と納得したわけではありません。はじめに書いたような問題意識がひかえていたからです。

「はたして、こういうやらされ型でいいのか?」
「家庭での学習が〈学校の7校時目〉として位置付けられるようなものになっていないか・・・」それを一人の教師として問いかけているのです。

 たのしい教育側の答えを書くのは簡単ですけど、読者の皆さんの意見も聞いてみたいのでワンクッションおかせてください。

 先生中心の指示・指定型の家庭学習のままでいいのか?

 みなさんはどう考えますか。意見を聞かせていただけたら幸いです。

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たのしい〈雲〉の見方/たのしい学力向上

 雲は強引に10種類に分類してあります、理科の教科書でもその10種類「巻雲」「巻積雲」「巻層雲」「高積雲」「高層雲」「積乱雲」「乱層雲」「積雲」「層積雲」「層雲」を取り上げていて、それぞれの特徴をとらえて分類できるとテストで良い点がもらえます。

 無料公開されているプリントがあります、感謝してその一部を参照させていただきます。こんな感じです。

 ちなみに答えは  ①エ ②イ ③ウ ④ア です。

 

 ところでこれは先日私がフィールドを歩いていた時に撮った写真です。

 思わず見とれてしまいました、手前に向かって流れているのが〈すじ雲/巻雲〉です。

 たの研の学力向上は、まずこういうシーンに心動かされることを重視しています。

 その後一時間くらい歩いているうちに陽が傾いてきました。すじ雲が左と右で形を変えています、上空の空気の流れが明らかに違っているからです。

 最近はタブレットを一人ずつ持ち帰っているようですから、〈気に入った雲を写す〉という課題を出して、それをもちょって「この雲はここがおもしろい、ここが不思議だ」というような話を出しあってから、雲の学習に入るとよいと思います。

 このサイト内の検索欄に〈雲〉と打ち込むと「鳳凰の翼なような雲」など、いろいろな雲の話が出てきます、合わせておたのしみください。

https://tanokyo.com/?s=%E9%9B%B2

 

 

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自由研究〈どうすれば枝に火がつくか〉こども達に火を使う経験を!/たのしむことが本物の学力

 知人のところでもオール電化システムが増えてきて、家庭で炎を使わない人たちが増えてきたようです。安全のためには大切な技術でしょう。それはそれでよいのですけど、アウトドア派の私からすると、それだからこそぜひ子ども達に伝えてほしいと考えている技術があります。
  マッチやライターで火をつける技術です。
 私が学校で教師をしていた頃はマッチで〈わりばし〉に火をつける方法をとりあげたりしていたのですけど、ファミリーでたのしめる方法を紹介します。

 これは私が長年使ってきたバーナーの一つで、アウトドアでよく使っているのですけど、こういうものより先に直接〈木の枝〉に火をつけてたのしんでみましょう。


 最近はホームセンターで〈焚き火台〉も簡単に手に入る入りますから、それを利用してもよいですし、庭でできるなら直火でもよいでしょう。

 ただし〈消火用の水〉は大量に準備しておくことです。家庭なら〈必ずホース〉で消化できる様にしましょう。私はよく海などで火を使うので〈バケツで大量に水をかけることができる様にしています。

 ここまでは要りません、

こんなタイプで〈水量最大〉にしておきましょう。

 

 

 キャンプファイヤーなどの経験で〈焚き火〉にこういうイメージを持っている人たちが多いと思うのですけど、焚き火の基本は〈細い枝〉をたくさん準備することです。

 

 並べ方とかあまり気にせず、まずこんな感じで火をつけてみましょう。

 炎を見ながら飲みものなどを味わうだけでもよいのですけど、串にパンを指して直火で焦げ目をつけて食べると、とても美味しいですよ。


 チーズもいけます。


 わたしはマシュマロはノーテンキューなので食べませんけど〈焼きマシュマロ〉は美味しいという話はよく聞きます、興味のある人は試してみ てください。
 終わったら〈しつこいほど〉水をかけましょう。
 枝の奥の方に火種が残っていることがよくあるからです。焚き火を数々経験してきた人たちの中には、夜、消したと思っていたのに、朝になるとその木が全部〈灰〉になっていて、実は消えていなかったということに気づいて驚いた人もけっこういると思います。
 そういう先人たちの失敗から事前に学んでおくことは大切です。
 人類が何十万年も前から付き合ってきた〈火〉を安全にコントロールする技をみにつけてたのしんでください。
 これからオール電化の波はどんどん広がっていくでしょう。きっとその技は貴重なものになるはずです。非常時に命を守ることにもなるでしょう。

 夏休みのメルマガの人気は〈アウトドアシリーズ〉です、また仲間と外で焚き火して、たのしみ方にメルマガに載せようと思います。

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