楽しい教材・楽しい学習プログラムの広がり-学童でたのしむ様子

 たのしい教育研究所の講座に積極的に参加し、いろいろ実践している方から久しぶりにお便りが届きました。

 学童で〈ほたってくん〉を紹介したところ、大好評でしたという連絡でした。

 まず〈たの研〉のYouTube動画をみて研究したそうです。

⇨ https://www.youtube.com/watch?v=1Q4QACIH_qU

 こどもたちが盛り上がっている写真もいろいろ添付されていました。

 毎回そうですけど、写真と一緒にこども達のたのしそうな声が聞こえてきそうでした。

 この他にも〈たの研〉には「家族でたのしみました」「授業でたのしみました」「PTA行事でたのしみました」という様に、いろいろな笑顔の様子が届いています。

 たのしい教育研究所の教材がいろいろな広がりをみせているのはとても嬉しいことです。

  時々「その教材を利用してよいでしょうか」という問い合わせが届くことがあります。

 たのしい教育研究所は営利団体ではなくNPOです、どんどん笑顔と賢さが広がることを目的に活動をすすめていますから、ものづくり教材などは「たのしい教育研究所の教材であること」を伝え、どんどん利用して結構です。
 ただし〈たのしい教育〉の趣旨、つまり「より多くのこども達の笑顔と満足度が広がること」を心がけてください。
 授業のすすめかた、こどもたちとの関わり方などについては〈たのしい教育のめざすもの〉を知っていただくためにこの「公式サイト」を読み、可能な方はたの研の会員として〈メールマガジン〉を購読していただけると、さらに魅力的な取り組みになるはずです。

 明るい未来のために、一緒に活動をすすめていただける方達が増えていくことを願っています。

〈プリント教材〉の扱いについては、いろいろな問合せが来ているので、項をわけて書かせていただきます。

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② たのしい教育をより深く学び、より強く応援するための〈たのしい教育メールマガジン〉を一年間購読してみませんか。カウンセリングや講座、文章ドクター等の割引、教材購入の割引等の特典もあります

 

PEALカウンセリング実践編 指導やアドバイス、スーパーバイズとどう違うの?

 PEALカウンセリングはアドラー心理学と仮説実験授業に学校での教育実践の根幹が融合されたシンプルなカウンセリングです。

 カウンセリングは〈アドバイス〉や〈指導〉、〈人生相談〉や〈スーパーバイズ(スーパーヴィジョン)〉と違う構造をもっています。
 どう違うかわかるでしょうか?

 スーパーバイズとカウンセリングはどちらが難しい構造をもつでしょう。

 どう思いますか?

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 カウンセラー入門講座でも話をしているのですけど、シンプルなのは〈スーパーバイズ〉です、「ここをこのようにしたらよい」というポイントを伝えていく過程が中心になるからです。

 それに対してカウンセリングは目の前にいる相談者の心をほぐして、何が問題の本質で、自分自身がどういうことを目標にしているのか、相談者自身も見えていないこと、つまりカウンセラー自身も見えていなかったことを一緒に明らかにしていくところから始まります。PEALカウンセリングはその後も重要な過程を経ていきます。

〈仕事をやめたい〉と悩んでいた方の本質的なテーマが「夫側の家族との付き合い方」であった事例もありました。それがはっきりしていく過程に時間がかかるのですけど、相談者の言葉通り「仕事をやめるかどうか」をテーマにして話をすすめていたら解決には繋がらなかったことでしょう。

 相手が語る「これこれはどうしたらいいのでしょう?」という言葉のまま、こちらの意見を加えるのが〈アドバイス〉です、〈人生相談〉もそれと似ています。

〈指導〉はその人自身が問題にしていないことを、こちらがわから指摘して行動変容を求めていく過程です。

 学校現場ではカウンセリングや教育相談といいながら、指導やアドバイスに終始することが多いようです。

 かつて文科省が〈不登校や問題行動〉などの有効な対策として「全教師がカウンセリングできるようになればを改善する」と予想し、とりくんだ大きな実験がありました。
 その結果は残念なことになったとはいえ、その予想の全部が間違っていたとはいえないでしょう。

〈たの研〉はゆっくりと先生たちの中にPEALカウンセリングというとても有効なカウンセリングを増やしていきたいと思います。

 たのしい教育とPEALカウンセリングの両輪が不登校や問題行動への本質的な対策となり、学力の向上につながることになるでしょう。

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たのしい教育研究所の強さの秘密

〈たの研〉には「協力してほしい」という依頼だけではなく、あえてぼかして書きますが「名前を使わせてもらいたい」という趣旨の打診も来ます。もちろん、そういう依頼にOKすることはできません。

 このサイトを丁寧に読んでいただければわかると思うのですけど、〈たの研〉は「自分たちを大きくしていこう」ではなく「着実に育てていく」という活動をすすめている組織だからです。

 着実に育てていくという取組に関して〈たの研〉のメンバーの力はとても高いものがあります。

 たとえば先日の秋の講座を例にとって紹介しましょう。

 講座のプログラムは何度もアイディア検討会を重ねて、より高みに向かってその時の最高の状態にもっていきます。

 たとえば大好評の〈野草天ぷら〉のプログラムについても、開催の日の夜遅くからこういうやりとりが交わされていました。
 3日前には決まっていた〈場の配置〉について「よりたのしんでもらえるためのテーブルの位置」について思いついたメンバーが、講座開催の半日前に「これがよいと思うので検討してもらえませんか」と打診してきました。

