〈熱いとか冷たいって何?〉たのしい科学〈温度のなぞ〉-楽しい学習・楽しい学力・楽しい教材・楽しい自由研究・楽しい学力向上

〈熱い・冷たい〉というのは私たちにとって、とても重要な情報で、赤ん坊の頃つまり言葉を覚える前からそれをハッキリ感じ取ります。
 そしてそれを〈たまに感じる〉のではなく、その変化をいつでも感じ取っていて、「今日は寒いね」とか「今日は夏の様に熱いね」といった日々の気温の変化だけでなく、自分の体温についても「熱っぽい」とか「足先が冷たい」という様に感じ取っています。

 朝食の場面だけをとっても「おつゆが熱すぎて持てない」とか「このご飯冷たいよ」という会話が交わされるくらいですよね。

 それほどに〈熱さ・冷たさ〉という温度感覚は身近です。

 身近でありながら、いや身近であるだけに「じゃあさ〈熱い、冷たい〉って何?」と聞かれると、なかなか答えられないということもあるでしょう。

 別に不思議ではないよ、という人も少し考えてみてください。

 たとえばスプーンを火で熱すると、火傷(やけど)するくらい熱くなりますね。
 同じスプーンを〈冷凍庫〉に入れておくと冷たすぎて握ることができません。がまんして握ると手に張りついて、これもまた皮膚を痛めてしまいます。
ものは全く同じなのに・・・

 熱い、冷たいっていったい何が違ったのでしょう。
 何か入って来たり、出て行ったりしたのでしょうかね?

〈チコちゃんに叱られる〉風に聞いてみましょう。
では「熱いとか冷たいっていうのは何?」

 熱の正体について科学的にはっきりしたのは、そんなに古いことではありません、今から180年くらい前、つまりあなたの〈おじいさんのおじいさん〉の時代あたりです。

 それまではどの様に理解されていたかというと、まず古代ギリシャ(2500年くらい前)の哲学者たちが「すべてのものは〈火・空気・水・土〉の4つの元素からできていて、〈熱いとか冷たい〉といった〈熱〉はその中の〈火〉や〈水〉が生み出すものである」というアイディアを出し、そう理解している人たちが増えていきました。

「それはないでしょう」と感じる人もいるかもしれません。

 でも私はかなりいいセンスをした仮説だと思います。

 わたしたちホモ・サピエンスの20万年くらいの歴史の中で考えてみましょう。
〈1m(100cm)ものさし〉をホモ・サピエンスの歴史全体だとすると、99cmくらいまで「よくわからない」とか「神様がそうしたから」と理解している時代が続いていたわけです。

 2500年くらい前、つまりものさしの端っこ1cmくらいまできて、〈古代ギリシャ〉に民主的な世の中が生まれ、いろいろな人たちがお互いの考えを自由に交わし合い、才能をどんどん伸ばしていく時代がやってきました。
 そこで「すべてのものは四つの元素で出てきている」という大胆な仮説が出てきたわけです。

 火、空気、水、土という四つの元素は、それぞれ身近で独自の特徴を持っていて直感的に理解しやすかったこともあるでしょう。
 例えば火は燃やすことができる、空気は風になって動くことができる、水は流れることができる、土は固体で自由にいろいろな形をつくることができるetc.わかりやすい特徴がいろいろあります。その仮説で考えると、いろいろなものごとがよく見えてきたことでしょう。

 火、空気、水、土というのは単体でも存在するのですけど、たとえば家を作る時などに利用する〈レンガ〉は古代ギリシャ時代よりずっと前からありました。そのレンガを作るときも、火で熱するし、土と水が混ざるし、こねていくうちに空気もまざります。周りの〈物質〉をみる時、人々はこの四元素説で感覚的にそれを理解する様になっていったのでしょう。

 熱いとか冷たいというのも〈火の熱(火の元素)が物体に移動して、物体が熱くなる〉と考えられていました。また〈水を物体に近づけることで物体が冷たくなる〉という様に感覚にマッチしたものとして説明づけられていたといいます。

 その後、宗教が支配する時代に入り「これが正しい、ここに書かれていることが正しいに決まっている」となりました、その結果〈自由に予想を出し合って確かめていく科学〉の発展は止まってしまいます。
 いろいろな人たちが「これが正しいのではないか」「いや、こうではないか」というように〈いろいろな予想・アイディア〉を出し合って確かめていける様になるまで、時代はかなり停滞してしまいました、それは歴史が示す通りです。

 話をもどして「すべて神様がやっていることだ」とか「そんなのわからないよ」と思考停止するのではなく「すべては火・空気・水・土の4つからできている」という四元素仮説を提唱したのはとてもすばらしいことです、結果的に間違いであったにしろ、仮説を提唱たら、それが間違いであるのか正しいのかはいろいろな人たちがはっきりさせてくれるからです。

 さて、その後の科学の研究によって、この宇宙のあらゆる物質は〈100種類ほどの原子〉からできている、ということがわかりました。四元素説の発想とそれほど離れたものではない気がするのですけど、どうでしょう。

 いつもより長くなってしまいました、今回はここまでにしましょう。

 この続きを書くまで、まなさん自身で「熱いとか冷たいって何?」という答えを考えてみてください。いったい何がどうなって熱くなったり冷たくなったりするのでしょう?

