たのしい国語⇨たのしい理科⇨たのしい国語① 教師・親は全部の質問に答えられなくてよいけれどその質問を無視するのはよくないという話

 嘉門達夫さんの唄を聞くと爆笑していまう上に、この人は言葉のセンスは天才的だと感じてしまいます。

 この間YouTubeで流れていた

悪いことをする時に〈悪い事に手を染める〉というやろ~、けど、その人がもう二度と悪い事をしません、という時に〈足を洗う〉というじゃろ~、手を染めたんなら手を洗え!

というフレーズに大爆笑してしまった。

全く同感!

 ただし〈悪いことに足を突っ込む〉という言葉があるわけだから、足を洗うのはおかしくない。天才嘉門達夫はあえて無視したわけだ。こういう技はA.I.には不可能だろう。

 ということで今回は〈国語〉をテーマに少し書いてみたいと思います。

 授業中、本気で知りたいことを質問した時、ほぼ答えてもらえなかったことをたくさん覚えています。

 小学校の頃は「聞こえてないのかな」と何度か手を挙げて質問するのだけど、中学になって、やさしい理科の先生のちょうど天体の授業中、タイミングをみて

「先生、天体望遠鏡を買ったので、星を拡大して見ていたら、真ん中に黒い物体が見えたんだけど、高倍率の天体望遠鏡なら星の〈核〉まで見えるんですか?」

と質問したことがあります。子どもの頃から天体が好きで、かなり高倍率で口径の大きい反射式の望遠鏡をもっていて、調整するとどの星も真ん中に黒いボヤ~とした部分が見えるのが不思議で、この先生なら答えてくれそうだと思ったのでしょう。

 先生は「え?」といったまま、「じゃあ、みんな~」と別な話をしてしまう。
タイミングをみてもう一度質問すると、目をきょろきょろ動かして、また別な話をしてしまった。

 はじめは何が起こっているのかわからなかったのだけど、先生も知らなくて答えられないので、誤魔化したのだとわかった。

 知らないことは知らないと言っていいのにね。

〈先生は何でもしっかり答えられるようでなくてはいけない〉と考える超優等生の先生だったのでしょう。

 その後、先生に頼らず自力で学んでいったので、それは結果的にマイナスにはなりませんでした。

 今の私なら「いいえ、核まで見ることができる天体望遠鏡はありませんよ。もしも水のような透明の液体でできている星があれば可能性が出てくるけれど、〈核〉があるとするとそこは超高温で高密度だから、周りで液体が存在することは考えられません。つまり今の技術で天体の核を外から観測するのは無理ですね。きっとキミのピントの合わせ方がうまくいってないのだと思う。
 太陽系の惑星ならピントを合わせやすいのだけど、遠くの天体はピントを合わせるが難しいから、今度先生と練習してみよう」

と言ってあげると思います。
こんなに天体に興味をもっている子の好奇心をそのままにしておくのはもったいなさすぎるから。

 ということで前置きが長くなってしまいました。

 私が先生に質問して答えてもらえなかった一つが

「先生、どうして国によって言葉が違うんですか?」

という質問です。

 小学校でも中学校でも似た質問をして、どっちも軽くいなされてしまいました。

 私にとって、とても不思議で知りたいことでした。

 本論はここからです。

 皆さんは、子どもからそう質問されたら何と答えますか?

つづきは数回後に書かせていただきます。

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言葉の力:〈まあ〉という副詞を耳にするたびに感じること/「私たちは 言葉で できている」

「あなたは あなたが使っている言葉で できている」という本があります、私たちは物質なので、言葉としての振動や表記で出来上がっているわけではないのですけど、〈比喩表現〉としてはよく理解できます。その文脈でなら〈人間は言葉でてきている〉とシンプルに言ってもよいと思います。

 私がほんのわずかに見る番組の一つが『ポツンと一軒家』です。その中では、プロデューサーさんが行き先の地図や写真を地元の方に見せて、そこへのアプローチを尋ねるところから始まります。

未見の方へ、お勧めですよ! 朝日テレビ系です。

 すると地元の人がとても丁寧に教えてくれたり、先導してくれたり、「自分はわからないなぁ、向こうの◯◯さんのところに一緒に行ってみましょう」と提案したりします。

 そういう言葉の一つひとつから優しい人柄が伝わってきて、みていていい気持ちになります。

 以前、不案内な場所で開催される会議に参加するために車を走らせている時のこと、ナビが指す駐車場の案内が妙な案内をして役立にたたず、歩いてい方を見つけて車の中から「先の方に駐車場はありますか?」と尋ねたことがありました。
 こちらが急いでいる様子を察したのでしょう『そこ曲がってすぐのところ!』とサッと指差してくれた方がいました。
 一見、怒っているかのような語調だったのですけど、行き先が瞬時にわかってとても助かりました。こちらが迷って一刻も早く着きたいことを察してくれたのだと思います。深々頭をさげつつお礼をいい、遅れることなく参加することができました。

