コタツ記事・パッチワーク記事、詐欺記事に惑わされないために③ 騙されない人になるために・特殊詐欺回避入門

〈特殊詐欺〉についてまとめなくては終われません、〈偽情報〉も〈詐欺〉も〈特殊詐欺〉もここまで書いたことで基本的には騙されずにすむのですけど、その前に、前回の演習がとても受けたようです、さらに重ねてみましょう。読者の方からの質問もあったので、その答えも含んでいます。

 思い出してみましょう、重要ですから何度も確認しておくとよいと思います。

 まず基本がこの2つ。

1.何らかのデータに当たる時にはまず自分の予想を元にして調べていく

2,データに当たる時には「より信頼性の高いソース(データ元)にあたる」

より信頼性の高いソースはこの4つ。

  1. 実験結果のはっきりした科学データ

  2. 大学など研究機関の研究データ、学術ジャーナル、大きな出版社の出した事書など

  3. 主要ニュース機関や専門分野の雑誌、大きな報道機関の情報

  4. 政府機関の発表

  5. 番外:A.I.の情報はどういう位置づけか?
    信頼に足る情報とは言えません。まず大雑把な情報を把握するくらいにとらえておくとよいでしょう

 判断を具体的にどのようにすすめていくか?

①増えているという予想→
②〈文科省のデータを見てもやはりそうだ〉→
③〈大学の論文〉にも裏付けるデータが出ている→
④〈ニュース〉にも出ている➡︎
 予想は正しかった

自分の予想が間違っている時も同じステップです
①Bと予想した→
②〈文科省のデータではAという結果が出ていた〉→
③〈大学の論文〉でもAとある→
④〈ニュース〉にもAとある➡︎
 予想は違っていてAが正しい

では②と③で違う結果が出たらどうしましょう。

 その時にはステップを増やして信頼できるソースをもう一つ加えて判断しましょう。信頼できるソースが3つとも似た論旨なら、それをもとに判断してよいでしょう。

 まずここで提案した4ステップは基本形としてとらえていってください。

 では信頼できるソースで、それに関して議論されていないとしたらどうしましょうか。たとえば〈カッパの骨を保管しています〉という人がいて、それはウソだろうと予想した。でも信頼するソースではどこにも触れられていないとした?

 それは議論するに足るものではないということで、正しいのか正しくないのか判断する以前の問題、つまり時間を使って検討するまでもなく、信じてはいけない情報だということが大きいのだと思います。

「いや、それでもカッパの骨は存在する」とか「たしかに◯◯は正しい」と考えたら、科学の方法〈予想⇨実験・検証〉を重ねていって自分で証明するとよいでしょう。ガリレオは、この地球が太陽を回っているという予想を証明したように。そうやってこの世界に真理が一つ増えたら人類にとってすばらしいことです。

 演習に行く前に、前回の演習について私がたどったソースを紹介しながら4ステップ

演習問題2

自分が病気になった時、友人がホメオパシーで治療できるといいました。
それを信じてよいのでしょうか?
※ホメオパシーは、1796年にドイツの医師サミュエル・ハーネマンによって提唱された代替医療です。この治療法は「同種のものが同種のものを治す」という原理に基づき、症状を引き起こす可能性のある物質を使用して、その症状を治療します。使用される「レメディ」と呼ばれる薬は、様々な物質から作られ、極めて高度に希釈されています。

 

演習問題3

すでに宇宙人が地球上に来ていて、知られないようにたくさん(一人でも)暮らしている

さぁ、たのしみながら〈偽情報に惑わされないための4ステップ〉をすすめていってください。

今回のテーマにはいろいろな人たちから反響が届いています、ここでまとめようと思ったのですけど、まだ続きそうです。

 ここで前回の演習問題について私の4ステップを紹介しましょう。

演習問題
「ネットの占いをやってみたら、あなたは今年〈仕事がうまくいかない時期〉に入ります。丁寧に仕事をすすめていきましょう」と出てました。

「悪い占い結果は信じない」という人もいます。それは「いい占い結果は信じる」ということですから〈占いを信じている〉ということです。〈正しい占いも間違った占いもある〉という人も同じです。

 ではそもそも《占い》という行為自体が信じてよいものかどうか予想を立てて調べてみていってください。

 あなたの予想
 ア 占いは真実を伝えてくれる行為であり信じてよい
 イ 占いは信じられない

 どうしてそう考えましたか?

