楽しい読み語り・楽しいブックレビュー〈イソップものがたり〉しかけ絵本

 今回は〈楽しいブックレビュー・楽しい読み語り〉をとりあげます。以前、講座の時にあわせて書いてもらったミエ先生の記事があるので、紹介させていただきます。
「イソップものがたり とびだししかけえほん」キース・モアビーク作 大日本絵画 3200円+税です。
 絶版になっているのですけど古本で手に入ります。amazonは古本の状態の説明がしっかりしているので、それを確認して購入するとよいですよ。
 いっきゅう筆

ミエ筆
 しかけえほんは、いつものお話の内容でも、違う味わいがあってたのしいです。

 この「イソップものがたり」は数年前に本屋さんでページを開いて見て、素敵な絵本だなと感動し、すぐに購入しました。
 もちろんこども達にも大人気。
 絵本まつりなどでもたくさんこどもたちの笑顔にかこまれていた本です。

久しぶりにページを開いてみました。
やっぱいいいな~
1つ1つの物語が見開きで飛び出してきます。

横の方にもしかけがあります、小さくてもしっかりとびだしますよ。
下の写真はライオンが人間に捕まった時、ねずみに助けられて、ライオンとネズミがあたらしい友達になるところです。
目を細めて微笑んでいるライオンさんがとってもやさしくていい表情をしています。

 

美しいイラストで描かれたこのしかけ絵本の中には
「金のたまごを生んだがちょう」
「きつねとからす」
「うさぎとかめ」
「ほねをくわえた犬」
「旅人とくま」
「北風と太陽」
「きつねとぶどう」
「馬としか」
「ライオンとねずみ」
「ありときりぎりす」
の10のお話がたのしめます。

 一話ずつ分けて読んでいくと、次のお話会をとてもたのしみにしてくれて「先生、つぎはどの話?」と駆け寄ってきてくれました。

 しかけ絵本は初刷りのみで再販されないものも多いので、、出会って気に入った時に買っておくことをおすすめします。

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教育の中にひそんでいる〈押し付け〉に気づくこと-たのしい教育の発想法-仮説実験授業研究会代表〈板倉聖宣〉が語ったこと

 週一で発行しているメルマガは4章で構成されていて、ラストは〈発想法の章〉です。今週その章にのせた板倉聖宣先生の話にさっそく反響が届いています。
 歯に衣着せぬ語りの板倉先生の話を読むと「え!」と驚くかもしれませんけど、板倉先生は文科省直属の教育研究所で室長をしていた人物です。

 批判ではなく提案をする組織である〈たの研〉の重要な〈たのしい教育メールマガジン〉に板倉先生が発する言葉を紹介するのはなぜか?
 それは私いっきゅうの自戒であり、教師が多く陥りやすい落とし穴に足をとられない様にするためだったものが、広く〈こども達の笑顔と可能性を広げようと努力する教師たち〉の心を動かす言葉でもあることに気づいたからです。
 メルマガへの反響は若い先生たちからも届きます、こういう考え方を心に留める先生たちが増えて行って欲しいと思っています。

 最新号の〈たのしい教育メールマガジン〉の発想法の章の中から再校正して少し紹介します購読しているみなさんも新鮮な気持ちで読んでいただけると思います。
 板倉先生が2002年に 大阪堺市〈ことばの教育・国語教育研究会〉で語った内容です。

板 倉

 教育はそのほとんどが〈文章〉と〈話し言葉〉で行なわれています、そしてそこに押し付けがたくさん潜んでいます。
 言葉というのは非常に便利なものですが、学校の教師はどうも権力の片棒を担いでいて「自分には押し付ける権利ある」と考えているふしがあります。
 だから子どもたちが分からなかったら「教師は正しくて、子どもがいけない」と考えてしまうことになるのです。
「教科書に書いてある言葉が正しくて、理解出来ない子どもが間違っている」というようなことは私には許せないのです。
 国語でいえば、こども達が理解出来ない文章を書く小説家がいけないのだし、理解が出来ない文章を教科書に載せている編者がいけないのです。
 言葉というものは理解出来るようになっているのですから「理解出来ないような言葉を教科書にのせてはいけない」と思うのです。
「子どもはまだ社会の中に充分に入り込んでいないのだから、大人になった時には理解できる。そのために分からないことがあっても仕方がない。だから学校教育では理解できなくても教えるのだ」という考え方もありますね、そうならそうで結構なのですが、たいがいは、その理解出来ないことを一生持ち続けることになってしまいますね。