 普段の仕事や生活もきっと、キリリとしている方なのでしょう。

 手相占いや星占い、タロットカード、誕生日占い etc.  最近は〈電話占い〉というのもあるようです。

 たとえば占い師たちは実に怪しい儀式で「あなたは仕事に没頭すると、うっかり約束などを後回しにしてしまうことがありますね」などと誰にでも当てはまる言葉を使って人物判定することがあります。
 私は約束を破る・すっぽかすということがとても嫌いなので、ほとんどそういうことは無いのですけど、それでも「あるかないか」といわれたら「後回しにすることはありません」と言い切ることはできません、誰でも「はい」と答えるでしょう。

 ドーキンス、板倉聖宣などの原子論者(本物の科学者)たちが、そのまやかしをいろいろなところで暴いてくれている上に、私もこのサイトで何度か〈占いの非科学性〉や〈幽霊なんていない〉ことを書いてきました。
 詐欺・特殊詐欺などにあわないように、占いに惑わされないことから始めるのもよいとおもいます。国民生活センターが注意喚起しているものがあるので目を通してみるとよいでしょう⇨ https://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20201126_1.pdf

 占う人もきっとその人との対話から「こういう人物だな」と予想しつつ、例えば〈星座〉などに強引に辻褄を合わせて語っているのでしょうけれど、「どういう人物か」という時に『その人が使う言葉で推測する』ほうが、その占い師の占いより何億倍も確かです。

 最近インタビューを見ていて「まあ」という副詞を挟む人をよく目にします。
たとえば
「どういう方面に力を入れていきたいですか?」
「予算面の調整に まぁ 力を入れていきたいです!」
というような言い方をみなさんも聞いたことがあると思います。

 私が面接などでたくさんの人たちを合格に導いた一つが《弱め言葉》を使わない指導です、「まあ」や「まぁ」も弱め言葉の一つです。

 恋人同士の会話でみるとわかりやすいかもしれません。

女性に「私のこと好きなの?」
と聞かれて、男性が
「好きです!」
と答えた時と
「まぁ、好きです」
と答えた時には大きな違いがあります。

 私の友人がそう言われたとしたら「そんな頼りない人と結婚するのはやめてた方がよいんじゃない?」と伝えます。

「まあ」や「まぁ」は〈はっきりとは言えないけれど、とりあえず〉という言葉です。

 日本語大辞典にこうあります。

[1] 〘副〙
① 他のことも考えられるが、とりあえずそうしようという気持を込めて、ある行為をさし示す語。何はともあれ。まず。また、あきらめたり、なだめたりする気持を込めて、感動詞的に用いる。
ちなみに
「まあまあ」は「まあ」と同類の言葉です。
好きな「新明解国語辞典」から引用してみましょう。
 
 私たちが行政を託している政府要職の中にも、フレーズの中に必ず〈まあ〉を細かく連発する人たちがいます。
「災害に対する取り組みは急務だと思いますが、どのようにお考えですか」
「確かにその面についても まあ がんばっていきたいと考えています」
 きっぱり言い切るのではなく「まぁとりあえずはそう考えていますよ」という意図が伝わってきて、はなはだ心もとなく感じてしまいます。
 大切なことはしっかり考えてハッキリ言い切る、そういう使い方ができる子どもたちを育てていきましょう。

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願いは叶うのか?/たのしい教育の発想法

 除夜の鐘が響いている頃、寒い夜の庭に出て〈たの研/たのしい教育研究所〉に一年間掲げられていた『今年の願い』の大きな紙を燃やすのが毎年の儀式です。〈たの研/たのしい教育研究所〉の願いの紙は成就率80%という驚くべき数値をマークしています。

 こうやって炎が立ち上がり、みんなが言葉を刻んだ紙を構成していた炭素(C)、水素(H)、酸素(O)などが空にのぼっていきます。

 無機物、主に金属類(ミネラル)が灰として残るので、それは土に混ぜて植物たちに還元します。

 たくさんの人たちが願いを刻んだ物質が地球上を巡ります。
 このひと時はいつもたのしくて、大切な儀式です。

 今回は願いのどのくらいが叶ったのだろう、全て叶っていたらよいなと心から思います。

 ちなみに私の願いのカードは〈アウトドアをたのしむ〉でした、一年の願いとしては妙なのだけれど、2023に入った頃はきっと自然から遠ざかっていたのでしょう。

 もちろん120%達成しています。

 そして新しい年に刻む願いはすでに決まっています。

「願いは叶うのか?」

 願いは叶うのではなく〈叶える〉のです。

「ある日たまたま飛び込んできた莫大な遺産で幸せになった」というような偶然性の幸せもあるでしょう。

 けれど、もしそれを願って待っているとしたら、はなはだ心配です。

 自分の可能性を高めて自分の力で叶えるのが願いです。

 そして願いは一気に叶うものではありません、一歩ずつ一つずつ叶えていくものです、一つ叶えたら、また一つ叶える、そうやってさらに可能性が高まっていきます。

 願いは一つひとつ叶えるものだとはいっても、叶える方法は一つではありません、いくらでもあります。

 私が教師の頃、子ども達に伝えていたのが「ほんとうの夢は夢のままでは終わらない」という言葉です。

 まず自分がほんとうに叶えたいものは何か?