1.予想 占いは信じるに足りない。もし当たったとしてもそれは偶然

2.ウィキペディアには「これまで占いには、統計学などの科学的要素が入っていると言う説が提示されたことはあるが、科学的な根拠があると認められたことはない」とはっきり書いてあって、それに対してwikipediaのチェック機関から〈その内容に関する信憑性が薄い〉という注意も出ていない https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8D%A0%E3%81%84

3.公益社団法人〈日本心理学会〉のデータを見ても「ランダムな結果と同じ」と出ている https://psych.or.jp/interest/ff-24/
4.〈大学の論文〉にも、占いについての研究の書き始めから「なぜ現代社会にこのような〈迷信〉と呼ばれる類の存在が、根強く生き残っているか」と言いきっている

https://core.ac.uk/download/pdf/236179192.pdf

結論 占いは信じるに足りない迷信である!

 前回もお願いしたのですけど「騙されないための4ステップで、私と異なる結論が出た」という方はぜひ教えてください。

 占い師が言っているとか、信頼するおばさんが言っている、先生が占いしてくれて当たった、私は天才的占い師で、ほぼ当てることができる、などは騙されるステップです、それではありません。

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コタツ記事・パッチワーク記事、詐欺記事に惑わされないために② 騙されない人になるために・特殊詐欺回避入門

 自分で汗を流して検証するのではなくネット上の情報や自分のまわりの噂、不確かな知識をもとにして書いていくのが〈パッチワーク記事〉いわゆる〈コタツ記事〉です。ちなみに〈パッチワーク記事〉というのは私いっきゅうが作った言葉です。すでにコタツ自体がイメージしにくいものになったうえに、全体としてもどういう意味かわかりにくいので〈はり合わせ記事〉という意味でネーミングしました、気に入った方はご利用ください。その際には「いろいろなものをはり合わせただけのパッチワーク記事が中心になっていくと・・・」という様に使っていくとさらにわかり良いと思います。

 ネット上にも雑誌にも書店にならんだ本にもパッチワーク記事がたくさんあります。これはその一冊、加工しておきました。「超アタル」「20のうらない勢ぞろい」という言葉にたくさんの子どもたちが買っているのでしょうか。

 占いが20ものっていて、一つには「今動き始めたらうまくいきます」と出て、もう一つには「時期を待ちましょう」とあったらどっちを信じればよいのか。「そもそも占いは正しくない」ということを証明するような本をだなとおもうのだけどな。

 パッチワーク記事(コタツ記事)で間違ったり、そもそも偽情報に惑わされたりしないためには、どうしたらよいのか。

 このサイトにもいろいろな文章の引用があります、どうしてそれが「間違いです」と指摘されずに、何年間もずっと継続し、一定の人気を高めてきているのか。少しずつ読者を伸ばし続けているのか?

〈間違いではないか〉とまでは言われてないのですけど、「びっくりしました、本当ですか」というような声がいくつか届いて、それに答えるように、同じテーマで記事を重ねていったことくらいです。

「木の高さ」と「根っこの深さ」自由研究・楽しい学力向上(1)

 もちろん自分自身の目で確かめるということは重要です。それでもたとえばネット上で

「火山噴火で軽石が大量に沖縄に押し寄せている」というニュースをみて、見に行ったら着てないじゃないか、これはフェイクニュースだ。

とは簡単に判断できません、一ヵ所だけしかみていないからです。

自力でいけるなら、たくさんの海岸をたずね歩く必要があるでしょう。

パッチワーク記事や捏造記事はなかなか自分の足で確かめることができません。

〈そういう時にどうすから〉がこの記事のテーマです。

このサイトの基本は

1.何らかのデータに当たる時にはまず自分の予想を元にして調べていく

ということです。

「やっぱりそうだっか」とか「そうでもなかったのか」という様に、そのデータ(記事)にあたることは決定的です。

もちろん自分の予想したことが正しいことも間違っていることもあります、当然です。

 それを元に他のデータに当たっていくわけです、自分の予想と同じデータ(記事)だけを集めてはいけません、いくつかの記事に当たってください。

 その時には

2,データに当たる時には「より信頼性の高いソース(データ元)にあたる」

ことです。

 といっても永遠に調べ続けていくわけにもいきませんね、私は4ステップを経てここに書いていて、それで問題は起こっていません。

 信頼性の高いソースにはどういうものがあるか、私が比較的信頼しているものを列記してみましょう。フェイク記事が比較的少ない信頼できる情報源には以下のようなものがあります

