こんなに面白い場所はなかなかないと思います-たのしい夏目漱石研究

 時間ができたらそこでのんびりしたいと考えている処がいろいろあります、その一つが図書館。よくぞ図書資料を一般の人たちに開いてくれたと、いくら感謝してもしすぎることはありません。

 図書館自体は古代ギリシャにルーツをたどることができるのですけど、広く一般の人たちに向けて本が利用できるような公共図書館は、どうも17世紀から18世紀のヨーロッパにルーツをたどることができそうです。とはいえ、まだはっきり調べたわけではないので、確定ではありません。

 先日、夏目漱石は話し言葉をカッコ閉じしているのに〈  〉、教科書に載るときに句点+カッコ閉じ〈 。」 〉にかえている、という話はいろいろな人たちから、おもしろいという評価をいただいています、ありがとうございます。

 その時に図書館でいろいろな本を手にしたのですけど、夏目漱石について以前から気になっていたことの解決の重要なデータを得ることができました。

wikipediaに感謝して掲載

 予想することが賢くなる秘訣、たのしくなる秘訣だという話はこれまで何度もしてきたのですけど、私自身が数えきれないくらいたくさんの予想を立てて棚上げしてあります。その一つが漱石は英語に堪能でイギリスに留学していたくらいなので、きっといろいろな文学作品に触れていて、それが彼の作品の重要なヒントになっているだろう、「坊ちゃん」とか「吾輩は猫である」も実は英文学に似た作品があるのではないだろうか。

 たとえば『吾輩は猫である』のように、猫が語りながら物語をすすめていく作品の構成は夏目漱石のオリジナルか?
 そうだとしたら同じ日本人として誇らしいですね。

 みなさんはどう思いますか?

予想「吾輩は猫である」のアイディアは

 ア.漱石のオリジナル

 イ.似た構成の英文学作品に影響された

どうしてそう思いますか?

 ※

 今回借りた一冊がこれ、板垣直子著『漱石文学の背景』。

 この中に、ホフマンの「雄猫ムルの人生観」という本と漱石の「吾輩は猫である」の類似性がしっかり書き込まれていすま。

 

 これをキーに、いろいろ調べていくと、漱石がホフマンのその作品に強く影響されて「吾輩は猫である」を書いたことは間違いなさそうです。

 が、趣味の範囲になりそうなので、また時間のある時に文体の比較による論証をしていくということで、ここでは、かなりの可能性としてとどめておくことにしましょう。

 そういうコンセプトを漱石が英文学から得たとしても、漱石の実力がそこなわれるわけではないと思います。
 人間の思考は周りのいろいろなものから影響を受けていくわけで、それは当然といえば当然だからです。

 自由研究というのは何も科学的なものに限られるわけではありません。予想を立てて、その謎を追いかけることは、ある教科やジャンルに縛られるものではなく、広く森羅万象に広がります。

 その答えが秘められている図書館というのは宝の山だなと思える日々です。

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板倉聖宣「たのしく学んだ知識こそ身につく」-たのしい教育の見方・考え方

 久しぶりに板倉聖宣先生のものの見方・考え方を紹介しましょう、最近のメルマガに載せた記事の一部です。

 この中で板倉先生は

たのしくなくて無理やりおぼえこまされた知識でも、(     )をするときには役立つことがあります。

と言っています。

いやいや覚えこんだものでも役立つことがあるのか?

そういう視点で読むのもよいと思います。板倉聖宣

たのしく学んだ知識こそ身につく
 民主主義の社会では、国民の一人ひとりが自ら道を開く能力をもっている必要があります。
「これからの社会をどのような方向に発展させていったらよいか」ということについて、国民の一人ひとりが意見をもたなければなりません。
 そのためには世界の地理や歴史について、また科学や経済や政治について、自分なりの判断ができなければなりません。
 いやいや勉強したのでは、そんな判断など下せるはずがありません。
 授業がたのしくなくて無理やりおぼえこまされた知識でも、だれかの仕事の下請けをするときには役立つことがあります。しかし、そういう知識は、自分自身が主人公となってものごとを判断するときには、ほとんど役に立たないのです。

月刊たのしい授業1983年3月 創刊0号より

いやいや覚えこんだものでも役立つことがあるのか?

