〈子ども達の笑顔と元気、賢さと優しさを育てること〉 それが最も大切だといってよいのか?

 3週間前の〈たの研の総会〉で「そろそろ、これこれの活動をしてはどうだろう」という話が出ました、※〈たの研〉の活動は密度が濃いので、総会が三週間前だったと書いて、私自身がビックリしています、もっとずっと前だと思った
 その〈芽出し〉の可能性を探りたくてTさんに連絡をとりました。
 具体的な動きのイメージが不足している時、私がとてもたよりにしている方です。連絡してみると「県内にいますよ、直近だと◯日の午後、時間がつくれます」というので、さっそくお話をしてきました。

 Tさんと話をしていくうちに、頭のギア・歯車がカチリと進むのがわかりました。その時の話の中身というよりサイドストーリー的に語ったことを一つ書かせてください。

 社会の元気は、第一線で活躍する大人たちが支えている様に思えます。
経済などは分かりやすいですね、科学も芸術もスポーツもまさにそうです。

 けれど大人たちは確実に一線から遠ざかっていきます。

 人間の細胞の様に次々新しい循環があり、新しい細胞が生まれていくことで元気が維持されるのが社会です。

 とすると〈社会の元気〉というのは、実は子ども達が支えているといってもよいのではないでしょうか。

 私が幼なかった頃は、たいていみんな貧しかった、映画でいうと『オールウェイズ 三丁目の夕陽』の少し後の頃です。

 総じて貧しかったとはいえ、子どもたちは元気で、叱られても笑顔もいっぱいでした。

 そうやって数十年、今の日本は、あの頃より平均してずっと豊かになりました。

 その豊かになっていく過程で、私たちは、子どもたちの夢や元気、賢さや優しさを大切に育ててあげられていたでしょうか。

 今は経済的に元気がありません。

 手詰まり感のある問題や課題がいくつもあります。

 それはもしかすると、勢いが出てきた頃の日本が、子どもたちに力を注ぎ、その元気と力と夢を育ててあげられていなかったからだとはいえないでしょうか。

 今たとえば経済が勢いがあったとする、それでも続く世代で次第に経済的に行き詰まっていくとしたら悲しいことです、実は「今が、行き詰まっているその状態だ」といえるかもしれません。

 経済が豊かでないとしたら、次の世代が元気にしてくれるか、それともますます低下していくのかが重大時です。

 だとしたら

「子ども達の笑顔や元気、夢や賢さ優しさを育てていくことが最も大切なことだ」

といってよいのではないでしょうか、私はそう思っています。

 こう書くと、たとえば環境保護の方が最も大事だという方もいるでしょう。けれどその環境保護は誰のためか、自分だけのためか、自分たちの後に長く続く世代のためではないか・・・

 たのしい教育研究所はたのしい教育を広げる組織です、その中心には子どもたちがいます。こどもたちの笑顔と元気、夢と賢さ、優しさを育てることに全力を注いでいこうと思います。

 かつて教師仲間で大成功させた『沖縄から宇宙飛行士を プロジエクと』があります。まだ沖縄出身の宇宙飛行士は生まれていないのですけど、NASAに就職した人、JAXAで働いている人、宇宙工学を学んでいる人ほか、沖縄からも宇宙のステージでがんばっている人たちが何人も出てきました。実際に参加した子どもたちが感化されただけでなく、その活動に感化された先生たち保護者の方たちが、子どもたちに宇宙への夢をたくさん伝えてくれました。

 それをステップに、子どもたちの元気・笑顔・賢さ・優しさを育てる直接的な活動ができないか、本気で考えています。

 まだ具体的な内容を紹介できる段階ではありません、とはいえ、みなさんの応援が元気のもとです、想いに賛同してくれる人が増えていくことを期待しています。

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ブラックホールとかダークマターといった紛らわしいネーミング:本質のことを知ろうとするスタイルは騙されない人になる一歩でもある(特殊詐欺)

 科学上の概念、名前には直感的なイメージからかけ離れたものがいくつもあります。

 以前「〈ブラックホール〉は穴ではない」という話を書いて、いろいろな方たちからお便りをいただきました。

たのしい宇宙科学〈ブラック(黒い)ホール(穴)〉は穴ではないという話

 ブラックホールは「穴」ではなく『重力が極めて強い天体』であるということが正確な表現です。

 私は子どもたちに《超高密度天体》と説明しています、地球くらいの天体が2cmくらいのビー玉くらいに押し縮めたくらいの密度です。
 その強烈な重力によって、周囲の物質や〈光さえも〉逃れることができない天体です。
 つまり星の一つ、特殊な星なのです。

 宇宙系には「ダークマター」とか「ダークエネルギー」という様にまだ解明されていない上に〈ダーク:闇⇨邪悪な〉というイメージがのっているネーミングもあります。爆発が起こったわけでもないのに「ビッグバン」と名付けられている現象もあります。