  1. 実験結果のはっきりした科学データ

  2. 大学など研究機関の研究データ、学術ジャーナル、大きな出版社の出した事書など

  3. 主要ニュース機関や専門分野の雑誌、大きな報道機関の情報

  4. 政府機関の発表

  5. 番外:A.I.の情報はどういう位置づけか?
    信頼に足る情報とは言えません。まず大雑把な情報を把握するくらいにとらえておくとよいでしょう

 とはいえ、たとえばこの中の〈政府機関の発表〉が全部正しいのかというと、そうではありません。経済データなど、いろいろなフィルターをかけて、「経済は成長している」という政府に有利なグラフを描いてしまうことがありますから注意しなくてはいけません。

〈科学的にはっきりしたデータ〉といっても新しいものはSTAP細胞のような捏造が考えられますから、時間の経過という重要なフィルターを乗り越えてきたものをみていってください。仮説実験授業はそういう科学のデータを元にしていますから、仮説実験授業の中身については信頼して大丈夫でしょう。

〈大きな報道機関の報道〉もスポンサーなどの意図を忖度してしまうことがありますから心配です、権威を盲信しては痛い目にあいます。

 だからこそまず「自らの予想」が大切です。

 たとえば「登校拒否・不登校の子どもたちは増えているか」という時に

①増えているという予想→②〈文科省のデータを見てもやはりそうだ〉→③〈大学の論文〉にも裏付けるデータが出ている→④〈ニュース〉にも出ている➡︎予想は正しかった

という4ステップで判断していくことをおすすめします。
「え、たった4つ?」
と驚く人もいるかもしれません。

 もちろん、もっと大きなテーマだったり、なかなか真偽が判断できない場合には、さらに多くの段階を必要とするものもあるでしょう。とはいえ、このサイトで取り上げているテーマについては、このステップですすめているので、経験上これくらいで大丈夫だと思います。

予想と異なるデータが出てきた時にも心配入りません、予想が違う時には自分がステップアップするチャンスです。それも4段階でみていくとよいでしょう。

演習してみましょう。

演習問題
「ネットの占いをやってみたら、あなたは今年〈仕事がうまくいかない時期〉に入ります。丁寧に仕事をすすめていきましょう」と出てました。

「悪い占い結果は信じない」という人もいます。それは「いい占い結果は信じる」ということですから〈占いを信じている〉ということです。〈正しい占いも間違った占いもある〉という人も同じです。

 ではそもそも《占い》という行為自体が信じてよいものかどうか予想を立てて調べてみていってください。

 あなたの予想
 ア 占いは真実を伝えてくれる行為であり信じてよい
 イ 占いは信じられない

 どうしてそう考えましたか?

では、その予想を元に信頼できるソースを当たっていってください。

「占いは信じるにたるものである」という結果が出た方は、先ほど示した四つのステップごとにソースも加えて送っていただけませんか。私個人としてもとても興味があります。

 そろそろまとめに入っていけるかもしれません。

つづく

 

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② たのしい教育を本格的に学ぶ〈たのしい教育メールマガジン-週刊有料を購読しませんか! たのしい教育の実践方法から発想法、映画の章ほか充実した内容です。講座・教材等の割引もあります(紹介サイトが開きます)

③ 受講費、教材費、スーパーバイズなどの費用は全て、たくさんの方達へのたのしい教育の普及、ひとり親家庭など困窮した方たちへの支援に利用されています

⭐️ 〈SNSや口コミ〉でこのサイトを広げ、たのしい教育活動を応援していただければ幸いです!

④可能な方は気軽におたより、記事内の予想などを⬇︎





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コタツ記事・パッチワーク記事、偽情報に惑わされないために① 騙されない人になるために・特殊詐欺回避入門

〈コタツ記事・こたつ記事・炬燵記事〉という言葉をご存知でしょうか、私は毎日文章を綴っているので、その言葉を知っているのですけど、学校の先生たちやお母さんたちに聞いた限りでは〈未知100%〉でした。

『三省堂国語辞典』編集委員の 飯間 浩明 さんが文芸春秋のサイトにこう書いています。

【こ】「コタツ記事」に協力 これからは控えることに
                    日本語探偵

「コタツ記事」といわれる安直な記事がインターネット上に増えてきました。記者がまるで取材をせず、ネット情報などをつなぎ合わせて作る記事。こたつに入ったまま書けるのでこう呼ばれます。

 この呼称は、2010年代後半から散見されるようになりました。主要全国紙・地方紙で取り上げられるようになったのはざっと20年以降です。23年上半期の芥川賞を受賞した市川沙央さんの「ハンチバック」は、主人公の女性が書いたコタツ記事から始まります。文学でもこの呼称を捕捉しています。