「誰かの下請けをする時は役立つことがある」

と言っているのですけど、他にもありますね。

「競争をして、他の人たちより自分は得点が上だと自慢する時」にも役立ちます。「受験」でも役立つことがあるでしょう。

けれどそれらは時分が主人公として人生を生きていく時、新しい問題や課題が目の前に現れた時にそれを突破する力としては役立たないでしょう。

 一部の人たちでなく、多くの人たち、弱い立場の人たちも豊かに生きていける社会を作るには、たのしく学んだ知識でなくては役立ちません。

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教科書の表記が絶対正しいというわけではないという話( 。」)③-たのしい国語

 原稿用紙の使い方で作文嫌いを生まないように、という話はいろいろな方たちの心に響いたようです、いろいろ好意的なお便りをいただいています。とはいえ先生たちはあいかわらず、かぎカッコで閉じる時は句点を打ってから( 。」)と指導しないといけないでしょう、どうしたらよいのか? その話をして閉じることにします。

 今回のテーマは「こっちの表記が正しいくて、あっちの表記は正しくない」というために書いたものではありません、タイトルにあるように「教科書の表記が絶対正しいというわけではない」という話です。

 カッコで閉じる時に句点(  )を省く人が多いとはいえ、正岡子規のように句点+とじカッコ( 。」)する文人もいますし、一般の人もいるでしょう。

 学校で指導する時には「学校では原稿用紙の使い方として、これこれこういう指導をするけれど、そうでないものは間違いだというわけではありません。たとえば句点+ 」 について、句点なしの人たちもたくさんいます。新聞だって句点なしでカッコを閉じています。

 そういうことを並列して伝えるとよいのです。

 そもそも学校の表記が句点+とじカッコ( 。」)なのは何を根拠にしているかというと・・・

 1946年3月に〈文部省教科書局調査課国語調査室〉が作成した「区切り符号の使ひ方(案)」です。案のまま確定されない状態で、80年以上ずっとそれを踏襲しているわけです。

https://www.bunka.go.jp/kokugo_nihongo/sisaku/joho/joho/kijun/sanko/pdf/kugiri.pdf

 時代とともに変わっていく言葉もあれば、変わっていく表記もあります。私は「」より〈〉符を多用します、読みやすいわかりやすいという声も聞きます。自分にしか適用されない符号だと困るのですけど、周りの人たちがわかりやすいものなら、使ってかまわないでしょう。

 いろいろな表記方がある、という流れで柔軟に対応できる子どもたちを増やしていって欲しいと思います。くれぐれも、原稿用紙の使い方を徹底して作文嫌いを量産することだけは避けて欲しいと願います。

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教科書の表記が絶対正しいというわけではないという話( 。」)①-たのしい国語

 前に〈かぎカッコと句点〉について書きました、会話部分をカッコでくくって、その閉じの部分「◯◯◯◯  。」が気になるという話です。句点〈 〉も文を閉じる記号で、閉じカッコ〈 〉も同じく閉じる記号です。無駄であるだけでなく美しさにかける。

 その記事の中で《 作家本人は 」 でシンプルに閉じているのに、それを教科書に載せると時 。」 に変えてしまっているのか》という宿題が残されていました。もしそうだとすると、作家本人はそう書いていないのに、教科書で日本中の子どもたちが目にするので、まるで本人がそのように書いたと考えてしまいます。

 これは私が親しんでいる高校の国語教科書にある夏目漱石の「心」の一節、中程に有名な言葉〈精神的に向上心のないものはばかだ〉という言葉が出ています。「 」で括られていて、句点+」ですね。

では夏目漱石の本は、そうなっているのでしょうか?

残念ながら本屋さんにいく時間的なゆとりもなくなっているのですけど、便利なことに電子書籍があります、kindleで調べてみましょう。その言葉は左側に位置しています。

 kindleだけで判断するのは早計でしょう、とはいえ、結果の一つはみつけたことになりますね。

 全集なども含めて、作家本人は私と同じようにシンプルにかぎカッコのみで閉じているのに、教科書に載る時には〈句点+ 」〉になっているのか、実は本人がそうしていたのか、はっきりするでしょう。

 推理小説のように謎を解く、こういうディテクティブ(捜査)もたのしくてやめられません ´ー`)
 こういう過程の一つひとつも、自分の頭で考えて確かめていくという〈騙されない人間になるためのステップ〉です、興味ある方は一緒にやってみませんか。

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