たのしい〈動物生態学〉 昔話を読み解く/浦島太郎が助けたカメはオスかメスか?

 数年前メンバーで西表島を訪ね、〈たの研〉を応援してくれているYさんの船でいろいろ案内してもらったことがあります。その時にウミガメが予想していたより何十倍も速く泳ぐことに驚きました。

 その話をしていた時、友人が「亀といえば・・・」となぞなぞを出してくれました。

浦島太郎が助けたカメはオスかメスか?

というのです、みなさんはどう思いますか?
まず予想してみてください。

 

 オスでもメスでも成り立つお話なので、ぜんぜん気にしたことがなかったのですけど、答えを聞いて私も納得しました。

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予想してからね

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予想してからね

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お話〈ウミガメのオスは一生、水の中で過ごす〉

 海岸で卵がかえると海亀/ウミガメたちは海に向かってはっていき、そこで一生過ごします。

 ただし〈メス〉のカメだけは産卵のために陸に上がって来ます。

 つまり、浦島太郎が助けたカメは〈メスのカメ〉だというのが答えです。

 なるほど!

 すると浦島太郎がカメを助けたのは、海亀の産卵時期の研究から考えると5~8月だといえるわけですね。

 動物の生態はいろいろな研究がすすんでいますから、その視点で昔話を読んでいくと、新しい発見ができるかもしれません。何か見つけたら、〈たの研〉にも教えてくださいね。

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自由研究〈咲きまち〉花の開花ーノボタン(2)

 前回からの続き「知識技術を身に着けさせれば〈たのしさ・意欲〉が高まるのだから〈学力向上はテストの点数を上げることに視点を当てた指中心〉でよいと思う」という読者からの便りを起点にした内容です。まだの方は一つ前に戻ってお読み下さい、予想することは賢さのキーポイントです。考えてみると、そのことに関わる内容はたくさんあるので、可能な方はこのサイト全体に目を通していただけると嬉しいです。
※手違いで1時間半ほど〈下書き〉状態で公開してしまいました、すみません。少し手を入れていますので二度目の方もお読みいただければ幸いです

 摘んできた野の植物たちは開花しないのか、するのか。するとしたらそれは何日くらい先だろうかと予想を立てて実験する〈たのしい教育ワークブック〉づくりの途中研究の様子です。

 今回は〈ノボタン〉の実験です。

 ノボタンは草の後ろ側で咲いていたりするので、野山を車で走っているだけではなかなか見つけられないと思います。ゆっくり歩きながら草花に目を慣らしていってください。
 今の沖縄の野山なら、小一時間かからずに見つけることができると思いますよ。

 摘んできたノボタンの枝に芽がついたものがありました(葉が多いと水を大量に使うのである程度カットしてあります)。

 

 3日後、少しツボミが開いて中から紫色がみえはじめました、下側の芽です。

 それからしばらくの間変化があまりみられず、7日目、梅雨の雨に打たれながら初々しい花を見せてくれました。

 

 スタッフ一同、感動。

 その日、新しいタイプの講座の話し合いがあったので飾りました。

 みんなも喜んでくれました。

 ノボタンの枝を摘んできて芽が開くまで今回は〈一週間〉という日数でした。

 これを学校に務めている時に、こどもたちみんなで予想を立てて、教室に飾っておくと、さらに感動も大きいものになったはずです。

 以前の学校では〈一番ザクラ大会〉を開催していました。校庭にある桜の木が開花する日時を予想しておくのです。「こんなに植物をわくわくしながら見つめたことはなかったです」という声が先生たちからもこどもたちからも聞こえてくる盛り上がるイベントです。誰かが「見つけた~」と連絡すると、たくさんのこどもたちがそれを確認しにいって、「ほんとだぁ~」と「すご~い」と声を上げていたのを覚えています。

 ノボタンに限らず、草花の開花は心が弾みます。私たちのDNAに深く刻まれている感覚に違いないでしょう。野の植物に興味関心が高まっていくと、結果として、自然の大切さを感じ、環境問題にも関心をもつこども達が増えるでしょう、自然に対する自分の感覚が以前より高まっていることを感じる様になると思います。