 一部のいい加減なウェブメディアだけの記事かと思っていたら、スポーツ紙や芸能紙のウェブ版でもお目にかかります。「芸能人がSNSでこのような発言をした」「それに対してネット上ではこんな反応があった」などという記事がそれです。ニュース性があるのかどうか不審でしたが、要するにページビューが稼げればいいらしいんですね。

 まともなメディアが書く記事ではない、と冷ややかに見ていました。ところが、なんと私自身がコタツ記事の生産に協力していたことに気づきました。

https://bunshun.jp/bungeishunju/articles/h7208

 

小学館の「デジタル大辞泉」にはこうあります。

こたつ‐きじ【炬燵記事】

読み方:こたつきじ

独自の調査や取材を行わず、テレビ番組やSNS上の情報などのみで構成される記事。

[補説] 主に、閲覧者数を増やす目的で作成されるインターネット上の記事についていう。自宅で、こたつに入ったままでも作成できるということからの名。https://www.weblio.jp/content/%E7%82%AC%E7%87%B5%E8%A8%98%E4%BA%8B?dictCode=SGKDJ

 この〈コタツ記事〉という言葉の〈コタツ・こたつ・炬燵〉自体がすでに過去のものになっていますから、構成する言葉自体が遠いものになっているのでしょう。

こたつの国内生産量はどれくらい減っているの?

こたつの国内生産量が激減しています。

なんと、平成2年代から国内生産量が激減していっているのです。

平成2年には約178万台の国内生産量だったのにたいし、平成9年には
100万台を割りました。

更に平成15年時点では、平成9年の九割に近い約24万台にまで現象したのです。

平成16年に至っては調査の対象外とみなされ現在に至っています。

こたつの国内生産量が激減!日本家庭の風物詩の危機か?

 私は《独自の調査や取材を行わず、テレビ番組やSNS上の情報などのみで構成される記事》を〈パッチワーク記事〉という言葉で表現した方がよいと思っています。

 さて私がここまで書いたうち  から  までは〈パッチワーク記事〉いわゆる〈コタツ記事〉です、ソファーに深く体をしずめて書いています。

 パッチワーク記事は間違いの危険性を高く含んでいます。

 パッチワーク記事のようなものだけでなくネット上にもテレビにも本には科学的にみて間違ったこと、事実と違うことが乱立しています。

 けれどたくさんの人たちが読んでくれているこの〈たの研/たのしい教育研究所〉のサイトはそういう不確か、間違いの危険性がとても少なくなっています。それが信頼を勝ち得ているということもあるでしょう。

 さっきの   で囲われたパッチワーク記事、いわゆるコタツ記事だけでなく、これまでもいろいろなところから引用してきているのに間違いが少ないのはなぜだと思いますか?

 あなたがいろいろなサイトの記事を集めて文章を作成するとき、間違い記事である危険性を少なくするにはどうしたらよいでしょう。

 そのことは自分自身が周りにだまされない、いろいろな詐欺(特殊詐欺)にひっかからないために大切なことですから、まず自分の頭で考えてみていただけますか。

 そうやって予想してみると「テレビで言っていたから正しい」とか「先生(お母さん)が言っていたから正しい」というのは、はなはだ心許ないことだとわかるでしょう。

 以前「納豆を百回以上まぜてネバネバを増やしてから食べるとやせる」という情報を流したテレビ番組があって、結果的にそれが根拠ない捏造であったことがわかって番組自体が消えたことがありました、関西テレビの「発掘あるある大辞典Ⅱ」ですhttps://www.nhk.or.jp/bunken/summary/research/focus/122.html

「1999年に空から恐怖の大王が降ってくる」というノストラダムスの大予言という情報にたくさんの人たちが騙されました。

 教師だって間違った情報に巻き込まれますから、先生がいうことは全部正しいなんてあり得ません。科学作品展で私が審査した中に

担任の◯◯先生の指導で「牛乳に〈ありがとう〉と書いておくとなかなかくさならない。〈ばかやろう〉と書くとすぐにくさる」という自由研究をまとめました

という子どもがいました、そんなインチキ情報を信じ切っているような先生は一人ではなく、別な学校からも出てきたので「科学教育をしっかりしなくては大変だ」と思いました。
 それは〈たの研/たのしい教育研究所〉にも引き継がれています。

 長くなりました、次に分けてかきましょう。

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好きな曲たち-たのしい音楽

 みなさんがとても好きな曲は何でしょう?