 やはり名前は、人間の思考イメージを形作るものとしてとても重要です。

 先日、知人と語らっている時、何のきっかけだったかブラックホールの話になりました。
 知人も「光さえ呑み込んでしまう〈穴〉」だと思っている一人でした。

 一度広まった名前を変えることは大変でも、これから100年200年と続く世の中で、どんどん誤解をうみ続ける名前を続けるのはおかしい、最近紹介した様に、遺伝学上のとても有名なネーミング「優性形質・劣性形質」が教科書で「顕生形質・潜性形質」に変わったわけですから。

 そこで当面「ブラックホール(超高密度天体)」と並記することを提唱します、これは私たち個人でできることです。

 そのうち◯十年くらいして、その表記が普通になっていったら「超高密度天体」のみにする。

〈ダークマター〉はまだその存在が証明されたわけではなく、間接的にその存在が推測されている物質です。

 これは「ダークマター(不可視物質)」と並記する。

 賛同する方は一緒にやりましょう。

 以前も書いたのですけど、そういった本質を知ろうとするスタイルは、騙されない人間になっていくスタイルでもあります。

 私は文章を書く人間ですから、騙さない様に、誤解を生まない様に努力する。その一つがブラックホールやダークマターの話でもあります。

 地道なことですけど、効果があがるのはこういう地味なことの積み重ねでもあると思います。

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優等・劣等と分けたのはメンデルさんか? たのしい教育メールマガジンから

 メルマガに「言葉のもとの意味を調べる意義」として書いたところ、いろいろな反応がきて喜んでいます。

 私がメルマガに血液型の例を出して「〈優性遺伝〉〈劣性遺伝〉という様に、人間に直接優性・劣性とラベリングするのはなかなかないと思う」と書いたところ
「いっきゅう先生、以前は〈優等生〉〈劣等生〉という言葉がありましたよね」というメールがとどきました。

 たしかに!

 遺伝や進化の研究は〈優等〉〈劣等〉という酷い差別を生み出したともいえます。

 今回のメルマガの発想法の章の最後にこう書きました。

心やさしき研究者メンデル

「おだやかで寛大で心優しい、花を愛した人でした」と評されたメンデルは、植物たちの遺伝の形質に「優れている・劣っている」と表現した人物ではありませんでした。
 ここで私の長年の謎は解け、その肖像をみる時にも、おだやかな気持ちで向き合うことができる様になりました。

 そしてさらに気になっていた「ダーウィンはどうしてメンデルさんの研究に目をつけなかったのか」というテーマにすすんでいます。

 実は、ダーウィンとメンデルの関係と同じくらい

では、誰が遺伝形質を優性・劣性という価値観で分けたのか」「優等な形質をもった人間を残そう、という恐ろしい発想を広めたのは誰なのか?

という強い問題意識があります。

 そういう〈優生学〉はナチス・ドイツはとんでもない蛮行にも繋がっていきました。

 人間を〈優等〉〈劣等〉に分けるのはとんでもないことだということに賛同する人は多いでしょう。

 でも私たちは〈優等劣等〉言葉はつかわなくても、たとえば植物についてはごく普通に〈美味しいもの・美味しくないもの〉〈甘いもの・甘くないもの〉〈大きいもの・小さいもの〉〈花がたくさんつくもの・少ないもの〉〈長く咲き続けるもの・すぐ咲き終わるもの〉という様に優劣をつけてとらえています。

 動物たちについてもそういうところがあります。

 それを私たち人間は解決できるのでしょうか。
 解決する必要はないのでしょうか。

 そういうとても大きな問題とつながります。

 いつか〈たのしい教育メールマガジン〉で私の考えをまとめてみたいとおもっているところです。

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毛虫は毒があるの? オキナワモンシロモドキの幼虫

よく行く海岸でモンパノキをみたら・・・

 「オキナワモンシロモドキ」の幼虫です。

 モンシロチョウみたいだというので名付けられました、前に書いたのですけど、私は「モドキ」という言葉は失礼だと思っています。
 

 ジーっと見ているとクネクネと早く動いていました、一つ一つの毛が長いなぁ。

 
 「先生、毛虫はみんな毒があるの?」という質問を受けたことがあります。

 毛虫を見るだけで痒くなったりする人もいますから、イメージがよくないのでしょう。

 答えをいうと「毛虫の中で毒のあるものは少数派」です、意外だと思う人も多いでしょう。このモンシロモドキも毒があると書かれた説明は見受けられません。

 親が毛虫をみて「キャ~」と騒ぐことで、子どもも〈これは危険な生き物だ〉と学ぶことになりますから、毒のある毛虫を知っておくことも大切です。

 沖縄の〈毒のある毛虫〉で覚えておきたい筆頭は〈タイワンキドクガ〉です、前にも書きましたけど、学校で刺されてかぶれる子たちがいます。

 次回、注意したい毛虫たちの話をしましょう。

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