朗読をたのしむ② 聴く世界

 前回の「高村光太郎 山の春 を聴いてたのしむ」はどうでしたか。文章で読むと2〜3分ですむのに、聴くとなると10分くらいかかってしまうことは、少し驚きます。読むときかたまりとして頭に入ってくる、たとえば「明日」という文字をみると一瞬で「明日」と認識できるのに、音声では「あ」「し」「た」と3つの音が連なってはじめて「明日」と認識する違いでしょう。

 さて、朗読もたのしいなと感じた皆さんに「青空朗読」というサイトを紹介させてください。


https://aozoraroudoku.jp/

 

 2024年03月現在〈1150〉の朗読コンテンツが並んでいます。

 前述の〈山の春〉もそのコンテンツの一つです。

 ぜひ聴いてみてください。

 まず検索の欄でジャンルを選ぶとよいでしょう、たとえば童話・児童文学を選んで、「あ、この作品は知っている」というものを聴いてみてください。

 「聴いたら必ず最後まで」なんて考えるより、合わないなと思ったら別なものを聴く、そのうちに気に入りの作品に出会えるでしょう。
 それを眠るときにもまた聴くといいと思います、私はそうしています。

 前回出てきた、眠れないという相談の方にも、そのように話しました。

 いずれにしても、本は読むだけでなく聴いてたのしむこともできます。
 このサイトは一日1000アクセスを突破することもめずらしくありません。アクセスしてくれた方のほんの4%でも40人です、朗読の世界をたのしむ人が少しずつ増えていくと嬉しいです。

 もしみなさんがその楽しさを感じたら、ぜひ周りの人たちにもわけてあげてくださいね。

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朗読をたのしむ① 高村光太郎「山の春」 から広がる世界/たのしい国語

 とても本好きなのに、たのしい教育の需要が大きく、ゆったりと本を手にするゆとりがみつからないので、電子書籍を読んだり、サブスク/サブスクリプション(会員制の定額サービス)で本の朗読をながら聞きしたりする日々です。

 以前、このサイトの熱心な読者の方から「なかなか寝付けなくて…」という相談がきたので「朗読のサイト」を紹介したところ、かなり感謝してくれて、お礼にと珈琲が届いたことがありました。

 朗読をたのしむのはサブスク(subscription)でなく、無料で利用できるコンテンツもあります。無料だと質がよくないだろう、と考える人がいるかもしれません。確かに、「本読みの練習中の動画をアップしたのかな」という動画もあるのだけど、玄人が朗読してくれているコンテンツもあります。

 ナレーター・声優として不動の位置にいる窪田等(くぼた ひとし)の朗読もたくさん聴くことができます、試しに「窪田等」で検索してみてください。

 詩人の高村光太郎は味わい深い文章をいくつも残しています。

 その中に「山の春」という掌編があります。
「ほんとうは、三月にはまだ山の春は来ない」とはじまる、土の香りがする心地よいエッセイで、以前、このサイトでも青空文庫から全文紹介しました⇩

高村光太郎の名文は名作〈リトル・フォレスト〉に影響をあたえただろう/名文を読むことは人生を豊かにし、受験生は合格に近く(後半)

 

 自分で何か仕事をしながら読むというのは難しいのですけど、朗読を聴きながらたとえば
・ものづくり
・教材実験
・水かけ
・料理
などは十分可能です。

 教材作りに熱中すると頭に入らないことがあるんじゃないか?

 ありますよ、でもノープロブレム!

 何回も聴けばいいんです。素晴らしい作品は繰り返したのしめるからです、映画や絵画と同じ。

 ここからその朗読を聴くことができます、10分くらいなので気軽に聴いてみませんか。

http://aozoraroudoku.jp/voice/rdp/rd140.html

 これはいいなぁ~と思ったら、二回三回と聴いてみてください。

 朗読もいいなぁ、と思ったらその世界に浸っていくとよいでしょう。
 今回も続きが書きたくなりました。
                       つづく

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楽しい環境教育②「増やして減らしてエコロジカル!」

 何年か前にこのサイトに書いたコピーへの問合せもあり、「増やして減らしてエコロジカル!」についてさらに書きたいと思います。

 エコロジカルの前にエコロジーについて…

 エコロジーは「生物と環境とのつながり」のことです。生態系・生態学と訳されます。

 生物と環境は本来、循環しながら繋がっていますから、循環型社会というイメージでもよいでしょう。

 エコロジカルというのは、生物と環境がうまく循環している様子を意味しています。

 子どもたちと環境学習、循環型の社会システムについて学ぶ時、子どもたちは現在の地球温暖化の問題は耳にしています。微小粒子状物質(PM2.5)の問題について知っている子もいるでしょう。
 このままでよいと考えている人はほとんどいないと思います。

