日本の実力「自動車大国 日本」の実力は?② 楽しい社会

 前回の問題からの続きです、未読の方は戻ってお読みください。日本の自動車メーカーの電気自動車・EVの売り上げ台数は世界の中でどの程度でしょう?
 みなさんの予想はどうでしたか。

 自動車産業の調査会社「マークラインズ」(東京)のデータによると2022年上半期のEV売上はこうなっています。

 2022年上半期のメーカー別のEV販売台数を本紙が集計したところ、テスラが首位で55万台超。

2位は中国EV大手の比亜迪(BYD)の30万台超で、米ゼネラル・モーターズ(GM)や独フォルクスワーゲン(VW)がそれぞれ20万台超で続いた。

日本勢は3社連合の6位が最上位で13万台超だった。

https://www.tokyo-np.co.jp/article/219477

 日本の〈三社連合〉というのは「ルノー・日産自動車・三菱自動車」の連合のことです。

 自動車全体で世界トップの販売数をほこるトヨタはどこにいったのでしょう?

 トヨタはEV売上2万台で〈28位〉です、トップ集団から何周も遅れているといってよいでしょう。

 これから世界の自動車業界はEVにシフトしていく流れです、するとトヨタの売り上げ台数は相対的に落ちていくことになるでしょう。

 日本が加わった3社グループの〈13万台〉も、トップ「テスラ」の〈55万台〉の23パーセントに満たない上に、三社合わせてということですから、単純に一社あたりで計算すると〈約4.3万台〉です、トヨタよりは売れている計算になりますから、トヨタがかなりEVで遅れをとっているかがわかります。

 EVに搭載される電池はリチウム電池が主力です、それが〈全固体電池〉にシフトしていくと、日本の自動車産業が巻き返していく可能性はあります。日本は全固体電池の研究で世界をリードしているからです。

 日本が元気になっていくためには教育がカギを握っていくことは間違いありません、学ぶことをたのしむ事が決定的です。
 その中で日本の現状を知ることも、きっとプラスに働くでしょう。

 日本全体の元気のためにも、たのしい教育研究所が元気に活動していきたいと思います。みなさんの応援をたのしみにしています。

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「いい質問ですね」という上下感覚-たのしい教育の発想法、子ども達への言葉

 以前,アメリカで宇宙飛行士の講演を聞いた時、「That’s a good question/いい質問ですね」というフレーズが何度も出てきて気になったことがありました。
 気づいてみたら日本のテレビ番組などでも、そう語る人たちが増えてきていますね。


 この間、テレビで流れたある授業のワンシーンにもそのフレーズが出てきたので驚いてしまいました。

 質問に〈良い質問〉があるとしたら〈悪い質問〉や〈取るに足りない質問〉があるということでしょうか。

 私もいろいろなところで授業や講演などをしてきたのですけど、こちらはたくさんの人たちの前で話すことに慣れている上に、話の内容を整理して、ああでもないこうでもないと考えた上で臨んでいるのに対して、それを聞いた側は、そういう話の内容にはじめてそういう話を聞いて、よくわからないところとか、質問する側は勇気を出して、一生懸命考えながら話をしてくれます。

 授業でもまさにそうでしょう。

 語り慣れた教師と違って、子どもたちははじめてその話を聞いたり、もっとそれを知りたいということが聞いたり、意味がわからなくて聞いたりするわけです。

 がんばって手を上げて聞いてくれたその質問に、ある子の質問には「それはいい質問ですね」といい、別の子にはそういうことはを言わない・・・

 アメリカでの講演の話に戻りましょう、宇宙飛行士の次に宇宙工学の専門家が講演をしていました。宇宙ステーションの居住環境についてとても興味深い話をしてくれていて、面白く、講演後に手を上げて質問してみました。

 その時、彼は「Thanks for asking that./聞いてくれてありがとう」と言ってから詳しく話をしてくれました。
 あ~、気持ちいいいい方だな、私は〈いい質問ですね〉よりずっとこっちの方が好きだな、と感じて、日本にもどってから真似ることにしました。

 他にも「その質問は、先生も考えさせられるなぁ」とか「その気持ち、よくわかる」という様に伝える様にしていました。

 可能な方はご利用ください。

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エイプリルフールの効用②-ウソも方便だけではない

前回からの続きです;〈事実でないもの〉をウソだと考えれば小説だってウソです。
将来の夢も、「いまそう考えている」ということでは事実でも、現実のことではないということでみると虚構、つまりウソの一種です。

〈今、生きている〉とか〈呼吸している〉とか〈女性である男性である〉、〈2023年の4月である〉という様に、ウソでないものはホンのわずかなものになるでしょう。

 ためしに「今日1日は事実以外は語らない」というルールで過ごしてみてください。どれくらい言葉数が減ることでしょう。
 同時にウソ、虚構、まだ実現されていない夢や希望、飾り言葉、いろいろなものを組み合わせて私たちの日々の会話が構成されていることを知ることでしょう。

