たのしい科学 虹とプリズム

 虹が好きな人は多いと思います、〈たの研〉のメンバーも虹が大好きで、発見した人は写真にとって送ってくれます。最近も海におりていく気持ちいい虹の写真が届きました。

 ところで皆さんはプリズムという透明の多面体をご存知でしょうか?

 太陽の光などは透明なのですけど、プリズムを通すといろいろな色の光に分かれていきます、太陽の光にはいろいろな色が合わさっているてのです。

 このプリズムで分かれた色をよくみてください、上から順に〈赤系⇨黄系⇨緑系⇨青系〉に分かれてみえますね。

 さてこれは〈たの研〉のメンバーが撮った、海からたちのぼるめずらしい虹です。

 

 海や空の青に重なって、それほどはっきりしないのですけど、上から順に〈赤系⇨黄系⇨緑系⇨青系〉になっています、プリブムで分かれた色と同じです。

 その時の状況によって色がはっきりしたりわかりにくかったりするのですけど、どの虹もこういう色に分かれます。

 では空にプリズムがあるのか?

 実は水の粒がプリズムの役を担います。

 だから雨上がりの空などで、上空に水滴などが浮いた状態の時に虹が見えます。

 太陽が出ている時、ホースで空中に水滴を分散させても虹をつくることができます、やった人もいると思います。

 空中にただよう水滴がスクリーンの様になって、太陽の光を跳ね返し、その時にプリズムの様に光の色を分けてくれるのです。

 水の粒はまん丸です、はじめに載せた〈プリズム〉の形とは違いますね。

 それなのにどうして光を分けてしまうのか、それに興味のある人は、いろいろ調べてみるとよいですよ。

 また新しい世界が広がっていくはずです、学ぶということは基本的にとてもワクワクすることですから。

 板倉聖宣先生も〈光と虹〉という授業書を作ったのですけど、〈たの研〉では低学年のこどもたちからたのしめる虹の教育プログラムをつくろうと思っています、いつになるかわかりませんけど、少し期待していてください。
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〈冬至〉の日を祝う素敵さ/読者の方のたよりから

 クリスマスはヨーロッパに古くからあった〈冬至/とうじ〉を祝う日でした、と書いた記事に心動かされた方たちが何人もいて、長いおたよりを書いてくれた方もいました。その方への返事の中に書いたものを少し紹介しましょう。

 「クリスマス」はキリスト教ができた時、その「冬至の祝いの日」をうまくとりこんだという話を書いたのですけど、キリスト教が生まれるまえから、ヨーロッパではずっと「ユール(スウェーデン語: jul、英語: yule)」というお祭りをしていた日でした、今でもクリスマスと言わず〈ユール〉と呼んでいるところもあるといいます。

ユールスウェーデン語: jul英語: yule)は、古代ヨーロッパゲルマン民族ヴァイキングの間で、冬至の頃に行われた祭りのこと。

のちにキリスト教との混交が行われたが、北欧諸国では現在でもクリスマスのことをユールと呼ぶ。

ウィキぺディア
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A6%E3%83%BC%E3%83%AB

 

 それにしてもどうして冬至が嬉しいのでしょう?

 一年のうちで最も〈昼の時間が長くて夜の時間が短い〉のが「夏至/げし」で、最も〈昼の時間が短く夜の時間が長い〉のが「冬至」です。
 明るい昼が短い日なのに、どうしてそういう日を祝うのか、不思議に思ったことはありませんか。

 日々長くなっていく夜の闇が底をつく日だからです。

 この日を境にして次第に昼の時間、太陽が地上を照らしてくれる時間が長くなっていくからです。

 昔の人々は、その現象にうまく説明がつかないことのほとんどを〈神様〉のせいにしてきました。日の長さは〈太陽に向ける地球の角度〉がつくりだす現象だということは分からないので「この日を境にやっと太陽神が復活してくれるぞ」と喜んだのです。一年のうちでもとても嬉しい時なので、何日もかけて祝ったといいます。