 環境の危機について学んだ後、こう質問してみてください。

「皆さん、その環境問題をよくしていくために、私たちができることって何でしょう? 〈何かを増やして、何かを減らす〉というテーマで考えてみましょう」

 私自身が学校で授業してきた中で、声が上がらないということは一度もありませんでした。

 子どもたちも真剣にいろいろなことをかんがえてくれます。

 森林がCO2を減らしO2を増やすことは理科で学びます、「森を増やす、木を増やす!」という声もあがるでしょう。

 ところが子どもたちが森を増やすというのには無理があります。木を育てるのは無理ではありませんけど、たとえば自宅でやるには難しいこともあります。

 けれど緑を増やすということでイメージすれば子どもたちにもできることがたくさんあります。

 野菜だってCO2を吸って炭素Cを取り込み、酸素Oを空気中にポンと排出してくれます。ゴーヤーのグリーンカーテンは建物への日差しを和らげて、エアコンの利用頻度を抑えてくれますから、電気利用という意味でも環境保護に大きく役立ちます。

 では、何を減らしたらよいのでしょう。

 それはぜひ学校で家庭で、子どもたちと知恵を出してみてください。

 前回の生ゴミから堆肥づくり実験だけでなく、減らせるものはいろいろ出てくると思いますよ。
 それはたのしい教育そのものです。

 環境問題をどうにかしなくては、と大きく考えることも大切です。構造的な学びは本質的な解決の鍵になるからです。
 同時に「自分でできること」をはじめる、それもとても大切です。

 皆さんからのいろいろなアイディアもぜひお寄せください、一緒にたのしく環境問題に取り組んでいきましょう。

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みかんの花が咲いている 思い出の道 丘の道/記憶をとく楽しさ

 子どもの頃耳にしただけなのに、ずっと記憶に残っていて、野山散歩しながら最近思い出した唄があります。。※沖縄の北のほうに住むAさんから「いっきゅう先生のサイト毎日読んで、子どもたちの朝の話に使っています」という感謝の言葉が届きました。嬉しいことです、どんどん利用してください、お便りもお待ちしています

 最近も紹介したのですけど、これはまた別な処でみつけた花です。ミカン(シークヮーサー)の花の季節なんですね。

 花も好きですけどハチも好きなので、ついつい接近してみてしまいます。いつもいうのだけど、ミツバチって身体に大して羽が小さすぎると思いませんか? 以前詳しく書いたことがあるので興味のある方はこのサイトの記事を検索してみてください

 

 思い出していたのは、この唄です、2~3番があるとは知らなかったのだけど…

1.みかんの花が 咲いている

  思い出の道 丘の道
   はるかに見える 青い海

    お船がとおく かすんでる

2.黒い煙を はきながら

   お船はどこへ 行くのでしょう
   波に揺られて 島のかげ

    汽笛がぼうと 鳴りました

3.何時か来た丘 母さんと

   一緒に眺めた あの島よ
    今日もひとりで 見ていると

     やさしい母さん 思われる

 学校で学んだのか、テレビのコマーシャルからの知識なのか「ミカンといえば愛媛」。愛媛の丘に咲いているミカンの花を唄ったもので、青い海に船が遠くかすんでみえる、という唄なのだと思っていました。

 作詞者は加藤省吾さん。
 調べてみると〈みかんの花咲く岡の碑〉というのが見つかりました、ここからの眺めなのか・・・ 私はこうやって場所を特定するのが大好きで、好きな映画や本に登場する場所をたずねたりすることもたのしみの一つです

 ここから見るとどんな眺めんでしょう。

 住所を見ると「埼玉県深谷市仲町11-1」
 あれれ、海のない埼玉県だ、「遥かに見える 青い海」って妙ですね。

 解説には

昭和20年(1945年)5月に加藤省吾が疎開中に、この『みかんの花咲く丘』を作詩した

https://www.city.fukaya.saitama.jp/soshiki/kyoiku/bunka/digitalmuseum/literary02/1490059593288.html

とあります。
ん~、疎開っていうと小中学生だったということ?
 子どもが作詞したものなんだろうか・・・
 それとも引率した先生だったとか?

 気になって調べていくと「童謡 みかんの花咲く岡 誕生秘話」という記事がありました。https://www.dwc.doshisha.ac.jp/research/faculty_column/14482

 そこには「富士市(静岡県)出身の加藤省吾さんが幼い頃を思い出して書いた」とあります。その静岡県にも「みかんの花咲く岡の碑」があります。

 Wikipediaをみると、ミカンの花咲く岡を加藤さんが作詞したのは1946年です、とすると「疎開中(戦時中)に作詞」ということとずれてしまいますね。

 どちらが正しいのかということについては、興味あるみなさんがそれぞれで考えていただくとして、なんとなく「愛媛県の歌」だと思っていた私の予想ははっきり外れていました。

 加藤さんが眺めたミカンの花咲く岡は今も残っているのだろうか・・・
 かなり低い確率だと思うのですけど、今度静岡を旅する時は、加藤さんの故郷を尋ねてみたいと思います。

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