 私いっきゅうにも、学校で教えられたことで謎のままなことがたくさんあります、それに溢れているいってもよいと思います。
 中学の社会の先生が〈尾根というのはこれこれこうだ〉と語ったこともさっぱりわかりませんでした、今もあえてわからないままにしています。
 前にも書いた様に英語は特についていけませんでした。
「Takeの意味はこれこれこうでたくさんあって、多くは〈つかむ〉という意味、でもこの場合のTakeは〈撮る〉という意味だ」という様に説明された時に〈こんな不合理な言葉に付き合うのはやめよう〉と考えました。
 先生の言う様に覚えていった人たちはほめられ、こんな風に学ぶのは嫌だと感じた私の様なタイプの人間は先生から冷たくあしらわれていきました。
 もちろん私の様にあしらわれた人たちが増えていき、ほめられていく少数の人たちはその後もどんどん減っていきました。
 映画のおかげでその後自力で学び、そういう様な組み立てパズルの様に教えいた先生たちの方が不勉強なのだと知ったのは10年以上経ってからのことです。
 Takeという単語をネイティブの人たちは「自分のところに取り込む」というイメージで理解していて、みかんをとるのも、自分のところにとりこむイメージ、写真の中に取り込んだりするのもTakeを使う。ちなみに〈薬を飲む〉という行為も自分の中に取り込むというイメージで〈Take medicine〉と使ったりするとわかったときに、やっとすっきり英語が理解できる様になってきました。

 教師になった私は、あの時の英語の先生の様に「わからないあなたたちが悪い」というタイプになっていないだろうか?
 この板倉先生の話で、我が身を振り返る大切な機会にもなりました。
 ここまでにしておきましょう。

 

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たのしいブックレビュー〈埴沙萠さんの本〉

 注目している人物に〈埴沙萠〉さんがいます、これが名前だとわかっても、ちょっと読めないですよね。
 埴〈はに〉沙萠〈しゃぼう〉、ペンネームです。
 本名は〈杉山繁 すぎやましげる〉、写真家で、こども向けの植物の本をいろいろ出しています。

 これは〈あかね書房〉から出ている科学のアルバムシリーズの一冊「たねのゆくえ」、私は理科の授業でも利用してきて何冊か持っています。

 この本でまずとりあげたのは〈ガマ〉、このサイトでも書いたことのある植物ですね、ホットドッグみたいな穂をつける植物です。

https://tanokyo.com/archives/150789

 撮影する時にいろいろな工夫をして、それまで見たことのない様な映像をたくさんみてせくれる人物で、きのこの胞子がとんでいく写真も有名です。
 どんな雰囲気の人物だと思いますか?

 この方です、やさしい雰囲気ですよね。

 これは撮影にいく時の後ろ姿、目の前に広がる光景は埴さんの目に〈宝の山〉として写っているのでしょう、魅力的な方です。

 残念ながら数年ほど前に亡くなりました。

 けれど埴さんの作品は何冊も残っています。

 図書館などで、手にしてみませんか。

直接購入したい方向けにリンクもつけておきます、タイミングがあえば古本も選べます。

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たのしい秋の講座たのしく開催−教員試験対象年齢延長とたのしい教育

 先日、県が発表した「教員採用試験の受験対象を59才まで延長する」という方針が教育現場に波紋を広げています、教員不足解消への対策ということなのですけど、耳に届くのは疑問や否定的な見解がほとんどです。

 開催された秋の講座で、久しぶりに出会った先生たちからも「いっきゅう先生、どう思います?」という声がありました。

 たのしい教育研究所は評論家集団ではなく実践のプロフェッショナル集団です。

 現場で疲れている先生たちが元気になる、こども達が「先生、たのしい。先生が担任してくれてよかった」と感じてくれる、保護者のみなさんも笑顔になる、そういう教育が普通になっていく中で「教師を続けたい」という先生たちが増えていくのです。
 こども達も「先生になりたい」と感じてくれる、そして保護者の皆さんも先生を応援してくれるでしょう。
 それは理想の話だと思考停止する人が多いかもしれません、けれどそういう根本的な構造に向けて取り組んでいるのが〈たのしい教育研究所〉です。

 今回の講座も満足度100%の高評価でした。

 「これはゲームでたのしく」のコーナーで〈リングキャッチ〉をたのしんでいるところです。

 これは〈おいしい環境教育〉をテーマに「野草てんぷら」を味わってもらっているところです。

 詳しくはいずれYouTubeで動画配信する予定です、ご期待ください。

 もっと食べたいと、おかわりしにくる参加者がいっぱいです。

 他にも「たのし読み語り」を「絵本からひろがるものづくり」、「宇宙から地球をながめてみると」などたっぷりの内容でした。

 毎回、受講満足度は100%です、今回もその数字が更新されたのですけど、中にこういう評価感想が残されていました、少し書き抜きます。

教師は人気のない仕事になっていますが、今日の講師の先生たちがたのしそうに授業している様子に、こんな楽しい職場なら人気がでるのになぁと思いました。

 〈たの研〉が目指しているのは、まさにそういう姿です。

 応援よろしくお願いいたします。

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