冬至前後の北極圏の国々では、日中でも暗く太陽が沈んだ状態「極夜(きょくや)polar night」が続く。

冬至の頃に昇る太陽は非常に神聖で貴重なものとされ、人々は大いに太陽の復活を祝った。これがユール祭の始まりである。

https://www.worldfolksong.com/christmas/topic/yule.html

 ヨーロッパにかぎらず、暗闇が長いことは事件や事故に巻き込まれる可能性も高くなるということです、命の危険も増えます。
 植物にとっても、エネルギーの源である〈太陽の光〉をあびる時間が増えて光合成がすすみます。

 北半球に住んでいる私たちには、冬至を境にこれからやっと太陽が姿を見せてくれます、私自身にとっても嬉しい日です。

 沖縄もめずらしくとても寒い日々が続いているのですけど、これから日照時間が長くなるぞと考えて、元気にたのしくいきましょう。

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言葉の感覚と優しさ:〈狂い咲き〉という表現の怖さに気づくことからはじめよう/楽しい言語感覚・楽しい学習〈数学〉

 私たちが周りの人たちと関係を作っていく時、いろいろな要素が関わっていきます。
〈姿かたち〉や〈雰囲気〉は周りの人たちとのよりよい人間関係をつくるきっかけになるでしょう、けれどそれだけでよい関係を継続していくことはかなり難しいでしょう。

※この記事は2日前の数時間程度、作成途中でアップされてしまいました、すみません。校正して再公開しています。その時に読んだ方も、中身は読みやすくなっていますから、ぜひお読みください。

〈しぐさ〉〈身のこなし〉はよりよい人間関係を育てていく重要なファクターです、けれど〈言葉〉はもっと重要です。

 言葉にはその人の心の中にある思いや感情が表れるからです。

 もちろん嘘や偽りの言葉もあります、しかしそれは長続きしないもので、結局その人の心の奥にあるものは、その人の語る言葉たちによって周りに知られていくでしょう。

 昨日〈たの研〉の帰り道、ラジオから〈狂い咲き〉という言葉を耳にしました。
 いろいろなサイトにもそういう言葉がたくさんあります。〈狂い咲き〉という言葉で検索をかけると約85万件の記事がヒットします、例えばこれは〈◯◯の狂い咲きの原因〉というタイトルで書かれた記事の一部です。

 今回はその言葉をきっかけにして考えてみましょう。

〈狂い咲き〉という言葉は周りの人たちも気軽に使っていて、それをモデルにたくさんの人たちが普通に使っていくことにもなります、とりわけ子ども達はそうでしょう。
 けれどたとえばこの記事をきっかけにして、私たちが何気なく使っている言葉をみなおすことで、ものの見方・考え方の感覚も磨いていける様になると思います。

 さて、平均から大きく違っていることを〈狂っている〉と表現することを、少し離れたところから眺めてみてくれませんか。

 そこに差別的な、暴力的なものを少しでも感じるとしたら、それが自分の発する言葉の感覚を磨いていくことに必ず繋がると思います。

 とても早く咲く桜の花には〈早咲き〉とか〈超早咲き〉と表現すればよいだけです。本来の意味で〈一番ザクラ〉と呼んでもよいでしょう、混乱するかもしれないので〈最速ザクラ〉も良いかもしれません。
 その姿に感謝と嬉しさを重ねて〈親切ザクラ〉と呼びたい気持ちもしてきます。

〈狂っている〉なんて表現することは全くないのです。

自然の姿

 そもそも自然界の現象は正規分布(ガウス分布)のカーブのようにちらばっていくのです。

 