 私の場合でいえば〈唄う〉としたらザ・ブルーハーツの「リンダリンダ」、RADWINPSの「正解」などいくつも上がってきます。

「リンダリンダ」の『どぶねずみみたいに美しく生きたい』というフレーズ、
 

「正解」の中の『あー、答えのある問いばかりを教わってきたよ。僕たちが知りたかったのはいつも正解など、まだ銀河にもない・・・』というフレーズは、私の心の奥の方に大切にしているともし火をゆらし、熱唱しながら涙を浮かべてしまいます。

〈聴く〉作品で大好きな曲は〈最も好きな曲〉と〈その次に好きな曲〉が一つずつ決まっています、どちらもクラシックです。といっても私はクラシックに造詣(ぞうけい)が深いわけでは全くありません。

「この宇宙で最も好きな曲はこれです」と近しい人たちには伝えてあって、私がいなくなってひっそり小さな葬儀をする時に、その曲を流してほしいと伝えてあります。焼いた後の灰を海に撒いたり森に撒いたりする時にはこの宇宙で二番目に好きな曲をたのみたいのでイベント企画書みたいなものを書いておかなきゃいけませんね。

 三番目となるといくつか拮抗する作品が出てきます。その一つがバッハさんの〈平均律〉という、面白みのなさそうなタイトルの曲集のはじめ〈平均律クラヴィーア曲集 第1巻 1.プレリュード〉、このはじまりの2~3分、短い曲です。

 みなさんももきっと耳にしたことがあると思います。

 それにしても、バッハが名付けた「平均律」という特徴のないようなネーミングが気になります。「平均」という特徴のないネーミングは、けっこう斬新でした。少し音楽の理論的な話になります、ここはとばしてかまいません。

 〈律〉というのは何か? ギターが弾ける人は〈チューニング〉だとイメージするとよいでしょう。
 ChatGPTに聞いてみましょう。

 音楽における「律」は、特定の音階や調を作るために、音のピッチをどのように調整し、整理するかに関わる概念です。

音楽では、特に西洋音楽の文脈で、様々な音程の配列や調整方法が考案されてきました。これらの方法は「律法」と呼ばれ、音楽の調和、表現力、そして演奏の利便性に大きく影響を与えます。

律法の例としては以下のようなものがあります:

  1. 純正律(Just Intonation): 自然界の倍音列に基づく音程の調整方法。非常に調和の取れた和音を生むが、全ての調に対応することはできない。

  2. 平均律(Equal Temperament): すべての半音間隔を均等に分割することで、どの調でもほぼ同じ品質で演奏できるようにした律法。現代のピアノや他の鍵盤楽器で一般的に使用されている。

  3. 中全音律(Meantone Temperament)ヴェルクマイスター律(Werckmeister Temperament) などの不均等律: 純正律と平均律の中間的な特性を持つ律法。特定の調での演奏に適しているが、全ての調には対応しない。

音楽の歴史を通じて、これらの律法は時代や地域、音楽のスタイルに応じて変化し、音楽の発展に大きな役割を果たしてきました。律法は、音楽の理論的側面だけでなく、楽器の製造や演奏技術にも影響を与えています。

 

この〈不均等律〉だけでもいろいろな種類があります、これもChatGPTから。

不均等律(Unequal Temperaments): これらの律法では、純正律の原則を一部維持しつつ、特定のキーでの演奏を容易にするために、若干の調整が加えられました。これには、中全音律(Meantone Temperament)、ヴェルクマイスター律(Werckmeister Temperament)、キルンベルガー律(Kirnberger Temperament)などがあります。これらの律法では、純正律よりは多くのキーでの演奏が可能になりますが、依然としてすべてのキーで均等に美しい和音が得られるわけではありませんでした。

 では、それらのたくさんの〈律〉の中で《平均律》は何が素晴らしかったのか?

全ての調での演奏が可能: 平均律は、すべての半音を完全に均等に分割することで、どの調でもほぼ同じ音質で音楽を演奏することを可能にしました。これにより、作曲家はすべての調で自由に作曲することができるようになり、音楽の表現の幅が大きく広がりました。ChatGPT

 全ての半音を完全に均等に分割したので、どの調でもほぼ同じように演奏することができるすばらしさが〈平均律〉、バッハのクラヴィーア曲集はその平均律で構成したわけです。

 音楽はどの国々にも在ります、人間はリズムを刻むのが好きなのですね。

 私は締切ものに追われるなかもたのしさを感じることができます。そもそも書くことは苦痛ではなく私にとって快楽ですから、音楽がなくても大丈夫なんだろうけど、大好きな曲を聴きながら、のんびり執筆していくと、やわらかい美しい時間が流れていきます。

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