 これからいくつか実験を重ねて、まとまったら、いろいろなこども達、先生たちに紹介したいと思います。それで「いろいろなこども達が喜んでくれる」という結果が揃ってきたら〈たのしい教育ワークブック〉としてまとめようと思います。「生活科」「理科」「総合」「学校行事」「国語で植物がテーマの授業の予備時間」その他、特別支援学級などでも利用できる様にしたいと考えています。
ご期待ください。

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読者の方から届いた〈知識が身についたら学力も高まる〉をきっかけに/自由研究 花の開花(咲まち)(1)

 このサイトの読者の皆さんのおかげでgoogle検索やyahoo検索の〈教育や学力〉に関わるwordで順位が上がって来て、新しい方たちがこのサイトを見てくれる様になりました。その方たちからのお便りも届いています。その一つ「テストの点数を高めたら、それで興味関心が高まるのではないか」という話がありました。以前たくさん耳にしてきた問いかけで、講演会などでも実際に答えたことがあります。

 もしかすると長年続く〈学力向上〉の取組みを支えているのが、この考え方なのかもしれません。
〈たの研〉は批判する組織ではなく〈新しい提案をする組織〉です。そういう考え方を持っている先生たちを説得しようということは考えていません。
 どちらなのだろう、という方に「こういうたのしい教育をやってみませんか」という提案を、このサイトに綴っています。
 メルマガでは「もしそれが全体的にいえることだとしたら、日本全体の意欲は高くなっているはずだが、結果はどうか」ということを統計を見ながら書いたのですけど、いずれチャンスがあれば一部を紹介したいと思います。

 ここではこのサイトで書いてきたことを振り返りたいと思います。

 そもそも人間が〈たのしい〉と感じている対象、たとえば〈つり〉のたのしさを感じ始めた人が、その知識なり技術なり能力なりが高まらない、あるいは低下していくことがあるのでしょうか?
 植物の成長をみるのがたのしいと感じはじめた人が、感じたがために植物についての知識や育てる技術などが低下していくことがあるのでしょうか? なんらかの特殊な事態がおこれば別でしょうけど、高まっていくのが普通ではないかな。

 私は一生懸命考えてみても、たのしく感じたがために、知識技術能力などが高まらなくなる、あるいは低下していくという事例を思いつかないのですけど、もしも〈ある〉という方は是非おしえてください。

 大なり小なり違いはあっても高まっていくことはほとんど間違いないと思います。

 たのしい教育研究所はこれまで人間が大切に残してきたもの、科学、技術、学問、広く文化の本質的なものを、まず感覚としての〈たのしさ〉として味わってもらう教材・プログラムを広めています。

 最近完成した『ガリレオが開いた世界』は仮説実験授業の授業書「ふりこと振動」の入り口の教材として作成しました。身近な〈菜の花〉を起点にして植物のグループに対する見方考え方にすすんでいく教材「菜の花から広がる世界」、トルク(回転力・回転能)を利用して〈飛距離〉を自由に調整できるブーメランづくりetc.
 全てが〈その内容の魅力たのしさ〉を感じることができるかどうかという視点で構成してあります。
 そして、それを受けた人たちの評価は〈たのしさ度〉だけでなく〈理解度〉も高くなり、〈もっとこういうことを学びたい〉という意欲が高まっています。

 つまり「まず〈ふりこの等時性〉はこれこれで」という様な知識内容を定着させるのではなく「たのしさを感じる中で〈ふりこの等時性〉が感動的に染み入ってくるスタイル」です。
 そういう教育をすすめていく中で、たとえば以前ここで紹介した様に、数年後「東京の大学で電気の勉強をしにいきます」「東大理系に合格しました」「あの時の授業が忘れられなくて先生を目指しています」etc. というこども達が育っているというのも純然とした実験結果です。
 こども達だけでなく〈たの研〉の講座を受講した〈先生〉たちも「早く休みが終わらないかな、こども達に早くこの授業をしたいな」といってくれる様にもなります。