 予想を立てるとそれが外れても当たっても必ず賢くなります、そしてそれはとても楽しい時間になりますよ。

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「どうして人々は根拠のないものを信じるのか?」という質問に答えて(3)ー楽しい学習・楽しい学力・楽しい教材・楽しい学力向上

 過去二回のまとめになります、「どうして人々は根拠のないものを信じるのか?」そしてどうすればそれを避けることができるか、です。

 今回の春の講座の私の授業書のテーマもそうでした、しばらくしたら、ほしいかたに提供できる様になると思います。

〈占いによると東の方にいくとよいことがある〉とか〈この財布を買うと金持ちになる〉といった情報がたくさんある中、完全にそれを避けることはできなくても、そのワナにひっかからない様にするためにできること、それは〈予想を立てて確かめる〉ことです。

 その時、周りの人たちに具体的に提唱しているのが〈2段階予想〉です。
「それが正しいとすると、こうなるはずだ」という様に段階をすすめて考えていく。
たとえば
1)「その財布を買うと金持ちになる」というのが正しいとする
それなら
2)その財布を売っている人たちはみんな金持ちのはずだ
という二段階予想してから確かめてみる。

1)もし〈当たる占い〉ということがあるとする
すると
2)〈占い師自身〉が宝くじとか競馬とかカジノとかでとほうもない賞金を得ているはずだと予想を立てる。
そして、莫大な賞金などを得ている人たちの職業などを調べていく。
あるいは占い師たちの平均所得などを調べていく・・・

1)もし4という数字が〈死〉と関わる不吉な数字だとすると
2a)4月の死者数がたくさんいるはずだ
2b)4時くらいの死者数が多いはずだ
2c)死とはいかないまでも不運なことが起こっているとすると、4月の救急車出動件数が最も多いはずだ
 よし、調べてみよう。

 特殊詐欺についても、こういう見方・考え方をすすめていくことが自然にできる様になっていく人たちが増えていくことで、簡単にだまされない人たちが増えていくことでしょう。

 そういうレッスンのためにも、このサイトをぜひ隅々までお読みください、予想を立てて確かめることについて、たくさん学ぶことができると思います。
 おそらくその一点だけとってみてもこれだけのコンテンツを含んだサイトは類を見ないことでしょう。

 それもあるからか、このサイトのアクセス数がまたグッと高まってきました。当面の目標として〈1日アクセス数1000件以上〉を目標にしているのですけど、これまでは〈時々〉だった目標達成が、ここ数日は連続で続いています。
 今読んでくださっている皆さんのおかげです、心から感謝申し上げます。
 SNSや口コミ等で、ぜひこのサイトを広報していただくことで、きっと教育界もたのしいところになり、子ども達のたのしさと賢と、先生たちの元気と生きがい、保護者の方達に笑顔も広がっていくでしょう、今後ともよろしくお願いいたします。

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「どうして人々は根拠のないものを信じるのか?」という質問に答えて(1)ー楽しい学習・楽しい学力・楽しい教材・楽しい学力向上

「子ども達が元気に明るく育ってほしい、自分自身でいろいろな課題を解決していける力を身につけてほしい、と考える人は多いのに私たち大人自身が課題しを解決しようと思いながらも、いろいろなことに騙されてしまうことがあります。どうして人はこうも騙されやすいものなのでしょう」という内容のやりとりとを読者の方としていました。二回に分けて紹介します。

 テレビで「今日のラッキーカラーは緑です」という情報が入ると緑の色の入ったハンカチを持つ。

 星占いで「今日もっとも運勢の良い人はさそり座の人です」という言葉が流れると元気がでる。

「いや、別に信じているわけではないよ」と言葉ではいうけれど、行動ではそのまま信じている。学校でも「いや、信じていないですよ。いいことをいってくれた時だけ信じる様にしています」という先生たちがいました、でもそれは信じているということです。

 信頼できる根拠がないことは、占いの本によって書いていることがいろいろ違っていること一つとっても証明することができるでしょう。
 星占いには〈占星術〉〈西洋占星術〉〈東洋占術〉など、さまざまな種類があって、それぞれが「自分が正しい」という主張して、ことなる占い結果を出しています。

 そもそも〈占い〉自体、占い師が何らかの本などから得た知識や経験によって種々の占い結果を出していくわけですから、それが正しいといえる実質的な根拠はありません。

〈タロットカード占い〉は不気味さも重なっているからか、かなり当たる様なイメージがあって、映画などにも時々登場します。
 以前みた映画では、占い師がカードがきったカードを登場人物に順に引かせていって、最後に出てきたカードの並びで「あなたは今日命を失う」と予言していたけれど、それをみながら私は

もう一度カードをきって引いてもらったら
「あなたは今日大金持ちになる」
という様な占い結果になった可能性があるわけでしょう?

