野草でおいしい環境教育

 秋の講座を数日後に控えたある日、今回先生方にオススメする食べ物を子ども達にもぜひ味わってもらいたいと思い、
「ある食べ物を採りにいきます、なにかというと~」
 といいながら本を開きました。

 食べられる野草でたのしい環境教育です。

資料として〈たのしい教育研究所〉の仲間がおすすめしてくれた〈沖縄の植物〉の本をりようしてみました、沖縄の自然を楽しむ「野草の本」、この本とてもいい!

 文章が読みやすくて難しい言葉もなく、子ども達にもスッと入ってきそうな言葉で書かれています。

今日はその中から〈ヨモギ〉と〈シロバナセンダン草〉をとりにいきます。
どんな葉っぱかよく見て採るんだよ。
迷ったら先生やお友達に聞いてくださいね。
シロツメセンダン草の葉っぱより、花の方がわかりやすいね!

という話をした後、外に出ると、さっそく子ども達は真剣に探しています。
「先生、私、これならたくさんある場所私知ってます!」と得意げに話してくれた女の子がいました。
 その後、みんなワクワクして教師をよそに猛ダッシュ・・・

 その子が案内した場所に行くとセンダングサとヨモギがびっしり並んでいました。

 「タイムセール!」と笑いながら楽しそうに摘み取っています。

 植物をこんな風に覚えていく事も、またたのしいです。

 私が今日食べられる野草として教えた植物は2種類だったのですけど、案内してくれた子が「先生。これも食べれますよ」と言って、タンポポの葉っぱを摘んで見せてくれました。

 少しの時間で、たくさん収穫し、校内にはたくさんの野草があることをみんなで確かめられる日になりました。

 明日はいよいよ調理です!
 それをたのしみに登校してくれる子どもがいると嬉しいなと思う1日でした。

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読者の方たちから〈たのしさの意義〉を読んだ感想が届く

 二回連続で書いた〈たのしさの意義〉を読んでくれた皆さんからのたよりが届いています、少し続けさせてください。
※〈たのしい教育研究所〉の「たのしい」という言葉の意義を書いた文章に対しての便りです、未読の方はまずそれから読んでいただけますか ⇨ https://tanokyo.com/archives/150675

 読者の方からの便りの一つに「たくさんの人たちが教育をどうにか良くしようとがんばっていたらやはり良くなっていくのではないか。不登校が増えている様に、実際よくなっていないのなら、がんばっていないということではないか」という疑問が綴られていました。

 その疑問に対してやはり私は、行政の方たちも管理職の皆さんも、もちろん教師も〈良くしよう〉とがんばっていると答えます。

 具体的に〈どういう姿〉を目標にするのか、それが重要なのだというのです。

「できる・わかる」なのか「できるだけ長く学んでいる時間」なのか「先生のいうことに従う姿勢」なのか?

 たのしい教育研究所は、それを「学ぶたのしさだ」と言い切ってきました。

 単なる〈たのしさ〉ではありません、学ぶ過程の中で実験的に確かめられてきた〈たのしさ〉です。
 このことが決定的です。

 前回はあえて詳しく触れなかったのですけど、このサイトで何度も繰り返してきたように、目的意識的なとりくみの過程全てにおいて〈予想⇨実験〉が重要です。

 いつまでたっても「きっとこの方向で取り組めば大丈夫だ」と考え続けていくことが、その〈予想⇨実験〉の発想のない行為です。

 教育は間違いなく、たのしい教育の方向に向かうでしょう。
 それができるだけ早く来る様に、これからも全力をあげていきたいと考えています。

 読者の方からの便りに、この記事で返事としたいと思います。

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秋の講座のたのしい教材準備ラストスパート

今回はたのしい教育研究所の中の様子をお届けしましょう、秋の講座が一週間前に迫り、スタッフが教材準備に全力投球中です。

講座のプログラムの中で利用する教材だけでなく売り場の教材も準備していくのでかなりの大仕事です。

 こういう場合でないとなかなか準備をする時間がとれないので気合いが入っている様子が伝わると思います。

「これは今回は出さないでおきましょう」
「こどもの小遣いで購入できる価格で」
などなど、いろいろな声が飛び交いつつ、着々と講座に向けての準備がすすんでいるところです。

 どれもこども達や先生たちが本当にたのしんでくれるのかを実験的に確かめていき、勝ち残った教材たちです。
 興味のある方はお問い合わせください。

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たのしさの意義- 考えてみましょう②

「たのしい教育」「楽しい教育」で検索すると〈NPO法人たのしい教育研究所〉の公式サイトがトップにでます。みなさんのおかげで「楽しい学習・たのしい学習」や「楽しい教材・たのしい教材」でも1位か2位にランキングされるようになりました。
 それだけに、教育の中で「たのしさ」を語る時の責任を感じなくてはいけないと思っています。

 どうだったでしょう、前回の問いかけについて考えてみていただけたでしょうか?