 ーそれが本質的で長期の学力向上につながるのは間違いないでしょう。

 理論的な話だけでなく、今作成している〈たのしい教育ワークブック〉の話をさせてください、自然に育つ植物たちを好きになるワークプログラムです

 たのしさを優先させるプログラムづくりの進行中の一つが〈咲きまち〉です。

 〈たの研〉が研究をすすめているから、たのしい教材になるというのは間違いです。そのプログラムを受けたこども達、先生たちが〈これはたのしい・よくわかる〉と評価してくれてはじめてたのしい教育プログラムになるのです。

 これは今、野山で目にする〈ノボタン〉です、肉厚の葉と鮮やかなムラサキが目を引きます。

 
〈挿し芽・挿し木〉が可能か、枝先を少し分けてもらいました、成功したらたの研で増やして戻してあげたいと思っています。

 これが実験中のノボタンです。

 ツボミがついている枝がありました。この右側にあるツボミはどれくらいしたら花開くと思いますか?
 それとも切った枝咲きのツボミは花開かないのでしょうか?

予想

ア.切った植物は花にならない

イ.翌日には花になる

ウ.2~3日後には花になる

エ.4~5日後に花になる

オ.一週間以上かかる

 

どうしてそう思いましたか?

 次回に続く!

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子ども達のやる気を高めるのが教師、先生たちのやる気を高めるのが管理職

 4月5月は不登校に関わる相談が多いという話をしたことがあります、保護者の方たちからだけでなく、教師からの相談もあります。※ここで書いている内容は全てRIDE( ライド:たのしい教育研究所 )の強い個人情報保護規定で本人の特定ができないように脚色されています、ただし本質的な内容は伝わる様に書いています
 
 その中でいろいろな先生たちからの相談を受けながら、学校は子ども達だけでなく、先生たちのやる気が高まる方向に変わっていかなくては、変えていかなくてはと強く感じてしまいます。

 転勤し新しいメンバーの中でスタートした日々が、教師にとってやる気を削いでいくものになる、それは不幸なことです。教師本人にとってももちろん、その先生が受け持つこども達にとっても。

 かつて教育行政の重要なポストにいたT先生と語らっていた時「管理職はがんばっているが先生方のやる気が高まらない」という話が出ました。それについて私はこういう話をしたことがあります。

「たとえばA先生が新しく担当したクラスの中で、Bくんのやる気が失われてきたとする。それはもしかするとその子特有の事情があったのかもしれないし二人の相性が悪かったということも考えられます。
 けれどクラスの中のいろいろな子どもたちの〈やる気〉がなくなっていったとしたらどうでしょう。
 まずそのA先生のやり方を変えていく必要があると思うのですけど、どうでしょうか?」

 もちろんT先生は同意です。

「先生では、ある学校が新しい管理職の体制でスタートした。
 そこである先生のやる気が失われてきた、それはもしかするとその先生特有の事情があったり、相性であったりする可能性があるかもしれない。
 しかしその学校のいろいろな先生たちのやる気がなくなってきたら・・・

 それは学校のリーダーである管理職のやり方を変える必要があるのではないでしょうか」

 T先生は「ん~」と言いながら困った顔をしていました。校長、教頭を指導してきているわけですから、管理職が変わらなければという話に対して、簡単に肯定できなかい気持ちが伝わってきます。

 教師はこどもたちの授業に責任をもつ、こども達のやる気を高め、可能性を高めてあげる。

 校長は先生たちのやる気を高め、可能性を高めることに責任がある。

 ある年、新しい校長がやってきて担任の先生たちが次々と病休をとり、とうとう教頭も病休をとっていったという悲惨な学校で勤務したことがあります。結果的に、毎月の様に病休をとる先生たちが続いていく状況は止まりませんでした。今でもその頃のメンバーとはつながっていて語りあうことがあります。

 そういう学校の状況とは逆に「校長が変わって去年より先生たちの活気が高まってきた」という学校が増えていくことが沖縄の教育に限らず日本全体、世界中で求められていることでしょう。学力向上を目指す教育委員会にとっても文科省にとっても切実な問題だと思います。

 その意味でも〈たのしい管理職の日々〉を送る先生たちが増えていく、そのためにできることに力を注いでいこうと思います。

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