と突っ込んでいました。

 あるいは三人のタロットカード占い師に登場してもらって順に占ってもらい、その人の今日の運勢を画用紙に大きく書いてもらい「セーノ」で出してもらったら違うことが書かれているに違いありません。
 でも、そういうことを占い師はぜったいにしません。

「占いには科学的な根拠がない」と言われているのですけどそもそも「実証的な根拠」がないのです。「いや、この占いは当たります。どこどこのAさんはこの占いによって宝くじに当選しました」という人がいるかもしれません。でも外れた数はどれくらいあるかについては一切語ることはありません。

〈爆発物を解除するシチュエーションで赤と青のコードのどれを切るか〉という、映画によく登場するシーンがあります。

 離れた場所にいてそれをみている〈リーダー〉がばくだんを解除しようとしている部下に「今日のラッキーカラーは青だ、青いコードを切れば爆発しない、俺を信じろ、大丈夫だ」と自信をもって命令するか?
「カード占いでは赤と出た、赤を切れば解除できるぞ、よかったな」と部下に命じるか?

 そんなことはしません、本気で考えたら、そういう占いに根拠がないことはわかるからです。

 それにしてもどうして私たちはそういうものに騙されてしまうのでしょう?

 みなさんはどう思いますか?

 ぜひ周りの人たち、あるいは子どもたちに「どう思う?」と聞いてみませんか。

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楽しさの進化論ーダーウィン研究-楽しい学習・楽しい学力・楽しい教材・楽しい学力向上

 前に書いた様に、ダーウィンさんの『種の起源』を子ども達が感動してくれる様に翻訳したいという思いはずっとあって、私の仕事のかなりの部分を削いでそれに当てて良いのかどうか真剣に考えているところです。

wikipediaに感謝を込めて ダーウィンの肖像画を引用

 ところでダーウィンさんというと『種の起源』が有名ですけど、他にもいくつか重要な本を著していて『人及び動物の表情について/The Expression of the Emotions in Man and Animals』という著書の中で〈表情や心の面の進化〉についても語っています、たのしい教育研究所が主張する「たのしさが決定的に重要」という発想とも関係するものがあるので、今日はその話を書かせてください。

 ダーウィンさんはその本の中で、人間や動物が表情を作るときに使用する筋肉や神経系を調べ、表情が社会的コミュニケーションにおいてどのような役割を果たしているのかを調査し、表情が感情や社会的状況を伝えるための重要な手段であることを示した上で「〈表情や感情〉も進化の過程で発展してきたこと」を指摘しています。

 私たちの身体の〈形状〉や〈形質〉だけでなく、〈感情〉や〈感覚〉といったものもそれらも〈自然淘汰〉〈自然選択〉の過程で発展してきたのだろうと考えてよいということです。

 どうして私たちに〈笑い〉という表情や感情があるのか、どうして私たちに〈怒り〉という表情や感情があるのか、それらの表情はある時、突然身につけものではなく進化の過程で獲得したということです。

朝日デジタルに感謝を込めて引用 https://book.asahi.com/jinbun/article/14346441

 そのことは「人間は猿と同じ仲間から進化してきた」という話より、賛成してくれる人たちが多い様に思うのですけど、どうでしょうか。

 私たちの中にある「たのしい・楽しい」という感情・感覚も同じ様に、人間の長い歴史の中で大切に育て進化してきたものの一つです。

 論理的にうまく説明できないけれど、どうもこういうことをしているとたのしいというものたちです。

〈恐ろしいものを避け、たのしいものに向かう〉私たちはそういう様に進化してきました。
〈たのしい教育研究所〉が追求しているのは、他の人たちの苦しさの上になりたちたのしさではありません、周りの人たちにも笑顔が広がっていく〈たのしさ〉です。

 こどもたちが「もっと学びたい」と感じてくれる授業、それはたのしいに違いありません。先生たちが「教師になって本当によかった」と感じてくれる教育、それもたのしいことに違いありません。

 たくさんの方たちがそれに賛同し、たのしい教育研究所を応援してくれることを期待しています。
 応援してくださる方は、その一歩として「このサイトいいよ!」と周りの人たちに送ってくださると嬉しいです!

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