 それに気づいたら大きな一歩です。

 たのしい教育研究所は教育に関わることだけでなくカウンセリングもあります。私いっきゅう以外にもカウンセラーがいます。みなさんの願いを叶える手伝いができたら幸いです。

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ミヒャエル・エンデ『モモ』に還って『モモ』を超える/Delightfulな世界-たのしい教育の発想法/今年もお世話になりました

 エンデさんの『モモ』を読んだことがあるでしょうか、サスペンス系のメルヘンで、おすすめです。以前いくつか『モモ』について書いた記憶があります。※このサイトの検索窓(パソコン仕様なら左、スマホ仕様なら最下部の〈サブコンテンツ〉から)に『エンデ』と打つと出てくると思います

『モモ』は時間泥棒たちから、本来の人間らしい時間を取り戻す物語です、はらはらドキドキしながら読み進めるうちに、自分の人生を想う人たちもたくさんいるでしょう。

 仕事仕事で明け暮れる日々、休みの日でさえ〈次の仕事〉のための元気をとりもどすために使う、そういう人たちは多いのではないでしょうか?

『モモ』に出てくる〈灰色の男たち〉は「働け働け、働くほど未来が豊かになるぞ、今は苦しくても働けば楽な日々がやってくるぞ」と語りかけ、人々からゆとりの時間をどんどんうばっていきます。
 灰色の男たちと契約した人々は、友人たちとゆっくりおしゃべりする時間さえ惜しんで仕事に没頭していきます・・・

 今の社会はそうなっていないでしょうか?

 エンデが描いた〈灰色の男たち〉は、現実にこの世界のどこかに住んでいて、人々を仕事漬けにして、それによって自分たちは働かず大きな利益を手にしている誰かたちではないでしょうか。

 エンデは実際、それを意図してこの小説を書いたに違いないでしょう。

岩波書店に感謝して参照

 残念ながら仕事に明け暮れなければ食べていけない、子どもを学校に通わせることができない人たちもいます。
 人間は基本的に〈健康で文化的な生活〉をする権利があります、社会的なシステムとしての支援が必要です。
〈たの研/たのしい教育研究所〉もひとり親世帯など、子どもの教育に力を注ぐゆとりが少ない方たちへ〈楽しさと賢こさで未来を拓く〉という支援をしています、関心のある方はお問い合わせください。

 自分の生活時間の多くを使って働かざるを得ないのではなく、大人たちは子どもたちと語るゆとりや遊びにいく時間をみつけられることが本来の暮らしです。
 そうやって健康的に文化的に生きていくことを奪っているのも、人々に利益を還元しないで私腹を肥やす〈灰色の男たち〉がいるとみることもできるでしょう。

 さてそうやって、まず人々にゆとりが戻ってくればうまくいくか?

 それは一つの過程だというのが、私いっきゅうの考えです、人間はやはり〈やりがい〉のあることをして生きていきたいものです。

 人々がイメージする、いわゆる天国の様な世界、静かで特に何も起こらない、優しい風が吹いて、飢えることもなく、仕事にいくこともない・・・
 そういう世界が続いたらきっと「自分はもっとワクワクハラハラドキドキすることをしたい」とか「この静かな天国をもっとたのしいところにしたい」と考える人たちがでることでしょう。

 健康で文化的な生活が来たら、たのしくワクワクする様な生活をしたい、それが人間だろうと考えています。

 エンデが『モモ』で描いた世界、その次の世界が〈たのしさの世界〉です。

 〈たの研/たのしい教育研究所〉の英語表記は

Research Institute of Delightful Education

です。

Research Institute は研究所を表す言葉で、Educationは 教育 です。

たのしい教育の〈たのしい〉は fun とか enjoyable ではなく Delightful です。
light(ライト)という言葉が入っていますね、〈周りを明るく照らす、新しい世界を開かせるたのしさ〉というイメージの言葉です、語尾の ful(フル)は「~に満ちた」という意味です。
 つまり〈楽しさに満ちた・明るさに満ちた〉世界を切り開く教育をすすめているのが〈たのしい教育研究所〉です。その教育そのものが楽しさと明るさに満ちています。

 『モモ』が灰色の男たちから取り戻そうとした世界のその次は、Delightful な世界でしょう。
 そういう世界がくるためにも教育は必要不可欠なものです。

 2023年も終わりが近づきました。

 今年も本当にお世話になりました。
 来年も日々の〈購読応援〉よろしくお願いいたします。みなさんのおかげで何年来もの夢〈アクセス数1000件突破〉を達成できたのがこの年です、心から感謝しています。

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