 そもそもイメージすることは現実をベースにしていても、そこから自由に想像を羽ばたかせていくことです。「もしかしたら今日のご飯はカレーかもしれない」とか「今年の担任の先生はたのしい先生だといいな」etc. そういうものごとがあたまのなかをたくさん駆け巡っているのが私たちの思考でしょう。

 ウソ・虚構はイメージを膨らませることに不可欠です、それはたのしい教育の中でも積極的に利用できます。

 たのしい作文指導教材「たの作」では

「ある朝起きてみると食事の席に、別の自分が座っていた」の続きをかきましょう

という様なテーマなどでたのしむ内容がたくさんあります、ただし〈ホワイト・ライ/人を傷つけないウソ〉限定で。

 ウソの効能はまだあります。

 子どもの頃、エイプリルフールのことを知った時、驚いた人もたくさんいると思います。そのウソにも驚いたかもしれません、でも「人はウソをつくことがある」ということに驚いているということもあるでしょう。

 人は普通の顔をしてウソをつくことがある、という体験は「騙されない教育」にとっても大切です。

 振り込め詐欺、特殊詐欺だけでなく、フェイクニュースなどはたくさんあります。ウソのコマーシャルにのって商品を購入しことのある人もいるでしょう。政治の中でもいろいろなウソが作られています、今のロシアの戦争の中でも「相手側が悪い」の応酬です。

 騙されない人になる、というテーマはたのしい教育の中でもとても重要な一つです。

 4月は〈エイプリルフール〉をきっかけに、ウソの怖さとすばらしいさについて考えてみるのはどうでしょうか。

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二十四節気〈清明〉をたのしむ-たのしくアウトドア

 春夏秋冬(しゅんかしゅうとう)という一般的な四つの区切りでなく、その六倍の〈二十四節気(にじゅうしせっき)〉という農耕を中心にした季節の区切り方があります、中国で生まれ、東南アジアのいくつかの国に広まっていて、かつての日本もそれを取り入れていました、今でも〈立春〉とか〈夏至〉〈秋分〉〈冬至〉など、生きて使われている節がいくつもあります。

 国立国会図書館のサイトに二十四節気の表があります、元々太陰太陽暦(旧暦)なので、新暦でいうと何時頃なのか、右端に記されています。

二十四節気
季節 二十四節気名 新暦の日付
立春(りっしゅん) 1月節 2月4日頃
雨水(うすい) 1月中 2月19日頃
啓蟄(けいちつ) 2月節 3月5日頃
春分(しゅんぶん) 2月中 3月21日頃
清明(せいめい) 3月節 4月5日頃
穀雨(こくう) 3月中 4月20日頃
立夏(りっか) 4月節 5月5日頃
小満(しょうまん) 4月中 5月21日頃
芒種(ぼうしゅ) 5月節 6月6日頃
夏至(げし) 5月中 6月21日頃
小暑(しょうしょ) 6月節 7月7日頃
大暑(たいしょ) 6月中 7月23日頃
立秋(りっしゅう) 7月節 8月8日頃
処暑(しょしょ) 7月中 8月23日頃
白露(はくろ) 8月節 9月8日頃
秋分(しゅうぶん) 8月中 9月23日頃
寒露(かんろ) 9月節 10月8日頃
霜降(そうこう) 9月中 10月24日頃
立冬(りっとう) 10月節 11月7日頃
小雪(しょうせつ) 10月中 11月22日頃
大雪(たいせつ) 11月節 12月7日頃
冬至(とうじ) 11月中 12月21日頃
小寒(しょうかん) 12月節 1月5日頃
大寒(だいかん) 12月中 1月21日頃

 

 4月のこの頃は〈清明:せいめい〉の季節です。
 沖縄ではけっこう大切にされていて、親族が集まってお墓でパーティーをします、大和言葉で〈せいめい〉、もともとの中国語では〈チンミン〉、島言葉では〈シーミー〉です、大和言葉と中国語をミックスしたみたいですよね。

 私はアウトドアでの食事が大好きなのですけど、明らかに幼い頃、親族が集まってアウトドアで食べた〈シーミー〉の影響があると思います。

 子どもたちにも伝えていきたいたのしい行事の一つです。

 清明は本来〈自然界が清らかで明るくなる時期〉であるところから名付けられています、まさにはっきりと春が到来した季節ですから自然が美しく、お出かけやピクニック、風景を楽しむのに最適な頃ともいえるでしょう。

 そういう習慣のない方たちも、ピクニックにでかけてみませんか!

 

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