 わずかな違いですけど、空気の流れ的にはかなり違ってきます。
 もちろんメンバーが「これは無理」とか「やってみましょう」という様に意見を交わしていきます。

 結果的に「これでいきましょう」となり、講座当日は新しい提案通りの設定でたのしんでもらいました、結果は予想通りいい空気の流れでした。

 

 それからさらに時間がすすみ、講座当日の01時ごろにはこういうやりとりが交わされていました。
 クイズ大会の〈問題の出し方〉について思いついたメンバーがいて「みんな寝ているだろう」と思いつつも「問題の出し方はやはりこんな感じがよいと思います」と打診してきました。

 講座のプログラムはすでにこども達に実験済みで「これで喜んでもらえる」という信頼度は確認されているのですけど、これだけ熱をいれて考えているメンバーの頭に浮かんでくることは、それからさらに一歩前にすすんでいることがほとんどです。
 すぐに数名が既読となり「いいね」という話になりました、もちろん「異議あり」と感じた時にはそう発言してきます。
 提案通り実施した当日は、それまでのスタイルより大盛り上がりでした。
 それを確かめる様に「講座後に学校でためして盛り上がったです」という便りも届いています。

 こういう活動は「強制」されたり「いやいやながらやっている」ということでも成り立つでしょう。
 ところがこういう取組が10年以上続いています、そしてみんな同じメンバーです。
 いやいややっていて続くでしょうか?

 終わってからも実施メンバーから
「みなさんの授業がとてもとてもよくて、私自身刺激、勉強になりました!
 まだ余韻に浸ってます!」

という様なやりとりが続いていました。

 メンバーは涼やかにやっているのでそうは見えないかもしれませんけど〈情熱集団〉です、これが〈満足度100%〉を生み出し続ける「たのしい教育研究所」の強さです。

 思いを同じくして一緒にやりたいと言ってくれる方が増えていってくれることを期待しています。

 さて、このサイトの読者には先生たちだけでなく〈保護者〉の方がいたり〈歯医者さん〉もいます、〈農業をしている〉という方もいます。
 もし真剣に〈何か新しい行動を起こしたい〉と考えた時には、仲間づくりが鍵を握ります。
 人間一人の力は高が知れています、私が影響を受けてきたアップルのスティーブ・ジョブスにもウィズニアックという最強の相棒がいました。
 板倉聖宣にも、学生時代から支えた玲子さんがいました、そして仮説社を設立した竹内三郎さんという最強の人物がいました。

 かけがえのない仲間たちをみつけること、それが何かことを為す時に成功するカギです。

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算数・数学をたのしくするには/板倉聖宣(仮説実験授業研究会初代代表)の発想-今週のメルマガから

 〈たの研〉にはたのしい教育プログラムがたくさんあるのですけど、たとえばみなさんが国語をたのしくしたいとか算数をたのしくしたいという時、どのようにそれを組み立てていけばよいのでしょう。

 〈たの研〉を強く応援してくださった板倉聖宣(仮説実験授業研究会初代代表)先生は、〈算数・数学〉を例に端的に説明してくれています。今週のメルマガの第4章〈たのしい教育の発想法〉から抜粋しておとどけします。

板倉聖宣

 手前味噌と思われるかも知れませんが、数学教育を楽しくするための私の処方箋は数学教育にも〈実験〉を取り入れることです。
 こういうと「数学は実験科学と違って実験できないことに特色があるともいえるのに」と反対する人もいるでしょう。
 たしかに現代数学の一部ではそうもいえるでしょう。しかし伝統的な数学、いま小中高等学校などで教えている数学の大部分は「その数学がどのように役立つか、その場面に適用してみれば実験できるはずのものばかり」といっていいと思うのです。

 そして、そういう場面を経験してはじめて、多くの人々は数学の威力、素晴らしさを知るようになるのです。
 たとえば立体の体積の計算です。

 目の前に2つのカンヅメがあって一方は他方の2倍の大きさだったとします。

こういう場合の〈2倍〉というのは、体積のことではなく高さや直径が2倍ということです。数学的な知識に確信の持てる人々はすぐに「体積は3乗だから 2x2x2=8で、その大きいほうのカンズメは小さいほうの8倍ある」と判断することができます。しかし、数学的な知識に確信の持てない人は、なかなかそう考えることができません。学校の試験ならそう書いても、実生活ではなかなかそうは思えないのです。実際その二つのカンズメを見比べてみると3~4倍か、せいぜい6倍くらいにしか見えないからです。

 

『月刊たのしい授業』1987年2月号より

 こういう心揺さぶられる教育が本質的な学力につながっていきます。
 そういう授業ができる先生たちを着実に増やしていきたいと思います。
 これからも応援よろしくお願いいたします。

 〈たのしい教育メールマガジン〉はおかげさまで読者の方たちから高い支持を受けています。
 有料版(年12,000円)で、お預かりした費用はすべてたのしい教育の普及に利用し、こどもたち、先生・保護者のみなさんの笑顔につながります。
 〈たの研〉の応援として読んでくれているみなさんもいます。
 興味関心のある方はぜひ購読ください、こちらにお問い合わせいただければ、購読方法等をお知らせいたします。➡︎ http://tanokyo.com/me-ru

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