 σ(シグマ)は標準偏差(平均値からのバラツキ具合) です。σの値によって急カーブになったり、ゆるやかで幅の広いカーブになったりする違いはあるとはいえ、

 重要なことは「自然にみられるものごとは平均を頂上にしてすそのの様に+とーの向きに左右対称に広がっていく」事実です。

 身長も正規分布します、高い人もそうでない人も同じ様にいるわけです。

 体重も正規分布します、人間だけではありません、ネコもイヌもゾウもそうです。

 たっぷり実ったみかんやリンゴの実の大きさも正規分布します。

 行動についてもそうです。
 普通の状況なら、朝の七時の起床時間にセットしたスマホが鳴った時、それを聞いてからあなたが〈よっこらしょ〉と起きるまでの早さも、平均値を頂上にしてそれより早い時もあれば遅い時もある。左右に裾野の様に広がります、つまり正規分布します。 

 特別の条件を加えた時、たとえばあるクラスの半分だけに答えを教えて残りの半分には教えないという様なことをした場合には、テスト結果は正規分布しません。しかし自然の状態なら〈大抵のものは正規分布する〉という様に考えていてまちがいありません。

 桜の開花も正規分布するのです、とても早く咲くサクラもとても遅く咲くサクラもあります。
 それは〈狂っている〉わけではありません、正常なばらつきの一つだということです。

 平均値から大きく外れてしまうことを表現する言葉で相手を傷つけない様にしたい。たとえ相手が植物や動物たちであっても、それは同じだと思うのですけど、どうでしょうか?

 そういう言葉は他にもあるでしょう。
 以前書いたと思うのですけど〈障害〉という言葉もその一つだと思います。

 そういう場合は〈ハンディーがある〉でどうだろう。
 医療現場や心理分野で〈病名〉の様なものをつけざるを得ない場合でも『◯◯症』くらいでいいのではないか?
 そういうことはもう40年以上前から主張してきたことです。

 長くなりました。

 この話を読んで、もし同じ様に感じてくれた方は、例えば〈狂い咲き〉という言葉に出会った時「それはさ〈最速ザクラ〉と呼んだ方がいいんじゃない?」と提案してみるところから初めてみてはどうでしょう。

 長年、言語感覚を培ってきた大人には難しいところがあるかもしれませんけど、子ども達ならスッと入る言葉だと思います。

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子ども達を科学嫌いにしない〈仮説実験授業の教材観〉板倉聖宣の発想から-楽しい学習・楽しい教材

 メルマガに〈たの研10年目〉について書いたところ、さっそく反響が届いています、うれしいことです。

 そこに書いた「教材を含めて〈たの研〉にあるたくさんの財産を維持することに全力を尽くすのではなく、また初期設定に戻して、いろいろチャレンジングなことをはじめていきたいと考えています。

 新しいタイプのたのしい教育プログラムに手を伸ばしていく予定です。そういう中で、もう一度初心にかえって学び直すことも大切です。

 私が教材を作る時、読み込んでいた資料の一つを紹介しましょう。たのしく学力を高めていきたい、本物の学力を身につけてもらいたいという方たち、楽しい教材・楽しい学習を模索している方たちにも役立つものだと思います。

板倉聖宣

 仮説実験授業の授業書が〈いっさいの押し付けを排除する〉ということをうたっていたのは「言葉の押し付け」をしないように細心の配慮をしてきたからです。

 じつは仮説実験授業の授業書だって、その〈案〉の段階では言葉の使い方が適切でないことが少なくありません。

 仮説実験授業研究会の授業書改訂の席に参加すると、たいていの人は「授業書の一語一句について適当かどうか」を延々と論議しているのをみて驚いてしまいます。

 仮説実験授業の授業書は、そういう言葉遣いの一つひとつを詳しく吟味して、言葉の使い方に繊細な配慮がしてあります。そうやってどんな子どもたちもおしつけや違和感を感じずに、気持ちよく授業を受けることができるようになっているといってよいと思うのです。

 そういう細かい心遣いをしてはじめて「科学というものは何と心温かくできているのだろう」と感じさせてはじめて、子ども達を科学嫌いにしなくてすむようになるのです。

 
 仮説実験授業研究会ニュース2017年6月の内容を再校正
                    文責きゆな

〈たの研〉のメンバーと一緒に、このことを丁寧に確認しつつ進んでいきたいと思います。

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