 私たちが生きて行く時に〈論理的に考え構築してきたもの〉を優先して生きて行った方がよいのか、それとも〈感覚〉を優先した方がよいのか、皆さんの答えはどうなったでしたか?

 楽しい教育研究所の立場はこうです。

 たくさんの人材と予算と時間を投じて構築してきた学校教育システムの中で、主体である〈こども達〉がどんどん離れていくという結果を生むことになりました。

 これは文科省が発表した直近のデータ、昨年2021年度の集計です。

https://www.mext.go.jp/content/20221021-mxt_jidou02-100002753_1.pdf

 私いっきゅうは学校のシステムの中に長年いましたから教育現場にいる先生たち、管理職のみなさん、教育行政の方たちのことをよく知っています。

 一般の方たちは新聞・TVやネット上に流れる問題教師・行政官などのニュースを見ている、こんなダメダメな人たちがたくさんいると思っているかもしれません。
 違います。
 あまりの激務にそういう様子には見えないかもしれません、しかし教育に関わっている人たちは子ども達が大好きで、情熱を持っている人たちがほとんどです。
 本気で「どうにか教育をよくしよう」と考えて新しい方法を考え出し、全力でとりくんでいる人たちがほとんどです。

 しかし結果として、こども達がどんどん離れていく状況を生み出している。

 例えば民間の会社が莫大な予算と人材と時間をかけて取り組んでシステムを構築していった結果、どんどん客離れが進んでいくとしたらどうなるでしょう。

 その取組は何のためのものだったのか、そもそもそういうことを議論する前にその会社は潰れてしまっているでしょう。

 たのしい教育研究所は批判ではなく提案をする組織です。
〈たのしさ〉を指標にして教育を構築していくことによって〈こども達の、先生たち・管理職の方たちの、行政にいる方たちの笑顔とやる気が高まる〉というのがたのしい教育研究所が提唱していることで、その方法についても数々の具体的な提案をしています。そしてその取組は受講者の方たちからとても高い満足度を得ています。

 ところで単に〈たのしさ〉という場合、それは万能ではありません。中学の先生からの相談で〈万引きがたのしい〉と繰り返す人がいるという話を聞いたことがあるのですけど、そういうたのしさを追求されても困ります。

 これまでそういう疑問を投げかけられたことはないのですけど、もちろん、たのしい教育研究所は「たのしければ何でもいい」といっているのではありません。

 実験的な試みの中で〈明らかに学ぶ人たちの目が輝き知的好奇心を高め、もっと学びたいと感じるようになるもの〉それがたのしい教育です。

 その実験的な試みの中で〈論理的な思考〉は不可欠です。

 先生たち・管理職の皆さん、教育行政にいる方たち、つまり教育に関わる全体が、論理的な思考のベクトル(方向と大きさ)に私たちの感覚つまり「たのしさ」に向かっていくことによって教育は明らかに良い方向に変わるというのがたのしい教育の考え方です。

 たとえば〈かけ算〉も「覚えればよい」というものではなく、そこに子どもたちの生き生きとしたたのしさを追求する。そういう教育の中から〈生き生きとした算数・数学的な見方・考え方〉が育っていくことは、これまでの実験で明らかだからです。

 現在の学校教育は〈1872年・明治5年〉の学制以来150年という長い歴史の中で構築されています。そこに〈たのしさ〉という指標がどれだけ入っていたでしょう?
 その長い歴史のほとんどは〈欧米に追いつけ〉という取組でした。

 その取組みは明らかに成功し、日本は世界のトップレベルの成功をおさめました。

 その後〈欧米を追い越せ〉という流れがあったものの、結果的に経済的にも女性の社会進出など社会システムにしてもかなり遅れていることは明らかです。

 停滞した社会の中で明るい未来を作り育てていくことは従来のシステムの中でがんばり続けるだけでは難しいでしょう。
 新たなベクトル、それが〈たのしさ〉です。

〈たのしいことは嫌いだ〉という人には出会ったことがありません、きっと文科省の中枢でがんばっている方たち、教育委員会の中でがんばっている方たち、教育現場で全力をあげている先生たちのほぼ全てが賛同してくれるものだと思います。

 巨大なシステムが〈たのしさ〉の向きにゆっくり舵を切る、その日がくることをたのしみに、たのしい教育研究所の取組みをすすめていきたいと思います。
 読者の皆さんが応援してくれることが、元気のもとです。

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